先日、週1回デイケアに行く親しくしている先輩から伺った話ですが、その施設では担当者が男女混合の小集団をつくり、企画したプログラムに沿って楽しくすごせるように進められるそうですが、そのプログラムへの参加度に男女の差があるという話です。女性は表情も豊かに楽しく過ごしていますが、男性は無表情でただ言われることをしているだけといった無味乾燥な態度だそうです。
休憩時間でも話しかけても応答してくれないのは男性ばかり、と驚きと嘆きの話でした。だいたい老いを重ねていくうちに言葉数が少なくなっていくのは男性。時には寡黙にさえなっていきます。すべてがそうとはいえませんが、生来明るくておしゃべりなタイプの人は、何かショッキングなことがない限り、その陽気さは比較的保ちやすそうです。しかし重責を担った人が退職し、周囲から受けてきたお世話係がいなくなると、自分で何も出来ないことに気づきます。自立心のある方は切り替えも早いのですが、そうでない方は進んで他者に声をかけて"にっこり"などという態度をとりづらいでしょう。心にもないことをいうといった芸当は出来ないからです。
多分、内面は自分の現実を受け入れていないか、全体を俯瞰的に見つめる習性が抜けていないか、異質な環境に積極的に享受する姿勢を持っていないかでしょう。またいちいち対応するのに面倒だし、億劫だと思っていて”ほっといてくれ”というのが本音かもしれませんね。パートナーから「あなたデイケアセンターにでも行ったら。家にじっといるばかりでは面白くないでしょ」とせっつかれていく人も居るようですから。どこにいても孤独感が抜けないのでしょうね。そのほうがよほど気が楽なのかもしれませんね。
やさしいタイガー