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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

渡部兼直さん。

2012-01-08 23:44:08 | 

 鳥取県の詩人、渡部兼直さんから最近贈って頂いた詩集『かなカナ』から「桃の園に寄す」です。
 渡部さんは鳥取県の詩界を長くリードして来られた人です。たしか地元の新聞の詩欄の選者も務めておられたかと。
 氏と知り合いになったのは、『コーヒーカップの耳』をお読み頂いてより。ことのほか面白がって下さったのだった。もう11年も前である。以来、新しい本を出版される度に贈って下さる。いつも宝石のように美しい本だ。といってもきらびやかという意味ではない。シンプルな装丁でありながら、清らかな透明感があるのだ。
 
    「桃の園に寄す」

地球はホテルにすぎない

時間は旅人である

帰つてくる旅人はひとりもゐない

夢のひととき

桃の園に宴す

桃の明かりに眼くらみ

桃のにほひに息つまる

盃に花びら浮かべ

山菜をテンプラにす

夕暮なのか暁なのか

酔うてますますなまこさえ

くれなゐにほふをみな

おもかげに立つ

桃の花のいのちもらつて桃子かな
 
 詩集の巻頭詩です。

 渡部さんとは何度かお会いしましたが、お酒をこよなく愛す人。そして、色っぽい人です。さぞお若いころは女性におもてになったかと想像します。それが詩にも表れています。何とも色っぽく、しかし、ただそれだけではないものを秘めています。これの次の次の詩は「ひろしまの雨」という題の、軽やかな言葉運びなのに重いテーマを秘めた詩です。
 上の詩でもお分かりのように歴史的かな遣いをする人です。古典の教養も深い人。
 もう長くお会いしていません。鳥取ですからねえ。けど、また会いたいなあ。私を見つけると、遠くからでも手をふって特別の笑顔を下さる人です。

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伊藤整と幸田文。

2012-01-08 22:17:12 | 宮崎修二朗翁

 今年初めて芦屋の宮崎修二朗翁を訪ねました。私は親しみと敬意をこめて宮翁さんとお呼びします。
 宮翁さんは兵庫県文苑の長老です。満90歳。
 今日もICレコーダーを持参しました。ノートを取りながらお話を伺います。
 今日も無数と言っていいほどの文人の名前が出て来ましたが、中でも、伊藤整と幸田文(露伴の娘)を姫路の文化講演会に案内し、神戸で食事を接待した時の話は貴重でした。いつかどこかに書きます。
 今日は、わたし、夕刻より「宮っ子」用海版の新年会がありましたので、ゆっくりできず、一時間半ほどで辞去しました。
 〇 
 夕刻より池松会館で「宮っ子」用海版の新年会。12人が参加しました。
 新年会と合わせて編集会議もしました。話が横道に入る方が多かったです。

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「わが心の自叙伝・安水稔和 17」

2012-01-08 10:07:07 | 文学

 3週間ぶりの掲載でした。第17回目。


 安水氏、いよいよ「歴程」へ参加です。

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