やむやむやみー

やみーのやむやむな毎日

つながり読書172 「はじめてわかる国語」 清水義範

2020-11-10 14:59:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


前回、名古屋が深く関わる作品で、
名古屋生まれ、名古屋育ち、名古屋弁に関わる著書も多数、
中日文化賞まで受賞という、名古屋とは切れないご縁の作家、
というつながり。
 
先に理科、社会、算数と、科目シリーズが
出ているようだが、読むのはこの「国語」が初めて。
 
文中、納得することしばしば。
 
 
 
☆中学受験において、国語ができるというのは、
 その子がどのくらい大人っぽく成長しているかという、
 おませ度を測っているようなところがある、
 という内容に納得。
 
 小学生のころ、まさしくそういう早熟タイプの友達がいたから。
 
 確かに国語がダントツできて、
 話していると刺激的で、すでに俯瞰的な視点を持ち、
 彼女は私のことを「子供らしい子」と言っていたくらい。
 
 
 
 
☆挿絵担当の西原理恵子について
 「男的知恵誇り文化の中で、私がえらそうにウンチクをたれると、
  わかんねえよシミズ、と
  突っこみをいれてくるのがサイバラ値打ちなのだ。」
 
 彼女の挿絵という名のケッコウな分量の漫画を読むと、
 その関係性を納得できる。
 私の兄夫婦はまさしくこんな感じ。
 紹介されている、斎藤美奈子「文章読本さん江」と同じく、
 「やさしい蹴り」を入れる女性、好きです。

つながり読書171 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

2020-10-19 22:51:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


前回とのつながりは、死にたい若者。
 
「多崎つくるはほとんど死ぬことだけを
 考えて生きていた。」
 
この作品の冒頭の通りだ。
 
 
こんな充実した気持ちが残る読後。
 
最近なかったな、と思う。
 
 
理由はどこにあるんだろう。
 
たぶん今の私の歳、経験、ふだん考えていること、
 
などにマッチした、ということなのではないかと
 
思う。
 
 
 
村上春樹の作品が好きなところは
 
きちんと生活している描写だ。
 
掃除や洗濯、アイロン、食事・・・
 
想像して気持ちがいい。
 
そしてちりばめられた
 
「〜のよう」という表現は
 
私にとって宝石だ。
 
手にとって何度でも眺めて楽しむ。
 
 
 
今回は特に気に入った箇所が多かったように
 
感じたが、その中のNo.1はこれ。
 
つくるがフィンランドで泊まったときの
 
ホテルのボーイさんの描写。
 
「ボーイはにっこりして、賢い猫のようにそっと
 部屋を出て行った。」
 
 

つながり読書170 「冷たい校舎の時は止まる」 辻村深月

2020-10-05 22:29:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


前回の藤野千夜と出身大学(学部も)が同じつながり。
 
ワカモノに人気がある作家、そんなイメージを持っていたので
この作品にのめり込めない、と分かったとき、
真っ先に思い至ったのは「ジェネレーションギャップ」という言葉。
 
まず会話がつらい。
 
こんな高校生いるか?と思う成熟度。
 
夜更けに独身男性教師が教え子に風呂を貸す、不自然さ。
 
こういう気になることを打ち消すほどの
 
何かが見つからないまま読了。

 


つながり読書169 「夏の約束」 藤野千夜

2020-09-22 11:48:18 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


「王妃の離婚」が直木賞を受けた1999年の
芥川賞受賞作品というつながり。
 
ゲイカップルの日常、という感想だけで
特に珍しさを感じないのは、時代のせいかもしれない。
 
女性同士のラブシーン、
男性同士の同棲生活、が小説やドラマの設定に
あっても全然不思議ではない時代になった。
 
「あ、そっちね」と思うだけ。
 
芥川賞受賞作品に対する防御反応がある私には
ある意味、拍子抜けの作品だった。

つながり読書168 王妃の離婚 佐藤賢一

2020-09-15 20:11:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


なぜ?書いたものが消えてしまう。
これで3度目。
 
前回はなんでこの二人結婚した?これからも結婚生活続けるの?
という二人の話だったので、今回は離婚というつながり。
 
ひとことで言えば、弁護士フランソワの活躍。
 
最初に王妃に持ったイメージが途中崩れた。
 
学生フランソワをオーエンの息子と勘違いという点も、
 
「オーエンが息子にフランソワって名付けるか?」
 
と、ツッコミを入れずにはいられず。。。

 


つながり読書167 「終の住処」 磯崎憲一郎

2020-08-25 16:27:58 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 

前回からは、老年期を思わせるタイトルつながり。
 
芥川賞受賞作品、というだけでケーカイする私。
 
情報ないまま読み始め、これは・・・もしかして・・・と
 
イヤな予感がしたまま読了。
 
同じニオイしかしない、書き下ろしの「ペナント」もつらかった。
 
こういうタイプの小説の存在を否定したいわけではないけど
 
仲良くするスキのなさに疲れてしまった。
 

つながり読書166 「おらおらでひとりいぐも」 若竹幸子

2020-08-23 09:57:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!

前回の、生死の境を題材にした作品からの
未亡人の視点へ、というつながり。
 
まず何かの受賞作品に対する私の警戒心は読んですぐに吹っ飛んだ。
 
こういう作品も芥川賞の対象になることを知って安心した。
 
テーマは「老後の孤独」。
 
主人公桃子さんの場合、未亡人であり、二人の子供ともギクシャク、
 
他人と積極的に関われない、体の衰えを感じる・・・
 
そういう環境での孤独。
 
桃子さんがその孤独を克服してしまうような、夢物語ではないところがいい。
 
実際そんな簡単なことじゃないのだろう。
 
ただ「桃子さんの考える桃子さんのしきたりでいい。おらはおらに従う。」
 
そう覚悟を決めたことが「おらおらでひとりいぐも」なのだと思う。
 
老いも死も孤独も、なにもかも知らないことを知るのは楽しいこと。
 
そう思わなくてはやっていけない、そんな老年期がこわい。
 
でも生き物として、私も最後までやってのけたい、という気にさせてくれた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

つながり読書165 「想像ラジオ」 いとうせいこう

2020-08-20 19:40:58 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


前回の燃え殻氏はテレビ業界の方。
で、今回はラジオ、というつながり。
 
みうらじゅん、仏像、たぶんすごく変わった人・・・
イメージのいとうせいこうが書いた小説。
 
そんな私の勝手なイメージを完全に裏返した。
ちょっとびっくり。
 
この世とあの世の間に流れているかもしれない
こんな時間。死はとても個人的なことであるけど
実はお仲間がたくさんいて・・・コミカルである
と同時に、世の中の「循環」を感じさせる。
 
作品終盤で出てきた
 
「山河草木、ふく風たつ浪の音までも、
 念仏ならずといふことなし」
 
(一遍上人)
 
隔たりはない、みんな一緒だよ〜
 
そんな安心感が、この小説にピッタリのセリフに聞こえた。
 
 
 

つながり読書164 「ボクたちはみんな大人になれなかった」 燃え殻

2020-08-16 17:41:42 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!

未練がましい中年男の成就しなかった恋愛の回想、と
まとめたら怒る人がいるかもしれない。
ワタシも怒る。
この作品の共感ポイントは、恋愛の感触を遠く懐かしむ、なのだから。
 
前回とのつながりは、世代というものをちょっとズームアウトして
捉えようという感覚つながり。
 
バブル崩壊前後の青春時代。どんな恋をしていたか?
 
著者が90年代というものを表現したかった、というような
(冗談らしいが)発言が載っていたこともあり、
 
テレビ業界の裏側や、派手なイベントや事件の描写は
当時の騒ぎを上からのぞいているような感覚で読むことができた。
 
 
 
 
 

つながり読書163 「新人類図鑑」 PART1,2 筑紫哲也編

2020-08-14 19:51:04 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


前回、「医龍」で感じた「世代交代」というキーワードつながり。
 
この本の記事が「朝日ジャーナル」に掲載されていた1985年に
 
さまざまな分野で先頭を走っていた人間の活躍を知った。
 
 
印象深く残ったインタビュー
 
☆木佐貫邦子(ダンサー)
 
「あたしは身体を通して自分の時間を見つけたいんですよね。
 中略
 それを簡単な言葉で言えば、丁寧にやらないと確かめられないんですよね。」
 
ゆっくりなダンスの理由についての発言。
とっても分かる気がする。
 
 
☆西和彦(エンジニア)
 
「自分の過去を毎日否定しながら生きるというのかな、
 そういうふうにやらなきゃいけないなという
 感じがする。」
 
「否定」するという表現を言い換えるなら
「進化する」かもしれない。
 
昨日の自分より進化する、
 
それを「毎日」
実行できなくても、
意識する、ことぐらいならできる???