この数日前からたった一行のメールが来て、いったいどなただろうと考え、アドレス帳を探したらやっと分かりました。今年の3月卒業した学生でした。ショートテストをしても2~3行しか書かない学生でしたが、いつも笑顔を絶やさず、ニコニコして話しかけてきて、ぼくの授業をずっと受けていた学生でした。
今はバイトで生活しているようですが、遠い郡部に自宅があるために、仕事の関係で札幌に住んでいるのです。久しぶりの再会にきちんと背広ネクタイという姿で現れた彼は、1年もたつとすっかり垢抜けして佳き青年という印象です。つい昨日のように思い出す教室の場面でいつもぼくから「これでは卒業も難しいよ」と話したこともありましたが、それからうんと反省したのか、4年になるころにはほとんど単位をとってしまっていたと話してくれました。一生懸命努力したのだなあと感慨深く思いました。
彼はとても僕の事を好感をもって接しているらしいのです。卒業できたのも先生の興味ある授業を受けたおかげです、と話していました。ぼくのようなこんな爺さんと会いたいとよく思ったものだね、と話すととんでもない、といって手を横に振りながら、先生から多くのことを学びました、と大賛辞の言葉をくれました。仮にその話が半分以下でも嬉しいものです。
先日情報機器の会社のトップの方と話していて情報社会にあって若者のモラルの低下が気になりませんか、と水を向けると、それは失礼だが、教育者の問題ではないか、とジャブを打たれました。端くれにいるぼくはいささか恥ずかしくなりました。そうだ。本当に若者をうまく導く力が弱いのだなあと痛感したのです。この青年いっぱいのコーヒーで2時間も楽しそうに話し、再会を約束してわかれました。若いって素晴らしい可能性を持っていることを今日も教えら、感謝のひと時を過ごしました。
やさしいタイガー
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