12月18日(火)、沖縄防衛局に公開請求していた辺野古新基地周辺の高さ制限を超える建造物の一覧資料(図面を含む)がやっと公開された。
米国国防総省の飛行場設置基準では、滑走路から水平距離2286mの範囲は、45.72mの高さ制限が定められている。辺野古新基地は滑走路の高さが標高8.80mなので、この範囲には標高55.52m以上の建造物は認められない。
ところが今春、辺野古新基地周辺の沖縄高専、久辺小・中学校、久辺郵便局や、豊原・辺野古の多くの民家が高さ制限を超えていることが分かり、住民、学生、児童生徒らの安全にかかわるとして大きな問題となった。
すぐに防衛局に高さ制限を超える建造物の一覧を出すように公文書公開請求をしたが、防衛局は情報公開法の「特例」と称して、開示決定の期限を6ヶ月も延長してしまった。私たちはやむなく、豊原・辺野古の集落一帯の水準測量を実施。その結果、80戸ほどの民家が高さ制限を超えていることが判明した。この高さ制限の問題は、沖縄県の8月31日の埋立承認撤回理由の一つにもなっている。
(公開された高さ制限を超える建造物の図の一部。左は豊原・辺野古の集落一帯。右は辺野古弾薬庫)
(65頁に及ぶ表には、各建造物の滑走路からの水平距離、地盤高、建造物の高さ、高さ制限を超える高さ等が記載されている。)
開示された資料を整理すると次の表のようになった。高さ制限を超える建造物は、家屋、鉄塔、電柱等をあわせて358件にもなっている。
そして驚いたことに、この高さ制限を超える建造物の調査は、2011年度に行なわれていたことが分かった。しかし防衛局は、アセスや埋立承認申請の時点では高さ制限の問題につて全く触れず、今年の4月に沖縄タイムスが報じるまで隠し続けたのである。
もし、埋立承認申請の時点でこの問題が明かになっておれば、さすがの仲井眞元知事もそう簡単には埋立を承認できなかったに違いない。この問題を埋立承認撤回の理由とした県の判断は当然である。
明日のブログでは、辺野古弾薬庫の高さ制限超過の問題について検討しよう。
(2018.12.19 沖縄タイムス)
(2018.12.19 琉球新報)