1990年代の趙紹琴氏のループス腎炎の医案です。氏の略歴は1918年北京市で誕生2001年逝去。北京中医学院温病教科主任 温病学を基礎にする治療を貫いたと評価されています。
熱鬱営血 気機不暢案
患者:?某 12歳 女児
初診年月日:1990年7月15日
病歴:
1989年11月感冒発熱10余日後に眼瞼浮腫、血尿、尿蛋白(4+)、尿中RBC満視野。地元病院でネフローゼ症候群として入院、ステロイド治療を20余日受けたが無効、転院先の病院の腎内科でLE細胞が確認され狼瘡性腎炎(ループス腎炎)と確定診断された。大量のステロイドとシクロフォスファミド毎日150mgの治療8ヶ月、なおも無効であった。高脂血症、肝腎機能障害を合併し、特別に超氏の治療を求めた。
初診時所見:
全身浮腫、面色皓白、咽頭痛、悪心嘔吐、失眠多夢、血尿止まらず、舌質紅苔白厚膩、脈滑細数。尿蛋白(4+)、尿RBC30~50/毎視野、尿潜血(3+)、総コレステロール26~88mmol/L(1006.2~3405.6mg/dl)、BUN10.7mmol/L(64.2mg/dl)、クレアチニン312μmol/L(3.52mg/dl)、GPT77U/L。超音波エコー検査で肝臓腫大、双腎瀰漫性病変。
弁証と治法:
証は熱鬱営血 気機不暢に属し、清熱涼血、活血通絡を治法とする。
処方:①
荊芥炭10g 防風6g 白芷6g 蘇葉10g 丹参10g 茜草10g 茅芦根(白茅根/芦根)各10g 小薊10g 焦三仙各10g 大黄1.5g。
服薬7剤、
嘔吐は起こらず、浮腫は軽くなり、血尿は止まった。ただし睡眠は不良であった。尿蛋白(2+)、潜血(2+)、さらに前方を加減した。
処方:②
荊芥炭10g 防風6g 白芷6g 蘇葉10g 丹参10g 茜草10g 茅芦根(白茅根/芦根)各10g 小薊10g 焦三仙各10g 大黄1.5g 生地楡10g 炒槐花10g。
上方服薬20剤、
浮腫は消失、尿検査陰転、なおも涼血化瘀法を用いる。
処方:③
荊芥炭10g 防風6g 丹参10g 茜草10g 茅芦根(白茅根/芦根)各10g 小薊10g 焦三仙各10g 大黄1.5g 生地楡10g 炒槐花10g 赤芍10g。
上方服薬30剤、
自覚症状無し、尿検査(-) 丙氨酸氨基?移?GPT32U/L、
BUN 2.36mmol/L(14.16mg/dl)、クレアチニン62μmol/L(0.7mg/dl)、两?
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