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70億人が幸せになる方法[その12]

2015-08-07 06:21:37 | thought
えー、お題の「70億人が幸せになる方法[その12]」です。

初めての友達のけいちゃんは、頭が良くて真面目で、学級委員をやっていたような優等生でした。
そんな子が裏切り事件があったのに、話しかけてくれて、友達にまでなってくれたのにすごく感謝しています。

他のクラスメートは私が何かするたびに、例えば授業で発言したり、笑ったりする度に、
「裏切り者」と陰でこそこそ耳打ちするのです。
私は、本当に針の筵に座らされているようで、自分が撒いた種とは言え、それに耐えるのが精一杯でした。

唯一、けいちゃんだけは、「遊びにこん?」といって、私を自宅に招いてくれました。
けいちゃんの実家は島でも数少ない商店をやっていて、お店の駄菓子なんかをおやつにくれたりしました。

当時、貧乏でお小遣いも貰えなかった私は、初めは駄菓子目当てで毎週のようにけいちゃんの家に遊びに行っていました。
けいちゃんは、自分の集落の色んな所を案内してくれて、そこで色々と遊んだり、喋ったりしていました。
すごく楽しかったのを今でもはっきりと覚えています。

私が小5になった時、もう一人の友達、さとしくんが出来ました。さとしくんは今思うと多分自閉症だったと記憶しています。
その時にさとしくんの集落で秋祭りが開かれるのですが、その山車に乗る太鼓の叩き手になんと私が選ばれました。
さとしくんは太鼓の叩き手の先輩でした。ものすごく太鼓が上手で、それもそのはずで、さとしくんのお父さんが、
代々、子供達に太鼓の叩き方を教えていたのです。

かく言う私も、さとしくんと一緒にさとしくんのお父さんから太鼓の叩き方を教わっていました。
私は初めのうちは目立つ事をする事が嫌で、少し嫌々練習に参加していたのですが、
さとしくんのお兄さんが、面白い人で、太鼓も上手く、自作の漫画を読ませてくれたりしました。
このお兄さんが後々私の今の仕事を始めるきっかけになるのですが、その時は同級生のお兄さんとして、
ちょっと憧れていました。

この集落では祭りに参加するして山車を引っ張ると、なんとお小遣いが貰えるのです。
秋祭りの時、島では「さしましょ」とか「せんだいろく」と呼ばれる山車を小4から中3までの子供たちだけで、
引っ張ったり、山車に乗り込んで太鼓を叩いたりすると、「お花」と呼ばれるお金を子供たちだけで分け合って、
お小遣いにできるのです。

その額は当時の子供たちには、お正月のお年玉以上の金額が臨時に貰えるという、なんとも素晴らしいシステムでした。
「お花」は所謂、神様への奉納金です。それと同時に祭りの運営資金にも充てられていました。
私は現金なもので、お金がもらえると分かった時から、太鼓の練習に励みました。
その甲斐あって、なんと私は、さとしくんと一緒に祭りの山車に乗って太鼓をたたく役目を仰せつかったのです。

私は失敗しないように手にマメを作るまで一生懸命練習しました。
祭りが開かれて祭りは大成功を収めました。練習の成果があったのです。
祭りが終わって子供たちだけでそのお花を分配する時に年齢と役割によって金額の加算が行われました。

なんと私は、当時のお金で5千円も貰うことが出来たのです。さとしくんも5千円です。
私はこの祭りで努力すれば報われることを学びました。

それ以来、さとしくんとは仲良くなっていったのでした。

[その13]へ続きます。

ではでは。