今日から7月。武漢肺炎のおかげで、半年間が人生の空白になってしまいました。
中国共産党に謝罪と賠償を要求します!!
まあ、めげずに、頂いた特別定額給付金をさっそく不要不急の物に使いました。
YAMAHA SGV300
前から、目をつけていたのですが、既に販売終了になって久しく、程度の悪い中古品がプレミア価格になっていたので、ちょっと躊躇していました。
武漢肺炎で神様も可哀想に思ったのか、いわゆる NOS(New Old Stock)ものを見つけたので、当時の販売価格を上まわったプレミア価格ではありましたが、不要不急の消費で経済刺激をしようという思想の下、思い切って買ってしまいました。
そういえば、STAY HOME の影響で、ギターの売れ行きが好調だそうです。それに、特別定額給付金が加わったのですから、楽器屋さん失地回復のチャンスですね。
SGV300 は、1966年4月に発売されたヤマハ初のエレクトリックギター SG-3 を源流とするギター。
SG-3(開発名 S302)
リアのダブルシングル・ピックアップやブリッジのローラー(当時は「コロ」といっていた)、ボールベアリングが入ったトレモロユニットなど、YAMAHAの独自性・革新性を追及した設計思想が取り入れられた、Fender や Gibson のコピーものとは一味違った製品になっています。
当時の定価 48,000円。
今となっては、安物ギターの値段ですが、大卒初任給が24,900円の時代ですから、現在の感覚からすれば、449,000円もする高級ギターです。
その後の1966年8月、同時に開発されていた、現在のSVデザインの元となる、SG-7 と 廉価版の SG-5 が発売されます。スケールは628.7mm、販売価格:92,000円。こちらの方が更に高級品ですね。
SG-7
「エレキの若大将」で、寺内タケシとブルージーンズを率いて、加山雄三さんが弾いているのが、SG-7 のプロトタイプの BLUE JEANS CUSTOM。
|
加山さんの弾いている BLUE JEANS CUSTOM は、加瀬邦彦さん用だったのか、加瀬さんは、加山さんのモズライトを弾いているのが面白いですね。
映画「エレキの若大将」予告編(1965年)
引き続き、1967年11月 SG-7の後継機 SG-7A 発売。
ヘッドの角度付けを廃し、テンションバーを設けたもので、これが現在の SGV300ともっとも形状が似ているものとなった感じです。
ただ、ゼロフレット仕様、そして、演奏時のピックの引っ掛かりを防ぐ目的で、ミドルピックアップとリアピックアップを繋ぐカバーに溝が設けられた違いがあります。
このモデルを最後に、SG-7 のシリーズは打ち止めとなります。。
90年代にはブルージーンズカスタム30周年モデル(本数限定・受注生産モデル)が発売されたりしましたが、
TBJ-CST
この独特のフォルムのレギュラーラインナップは、 2000年 発売の 寺内タケシさんとヤマハとが共同制作した BJ-PRO と SGVシリーズの発売までお預けとなっていました。
今回ゲットしたのは、そのSGVシリーズのエントリーモデル。
2007年に生産が完了していますから、現在手に入るものは、どんなに新しいものでも、13年は経過していることになります。
今回のものは、シリアルナンバーからすると、2000年6月製造と推測されますので、きっちり20年経っているかと......。
前のオーナーは2013年4月(このギターは製造されてから13年もどこをほっつき歩いていたのでしょうか)に購入したものの、ほとんど使用していなかったようで、目立ったバックル傷や打痕などなく、ピックガードや裏のパネルに保護用ビニールがそのままになっていました。
フレットの減りや金属のくすみはまったくなく、まさにNOS(New Old Stock)の状態でラッキーな品物でした。
SGV300 は、KAOHSIUNG YAMAHA CO.LTD. in TAIWAN の製造です。
当時、ヤマハは、台湾に2カ所の生産拠点を設けていて、台湾山葉(TAIWAN YAMAHA)(桃園県)がピアノを中心に製造するのに対し、高雄(KAOHSIUNG)山葉がギターに注力する一大製造基地だったそうです(2007年に現地法人解散し生産を終了している。YAMAHA は、現在、中国本土とインドネシアで生産)。
ということは、台湾製のYAMAHAのギターは、もう中古品しかお目に掛かれないということです。
仕様は以下の通り
ボディ:アルダー
ネック:メイプル
指板:ローズウッド 22F、250R/41mm
ペグ:ロートマチック
ブリッジ:オリジナルSGVトレモロユニット
ピックアップ:SG7タイプ×3
ピックガード:白1プライ(SGV700は白3プライ)
コントロール:フロントボリューム、リアボリューム、マスタートーン
スケール:628.6mm/ハードウェア:クローム(SGV700はゴールド)
で、台湾工場のギターは品質として、国内生産の物に引けを取らない品質だったそうで、確かに5万円の廉価版ギターとは思えない高品質です。ネックの面取りや、フレットの仕上げなどは、フェンダージャパンに匹敵する丁寧さです。
チューニングマシン、ピックアップ、トレモロユニット等、上位機種の SGV700(定価65,000円) と同じハードウエアを使用していますので、ネックの角度処理やゴールドパーツ、ピックガードを3から1プライに、木材の品質を落とすこと等で、コストカットをしただけで、音やプレイアビリティは同等ということでしょう。
つまり、現在でいえば8万円クラスのギターと考えると、納得がいきます。
|
|
いままで、目をつけていたのに、長い間購入を躊躇していた原因のひとつに、どうしても Vintage Yellow のボディカラーが欲しかったこともあります。
何といっても、ワイルドワンズの加瀬邦彦さんが弾いていた、黄色い12弦ギターが目に焼き付いていたからです。
「加瀬邦彦オフィシャルブログ」より
このギター、加山雄三さんが「アルプスの若大将」で弾いたオリジナルのモスグリーン色のギターを加瀬邦彦さんがリフィニッシュして使用していたらしい。
加瀬さんのブログによれば、「43年前に想い出の渚のレコーディングに使い、その後WOのステージで使っていた12弦は、ブルージーンズ時代ヤマハで初めて作った12弦ギターです。ヤマハも良いギターを作ろうと、ヤマハのピアノに使う最高の木を使って作ってくれました。想い出の渚のイントロの12弦の響きは、正にその真価を発揮してくれています。その後のワイルドワンズのサウンドの要になってくれています。」と記されています。
いずれにしても、満足なものを手にすることができました。
特別定額給付金!!ありがとう!! あと、5万円残っています。何に使おうか....。