遊戯三昧

いかに人生を楽しんだかという進行形の記録です。

中島敦全集

2022年08月31日 | 文学


あるきっかけで、人に中島敦の名人傳を勧めました。
弓の厳しい修行に励むも、「射の射はまだまだで不射の射には弓も矢もいらぬ」と名人に諭され、それを目の当たりにした男がその人に弟子入りし、真の名人になっていく…というストーリーです。
それ以上はネタバレになるので書きませんが、道を究めるというのはこういうことかなと何となく考えていました(これを読んだのは高校生のころと記憶しています。)。

          *

中島敦はその文体からよく芥川龍之介と比較されます。
芥川はよくプロットを今昔物語から採っていましたが、中島敦は漢文の世界ですね。
西遊記では沙悟浄にスポットを当てた作品を残しています。
これを機に少し読み直すことにしました。

toko
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一日一文

2022年04月04日 | 文学


以前にも報告しましたが、朝トイレの中でその日の文章を読みます。



本日は李賀でした。
「鬼才」と呼ばれた中唐の詩人です。
何気なく読んでいたのですが、「日暮 聊か酒を飲む」というくだりで以下を思い出しました。



これも以前に報告していますが、銀座酒の穴のトイレに掲げられていた文章です。
同じトイレつながりというのも何かの縁でしょうか。
ひょんなことから原典を知りました。

「聊か」は少しという意味よりも、まずは酒でもあおる、という内容になることもわかりました。

toko
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点と線

2022年01月31日 | 文学


松本清張の「点と線」のラストは、「本文中の列車、航空機の時刻は、昭和32年のダイヤによる。」となっていて、現実にアリバイ工作が可能であったことを示しています。
ただ、いわゆる「4分間の仮説」の矛盾については、後に気がつきました(ここではネタバレになるのでこれ以上は触れません。ご一読・ご再読をお願いします。)。

コロナ禍もあって飛行機はおろか新幹線や特急にも長いこと乗っていません。
少し旅気分を味わいたいと、時刻表を購入してみました。
効率的にプロット間を結ぶだけならアプリで検索すればすむのですが、やはり時刻表は想像力をかき立てます。
そういう意味でも「点と線」の中の安田亮子のエッセイは秀逸と思います。

toko
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教科書でおぼえた名詩

2022年01月30日 | 文学


最近は詩に凝っています。
以前に買った文庫本を引っ張り出しました。
単なる詩集ではなく、こういう切り口のものも面白いですね。
和漢洋の有名な詩が載っています。
少し暗記してみようかな。

toko
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中原中也と金子みすゞの詩集

2022年01月22日 | 文学


ということで早速購入してきました。
やはり語呂と語調が良いですね。
中也の「一つのメルヘン」という詩が高校の現代国語教科書に載っていましたが、「それに陽は、さらさらと さらさらと射しているゐるのでありました。」というフレーズがあります。この「さらさら」を別の擬音語に置き換えよというような問題を出されて、さすがにこれしかない表現なのだなと感じたことを覚えています。

toko
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バイロンとヘッセの詩集

2022年01月21日 | 文学


NHKの100分de名著で金子みすゞを取り上げています。
余り詩には興味がない方だったのですが、朗読の調子などがとても良い。
そう言えば…と2冊詩集を引っ張り出しました。
40年以上前に買ったものです。
久しぶりに少し読んでみましたが、どうしても邦訳という限界がありますね。
片山敏彦など、訳者はそうそうたる顔ぶれなのですが。
日本の詩集を買ってみようかな。

toko
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百人一首再挑戦

2021年11月15日 | 文学


今年に入って3回百人一首を復習しましたが、楽しているので完全に暗記するに至っていません。
せめて、例えば「月を扱った和歌」はこれとこれ、というように出てくる程度にはしたいと思っています。
今度は書いて覚えようと考えました。
実はこの本は以前から家にあったのですが、そのままになっていました。
筆ペンで書けば習字にもなりますかね。

toko
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罪と罰

2021年09月21日 | 文学


次の長編古典を何にしようかと考えていました。
フランス(ロマンロラン)、イギリス(サマーセット・モーム)と来たので、ロシア文学を選びました。
トルストイにするかドストエフスキーにするかずいぶん迷ったのですが、結局は「罪と罰」にしました。

          *

私はトルストイよりもドストエフスキーを好みます。
トルストイは全体を光で照らしているような文体、ドストエフスキーは強烈な光を一点に当て、陰影が浮き上がるような文体と感じます。そうは言ってもまだ未読の「戦争と平和」はどこかで挑戦しないといけないとは思っていますが。

          *

「罪と罰」も大学の教養時代に読みました(この頃はたくさんの本を大学生協で購入したので、店員にしっかり覚えられました。)。
最後は徹夜のようにして読了した覚えがあります。
そうやって本を開くと、389ページ目に栞紐がありました。
 

創作ノートをのぞくと全544ページですので、2段組156ページを一気に読んだのでしょうね。

          *

ジャンクリストフ→フィリップ→ラスコーリニコフの順に、しばらくお付き合いいただくことになります。

toko
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人間の絆 読了

2021年09月14日 | 文学


「人間の絆」を読了しました。
2月からなので半年以上かかりました。
全部で122の章になっているのですが、今回はわざと一つずつ読んでいったのがその理由です。
原題は of Human Bondageで「(固い)絆」というより「人間ならではの束縛」といったニュアンスに近い。
これも一度大学の時に読んでいるのですが、そのときの方が感動が大きかった記憶があります。
自分の年齢と近い主人公に感情を移入して読んでいたのでしょうね。
今は知り合いの息子がいろいろ失敗するのを、遠い目で見ているような立ち位置です。
しかし、味わい深く読み進めましたし、違った感慨を持ったのも事実です。

次は何の長編に挑もうかな、と考えています。

toko

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シャーロック・ホームズの冒険

2021年08月31日 | 文学


衛星放送で、ジェレミー・ブレッドのシャーロック・ホームズが再放送されています。
私はこのシリーズが一番好きで、DVD もほとんどそろえているのですが、放送を録画して時間を見つけて観ています。
その後、原著(訳本ですが)に当たっていろいろ確認するようにしています。

写真は「海軍条約事件」の一場面ですが、ここで「シャーロック・ホームズさんは何を疑っているのですか。」という問いに、「私自身をです。余りに早く結論に到達したことをです。」と独白するように述べています。
「白銀号事件」で「あの晩の犬の不思議な行動に注目するべきです。」「犬は何もしなかったのですよ。」「それが不思議な行動だと申すのです。」というくだりとともに、私の大好きなフレーズです。

toko
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やっとできた俳句

2021年08月30日 | 文学
若い頃、1ヶ月ほど東京都墨田区の墨東病院に入院した経験があります。
夏の暑い時期で、7月末に隅田川の花火大会が開催されました。
「昨年は間近で観たな」と、そのときにふっと浮かんだ感情を何とか俳句にして残したいと思っていたのですが、季重なりになったり、「川」が重複したりと、なかなかうまくおさまりませんでした。

今日たまたま「遠花火」という言葉を知りました。
遠くに見る花火のことで、花火が開いたあと、音は遅れて届くほど離れている様子を表しているそうです。
本当は花火は秋の季語のようですが、心情にはぴったりきました(俳句は心情より情景を表現するものだそうですが。)。

「隅田川 病窓からみる 遠花火」

Twitterにも残しておきました。

toko
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今昔物語

2021年08月29日 | 文学


「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも逢坂の関」
百人一首の中の蝉丸の歌です。
今昔物語に蝉丸の逸話が載っているということを知ったのですが、私が持っている今昔物語は全4巻です。
また、索引のようなものはない。
いろいろ当たって、巻24に収載されていることを知りました。
それでも50近い話が収められています。
当たりをつけながらも10くらい読んで、やっと発見しました。

          *

蝉丸は琵琶の達人であり、その演奏を聴きたいと思った、これも管弦の名手である源博雅が逢坂の関に3年通い続け、8月15日の夜にやっと念願がかない秘曲「流泉」「啄木」を伝授されたという内容です。



芥川龍之介が今昔物語をよく種本にしていたということを知り、学生時代に神田の古本祭りで買ったのですが、前述したようにどこに何があるかがわからない。最初から読み下していくパワーもありません。

今回は、探し当てられたことに少し感動しています。

toko
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小倉百人一首

2021年03月07日 | 文学


今年の目標にもなっている百人一首の暗記ですが、一通りは終わりました。
週に6首ずつ覚え、読み物的な文庫本でその作者と成り立ちやエピソードを深める方法を取っていましたが、完全に覚えられたのは6割くらいではないでしょうか。
何回か繰り返して完全を目指したいと思います。
小倉百人一首の「小倉」の由来も再確認できました。

toko
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人間の絆

2021年02月08日 | 文学
今年も古典を読むことを目標にしています。
ロマン・ロランの「魅せられたる魂」に挑戦していたのですが、どうしても「ジャン・クリストフ」のイメージが強すぎて違和感を生じてしまうので、もう少し後に回すことにしました。



代わりにサマーセット・モームの「人間の絆」を読み直そうと購入してきました。
大学1年の時に読んで以来になります。
「月と6ペンス」もこの頃に読んでいます。
大いに感動した記憶がありますが、不思議と今まで読み直すことはなかった。
モームが「要約すると」という著書の中で「私は人間を観察しているだけで満足なのだ」といった趣旨のことを言っています。
私の今の職業はこの言葉に少なからず影響を受けています。

あの頃と感じ方が違うかもしれませんが、それもまた新鮮でしょうね。

toko
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古今和歌集と新古今和歌集

2020年12月23日 | 文学


毎日暗記しているものの一つに百人一首があることは以前報告しました。
そうすると出典も知りたくなりますし、いわゆる本歌取りの元の和歌も見てみたくなります。
新古今和歌集は若い頃神田の古本市で購入して持っていましたが、今回Amazonで同じ小学館の古今和歌集も買い求めました。
すでに持っている万葉集の「ますらおぶり」と古今・新古今の「たおやめぶり」とを比べるのも一興です。
しかし、新がついた和歌集とそうでない和歌集と間には300年ほどの間隔があるのですね(それぞれ鎌倉時代と平安時代)。
改めて隔世の感を新たにしました。

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