ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

男の反応、女の反応

2009-03-24 09:23:07 | 日記・エッセイ・コラム

 先日、週1回デイケアに行く親しくしている先輩から伺った話ですが、その施設では担当者が男女混合の小集団をつくり、企画したプログラムに沿って楽しくすごせるように進められるそうですが、そのプログラムへの参加度に男女の差があるという話です。女性は表情も豊かに楽しく過ごしていますが、男性は無表情でただ言われることをしているだけといった無味乾燥な態度だそうです。

 休憩時間でも話しかけても応答してくれないのは男性ばかり、と驚きと嘆きの話でした。だいたい老いを重ねていくうちに言葉数が少なくなっていくのは男性。時には寡黙にさえなっていきます。すべてがそうとはいえませんが、生来明るくておしゃべりなタイプの人は、何かショッキングなことがない限り、その陽気さは比較的保ちやすそうです。しかし重責を担った人が退職し、周囲から受けてきたお世話係がいなくなると、自分で何も出来ないことに気づきます。自立心のある方は切り替えも早いのですが、そうでない方は進んで他者に声をかけて"にっこり"などという態度をとりづらいでしょう。心にもないことをいうといった芸当は出来ないからです。

 多分、内面は自分の現実を受け入れていないか、全体を俯瞰的に見つめる習性が抜けていないか、異質な環境に積極的に享受する姿勢を持っていないかでしょう。またいちいち対応するのに面倒だし、億劫だと思っていて”ほっといてくれ”というのが本音かもしれませんね。パートナーから「あなたデイケアセンターにでも行ったら。家にじっといるばかりでは面白くないでしょ」とせっつかれていく人も居るようですから。どこにいても孤独感が抜けないのでしょうね。そのほうがよほど気が楽なのかもしれませんね。

やさしいタイガー


リスナーからの便りを読んで

2009-03-23 19:56:23 | 日記・エッセイ・コラム

 先週の放送で「ブルートレイン さようなら」を予告し、お便りを募集したところ、3名の方からいただきました。そして1週間たった今日(3月23日)それぞれご紹介しました。お一人はご自分がかつて就職のために東京に向ったときにおかあさまがこっそりと服の裏にポケットを縫いつけ1万円を包んでくれた愛に溢れた思い出の話。お二人目は東京に向う旅行のときお子様が発熱され、車掌さんの大変親切な扱いを受けたことが忘れられない、という思い出。そしてお三人目の方はご自分の修学旅行の思い出でした。行きは夜行寝台、帰りはなんと飛行機という話。時代が変わると贅沢になったものだとかつての僕のブルートレインの思い出を話しました。

 1時間という持ち時間はあっという間に終わりましたが、予定通りプレゼントを差し上げることにしました。こうして毎回の放送はどなたかが聴いていてくださって、たまに見知らぬ方から「聴いていますよ」といわれ、少々照れてしまいます。ブルートレインの想い出は尽きないようですが、最近では列車を無意識にみる人よりもカメラ愛好者が様々な角度でシャッターをきるカメラマンのほうが多いかもしれませんね。だから最後の列車の姿を撮るというのは、歴史記録であり、また心にいつまでも生々しく残っていく記憶になるのでしょう。

 いつも、放送を続けながら一度は公開生放送をしてリスナーと向き合ってやってみたいなあとだんだん欲望が出てきます。これからもお聴きくださいね。81.3mhzFMさっぽろ村ラジオ」です。

やさしいタイガー


おめでとう!?

2009-03-22 19:54:03 | 日記・エッセイ・コラム

 親しくしている友人Gさんから久しぶりに電話をくれました。「おめでとうございます」。「エッ何が?」とよくわけがわからない応答するありさま。「よくみているホームページのエッセイ10,000件になりますね」。そうだった。思い出しました。ぼくが見たときは99,975件でしたから、それからご覧いただいた方が増えたんですね。どなたが1万名の方かは残念ながら分かりませんが、嬉しいことです。

 こうして書いているうちにも1万件になったようです。ありがとうございます。それでも3年くらいはかかっているようです。よく誤字やおかしな表現があると指摘をいただいたり、そのたびに心しながら慎重に書いているのですが、それでも辞書で確認を怠ったりしていると、てきめんにミスを犯しているようです。

 文章も何を書こうかと考えていると、指は動きません。気楽に思いつくままといったリラックスした精神で向いますと以外や以外、すらすらと出てくるものですね。もっともエッセイや文章を書きなれている方から見ると、内容はまだまだだね、と思われているでしょう。でもぼくはこうして書いていくうちに、単純に書くという動作ではなく、自分に内在する力をどこまでも引き出せるのか、自分に挑戦しているようなものです。これからも懲りずにご覧下さると嬉しいですね。

やさしいタイガー


スタンド・バイ・ミーを観て

2009-03-22 19:27:41 | 日記・エッセイ・コラム

 日曜日、風が強く肌寒い日がいつまでも続いていますね。かつて「FMさっぽろ村ラジオ」で僕の番組を担当してくれていたI さんがお芝居をしたいということで局を辞めていきました。そのI さんからいよいよお芝居の公演をするという連絡をもらい、今日は楽日。行ってきました。

 「スタンド・バイ・ミー」というタイトルで、子どもを含めて20名くらいの若いキャストが熱演を見せてくれました。劇場は子ども用の舞台ですが、出演する人たちがそれぞれの事情を抱えながら、一人の漫画家に連載漫画を完成させていくために互いに知恵を出し、見事な作品を作るというストーリーでした。I さんは漫画を書かせる怖い出版者の編集者の役。なかなか華がある存在でした。

 満席の観客の多くは親子。微笑ましい風景です。多くの人に見てもらいながら芝居を演ずるというのは、経験したことのない人にはわからない醍醐味があるのでしょうか。終演したあとロビーにずらりと並んだ出演者が一人ひとりに感謝を述べていました。こんな市民劇場として育っていくことはいいことですね。たまにはこんな芝居を観て心を洗ってもらうのもいいものですね。

やさしいタイガー


美術解説と出会い

2009-03-19 18:51:20 | 日記・エッセイ・コラム

 美術館で美術解説をしていることは時々書かせていただいていますが、今日は僕にとって今期の作品展最後の担当日でした。午後1時過ぎ僕より少しお若い上品な男性のリクエストが入りましたので、早速解説を始めました。何気ない質問、「初めてのご来館ですか。」「いえ、3,4回は来ているでしょうか。」「札幌の方ですか。」「登別からなんですよ。ここの美術館での解説で鑑賞するのは初めてなので楽しみにしています。」といわれ、やや緊張のぼく。

 美術館のある知事公館一帯はまだ雪深く春の遠いことを感じさせます。それだけに三岸好太郎美術館は静かで落着いた環境の中にあり、ゆっくり作品を鑑賞するのに適した美術館です。リピーターも多いようです。ついこの前は沖縄から、以前には大阪から来たとおっしゃるご夫人は「私この作品を見るために来たの」と引っかき技法で描かれた「オーケストラ」という作品の前でしばし動かれませんでした。人気ナンバーワンの作品です。

 わずか31歳で夭折した好太郎の人生を心で描きながら、ゆっくりと作品を初期から年代を追って鑑賞しながら解説をしていきました。「なるほど、こうして解説を伺っていくと一層作品を深く理解することができますね」といっていただき、ちょっと恐縮しました。その方は鑑賞を終えた後、館内のティーコーナーでコーヒーを召し上がっていましたが、突然僕の分もと注文してくださいました。あわてて席に行ったときにはもうお帰りになる寸前でした。ご一緒にいただくことが出来ず、お帰りになる出口でお礼を述べ、一人でゆっくりと飲みながらしばし解説を反省しておりました。

 解説をしてコーヒーのご馳走になるなんて初めてのこと。うぬぼれてはいけません。でもプレゼントのように思え、素直にいただきました。とりわけ僕にとっては今日が今期の作品展の最後の解説でしたから、なんだかとても爽やかに終えることが出来たように思いました。今日もひとつ嬉しいことがあったというわけです。

やさしいタイガー