ベランダのトマト
リモートワークやSOHOスタイルが定着すると、人々の活動は会社より家とその周辺に重心を移す。
そこで人々はその環境をよりよくする活動を始めるだろう。
その方が心地よいからだ。
今はまだでも、順次そうなる。
先ずは整理整頓でごみを捨てる。
掃除のあとは観葉植物などを置く。
ついでに玄関にも置いておこう。
ベランダでミニトマトやキュウリを作る人が増えたらしい。
こうなるとワーク・ライフバランスは問題にならなくなり、生活と仕事は自然に一種混然と溶け合う。
仕事と暮らしが溶け合う状況は多くの人々にとって「理想状態」かどうかは知らないが、それがなかなかよろしい、という人は多い。
(一部の人にはストレスらしい)
部屋の中、家の玄関、近所、地域と、その応用編は広がって人々は生活に近いものに愛着を抱くはずだ。
朝日の美しさ。
鳥の鳴き声。
季節の緑など。
これこそSOHO CITY みたか構想が22年前に描いた像だが、本当にそうなった。
次はこれを自分にとってもっと良い環境へと変えたり、選び取る行動に出る人々が現れるはずだ。
GDPが減っても、お金をそう使わず(つまり支出を抑えて)心地よい暮らしと環境が手に入るのなら、そちらの方がいいと思う人は確実に増えている。
失われた20年とか、デフレだ金融緩和だとかが関係なくなる。
ちなみにある放送局のアンケートでは、2018年時点の生活に「ほぼ満足している人」は82%。
世の中を行きかう金の総量は減っているのだから、今は不満が爆発してもいいと思うがそうならない。
実は一億総中流社会が今でも保たれているのではないか、と思われる。
(エコノミストはグラフを出してきて「経済的には大変な事態だ」と言うが・・・。)
さてこんなご時世の中、ベランダで栽培したトマトの味が美味しくて作った本人がびっくりした、というのは明日へのヒントになる。
「今度の春にはミニキャロットを植えよう」と意気込んでいるらしい。
チリ産の安ワインを買ってきて、チーズと野菜で一杯やるのが楽しいのだそうだ。
ついこの間まで都心のレストランで高いワインを飲んでいたくせに(笑)!。
コロナ騒ぎは誠に大変な事態だが、一方で「お金離れ」の人々が誕生している。
社会の一部から古い経済常識が反転しつつある。
日本社会が脱皮しはじめたと言ってよいと思うが、なかなか新鮮なハナシである。
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