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卵巣がんの漢方治療 続々編

2006-11-22 22:24:38 | うんちく・小ネタ

卵巣がんに有効な漢方生薬の組み合わせ 天葵子(てんきし)とは?

岡本康仁堂クリニックの卵巣がん方剤(ほうざい)の組成は

白花蛇舌草、半枝蓮、半辺蓮、重楼、拳参、土茯苓、龍葵、天葵子、威霊仙、楼根、野山人参、黄耆、白??、土?虫、川郁金、冬虫夏草、山薬を基本としている。

このうち重楼と拳参については文献的にも紛らわしいので、前回の稿で説明した。

蚤休(そうきゅう)はユリ科の七叶一枝花(しちよういっしか)の根茎であり、拳参(けんじん)はタデ科植物の根茎である。どちらも草河車(そうかしゃ)と呼ばれることがあるので紛らわしい。中国ではあくまで蚤休(そうきゅう)は七叶一枝花(しちよういっしか)の根茎であり、蚤休(そうきゅう)は別称、重楼(じゅうろう)ともいい、草河車(そうかしゃ)は拳参(けんじん)を指す。蚤休(そうきゅう)=重楼(じゅうろう)は抗癌作用とともに、古来より毒蛇咬傷に有効とされている

天葵子(てんきし)とは?

 毛莨科フユアオイの根のことであり、根を薬用とする。江西、浙江、安徽、湖南、湖北、広西、貴州、雲南などが産地である。春に採取し、乾燥させ、そのまま生で薬用とする。新鮮品を使うこともあるが稀である。含まれる薬効物質は数種類のアルカロイド、エステル類、フラボン類などである。クロロホルムアルコール抽出による薄層クロマトグラフィーでは十数種類のバンドが出現するが、まだ全部は同定されていない。

天葵子(てんきし)

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毛莨科フユアオイの根を薬用とする 

食道がん、鼻咽腔がん、肝癌、乳がん、卵巣がん、膀胱がんなどに

抗癌生薬として使用される。

天葵子(てんきし)の抗ガン作用

 アルコールと熱水抽出物には、抗腫瘍作用があり、マウスの

移植S-180肉腫への成長抑制効果が確認されている。炎症を抑える作用、黄色ブドウ球菌の発育を抑制する作用がある。

天葵子(てんきし)の古来よりの評価

 四気五味: 甘、苦、寒、少毒、中国医学では清熱解毒、敗毒抗癌、消腫化結の薬効をもつとされている。平たく言えば、炎症を抑え解熱させ、ガン組織の成長を抑え、しこりをほどいて、腫れを引かせるということになる。帰経(薬剤が作用する中国医学での経絡)は胃、脾、肝、肺、膀胱である。

現代中国でのがん治療における天葵子(てんきし)の使用現状

帰経から、食道がん、鼻咽腔がん、肝癌、乳がん、卵巣がん、膀胱がんなどに使用されている。ほとんどが多数の生薬と一緒にせんじ薬(熱水抽出)で使用されている。地方によっては天葵子の薬用酒もあるという。

興味ある天葵子(てんきし)の中国の「食道がん民間使用」

中国の腫瘤科の友人に聞いた話を紹介する。友人の彼も、彼の老師から聞いたということで、どの地方のいつの時代なのか筆者は知らない。

食道がんで嚥下障害(えんげしょうがい)と痛みが出現した場合の伝承療法である。

天葵子一斤(いっきん)(500g)を糯米(もち米)で作った酒1.5斤(一升弱)に1週間浸し天葵子酒を造る。

砂(のうさ)(天然の塩化アンモニウム)を十銭(30グラム)、湯70ccに混ぜて、すり鉢の中で均等に砕く。それをろ過し、ろ過液に白酢(黒酢ではない)を30cc加え、鍋に移し、化熱し、かき混ぜながら、蒸気を飛ばして乾燥物をつくる。今にも、においが漂ってくるようで、どんな味になるのかも知らないが、ともかく便宜上、粉末加工砂(のうさ)と名づけるとしよう。

天葵子酒一回十銭(30グラム)と粉末加工砂(のうさ)1gを一緒に、一日3回食前に服用する。継続使用すると、嚥下障害は改善し、痛みも消失し、腫瘍は消えてなくなるという夢のような話だった。

砂(のうさ)は古来から、痰を除く痰薬(きょたんやく)、利水薬(利尿薬)として、中国伝統医学の中で認識されてきた天然の塩類(酸とアルカリの反応物)である。一方、天葵子(てんきし)の清熱解毒、敗毒抗癌、消腫化結作用も知られていたものである。

天葵子は毒蛇咬傷の際にも有効であるとされている。 重楼(じゅうろう){別称 蚤休(そうきゅう)}も同じく毒蛇咬傷に有効であるとされる。興味ある一致点である。

               続く,,