御託専科

時評、書評、そしてちょっとだけビジネス

仕事の報酬は仕事だ!

2009-05-13 12:20:40 | 書評
タイトルは土光さんが私の履歴書で言っていた言葉である。
で、ふと思ったのだが、そういえば昔の日本の会社ってそうだった気がする。年功序列とか終身雇用といったことよりも、仕事に仕事で報いる、という形のほうがよほど昔の日本の会社の特徴を表している気がするな。
年功序列とか終身雇用ってのは実はアメリカの会社にだって多く認められることで、むしろ仕事の報酬が金じゃなくて仕事だ、ってところが日本企業らしいのかなあ、って思う。仕事が苦痛として捉えられるからその報酬はカネ(=消費能力の提供)ってことになるけど、仕事自体に面白さを見出すなら、確かに仕事の報酬は仕事であることは全然おかしくはない。いや、ちょっとおかしいか。何で面白いことをやって報酬がもらえるのかってところで。
で、そうなるとどうなるか。仕事自体の目的化と神聖化が進むな。だからプライドをかけて非常に良心的な仕事がされる。しかし、仕事自体への執着が強くなりすぎる分、収益とか世の変化への対応は鈍いよね。それが敗因だよなあ。いくら刀鍛冶の技術を洗練して伝承しても、聖なる儀式以上の仕事にはならないわけだ。
何とかならんものかねぇ。報酬としての仕事の中に、よりビッグピクチャーを適切に含めばよい・よかった のだろうなあ。そこがいまいちだったのが敗因かも。

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