前案までに「犀角地黄湯」「清心蓮子飲」「理血湯」「小薊飲子」「黄耆建中湯」が出現しました。さて、本案ではどのような方剤が現れるのでしょうか?
では、医案に進みましょう。
患者:陳某、30歳 男性
初診年月日:2006年7月19日
主訴:双下肢皮膚反復紫斑3ヶ月余
病歴:
三ヶ月前双下肢の紫斑、腹痛出現。嘗ては尿色橘紅、尿蛋白3+、潜血2+、現地の病院で紫斑病性腎炎と診断され、ステロイド、中薬治療を受けたが、効果不十分、故に治療を求め氏を受診。
初診時所見:
双下肢皮膚紫斑、腹張不快、尿黄、便干、便通1日一回、舌紅、苔黄膩、脈数有力、尿蛋白3+、潜血2+、RBC20~30個/HP。
中医診断:紫斑(湿熱内?)
西医診断:紫斑病性腎炎
治法:清熱解毒、祛風勝湿
方薬:当帰拈痛湯加減:
当帰20g 羌活15g 防風10g 升麻15g 猪苓15g 澤瀉15g 茵陳蒿15g 黄芩10g 葛根15g 蒼朮15g 苦参15g 甘草15g(ここまでが当帰拈痛湯去る人参 知母です。以下が加味となります。)黄耆(益気)30g 太子参(益気生津)20g 山薬20g 薏苡仁(滲湿利水)30g 紫草(清熱涼血)15g 大青葉(清熱解毒、涼血消斑)20g 板藍根(清熱解毒涼血利咽)20g
14剤、水煎服用、毎日一剤、早晩分服。
二診 2006年8月2日
服薬1週後尿色転清、腹張減軽、鼻干、偶に紫斑が散在、舌紅、苔厚、脈数有力。7月31日の尿検査:蛋白3+、潜血+、WBC1~3個/HP、RBC5~8個/HP。
自創方薬:
茵陳蒿15g 苦参15g金銀花30g 白花蛇舌草30g
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