河瀬ビジネスサロン ライフワークを育てよう!

コーディネイター河瀬謙一@SOHO CITY みたかからの発信。
お金をかけない起業と経営で豊かな人生を!

実行へのヒント-682

2017年12月27日 | Weblog
大切なもの

戦略の考えは次の順番で、と既に述べた。

1.国益
2.政略
3.戦略
4.戦術
5.戦闘
6.装備
7.訓練

この休みは6.と7.の”装備と訓練”に励むことだ。
平時はこれに尽きる。

ではこのとき、1.に掲げるあなたにとっての”国益”とはいったい何だろう。

国益なのだから個人では利益・収入ではないか、という人もおられるだろう。
自分の利益だけではなく、社員や仲間にも利益を、と考える方もある。
既に経済云々は卒業して、社会貢献という方もおられるだろう。
拘らずに素直な気持ちで置いてみたらよい。

私は年末に本から学んだ「命のにぎわい」を、そこに置いてみたい。
そして私の考えはこうだ。

・自分の利益と、社員や仲間の利益、家族の利益、命のにぎわい、は
・共存できるようにならなければおかしい。

理屈ではなく、今の私にとって「命のにぎわい」という言葉はそういう種類の
ものである。

あなたも大切なものをそこにに置いたら、と願う。

さあ、来年も努力し甲斐のある年に。
どうぞ良い年をお迎えください!
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実行へのヒント-681

2017年12月21日 | Weblog
命のにぎわい-2 格闘せよ

鶴見さんと中村さんの対談本を紹介したのは、思考と行動のプロセスが起業や経営と似ているな、と感じたからである。
このブログの読者にも、そういう方が複数人おられるはずだ。

つまり、ブレイクスルーをした。
流行言葉でいえば、イノベーションである。

鶴見和子さんは、プリンストン大学で博士号まで取得して、西洋近代化のピカピカ社会学をもって水俣病に挑んだが、まるで役に立たなかった。
そこで水俣病の患者の皆さんの話を聞くことから再スタートする。
西洋近代化理論の限界を「内発的発展論」~その地域に関わる人が自ら発展する力を発揮する理論~でブレイクスルーさせた。

中村桂子さんは恩師の”生命科学”を自らの言葉で語るため”生命誌”として生まれ変わらせることでブレイクスルーした。

鶴見さんは言う。
「格闘しなくちゃだめよ。若いうちに。私は40過ぎだったけど、戦うことが必要なのよ」

中村さんは鶴見さんの新理論「内発的発展論」にゲノムの思想を入れるともっと強くなると勧める。

DNAは遺伝子。
ゲノムは人なら人の細胞にある”ひとかたまりのDNA”をそう呼ぶ。
像には像の、アリにはアリのゲノムがあるのだ。

「ゲノムによってアリはアリとなり、人は人となる。DNAだけでなくこの概念が生命誌を生むことに役立った。けれど分子生物学を捨てようとは思わない。安易な学際主義もお勧めしない。若い人はスタンダードな学問を身に着けたほうがいい。ディシプリンとして」と発言される。

まあ、むつかしいことはともかく、起業や経営は格闘技だ。
みんな格闘しているので強い、と言われればわかりやすい。

格闘もせずに利益があがる、というのはオカシイという話である。
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実行へのヒント-680

2017年12月17日 | Weblog
命のにぎわい

この季節、我が家の柚子は鈴生りとなる。
小型の柚子が200~300もたわわに生るからだ。

夏、アゲハ蝶は毎日のようにこの木に飛んできては産卵する。
アゲハ蝶はその前足で葉をドラミングし(たたいて)その前足で柑橘類か否かを嗅ぎわけるそうだ。

この事はJT生命誌研究館のwebサイトに詳しい。
http://www.brh.co.jp/research/lab01/

JT生命誌研究館の初代館長は岡田節人先生。
今の館長は中村桂子先生である。

私はひょんなことから、中村さんと社会学者の(故)鶴見和子さんの対談本を手にした。
生物学者と社会学者。
全く異なる分野のお二人だが、共通項がおもしろい。

先ずお二人とも日本人で女性。
このことを「学会で出世する気も必要もない二人」とお互いに言い合っている。

お二人とも海外でバリバリの西洋分子生物学と社会学を学んだのも共通項。
その後悩んだ末に夫々が新しい突破口を見つけて活動されている。

鶴見さんは帰国後水俣病の調査団に入り、そこで自分が学んだことがこれっぽっちも役に立たないことを知って愕然とする。
そしてそこから
「内発的発展論」
を提唱する。

中村さんは分子生物学は人間をも含むべき命の歴史であると解釈し、「生命誌」という新しい分野を切り開いた。
もっともその原型は恩師の江上先生が始められた生命科学をさらに発展させたもの。

人間を対象から離れた観察者として置くのでなく、人間をも含めた地球の生命全体を考えるところが共通している。
江上先生も水俣病の研究に関わっているところが不思議な縁となっている。

地球の生命全体を思考した学者は日本では粘菌の研究で有名な南方熊楠。
お二人の興味も自然と南方に集まるという具合で実に楽しい。

今回の表題「命のにぎわい」は水俣に住む方が語られた話だが、と鶴見さんが中村さんに伝えたもの。
「命のにぎわい」のために生物は40億年も一生懸命に生きてきた、が結論である。
また「生命誌」も「内発的発展論」も未完成である。

日本人で女性の意味は、辺境から新しい物事が起こる、の例え。
同時に「生命誌」と「内発的発展論」は学問的見地からは「鬼子」とも語られる。

生命が地球上に現れて40億年。
進化論では人間が最高の位置に置かれるが「生命誌」では人もサルもバクテリアも、同じポジションに置かれる。
それぞれ各様に40年生きてきたという宇宙観、世界観である。

SOHOに例えてみよう。

会社を辞めて独立した人などは、その当時の社会の「鬼子」であり、変種だと言われても仕方ないところがある。
しかし「変種」が「本流」にならぬ、とは断言できない。
ともかく、一生懸命に生きてきたのだ。

喰えなくては勿論困るが、そろそろ経済第一主義を降りてもよい時代になったし、GDP世界第二位の座は既にかの国に譲った。
第二位から滑り落ちた、という人もいるが、個人的には何か変わったことがあるわけではない。
あなたもおそらく同じだろう。
むしろ経済を追い求めた結果、国土の海や自然を破壊しただけでなく、人の内部の自然を破壊した、という対談での洞察には脱帽する。

私は自然愛護主義者ではないが、32年も趣味の園芸を続けているのでそれを体で理解するのみ。

電車に座ると、向かいの7人のうち6人はスマホをいじっている。
これが文明社会発展の成果というならば、やはりそうなのだろう。
しかし、だ。
「命のにぎわい」とはすなわち都会人が忘れた「根本」と気づいた師走である。
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