「アルコール依存症の精神病理」斉藤 学(さいとう さとる)著 金剛出版 1985年6月刊
この本はアルコール・薬物依存症治療の最高の古典的良書とされています。
ビッグスター・野球選手の清原和博さんが引退後、覚せい剤に溺れ、何度かマスコミの餌食になりながら逮捕を免れてきたらしいが、とうとう捕まってしまいました。
その後のマスコミ狂騒曲はごらんの有様です。
恥ずかしながら、私も現職の若い頃から弱いくせにお酒が好きというより、酔いに身を任せたい嗜好が強く、酒癖も感心せず、退職する頃は危ない症状でしたが、定年まで何とか勤めあげました。
それから数年、家内が57歳という若さで乳がんで終って逝ってから、茫然自失し、アルコール治療では「底つき体験」といいますが、断酒につながる底つきをしました。
ある夕方、昼から元会社の旧友会の懇親会の後、岐阜市柳ヶ瀬の繁華街へ出て数軒をはしご酒、とうとう歩行者専用の広い通りの道路脇に酔いつぶれているのを、通行人から警察に通報されたようです。
二人の警官が両脇を抱え起こしてパトカーのところまで引きずってくれ、パトの後部座席へ放り込まれたのは覚えています。目を覚まして気がついたら警察署の客だまりロビーの長椅子に寝かされていました。
身を起こした途端ゲロして床を大量に汚しました。若い警官が「やってくれたね」と、モップを持って来て始末してくれました。
書き込むと長いので、止めますがそこで私は自覚し、保健所へ電話で相談し、自助グループ「断酒会」~精神病院通院治療~断酒会活動継続を数年で、幸い軽症だったため断酒生活を継続できるまでに回復しました。
依存症はアルコールも覚せい剤も同じ病気で「心の病」です。意思の強さ、弱さには関係ないと言われます。
清原さんもアルコールよりも厄介な覚せい剤であるため法に触れること、精神病院へ担ぎ込まれても病院から警察へ通知される病です。悪性のケースは懲役10年です。
清原さんは単独使用、初犯のようですが執行猶予が付くかどうか心配です。まだ幼い男の子二人がいたようです。薬やいろいろ問題が多かったのでしょう離婚して独りだったとか。12月には危なっかしいブログを初めておられたようですが、事件後サイトは閉鎖されています。
とにかく、刑に服した後は病院治療(認知行動療法)と、自助グループ「ダルク」につながらなければ、また同じ繰り返しになります。本人も周囲も心得て薬物依存の病魔から抜け出すことを願っています。
当地には「岐阜ダルク」があり、元患者の女性が会長で患者が回復するまで、生活を共にする活動をされています。
ダルクの記念大会でこの会長さんとゲストの夜回り先生・水谷修さんの講演を、一度聞いたことがあります。