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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

「つきひ」

2017-01-16 15:04:16 | 
昨日は終日冷たい風が吹いていた。
出掛けたくはなかったが、夜、地域の新年互例会があって出席。
国会議員や副市長など200人ばかりが出席。
因みに、今のimamura市長は、こんな会に出るのは時間の無駄だからと出席しないことにしておられる。
それはそれとして、今朝の神戸新聞、読者文芸詩の欄だが、
心を動かされたのはこの詩。←クリック
藤原寿美さんの「想い」。いわゆる生活詩である。
ほかに特選の詩など優れた作品はあったが、しかしわたしはこの詩に動かされた。
詩の技術の巧拙は別として…。
生活詩は一段低く評価されることが多いし、その理由も解る。
だが、心動かされる詩は生活詩に多いのも事実。
この詩にわたしは大いに共感させられた。
というのも、わたしもこの藤原さんと同じことを昔していたからである。
うちにこんなものがある。

『つきひ』という詩集。
手書き手作りの詩集3冊。もちろん限定1部の発行。1981年1月から2004年11月までのわが家の記録詩である。
因みに「つきひ」とは、我が家族4人の名前の頭の一字である。
「き」は二人いるので、3字にして「つきひ」だ。

巻頭の一篇を紹介。

  「今日が終わって」

夕刻より妻は公民館へ出かけている
二人の子どもは もう二階へ上がって寝ている
衣服が脱いだままの姿で散らかっている
冷蔵庫がかすかに地虫のような声を立てている
ストーブにかけられたやかんが
ちんちんと
独り言をつぶやいている
その上に吊るされた日めくり暦が
かさかさとささやいている
時おり明日の日付が顔を出す
外は風が出てきた様子
明日は寒くなりそうである。
        (1981年1月)


なんということのない詩である。
しかしわたしにとっては貴重なもの。
藤原さんの気持ちがよく解る。
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