(1000名の参加者で熱気にあふれた県民集会)
23日(祝)は、嘉手納町県民ホールで開かれた「9月8日の八重山全教育委員協議の決定を認めさせる県民集会」に参加した。
八重山地区では、来年度からの中学校公民教科書の採択をめぐって「混乱」が続いている。玉津石垣市教育長が会長をつとめる八重山地区採択地区協議会は、適正な手続きを踏まずにルールを変更し、「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版を答申した。しかし、その後、9月8日、石垣、竹富、与那国の3市町の教育委員全員が集まり、玉津氏主導で選定された育鵬社版ではなく、東京書籍版を採択した。この決定を受け、竹富町教育委員会は、東京書籍の教科書を採択すると決定したが、石垣市と与那国町教育委員会は、育鵬社版を決定した。同一採択地区内で採択教科書が異なるという事態となったが、中川文部科学大臣は、9月8日の全教育委員会の決定は無効とし、竹富町が東京書籍を採択した場合、教科書無償供与の対象にはならないと発表した。義務教育の無償をうたった憲法に違反する疑いが強い。
なりふりかまわない「つくる会」教科書採択への動きは、与那国島への自衛隊配備問題と密接に関連しているのは明らかだろう。すでに防衛省は、来年度予算に、与那国島への自衛隊配備にむけ、15億円を概算要求している。
今日の集会では、石垣、竹富、与那国の保護者、市民、そして現職の教員らから生々しい報告があった。特に、与那国の保護者の方からの、地元の中学生が学校で反対署名を集めたところ、校長が、「政治的なことはダメ」と勝手に没収し、返却しないという報告には会場からも怒りの声があふれた。与那国には高校はなく、中学校を卒業すると皆、島を離れてしまう。反対署名を企画した中学生は、「僕たち中学生も半数以上自衛隊誘致には反対。高校を卒業しても、自衛隊をいやがって島に戻ってこなくなり、人口が減ることも予想される。自分たちの島は自分たちで守りたい。」と新聞でコメントしているが、こうした明確な意見を持っている中学生たちを、自衛隊賛美の「つくる会」教科書で「洗脳」したいというのが推進派の狙いだろう。