平沼議員が何度も薦めていたので買ってみた。文庫とはいえ3-4冊分はあろうかという浩瀚な本に江戸末期から明治初期にかけて外国人が見た江戸を中心とした日本の様子がかいてある。
封建社会の一つの完成型として、社会全体が下層者も含めて楽しげにまた美的に暮らす様子が描かれている。14章にわたり手際よく分けられてまとめられた記述はランダムに読んでも楽しめよう。ただし、12章から14章(終章)にかけてはさすがにまとめに向かうだけあって、筆者の総括的感慨がさらりさらりと散見される。またそれが見事である。
「いわば人間はまだ、自分自身を見つめてはいなかった。彼の目は自分がその一員に過ぎぬ森羅万象を見つめたのだった」
「そして何よりも、世界資本主義システムが、最後に残った空白として日本をその一環に組み込もうとしている以上、古き文明がその命数を終えるのは必然だったと説かれる」
とまあ引用したところでこの本の面白さはわからんね。まとめたところでもつまらんし。なんだか生や仕事への価値観がひどく違うのでとても刺激になる。つらつら見ながらこれから生きてゆく価値の軸を考えるのはほんといいと思う。しばしば読み返す本であろう。
ところで、渡辺氏のもともとの問題意識は1945年までの昭和を理解したいという事であったそうな。これは小生の問題意識も存在する分野である。その中でたどるうちに近代化の始点を見る必要があったようだ。是非長寿を頂き、石原莞爾が「一億総懺悔」と言った100年を書き尽くしていただきたいと思う。
封建社会の一つの完成型として、社会全体が下層者も含めて楽しげにまた美的に暮らす様子が描かれている。14章にわたり手際よく分けられてまとめられた記述はランダムに読んでも楽しめよう。ただし、12章から14章(終章)にかけてはさすがにまとめに向かうだけあって、筆者の総括的感慨がさらりさらりと散見される。またそれが見事である。
「いわば人間はまだ、自分自身を見つめてはいなかった。彼の目は自分がその一員に過ぎぬ森羅万象を見つめたのだった」
「そして何よりも、世界資本主義システムが、最後に残った空白として日本をその一環に組み込もうとしている以上、古き文明がその命数を終えるのは必然だったと説かれる」
とまあ引用したところでこの本の面白さはわからんね。まとめたところでもつまらんし。なんだか生や仕事への価値観がひどく違うのでとても刺激になる。つらつら見ながらこれから生きてゆく価値の軸を考えるのはほんといいと思う。しばしば読み返す本であろう。
ところで、渡辺氏のもともとの問題意識は1945年までの昭和を理解したいという事であったそうな。これは小生の問題意識も存在する分野である。その中でたどるうちに近代化の始点を見る必要があったようだ。是非長寿を頂き、石原莞爾が「一億総懺悔」と言った100年を書き尽くしていただきたいと思う。