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ネフローゼ症候群 清心蓮子飲加減治療 張琪氏漢方治療1(腎病漢方治療239報)

2014-01-18 00:15:00 | ネフローゼ症候群の漢方治療

患者:楊某 9歳 男児

初診年月日19921023

主訴:浮腫反復発作三年間

病歴

ネフローゼ症候群病歴3年、反復発作4回。今回は1ヶ月前、外感後に双下肢と顔面に浮腫が出現、尿少、現地の病院で副腎皮質ステロイド(プレドニゾン)45mg/dを既に4週投与受け、浮腫は消退したが尿蛋白(4+)。

初診時所見

腰痛腰酸、倦怠乏力、手足心熱、口干口渇、尿黄泡沫有り、舌淡尖紅、白苔あり、脈滑数。尿蛋白(3+)、RBC(-)、血清総蛋白4.7/dL、アルブミン2.0/dL、総コレステロール6.5mmol/L251m/dL)、トリグリセリド2.5mmol/L212m/dL)。

中医弁証:気陰両虚、湿熱内蘊

西医診断:ネフローゼ症候群

治法:益気養陰、清利湿熱

方薬清心蓮子飲加減

黄蓍30g 党参20g 生山薬24g 白朮15g 菟絲子20g 麦門冬15g 土茯苓20g 萆薢20g 白花蛇舌草30g 益母草30g 赤芍15g 石蓮子15g 甘草10g

30剤、水煎服用、毎日1剤、2回に分けて服用

二診19921122日。

上方を服薬すること1ヶ月、尿は淡黄になり、泡沫は減少、倦怠乏力は減軽、腰痛腰酸は消失した。患者は今までの反復発作で何度もステロイドを服用し、自分で無効と判断し既に停薬していた。

尿蛋白116日(4+)、1114日(3+)、1122日(2+)、病情は明らかに好転し、前方を継続服用治療とした。

方薬:清心蓮子飲加減:

黄蓍30g 党参20g 生山薬24g 白朮15g 菟絲子20g 麦門冬15g 土茯苓20g 萆薢20g 白花蛇舌草30g 益母草30g 赤芍15g 石蓮子15g 甘草10g

30剤、水煎服用、毎日1剤、2回に分けて服用

三診19921222

尿蛋白±、患者は手足の軽度の熱感を除いては、無症状となった。前方を守り、継続服用とした。

方薬:清心蓮子飲加減:

黄蓍30g 党参20g 生山薬24g 白朮15g 菟絲子20g 麦門冬15g 土茯苓20g 萆薢20g 白花蛇舌草(清熱解毒利湿 免疫調整)30g 益母草(活血利水消腫)30g 赤芍(涼血活血)15g 石蓮子益腎固渋 収斂止血 清心火)15g 甘草10g

30剤、水煎服用、毎日1剤、2回に分けて服用

四診1993122

患者は連続4週間の尿検査で尿蛋白陰性、自覚症状無く、臨床的に緩解した。

1年後に再診 再発は無い。

ドクター康仁の印象

原文では清心蓮子飲と記載されていますが、加減の方が適切でしょう。

上海時代には、参蓍茯車麦冬黄芩地骨石蓮子(さんぎぶくしゃ ばくとうおうごんじこつ せきれんし)と続けて暗記しました。

太平恵民和剤局方の清心蓮子飲の組成は黄芩 麦門冬 地骨皮 車前子 甘草 蓮子 茯苓 黄蓍 人参であり、功能は益気滋陰、清心火、主治は心火上炎、気陰両虚です。

原典では石蓮子が君薬です。参蓍、茯苓車前子で益気健脾、利水、麦門冬 地骨皮で養陰退虚熱、石蓮子で清心火 益腎固渋となります。本案では茯苓、車前子、黄芩を去り益母草(涼血活血利水消腫)、赤芍(涼血活血)、土茯苓 萆薢 白花蛇舌草(清熱解毒泄濁 免疫調整)と健脾白朮が加味されています。

しばらく、清心蓮子飲の加減について連続してご紹介するつもりです。

2014118日(土)


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