終活

　年配のTさんが疲れた様子だ。

　私 「Tさん、ちょっと疲れてるんと違うか？」
　客T「そうやねん、昼間、終活しててん」
　私 「えっ、就活？77歳になってもまだ働く気ぃかいな」
　客T「就職活動の就活と違う。いつあの世に逝ってもエエように家を片付けてたんや」
　私 「ああ、その終活かいな」
　客T「それと、遺影用の写真を用意してん」
　私 「中学校の時のか？」
　客T「何でやねん！」
　私 「中学生は坊主頭やから、坊さんいらんがな」
　客T「なんや、俺が遺影の中からお経を唱えるんかいな」
　私 「そないなったら、みんな驚くやろな」
　客T「あり得へん事を言いなや」
　私 「因みに終活、他に何をしたん？」
　客T「墓地を買おかなあ思て、問い合わせをしてん」
　私 「どうやった？」
　客T「これっちゅうのんが無かったわ」
　私 「墓地だけにボチボチや」
　客T「見晴らしがエエとこは高いしなあ」
　私 「そんなトコ、いらんがな。死んだら見晴らしなんか分からんで」
　客T「あ、そうか」

　一句：終活で　残された人に　気遣いを
　謎かけ：終活とかけて、トイレットペーパーと解く。どちらも(亡くなる・無くなる)前に用意します