遊戯三昧

いかに人生を楽しんだかという進行形の記録です。

一所懸命

2021年08月03日 | 歴史


中学校の頃、何かの発表で同級生が「一所懸命になって」(イントネーションとしては一所、懸命になってのように聞こえた。)と言う言葉を使用したときに、周囲に「一生懸命と間違えている」と失笑が起こったのを覚えています(ほんとに我ながら些細なことを覚えている。)。その発表内容の感想を書く際に「一所懸命は間違いではない。もともとそちらの方が正しい。」と書きました。
鎌倉時代の武士が先祖代々の土地(すなわち一所)を命をかけて戦い守るという意味を知っていたからです。

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しかし、平安時代後期から末期の院政時代、白河上皇の側近とのやり取りでこの用語が使われているのですね。ある武士とその側近が土地争いをしたときに、白川上皇が自分の見方をしてくれないことに不平を訴えたところ、「おまえは土地をたくさん持っている。彼はそれほど財産がなくその一所に命をかけている。」と諭したそうです。さらに「裁判にでもなって、かれが負けたら道理をわきまえぬ武士は何をするかわからないだろう。」とも語ったようです(古事談)。
これは鎌倉時代の「一所懸命」とはずいぶん違って「そこしかない」「そこにしがみついている」というニュアンスです。
その後武家社会が確立されるにつれて、使い方が変わってきたのだとは思いますが…



日本史の参考書にあたると、まさにそのことが記述されていました。
表紙にもちゃんと書いてあります(写真矢印)。

今日はとても暑く、外にも出ないでいろいろ本を読んでいたのですが、ひょんなことから昔の記憶がよみがえりました。
つまらないことでも何となく覚えていると、正しい知識を確認する機会になりますね。


toko



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