過ぎゆく日々、薄れゆく記憶
15年前の出来事だけは忘られぬ
君との永(エイ)の別れから幾星霜(イクセイソウ)
すっかり落ち込んでいた絶望の日々
悲しみの淵に立たされ苦しむ中で
愛し君の笑顔だけを胸にいだき
いつか会える日を夢にずっと生きてきた
節目のお祝い、誕生日や成人式
「ありがとう」の君の声、耳を離れない
木の葉が日ごとに色づいて
秋の木漏れ日は柔らかく包む
降り注ぐ光が明日を照らしてくれ
キラキラとした夢のかけら、内に秘める
深まりゆく秋の日曜日
30年ぶりに小さな町を訪れた
君が生まれ育った思い出の町
すっかり変わってしまった通りや街並み
時の流れを感じさせる洒落(シャレ)た家並み
道角のタバコ屋だけが昔のまま
だけど看板娘は今はもう居ない
近くの公園のブランコや滑り台
いつか遊んだ娘は今はもう居ない
木の葉がひらひらささめいて
風に舞いながら地面を埋めていく
思い出の景色がセピア色に染まりゆき
遠い昔の夢のかけら、色が褪せる
※幾星霜=苦労を経た上での、長い年月。
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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