漢方治療は心身両面から不感症を治す
60歳手前の年齢に達している小生には、色恋抜きのおばちゃんの友達が多い。
そのうちの一人のおばちゃんからの相談である。おばちゃんは長年の知り合いの女性から悩みを打ち明けられた。そこで「先生なんとかしてやって頂戴よぉ」となったわけである。おばちゃんに紹介されて受診された女性は40代前半の細身の女性である。おばちゃんの娘と同級で、娘と一緒に育ったと言っていいくらい、隣家で食事も風呂も娘同様に分け隔てない長屋住まいだったと言う。
ちょっと見た目に神経が細かいという印象である。結婚してから20年になるが不眠傾向が直らずにいる。デパスとマイスリーを服用し続けている。ご主人は仕事の関係で帰宅が遅い。睡眠導入剤と睡眠維持剤を飲んでしまうためか、自然と夫婦関係が疎遠になったという。自然分娩で出産した子供さんは一人。結婚以来、夫婦生活で、いわゆる「感じる」ことが皆無であるとのこと。性交痛は無く、行為そのものができないわけではない。
髪質が弱く、夢を多く見て、悪夢が多いという。不思議なことだが夫以外との性交の夢を見ることがあるという。慢性の頭痛があり、ロキソニンが手放せない。動悸を感じることがある。冷えのために下腹部や腰に痛みを覚える場合もある。
慢性甲状腺炎からの甲状腺機能低下症で甲状腺製剤を服用している。甲状腺機能の異常が判明する前は、近医で高コレステロール血症のために高脂血症薬を処方され、数年来服用してきたという。
代謝を上げなければならない
相談人の場合、甲状腺刺激ホルモンTSHは中等度に上昇しており、トリヨードサイロニン、サイロキシンがまだまだ低値であった。最近は医者に行っていないという。甲状腺ホルモンが不足すればコレステロールの代謝も低下し、血中にはコレステロールがたまる。代謝が低下するために、冷えが生じる。他人が暑い暑いというような夏場でも平気でいられる反面、少し寒くなると、猛烈に冷えを感じるようになる。甲状腺剤を倍量与えてホルモンレベルは正常化した。これで、頑固な冷えも幾分解消したようだが、、、
体質的な冷え性は漢方で改善できる
当帰四逆加吴茱萸生姜湯を与えた。この方薬は 当帰四逆湯に吴茱萸と生姜を加えたもので、温里散寒作用に優れ、頭痛にも著効する。しもやけになりやすい人にも効果があり、冷えのために下腹部 腰に痛みを覚える彼女の場合には最適である。
冷え性体質で、神経質であり、不眠傾向が強い場合は桂枝加竜骨牡蠣湯が良い
性的な神経衰弱、脱毛、不眠、性交の夢などがある場合には、古来より桂枝加竜骨牡蠣湯が良いとされている。
女性は肝経の気の流れを良くすることが不感症治療の第一歩
漢方の世界では肝は生理周期をコントロールすると考えられ、肝経は女性器から乳房、甲状腺と連なる。肝経の気の滞りは、生理不順、乳腺の異常、甲状腺疾患を引き起こすと説く。ストレスがたまるタイプの女性の場合は特に肝気の流れをよくする必要がある。古くからは四逆散や柴胡疏肝散が有名であるが、佛手、香附子、緑萼梅=梅蕾などを煎じるか、お茶代わりに服用すればよい。
男性には漢方強精剤を与える
女性の不感症の原因の大半は男性側の努力不足にある。一定の夫婦生活の「型」が出来上がってしまうと「安易に流れる」のが常であり、女性はサプライズも愛も感じない行為を繰り返すことになる。心理療法もあるが、まず大切なことは男性の性能力をアップさせなくてはならない。ほとんどのケースで、それだけで女性の不感症の一部の症例は治ってしまう。紅景天、冬虫夏草、蔵川芎、雪鹿鞭、鹿茸、巴戟天、鹿尾巴、山茱萸、菟絲子、肉従蓉、蛤蚧、補骨脂からなる漢方強精剤を服用させる。ほとんど例外なく、絶大なる自信を男性に与えることになる。
女性の不感症は大半の場合、男性側に問題があることが多いが、中には女性側にどうしても治療が必要な場合がある。そのような場合にこそ、漢方治療が最適だ。
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