藤井棋聖に渡辺明名人が挑戦する棋聖戦五番勝負第3局が3日、沼津御用邸で指され、藤井棋聖が100手で勝利。タイトル初防衛を達成するとともに、史上最年少での九段昇段を果たしました。
記者会見での受け答えがすごかった。
新聞記者(産経新聞の記者だったと思う)が、将棋と全く関係ない熱海市の土石流の被害や豪雨を引き合いに出した質問をしました。
「大変なことが近くで起こっているのに、将棋なんか指したり見たりしていていいのかと考える人にどう答えるんだよ」といった、悪意もうかがえる卑劣な質問とも言え、自分だったらどう答えるだろうかと、即座に内容を決めかねる質問でした。
これに対する藤井棋聖の回答がすごかった。
「本日、大雨で災害があったとのことで、被災された方にお見舞い申し上げます。このような状況で将棋を楽しんでいただくのは難しいところもあるのかなと思うんですが、日常が戻って将棋を楽しんでいただける環境が戻ってくることを願っています」
素晴らしい!!
まず、真っ先にお見舞いを述べる。こういう常識は、30歳にもなるのに小室圭は持ち合わせていない常識ですね(お詫びの一言もなしに、人を非難して自分を正当化する、どこかの国のお家芸といえる、28ページにも及ぶ文書を出して、自分だけ悦に入っている変なやつ)。
次に、新聞記者の悪意をくみ取っての100点満点の回答です。
気の短い私だったら、「自分はプロ棋士だから、どんな状況でも将棋を指すのが使命なんだから、当たり前のことをやっていただけだよ、馬鹿野郎!!」と、言いたいところです。
ここで、知恵の足りない奴は、卑屈な態度で、「すみません」とか言っちゃうわけです。これでは記者の思うつぼです。
そこを藤井棋聖は対局を見る側の立場に言い換えて、うまく対応したといえるのではないでしょうか。
全国でどんな状況が起こっていようと、自由意思で見ている人に災害は関係ないと、突っぱねるのではなく、「将棋を楽しんでいただける環境が戻ってくることを願っています」と、将来を見た表現を使ったところが絶妙ですね。
まあ、新聞記者とは、まったく知性も品性も違う人格者だということが、よくわかった記者会見でした。