ブログ人 話の広場

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リラの花咲く札幌

2008-05-13 08:40:12 | 日記・エッセイ・コラム

 札幌の中心に東西に大きな大通公園があります。幅凡そ100m、明治の初め防火線として作られたのですが、まるで牛や馬などの放牧場や乗馬の練習場のようになって、砂塵や糞を撒き散らし、とても周辺に人が住めるような環境ではなかったそうです。それを明治の終わりから大正にかけて、花卉園を営む民間の篤志家が花壇を3年ほどかけて完成させたという歴史があります。それを作った一人にぼくの友人の父上だということがわかりました。いまではとても美しい季節の花が多くの人々の心を和ませています。

 札幌の季節はこれからが一番素敵で快適な時期です。緑の木々は滴るようなみずみずしさです。その中にリラの花が丁度薄紫の色と香りで咲き始めるところです。ライラックといっていますが、これは宣教師の外国人が持ち込んで植えたのが最初といわれています。いまでは札幌の名物のひとつです。吉井 勇は「家ごとに リラの花咲き札幌の 人は楽しく生きてあるらし」という句をこの公園の一角に残しています。

 リラの花咲くころは急に冷え込んできます。これを「リラ冷え」というそうですが、たしかにこの数日寒い日が続いています。短い夏を楽しめるのはこれからです。人々は季節のはっきりした雄大な自然の景観の移ろいに楽しくしなったり、寂しくしなったりしています。

やさしいタイガー