Nov. 27 2005 風の科学

2005年11月27日 | 風の旅人日乗
11月27日 日曜日

葉山のK氏艇でセーリング。
朝はひんやりとした気持ちのいい北風が吹いていたが、冷気が緩んでいくにつれ、10時頃には一気に弱くなった。

天気予報は午後から強めの南西風を予想していたが、相模湾もこの時期になると夏場と異なり、気温の上昇によって南風が入ってくる確率は5分と5分だ。つまり予想が難しい。レースの場合では、この時期の「午後から南風」、という予報を鵜呑みにして安易にコースを組み立てると、痛い目に会うことも少なくない。

また、同じ北っ気の風でも、特に微風から中風域の風速の場合、逗子の新宿湾から吹いてくる風の風向は、コンパス方位で30度から60度、鎌倉の鶴岡八幡宮の参道を通って由比ヶ浜あたりから相模湾に吹き込む風は0度から20度であることが多い。

そして、そのさらに西側の、稲村ガ崎の西側から降りてくる風は340~350度で、西の成分も混じっている。これは、陸風が海に出てくるときに、海岸線に直角に近くなるように曲がる、という一般的な陸風の性質によるものと思われる。
この、風のベンドは、例えば葉山から烏帽子岩に行くレースなどの場合は、レースの組み立てに利用する価値が大きいことが多い。

この日は結局、南風が相模湾に入ってくることはなく、気象庁もヤフー天気も、みごとに予想を外された。相模湾は一日中、昼寝に最適、セーリングの練習には物足りない、穏やかな初冬の一日になった。

江ノ島で昼食を食べた後、渋滞の海岸道路を見ながら、セーリング練習をあきらめて、機帆走で葉山に戻る。
艇を片付けた後、葉山鐙摺港のHヨットクラブのS氏と、再来週の沖縄合宿に持っていくウエアについて相談。

沖縄合宿では、乗りこなすのが難しいサバニを伝統の乗り方でセーリングする技術を取得するのが目的。アウトリガーもなく、舵もないサバニを、エーク(櫂)だけで操船しながらセーリングする。伝統の沖縄漁師が、かつて当たり前のようにやっていたやり方で帆走する技術を身につけたいと思っている。

練習中は、かなり頻繁に転覆するものと思われる。いくら温暖でも、強風の冬の沖縄では、濡れた状態はそれなりに寒いだろう。また、風が弱ければ漕ぎも練習する。こうなれば、結構暑いはずだ。

S氏はGW社の重鎮で、これまでも同社のいろいろなウエアを提供して下さっている。同社の新製品をテストする目的で、沖縄合宿の目的にあった、新種の素材を使ったウエアを提供していただくことになった。ありがたい。

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