永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

ノイズが違う町。

2010-01-12 14:55:27 | 日記・エッセイ・コラム
小倉で用を済ませて時間をとり、京町・小倉駅前・米町を歩いてみた。現在デパートが立っている裏の米町公園がビルの谷間になっていて、なぜかほっとする空間を感じる。公園の周囲は昔ながらの家や店の跡が残り、僅かだが小倉らしい風情を残している。20年前のこのあたりを思いだしてみると、現在立っているデパートは以前大きなお寺であり、しっとりとした町並を見せていた。当時、古い家屋を改造したジャズバーなどがあった。駅近くには老夫婦が経営していた、アルゼンチン・タンゴを聴かせる喫茶店があり、個性的なお店が結構あったものだ。小倉も再開発の名の元にスクラップ・アンド・ビル化してしまって、情緒は一切排除されてしまった。おかげでどの都市にもある風景になってしまい。イキイキした町の表情が無くなってしまった。さらっと無表情で街じたいがスーパーなポストモダンな建物が繋がりチューブ化してしまい。町の本来持っている人の空気感で呼吸できなくなり、町のノイズも変化してまった。町は少しくらいネガティブなところがないとおもしろくない。都市計画がどこかの都市や国で流行っているような模倣な町になってしまった。通り一遍にパスポートで歩くような町は小倉には似合わない。