狙いはローカル・ニッチ・トップから
充分収入のSOHOは2割であとは段階的にそこそこ、と既に述べた。
それは下請仕事だけを続けているからだが、いつの時代でもそこには留まりたくないSOHOが出てくる。
健全な意欲が頭を持ちげてくる。
「より収入を増やすにはどうすればよいか」、という問い。
もうひとつは「何かを成し遂げたい」という欲求である。
この切実な問いへの答えのひとつが”ローカル・ニッチ・トップ”、という考え方だ。
物販のたとえ話がわかりやすい。
①リアル店舗なら、地域「ナンバーワン」を目指す。
②ネット販売でも、先ず地域「オンリーワン」を目指す。
以上2つのセットで構成される。
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①リアル店舗なら、地域「ナンバーワン」を目指す。
もし仮にあなたが商店の跡継ぎで店舗を持っているとする。
しかしその売り上げは芳しくない。
大手に完全に押されているからだ。
こんなときは、地域「ナンバーワン」を目指して市場を小さい方向に絞るのである。
小さな市場で「ナンバーワン」を目指す。
そのためには、品揃えをがらりと変える必要も出てくる。
あるいは主ではなく、試しに副で売っていた新しいものを主力にしていくなどの工夫改良は必須。
とにかく今までと同じではだめなのである。
目標は小さな市場で「ナンバーワン」を取ること。
大変そうだが、程度はかなり容易だ。
店舗を持っていないなら、BOXショップを借りて始めるのもいい。
②ネット販売でも、先ず地域「オンリーワン」を目指す。
以上のような物販であれば、ネットショップでも売れる。
しかし、ごく簡単に表現すれば”amazon”で売っていないものに限る。
つまり市場が広いから「ナンバーワン」指向は難しく「オンリーワン」指向の商品で戦う。
しかし最初から”日本中に売ろう”、”世界中にも売ろう”と意識すると、無理が出てしまう。
これはSOHOスタイルでの経営上、避けなければない。
経営資源が限られているからだ。
必ず重荷となる。
だからネット販売でも”地域「オンリーワン」”を目指し小さくスタートするのがいい。
小さく初めて、少しづつ広い市場を意識する。
小さい市場のフェーズでは顧客の声を丁寧に聞き、トライアンドエラーで商品も構造もブラッシュ
アップする。
しかしモノによっては、撤退が必要な場合もある。
ネット上の競争は激しい。
失敗したら、ちょっと恥ずかしいが仕方がない。
潔く再チャレンジに賭けよう。
とにかく顧客数が少ないうちに充分にテスト販売を終える。
売るものがモノであるなら、物語を語るのも効果的である。
物語とモノをビジュアルとして販売促進に活用することは容易だ。
こうしてプロトタイプが完成したら、改めて市場をより大きくとらえて売りに出す。
課題がなくなるわけではないが、大きな課題は既に解決されている状態だ。
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さて、あなたならどんなモノを取り扱うだろうか。
サービス業だったらどう設計するだろうか。
これらは応用問題である。
そしてこうした一連のストーリーを描くことこそ重要な社長の仕事だ。
だから社長は毎日いろいろなところに顔を出し、話を聞き、本を読み、ウンウンとうなっている
のである。
ローカル・ニッチ・トップからスタートする、ということがお分かりいただけただろうか。
このときの収入構造は2階建てになっている。
ひとつは堅実だが限りある利益の、地域「ナンバーワン」事業。
もうひとつは、より収入増が見込める、「オンリーワン」の商品・サービス事業である。