Magic

「古びた　ラジオから　流れるのは　時と香り」
布袋寅泰の「Radio!Radio!Radio!」の歌詞です。

ラジオを聴くのが大好きで、高校時代は宿題や受験勉強をしながらいつも聴いていました。
そんなときに聞き覚えた曲を聴くたび、当時のことを思い出します。考えていたこと、思い描いていた夢、挫折、恋…布袋さんのいうとおり、「時」と「香り」です。

音楽は不思議なものだと思います。私は仕事で介護をしていますが、かなり痴呆の進んだ方でも、子供の頃に覚えた歌は今でもしっかりと歌われます。また、歌うことで覚えた外国語は、頭に定着しやすいということもよく言われています。

最近、70年代後半から90年代初頭にかけて流行した「ちょっと懐かしめ曲」がCMやドラマ主題歌としてよく使われています。これは当時の楽曲レベルが高いということもありますが、これらの音楽を聴いて育った世代が、企画などにおける決定権をもつ年代になったからだと私は思っています。そしてそれを聴いた若い世代が、再び流行を作る…流行が繰り返されるのはこうしたわけがあるのですね。

さて、今日のタイトル「Magic」も、そんな曲のひとつです。
某自動車メーカーのCM曲としてカバーされていますが、もともとは1977年にPilotというバンドが発表したものです。

この曲を聴くと、なぜだか分からないけど涙が出てきます。歌詞が泣かせるわけではないのだけど、初めて聴いた頃の自分を重ね合わせてしまうからかもしれません。ちなみにこの曲を初めて聴いたのは、布袋さんのラジオだったと思います。自分に自信がなくて、やりたいことがあったけど抜け出せなくて、いつも不安で、恋も失敗続きだった自分でしたが、なんかこの「Magic」を聴いてすごく心がぱぁ～っと明るくなったのをよく覚えています。

そっか…まだ、大丈夫だ…

そう思わせる「Magic」が、この曲にはありました。