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生薬 虎杖根(コジョウコン)の臨床

2008-06-17 11:29:47 | フリーラジカル

抗酸化生薬、抗がん生薬としての虎杖根

活性酸素などのフリーラジカルは体の構成成分を障害します。特に問題となるのは、遺伝子DNAにキズがつくやすくなり、がん細胞が発生しやすくなることです。さらに、免疫細胞や免疫組織自体が障害されて免疫力が低下するとがんに対する抑制監視効果が低下してがん細胞が増殖しやすくなります。また、活性酸素は人体をサビつかせる張本人といわれています。中でも、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪を酸化させ、血管壁にこびりつかせ、「動脈硬化」を促進させます。老化は血管から始まるのですアンチエイジングや癌の予防、抗がんを考えるとき、「抗酸化」は避けて通れない課題です。

今回は虎杖根の興味ある性質をご紹介します。

虎杖(コジョウ 中国語フージャン)は耳慣れない生薬ですが、タデ科のイタドリの根といえば「あああれか」とうなずく方も多いかと思います。中国では虎杖と表し虎杖根と根までは表記しないことが一般的です。常用量は1日10ー20gで、日本では健康保険の適用はありません。

中国の生薬辞典などの清書では「利湿退黄薬」に分類されていることが多いようです。

利湿退黄とは急性肝炎、胆のう炎、胆管炎などの湿熱黄疸の際に黄疸を軽減させるという意味です。活血祛瘀作用があるので妊婦には慎重に投与すべしと付記されています。中国では化痰止咳作用があるので肺熱 咳嗽にも用いられています。また、腎、泌尿器疾患では主に尿路感染症に対する通淋作用の目的で使用されています。虎杖は強い抗菌力を持ちます。

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虎杖根(コジョウコン)

微苦 酸 平 帰経 肝 胆 肺 腎

帰経に関しては清書によって記載が異なります。日本の清書では肝腎と記載されている一方で、中国の清書には肝胆肺あるいは肝胆肺腎と記載されているものもあります。

作用効果

利湿退黄通淋:湿熱黄疸、尿路感染症、帯下に単独あるいは金銭草(キンセンソウ)などと一緒に使用されます。

風湿:風湿症(関節炎)に秦艽(シンキュウ)、防己(ボウイ)、防風(ボウフウ)などと一緒に、あるいは単独で使用されます。

破淤通経:無月経や産後の滞に単独が多い。

解毒消腫:熱症、皮膚化膿症、打撲損傷に服用あるいは油で調製して外用されます。

清熱解毒作用と活血作用の強い破血作用を併せ持つ生薬は少なく、この意味で虎杖根は貴重な存在なのです。

    虎杖に含まれるレスベラトロールの性質

レスベラトロールにはフリーラジカルを消す抗酸化作用があって、DNAの酸化障害を予防しDNA変異を防ぐ、つまり発ガン防止の作用があることが報告されました。さらに数年前には、レスベラトロールには腫瘍血管の新生を阻害する作用があることも報告されました。「腫瘍血管の新生を阻害する作用」は腫瘍組織への栄養が絶たれることを意味し、「間接的な抗がん作用」ともいえるものです。

さらに「直接的な抗がん作用」も報告されています。

虎杖根から抽出したレスベラトロールは、マウスに移植した肺がん細胞の増殖を 2.510 mg/kgの用量で抑制したというものです。この抗腫瘍作用はNK細胞の活性化やキラーT細胞の活性化などの免疫力増加作用ではなく、がん細胞のDNA合成を直接障害する作用であるといわれています。虎杖根は、今後、有効な抗がん生薬のひとつになる可能性が高いのです。

発がん予防とがん細胞を殺す作用を持つ「レスベラトロール」を含む
(注:レスベラトロールはぶどうの皮や赤ワインに含まれており、その抗腫瘍作用や発がん予防効果が話題になっている。生薬の中でこの物質を含むものとして虎杖根がある)

    私どもの康仁堂での使用状況

活血作用と消腫作用に注目し、子宮筋腫の煎じ薬に配合します。

虎杖根の抗腫瘍活性は子宮筋腫にも有効です。

また、抗菌力の強さや利湿退黄の作用に注目し、胆管炎、慢性胆のう炎などに使用しています。

直接的な抗がん作用に注目して、他の抗がん生薬とともに、漢方抗がん療法の「攻」の部分に応用しています。「攻」とは、漢方がん治療を行う時に、補剤、理気薬、活血薬などの「補」「調整」と一緒に行う直接的ながん細胞の殺傷を目的にする「攻撃」の分野を指します。

また、虎杖根の細胞代謝抑制作用は免疫抑制という意味にも捉えることが出来ます。慢性関節リュウマチなどに対して、免疫抑制という観点から使用し、疾病の活動性を低下させることに成功しています。

アンチエイジング、ストレス外来 ガン外来

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漢方専門医院 岡本康仁堂クリニック


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