ブログ人 話の広場

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103歳のエネルギー

2008-05-18 09:12:28 | 日記・エッセイ・コラム

 今年の1月103歳の天寿を全うした日本画家片岡球子を偲んで近代美術館では「追想 片岡球子の世界」と題して展覧会が開かれています。最後まで絵にかけるエネルギーは失われることはなかったといわれています。「めでたき富士」という版画の作品は、まさにご自分の人生を重ねるように真っ赤な富士、輝く太陽、そして裾野に松竹梅をあしらった作品です。

 ぼくたちの頭で描いていいる日本画はどこか清楚で静を思わせるようなおだやか作品を想像しがちですが、球子の作品は豪快で色彩も燃えるような原色を効果的に用い、構想もときには奇想天外とさえ思わせるようなものが多く、鑑賞者にこれも日本画なの、と驚きを感じさせます。ゲテモノと揶揄され、なかなか画家仲間と同列に見てもらえない不遇な時代もありましたが、ゲテモノと本物は紙一重だと師から励まされて勇気付けられてきました。

 球子の人生は波乱に飛んでいたかもしれませんが、解説をしながら作品から伝わってくる球子の息づかいは見る人の脳裏に張り付いて忘れることの出来ない強烈な印象を与えるに違いないでしょう。一度ご覧ください。今展示中です。

やさしいタイガー