6月某日 鎌倉

2010年07月01日 | 風の旅人日乗
6月最終週は、月曜からずっと鎌倉行きが続く。


月曜日
鎌倉にある小学校の学校見学。子どもたちを遊ばせまくることで有名な学校。自分に関係する子どもたちが入って欲しいなと思う。
川端康成が編集者や友人と待ち合わせたり食事をするのに贔屓にしてたという蕎麦屋さんでお昼を食べた後、由比ガ浜まで歩いて、午後はそこで仕事の話。

火曜日 
ある小学校が正規の授業として行うセーリングを見がてら、翌日に乗る予定のディンギーをチェックしに、由比ガ浜へ。

浜名湖の事故の後にも関わらず、毅然として授業を続けるこの学校と担任の先生に非常な敬意を覚える。

浜名湖の、あの悲惨な事故は、言わば、海洋教育の素人のような組織が海洋教育施設の指定管理者として認められたということが、全てのことの発端なのではないかと考えているが、こちら鎌倉の授業は、経験豊かなセーラーたちや地元マリン業者と学校側、そして父兄の方々が密接に連絡を取り合いながら企画・運営していて、その授業の進め方の見事さに脱帽した。
小学3年生の児童たちが、伸び伸びと海遊びを楽しんでいた。

水曜日
「曇り時々雨、ほぼ無風。」
という、セーリングに最も向かないような天気予報が見事に外れてくれ、この日は五月晴れ、南からの気持ちの良いシーブリーズに恵まれた。
気象庁を庇うわけではないけど、この時期の天気予報はとても難しいのだ。

小型ヨットの生産では世界的規模になりつつある中国・上海にある会社が新しく発表した1~2人乗りのディンギーでのセーリング。

ヤマハの撤退、由緒あるヨット造船所の倒産、という状況が続く我がニッポンのセーリング界に比べて、中国の台頭は非常に現実味を帯びてきた。

この人生のうちに中国製の小型ヨットに乗ることなどあるまい、などと考えていたが、この日は、その、『上から目線』の自分の認識に大打撃を受けた。

何に大打撃を受けたかと言うと、そのディンギーのコンセプトやデザインの独自性、だ。
所詮あそこは人のもののコピーが上手なだけ、という、ニッポン人としてのワタクシの自信喪失を食い止めるための拠り所が、このディンギーによって見事に粉砕されてしまった。

もちろん欠点はある、改良して欲しい部分もある。しかし、すごいのはそのオリジナリティーである。
人によっては垢抜けないと思うかもしれないデザインだが、それは中国オリジナルのデザインなのだ。
レーザーやナクラのそのまんまコピーを作って売ってきた日本の大企業は、こういう独自性のあるニッポンのヨットを作ったことがあっただろうか。
参りました。
上海のこの会社は、もしかしたら今後世界のセーリング界で、面白いことをやってくれるかもしれない。

上海で造られたヨットに乗って、ニッポン鎌倉の見事な五月晴れの空の下、相模の海と南風を堪能した。

夕方、葉山に戻って、森戸神社で、子供たちと一緒に6月晦日大祓いの茅の輪くぐり。
神主さんから、この行事に参加した人は千年寿命が延びると言われています、という言葉を聞くや、子共たちを押しのけて列の前に出るイジワル爺さん、イジワル婆さんが数人。顔が切羽詰っている。
皆さん御事情があるのだろうけど、次世代を担う子共たちよりもまだ自分かよ、と少し驚く。

形代を海に流した後、そのまま子どもたちと夕食まで磯遊び。

木曜日
本年の後半戦第1日。
鎌倉に拠点を開設することにした海関係アパレルメーカーのショップ・オープンのセレモニー。

いつもはこの手の行事はご遠慮させていただいているのだけれど、個人としてもチームニシムラとしても多大なご協力をいただいている会社からのご招待なので、喜んで参加させて頂く予定。
あのPブランドが本社を置く鎌倉にあえて出店するという、並々ならぬ決意表明に、拍手をおくりたくなっている。

そのあとは、久し振りに豆腐屋さんのYに行って、Bさんの顔でも見てこようかな。

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3 コメント

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Unknown (Windy)
2010-07-04 22:29:56
そんな楽しい学校があるのですね、良いですね!近くに住んでいても全く知りませんでした。(同居猫ズだけで子供もいないので学校関係は特に無知)
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Unknown (kazu)
2010-07-05 09:40:20
windyさま、

子どもが伸び伸びと育つと評判の学校です。
最終合否は、試験ではなく子ども自身に引かせる抽選で決定、というのも、なんとなくいい感じだと思いませんか?
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Unknown (Windy)
2010-07-07 08:52:46
抽選で!なんてユニークな方法でしょう!
何か夢があるって言うか・・おおらかって言うか、やっぱり楽しそうな学校ですね。
もう一度子供に戻れたら行ってみたいですね!
つい朝からコメントシテシマイマシタ・・・。
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