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慢性腎炎の漢方治療 第94報 慢性腎不全の漢方治療 医案2

2013-04-08 00:15:00 | ブログ

?竹藩氏医案 湿熱内蘊 胃失和降 兼有脾腎両虚案

Ccr19.5ml/min71.1ml/minまで改善させた医案。将来の人工透析を回避

(中華伝世医方より)

患者:丁某、47歳 女性

病歴

197861日、腎移植の施術を準備で北京医科大学第一病院泌尿器科に入院していたが、619日、移植腎が無く、中医科病棟に転科した。

コメント:ドナーが居なかったか、或いは死体腎が出なかったためかは不明で、記載は有りません。

患者は約4年前1974年、泌尿器系感染症を患い、抗生物質治療で好転するも、それ以後は、毎年35回の再発を繰り返し、4ヶ月前、胃脘部の自覚症状が出現、悪心嘔吐が日増しに加重し、体重が著明に減少し、夜間尿が多かった。

転科後の所見

重度の貧血(Hb6.1/dl)、腎機能の高度な低下、BUN37.5mg/dlCcr19.5ml/min

?排泄率phenolsulfonphtalein PSP排泄率)2時間値 0(ゼロ)、代謝性アシドーシスを伴っていた。

腎シンチグラムでは両腎の高度な障害が認められた(いわゆるb段が消失)。

尿検査:蛋白(2+)尿糖(2+)、顕微鏡による沈渣の検査では少量の赤血球、白血球が認められた。

上部消化管造影では異常は無かったが、胃内視鏡検査では、胃前庭部に表在性胃炎があった。

弁証

中医は舌脈症(精神萎縮不振、面色蒼白、舌質暗、舌辺に歯痕有り、苔黄?、脈数)を根拠に、湿熱内蘊、胃失和降、兼脾腎両虚と診断した。

治則:清熱利湿 和胃降逆(の剤を用いる)

方用二陳、二妙加味湯

処方

陳皮10g 半夏10g 鶏内金(鶏の砂嚢あるいはその内膜)10g 竹筎(甘微寒 清化熱痰 除煩止嘔)10g 茯苓10g 黄柏10g 蒼朮12g 生甘草6g 白蔲仁5g 黄連3g 水煎服用 1日1剤

コメント

白蔲仁白豆蔲(びゃくずく)です。化湿行気 温中止 化湿開胃に作用します。

湿邪が上焦にある場合(胸苦しい)に良いとされています。

中国では赤ちゃんの吐乳にミルクに粉末を混ぜて飲ませます。

方剤では三仁湯(杏仁、白蔲仁、薏苡仁)中配合されています。

中国臨床では砂仁とカップルにして使用することが多いようです。本案では記載されていませんが、煎じ薬の場合には、処方箋には/寇仁各6~ 後下(こうしゃ)というように記載されることが多いです。共に芳香化湿薬ですので後から煎じる必要性があります。

二陳湯(太平恵民和剤局方)の二陳とはは半夏 陳皮を指します。

半夏15g橘紅陳皮1g茯苓9g


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