乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

選挙応援

2009年08月30日 | 社会
選挙運動期間中に、ある職場の女性社員が話題にしたのが、各政党の子育て支援案。
「子ども1人につき、いくばくかの手当てが付いたってねーっ。」
「出産費が無料になったってねーっ」
「多少のお手当てをあげるからって言われたって、それだけじゃ産まないよねーっ」

このご時勢、子どもができたから、子育てのためだからと仕事を辞め、家庭に入る女性は確実に少なくなりましたね。

まず、産婦人科クリニックが近所にない。やっと見つけたクリニックはいつも満員。
なんとか出産したら、保育園は待機児童で溢れ、うんと遠くの不認可保育園へ子どもをあずけなくっちゃならない。
しかも、これらの仕事はなぜか女性の役目。離婚率がこんなに高くなり、明日はわが身かもしれないのに、社会復帰は難しくなる一方、、、そんなん、いやじゃーっ!


出産可能な年齢の女性にとっては、目先のお金より、出産・育児を安心してできるインフラ整備と、男性も女性と同じく育児に関わるという、社会の意識改革の方が先だと考えているのです。
それが議員や役人にはわかっていない。

「お金がもらえるってさ、ンじゃ産もーよーって軽く考える人が、ポンポン子どもを産んで、あ、やっぱり私、子育てできなーいって、国が税金を使って面倒見ることになったら、、、軽い子どもばっか増えちゃって、国力が下がるんじゃない?」なんて極論も飛び出しました。

とにかく、現状況下で出産する人の気持ちを正確に吸い上げないと、少子化の流れはとまらないでしょう。
で、当の少子化担当大臣なんですが、よっしぃ先生のブログで見つけた記事です。

----------
【聖子氏“妹分”小渕氏妊婦応援に号泣…岐阜1区】


 苦戦が伝えられる岐阜1区の自民党・野田聖子消費者担当相(48)が27日、岐阜市内で総決起大会を開催。妹分として知られる小渕優子少子化担当相(35)が応援に駆けつけた。

 9月末に出産予定の小渕氏は、大きなおなかをユッサユッサと揺らしながら登場。なぜか号泣しながら「昨夜、野田先生に『行きます』と言ったら『あんた、自分の体を考えなさい』と断られましたが、私の姉貴分です。無理やり岐阜にやって参りました!」とあいさつ。飲み友達でもある後輩から熱くハグされ、これまた号泣した野田氏は「いつ生まれるかも分からないから群馬を離れるな、と言ったのに…。私は幸せ者であります!」とグジャグジャに泣きまくっていた。
----------
医者の立場からみると、この大臣の行動はこんな風に見えています。
「美談ではない」


この記事を読んだ時、私は噴き出してしまいました。
“胎児を大事にしない少子化担当大臣”って???

臨月に長距離移動とか、マラソンとか、、、胎児のみならず自分の体を大切にしないのを、妊婦の権利みたいなもんにするのは、どーかと思います。
妊婦さん本人が無茶をするのは自己責任。万が一の事態に陥っても、それは本人が決めたことなので、自分で解決してちょうだいね、と個人的には考えます。

しかし、です。
これだけ救急車の受け入れ不能だ、激務の産婦人科医、小児科医の過労死だ、医療崩壊なんだよーと叫ばれている現在です。医療者を「こーゆー人は勘弁してよー」と思わせることを、あえてするのってどーよ???
少子化担当大臣なんて、本来ならば妊婦さんのオピニオン・リーダーにならなくちゃいけない存在じゃなかったのか?と、疑問が湧き出てしまいます。

「んじゃ私もマラソンしよ」なんて、妊婦さんが軽く考えちゃったらどーするんでしょ。それこそ自己責任なんですが、大臣級の妊婦さんなら「それはアホな行為やで」と、諌める社会的な雰囲気を作る側に回るべきではありませんか。例え心の中ではそう思っていないとしてもです。

妊娠出産を考える年齢になったのなら、知人に流産体験をした人の一人や二人、話に聞いたことはあるでしょう。私の知人は妊娠5カ月で、周囲が止めるのを振り切って激しい運動をし、流産。以後、妊娠せず。7カ月の知人は温泉旅行中に流産、以後5年間の治療。8カ月の知人は激務を続け、新幹線で出勤中に破水。。。


妊婦さんが全員、無事に出産しているわけではありません。臨月に入れば、あともうちょっとの我慢なんだから、役割を全うしてほしい。ここでリスクを上げる行為をしてどーするんだっ。
救急車で病院に運ばれ、受け入れてもらえない事態にならないと理解できない、、、というのは悲しいですね。


ホント、美談じゃないよと思った人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

退院したくない

2009年08月28日 | 患者の気持ち
乳がんの手術・入院は、リンパ節廓清をしなければ、術後一週間ほどで退院する場合が多いようです。早い病院だと4日、ドレーンを抜いたらとっとと退院ってとこですかね。抜糸は退院後、通院中に行なうことになります。

私は術後4日でドレーンが抜け、その夜はシャワーをあびることができました。1週間で、傷口にテープを貼れば湯船に使ってよし。乳がん患者は術後、すぐに食事が取れるし、ベッドから離れることもできる。同室の患者さんたちには、私は介助者と思われていたぐらい、皆さんの手伝いをしちゃいました。(^^;)。
3食昼寝付きともなると、私には天国ですた。毎日、漫画を読みふけってましたっけ。
で、こんな患者、異常なしとなると即、退院勧告です。とても残念ですた。。。

患者の受け入れ不能は各地で問題になっていますが、ある医師からの提言を紹介します。

----------
日経メディカル ブログ:津久井宏行の「アメリカ視点、日本マインド」

米国で6年間心臓外科医として働いた後帰国、現在、大学病院に勤務する津久井氏。「米国の良いところを取り入れ、日本の良いところをもっと伸ばせば、日本の医療は絶対に良くなるはず」という信念を持つ氏が、日米両国での臨床経験に基づいた現場発の医療改革案を発信します。

「たらいまわし」と「おかね」  2009. 8. 12

 アメリカで気になった日本の医療問題の一つに「たらいまわし」がある。この「たらいまわし」問題を解決するためには、日本では話題にすることがタブー視される「おかね」の話を避けられないように思う。

ベッド稼働率を上げなければならない病院
 「たらいまわし」の原因はいろいろあるだろうが、その1つはベッドが満床で患者さんを受け入れることができないことだろう。実際に、私も当直中、救急隊からの依頼に、満床を理由に受け入れをお断りし、申し訳なく思う機会が多々ある。

 病院経営は私が渡米した6年前と比較して、ずいぶん厳しくなったことを実感する。経済性を度外視して、重症患者の救命を行ってきた大学病院も例外ではない。以前は、医局会でベッド稼働率が話題に上ることはあまりなかったように記憶しているが、最近はそういった類の話題が多い。病棟ベッド管理医は、常に満床をキープしようと、入院と退院の入れ替えに頭を悩ませているのが現状だ。

 病院の収益を確保するためには、ベッドの稼働率を上げなければならない。しかし、ベッドを埋めておくと救急患者の受け入れはできない――この堂々巡りの状況では、いつまでたっても「たらいまわし」問題は解決しそうにない。

 解決するためには、ベッドを満床にしなくとも経営が成り立つような診療報酬体系の確立が必要であろう。ある程度、病院経営に余裕がないと、いつもぎりぎり一杯の経営をしなければならない。

 以前、新聞で、シティーホテルの損益分益点は、稼働率60%程度というのを読んだことがある。病院経営もそれくらいの稼働率で成り立つのであれば、「たらいまわし」は大幅に減るかもしれない。

退院したがらない患者
 日本でベッド管理を難しくしている要因には、「退院したがらない患者」にもある。

 アメリカでは、朝の回診時に、検査データや患者の状態から退院が可能と判断して「今日、退院できますよ」と言えば、ほとんどの患者さんは「早速、家族に迎えに来てくれるように連絡するよ」と電話をかけ始める。

 翻って日本では、「そろそろ退院しましょうか?」と勧めると、「家族の都合がつかないので、週末まで入院させてほしい」「まだ不安なので、病院にいたい」という返事が返ってくることが多い。退院自体を喜ばれることがアメリカに比べて少ない印象がある。

 医学的には、入院の必要性がないにもかかわらず、入院を継続するので、ベッドは埋まったままになる。病院経営的には、ベッド稼働率を高い状態にキープすることができるので、「わざわざ退院を急かす必要もないか…」という判断になる。かくして、「たらいまわし」の原因がここに作られる。

 なぜ日本人は退院したがらないのか?

 その最大の理由は、自腹で支払う医療費がアメリカのように高額ではないからだと思う。確かに、3食付いて、身の回りの世話をしてもらえるなら、病院にいる方が楽だ。私も、飯さえもう少しおいしければ、入院生活もまんざらじゃないと思うことさえある。しかしアメリカでは、病院に延泊すると高級ホテル並みの料金が請求がされる。ならば、患者も1日も早くわが家に帰って療養した方がよい、と思うのは当然だ。

 これらの観点から、「たらいまわし」をなくすために努力すべきことを、私なりにまとめてみた。

1)不必要な救急外来受診を抑制するために、追加の受診料を徴収する(これは既に試みられてますよね)
2)満床にしなくても病院経営が成り立つような診療報酬体系を確立する
3)医学的に退院可能な状態になったら、その後の期間はextra chargeを取るなどして、1日も早い退院を促すような制度を作る

 いずれも、今の日本の医療の常識からすれば、患者にとって厳しい要求ばかりだろう。しかしながら、医療をめぐる状況は変化している。その変化に合わせて、患者側も変わらなければならないような気がする。いつの日にか、自分自身が「たらいまわし」にならないために…。

 と、今回は患者側が努力すべき点が多くなってしまったが、行政、医療サイドにも変えるべき点は多々あると思う。それらについては、今後、どこかで…。
----------
患者サイドから見ると、「退院するのに不安を感じる」ことはあると思います。また、一人暮らしだと、自宅より病院の方が楽。かつては、療養型病院がそのつなぎでした。

高齢者夫婦の二人世帯で、認知症の夫を世話する妻が病気で入院すると、残った夫も措置入院、または施設に入所する場合も出てきます。
核家族化の進む中、国は在宅介護を進めています。高齢者夫婦、独居者が増え続け、あと20年で3割が高齢独居者になると、厚労省の発表がありました。
この矛盾を、どのように解決するんでしょうか?


このままだと、退院したがらない患者は増えるかもと思った人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

処暑を過ぎますた

2009年08月26日 | まんが


今年の秋は暑くなりそうですってさ。

夏は比較的涼しかったけど(既に過去形)、秋が暑いんじゃ雑草が育っちゃうじゃんね(- -)。
というわけで、庭の草むしりに行ってきます。ここんとこ、毎週むしってます。雑草は生命力たくましいです。
はぁ。。。


あ、この画像、‘なごみドクター’のグリーフ光線です。皆さん、なごんで下さい。


???と思った人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

外科医もピンチなんだってさ

2009年08月25日 | 社会
乳がん患者の皆様、皆様の主治医はお元気ですか?
私の主治医は、白髪が増えて頬にトーンが、、、なんか瞼が腫れ、顔に疲れが見えちゃうんですけど。。。

----------
【外科医ピンチ 過酷勤務、伸びぬ報酬…若手離れ深刻】  産経新聞 2009年8月18日(火)08:05

 産科や小児科の医師不足が叫ばれて久しいが、ここ数年、“花形”ともいえる外科医の減少が目立っている。長時間に及ぶ手術や当直など勤務状況が過酷であるにもかかわらず、報酬はそれに見合わないことなどを嫌い若い医師の外科離れが進んでいるという。こうした状況を懸念した医療関係者は、NPO法人「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会」を発足させた。外科医を増やすための情報発信や待遇の改善を国に訴えていくという。

 ■じわじわ減少
 厚生労働省の調査によると、平成18年までの10年で医師総数は約15%増え26万3540人。一方、外科系(外科、心血管外科、呼吸器外科、小児外科)は約8%減の2万6075人。これまで医師不足が指摘されてきた産婦人科(産科、婦人科を含む)の約6%減よりも減少幅が大きい。一方、小児科は約10%増えているものの医師不足は深刻だ。産科と小児科の「医療崩壊」の陰で外科医の減少が進行していたのだ。

 外科医の中でも29歳以下の若手医師数をみると、16年の医師数は2184人で、8年の調査に比べて1000人以上も減少している。若手の「外科離れ」が目立っている。

 外科医の大多数が加入する日本外科学会の新規会員数も昭和60年以降減少傾向にあるという。平成20年の新規会員は前年に比べ78人少ない832人だった。同学会は「このままでは近い将来、深刻な外科医不足が起こることは避けられない」と危機感を強める。

 ■6割、当直明け手術
 同学会が外科医1276人を対象に実施した18年の調査(複数回答)によると、外科医が考える志望者の減少理由として、「労働時間が長い」(71・9%)がトップ。これに「時間外勤務が多い」(71・8%)、「医療事故のリスクが高い」(68・2%)、「訴訟リスクが高い」(67・3%)、「賃金が少ない」(67・1%)が続く。

 調査を行った大阪大学の門田守人(もんでん・もりと)副学長は「医学の進歩により手術が高度化し、医師一人にかかる負担は重くなっている」と指摘する。
 同学会が18年に実施した調査(1355人回答)の結果は、過酷な勤務実態をあぶり出した。

 「当直勤務明けに手術に参加しているか」との問いには、31%が「いつもある」と回答。「しばしばある」も28%にのぼり、約6割が当直明けに手術をこなしているのが現状だ。

 門田副学長によると、病院に勤務する外科医の週平均労働時間は労働基準法が定める時間を大幅に上回る69時間。一方、診療所の医師は48時間。しかし、病院に勤務する医師の収入は診療所の医師に比べ約2分の1にとどまっている。

 また、治療結果に不満を持った患者が訴訟を起こすケースが産科に次いで2番目に多く、リスクを伴う治療を避ける萎縮(いしゅく)医療を招いているという。

 ■「崩壊前夜」
 7月10日に開かれた「行動する会」の発足式では同会監事で東北大病院の里見進院長が「今は40代の医師が支えているが、外科医療は崩壊前夜だ」と現状を説明した。国は21年度から医学部の定員数を増やしている。しかし、門田副学長は「外科医が一人前になるには10年以上かかる。その間、外科医不足を解消するためにすべきことは多い」と指摘する。

 門田副学長は解決策として、(1)勤務環境の整備(2)労働内容に見合った報酬の実現(3)医療事故が起きた場合、原因を究明する医療版事故調査委員会の早期設置-などを挙げている。
----------

私が手術で入院中、主治医は二週間連続勤務をしていました。日を追うごと、瞼が腫れ、顔も二倍に浮腫んで膨らんでいくのを、なぜぇぇ???とわからなかったです。思いなおすと、乳がんの手術は一日に二回行うし、当直も外来もやってましたっけ、、、これって、上記の記事、そのままじゃん(*0*;)。

がんの告知を受けると、できるだけ早く外科手術を受けたいと思うものです。それが医師不足で順番待ちが長くなったら・・・。


急に身近な問題になっちゃったと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

ゾメタと顎骨壊死

2009年08月23日 | 病気・症状
「ゾメタの効果」で紹介しましたが、ゾレドロン酸が乳がんの骨転移のみならず、転移に有効な可能性があります。しかし、たまに起こる副作用として、顎骨壊死は患者のQOLを大きく下げてしまいます。これを解決できるとなれば、使用を決断するのが楽になるかもしれません。

歯の治療などは、抗がん剤治療に入る前に済ませておくことと、私は病院側から注意を受けました。タキソール投与終了後、ハーセプチン単独投与中にキャラメルを食べたら、歯の金属の詰め物が取れてしまったことがあります。ハーセプチン単独なら、歯の治療は支障なしということでした。でも、タキソールのように白血球が著しく減少する抗がん剤を投与中は、免疫が低下します。抜歯などの治療は、特に注意が必要です。

----------
【乳癌骨転移にゾレドロン酸が有効、顎骨壊死は口腔ケアで防げる】  2009. 7. 7


第17回日本乳癌学会学術総会 2009年7月3日~4日 東京

 ビスホスフォネート製剤(BP製剤)のゾレドロン酸は乳癌骨転移に有効で、副作用の一つである顎骨壊死は、ゾレドロン酸投与前と投与中の口腔ケアで抑制できる――。7月3日から4日に東京で開催された第17回日本乳癌学会学術総会で、癌研究会有明病院化学療法科の高橋俊二氏らが報告した。

 ゾレドロン酸は、乳癌骨転移患者において骨折などの骨関連事象(骨合併症)の頻度をプラセボ投与に比べて39%抑制することが国内の臨床試験で報告されている。しかしBP製剤を長期服用している場合、抜歯などの歯科処置を行うと、顎骨壊死が起こり得ることも知られる。

 そこで高橋氏らは2006年5月から2008年12月までにゾレドロン酸を使用した患者を対象に、ゾレドロン酸の効果と副作用について解析した。解析対象は二つあり、一つは別のBP製剤であるパミドロン酸から、ゾレドロン酸が発売された2006年以降はゾレドロン酸に切り替えた患者52人。もう1つはゾレドロン酸のみを投与した174人。

 パミドロン酸からゾレドロン酸に切り替えた患者において、ゾレドロン酸5回投与後の骨吸収マーカーNTxは投与前に比べて低下し、血清クレアチニン値は増加していた。これは、「ゾレドロン酸はパミドロン酸に比べて、骨吸収をより抑制する傾向にあるが、軽度の腎障害をきたす可能性もある」(高橋氏)ことを意味する。

 一方、ゾレドロン酸投与のみの患者では、3カ月間の投与では投与前に比べて骨痛は減り、鎮痛薬の使用も減っていた。投与期間の平均値は13.49カ月(0~37カ月)で、骨合併症は39人(22.4%)に見られたが、1995年から98年のBP製剤を使用していなかった時代の患者群(256人)と比較すると、骨合併症のない状態での生存率は有意に改善していることが示された(p<0.0001)。主な副作用は発熱が38人、関節痛・骨痛が18人、腎機能障害が3人で、「ゾレドロン酸投与によって骨合併症は減少し、有害事象は軽度だった」と高橋氏。  また顎骨壊死は、パミドロン酸からゾレドロン酸に切り替えた患者では5人、ゾレドロン酸投与のみの患者では1人の計6人に見られ、このうち歯科がチェックしていなかった患者が5人だった。

 現在、癌研究会有明病院では、顎骨壊死を防ぐため、ゾレドロン酸を投与する際には、歯科を受診し、口腔ケアの指導や定期的なチェックを行っている。また投与中に顎骨壊死もしくは疑いありと診断されたときは、ゾレドロン酸投与を中止して、改善してから治療を再開する。

 「BP製剤では顎骨壊死がクローズアップされ、患者さんが怖がることもある。しかしBP製剤によって骨合併症は減りQOLも改善するので、積極的に使うべきである。そのためには歯科によるチェックをしっかり行ってほしい」と高橋氏は話した。なお、BP製剤投与中は顎骨に影響を与える歯科処置は避けるべきだが、歯肉のケアや歯のかぶせ物の補修程度なら大丈夫だろうという。
----------
> BP製剤投与中は顎骨に影響を与える歯科処置は避けるべきだが、歯肉のケアや歯のかぶせ物の補修程度なら大丈夫だろうという

あー、よかった、キャラメル食べて詰め物が取れた、、、程度なら、大丈夫かしらん。

>「ゾレドロン酸はパミドロン酸に比べて、骨吸収をより抑制する傾向にあるが、軽度の腎障害をきたす可能性もある」(高橋氏)ことを意味する

この可能性は今後の注目ポイントでしょうか。


キャラメルのみならず、お餅も要注意だと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

ワケワカメ

2009年08月21日 | 社会
私の仕事の一部に、‘主人公は、なぜその行動を取ったか…?’の理由をしっかり裏付ける、重要な作業があります。

下記に紹介する事件は…???(*0*;)となっちゃって、私の妄想域を超えています。どなたか、この主人公の動機を、ご教授願えませんか(^^;)?

----------
逮捕後2時間半死んだふり、母の声で「生き返る」 堺(朝日新聞) - goo ニュース

 堺市堺区で19日夜、パトロール中の大阪府警の警察官のバイクに自分のバイクをわざとぶつけたとして、男が府警に公務執行妨害と傷害容疑で現行犯逮捕された。府警によると、男は逮捕後2時間半死んだふりを続け、取り調べを拒んだが、母親(45)が駆けつけると、「生き返った」という。

 堺署の発表によると、男は職業不詳の松村雄二容疑者(22)=堺区大浜北町3丁。19日午後11時半ごろ、堺区大町東2丁の路上で3人乗りのバイクを蛇行運転し、追跡してきた警察官のバイクに接触して転倒させ、軽傷を負わせた疑い。

 同署によると、同乗の2人は逃走、松村容疑者はすぐ取り押さえられたが、同時に目を閉じ路上に倒れ込み動かなくなった。病院に搬送され、尿道にカテーテルを挿入されるなどの検査を受けたが、結果は異常なし。その際も身動きしなかったという。

 その後にパトカーで署に連行され、警察官が5、6人がかりで取調室に運んだが、いすに座っても脱力したまま。しかし隣の部屋から、呼び出された母親の「うちの子です」との声を聞くと、目を開けて動き出したという。

 松村容疑者は「眠たかったから寝ていた」と供述しているという。
----------

あーダメ、、、こーゆー人の心理が想像できません。なので、コメントも湧き起こらない。


「饅頭こわい」の犯罪版みたいと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >


小ネタですけど、何か?

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

肺炎と新型インフルエンザ

2009年08月19日 | 新型インフルエンザ
一旦は下火になったように見えた新型インフルエンザ。真夏に再燃です。
元々、持病のあった方々の死者が出ました。こうなると、秋から冬にかけてどうなるのか、ちょっと緊張感が高まりました。今から対策を立てておかなくっちゃ。

----------
【新型インフル感染でウイルス性肺炎が多発する理由】2009. 8. 7

   新型インフルエンザ(H1N1)  サルでの感染実験で判明

 ブタ由来の新型インフルエンザウイルスA/H1N1は、季節性インフルエンザウイルスに比べて、肺でよく増殖する―。新型インフルエンザ感染でウイルス性肺炎が起きる理由について、東大医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染研究分野教授の河岡義裕氏は8月6日、最新の研究成果を発表した。

 河岡氏は、これまで新型インフルエンザについて研究を行い、季節性インフルエンザに比べて病原性が高いことなどを明らかにしてきた。

 通常、季節性インフルエンザに伴う肺炎は、2次感染による細菌性肺炎が多い。一方、新型インフルエンザに伴う肺炎は、ウイルス性肺炎が起きやすいとされている。実際、メキシコでは、新型インフルエンザに感染し、死亡した患者の死亡原因の多くがウイルス性肺炎だった。なぜウイルス性肺炎が起きやすいのかを明らかにするために、河岡氏はサルを使った感染実験を行った。

 実験では、サルの気管、口腔、鼻、目から、季節性インフルエンザウイルスと新型インフルエンザウイルスに感染させ、各臓器でウイルスがどの程度増殖したか、ウイルス量を比較した。季節性インフルエンザウイルスは08-09年の流行株を、新型インフルエンザウイルスはカリフォルニアで採取された株を用いた。

 その結果、季節性インフルエンザウイルスは、咽頭や扁桃、気管、気管支、肺の一部で増殖したのに対して、新型インフルエンザは鼻粘膜、咽頭、扁桃、気管、気管支、肺のすべての部分で増殖した。各臓器でのウイルス量も、季節性に比べて新型インフルエンザウイルスの方が10倍から1万倍程度多かった。

 また、感染後の肺の組織を調べたところ、季節性インフルエンザに感染させたサルの肺は、肺胞壁が少し厚くなっているものの、空気を含む肺胞が多く認められた。しかし、新型インフルエンザに感染させたサルの肺は、炎症細胞・赤血球・たんぱく質などが充満し、肺胞に空気はほとんど含まれていなかった。

 河岡氏は、「新型インフルエンザウイルスは肺でよく増えるため、ウイルス性肺炎の発症につながると考えられる」と話している。
----------
>季節性インフルエンザウイルスは、咽頭や扁桃、気管、気管支、肺の一部で増殖したのに対して、新型インフルエンザは鼻粘膜、咽頭、扁桃、気管、気管支、肺のすべての部分で増殖した。各臓器でのウイルス量も、季節性に比べて新型インフルエンザウイルスの方が10倍から1万倍程度多かった。

うーむ、、、新型インフルエンザは手ごわそうです。メキシコの死亡者の死因の多くがウイルス性肺炎だったというのも気になる情報です。

肺炎に伴う呼吸困難は大変苦しく、緩和するのは難しい。看護する人も精神的に厳しいです。
肺胞に空気が行き渡らないのなら、酸素吸入すればいいじゃないかと思う人もいるでしょう。しかし、酸素吸入すると頭痛や気分が悪くなる人もいます。私もその一人です。

と、重症化すると、病気は何でも深刻です。そうならないよう、気をつけたいですね。で、よっしぃ先生のブログが参考になります。ぜひ、ご一読を。
  
      「そろそろ新型インフルが」

      「新型インフルの心得 」
 

読んだら、落ち着いた人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

運転中に食べると危険な食べ物

2009年08月17日 | 生活
車の運転席横にペットボトルホルダーを置く人は多いですね。でも、ペットボトルからごくごく飲みながら運転する人、私は見たことがありません。ましてや、ハンバーガーをむしゃむしゃ食べながらって、見かけないなあ。

----------
「運転中に食べると危険」なトップ10」:保険サイトの発表 2009年7月21日(火)11:24


自動車保険を扱うサイト『Insurance.com』が、車を運転しながら食べると危険な食べ物トップ10を発表した。これは決して冗談ではない。このリストの上位には、われわれが毎朝、通勤途中にハンドルを握りながら飲んだり食べたりしているものが含まれている。

リストの中身を詳しく見る前に、Insurance.comがなぜ、これを調査すべき重要な問題と考えたかを説明すべきだろう。

家のガレージに眠っている1957年製『シボレー・ベルエア(Chevrolet Bel Air)』や1935年製『デューセンバーグSJ(Dusenberg SJ)』などのクラシックカーをターゲットにした自動車保険『Hagerty Classic Car Insurance』を提供する米Hagerty Insurance社が、保険加入希望者に関して、各州政府の自動車局(DMV)のデータを調べたところ、応募者の中に、運転中は食べ物を手の届く範囲に置くことを禁止された男性がいた。この男性は、運転中に何かを頬ばっていて事故を起こしたことが何度もあったらしかった。

[Insurance.comの記事によると、運転しながら飲んだり食べたりする人は7割にのぼるという調査もある。また、前方車両に突っ込んだ事故のうち約9割は、運転手の注意が集中していなかったことに起因するという調査結果も掲載されている]

以下の「危険な食べ物トップ10位」は、科学的な調査というものではない。これは、運転中に手に(あるいは口に)すべきではないと保険数理士たちが考えるものをただリストアップしたものだ。そうであっても、このリストを見る方が、愛車『ジャガー』のトランスミッションの修理代の請求書を見るよりずっと恐ろしい。

第1位 コーヒー:熱いし、こぼれる。とはいえ、つい飲んでしまう人はけっこう多いだろう。
第2位 熱いスープ:熱いし、こぼれると汚す。
第3位 タコス:あちこちを汚す。
第4位 チリコンカーン:熱いし、こぼれる。あちこちを汚す。
第5位 ハンバーガー:手に油が付き、その手でハンドルを持つと、汚れるし滑る。
第6位 バーベキュー:言わなくてもわかるだろう。
第7位 フライドチキン:ハンバーガーが油っぽいというのならこれはもっとひどい。
第8位 ジャムやクリームがたっぷりのドーナツ:ジャムやクリームをはみ出させずに、かぶりつくことができるだろうか?
第9位 炭酸入りの清涼飲料水:こぼす可能性が大きい。さらに、運転中に「ゲップが出る」危険性も否定できない。
第10位 チョコレート:持つと指が汚れ、その指でハンドルを触ると、ハンドルがねばつく。
----------

なんか笑えるベスト10ですが、バーベキューやらドーナツやらって、こんなん食べながら運転するの?って感じですね。

「歩きながら食べるのはやめなさい」って言われて育った私としては、こーゆーのは単にお行儀が悪いんじゃないの?って思ってしまいます。仕事中もそうなんですが、食べながら絵を描くのって、私はできません。何より、原稿を汚したらアウトですし、やはり集中力が切れます。お腹が空いて何かを食べたくなったら、作業を止めて食べるのに専念します。

しかしです。海外では普通に食事をしながら運転したり、歩いたりする国もあります。アイスクリームぐらいなら、渋谷のほこてんでも普通に見かけますが、バナナやホットドックを食べながら歩く人とか、、、ケーキ店でケーキを1つ買い、その場で食べて出て行く人とか、、、日本人から見たら、行儀悪すぎ。

と、思ったら、先日、駅のプラットホームで電車を待っていると、私の前の若い女性がいきなり、サンドイッチをモシャモシャやりだしたのには驚きますた。
どんなにきれいに着飾っていても、手を洗わず食べ物をつまみ、口をあけて食べる姿って、他人が見て気持ちのよいもんじゃありません。でも、食べている当人は平気なんですよね。

最近、自転車を運転しながらケータイメールをする人が増えています。これ、超あぶないです。見た目にもフラフラしているし、走行速度が遅い。後ろから自転車で追い越したいんだけど、端っこに寄ってくれないので、抜くに抜けない。で、ベルを鳴らすと、もんのすごい形相で睨まれたりします。私が悪いんじゃなくて、悪いのはアンタだよ。

スポーツの個人戦など、“自分との戦い”が全ての場においては、ひょっとしたら、こーゆー性格の人はプレッシャーがかからなくて、好成績をあげるのかもしれない。しかし、社会生活をする上で、大きく損をすることは間違いないでしょう。


っていうか、こんな人に近づいたら危ないよ~と思う人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

救急医のSOS

2009年08月14日 | 社会
興奮したり心配ごとがあったりすると、なかなか寝付けませんね。
私の場合、睡眠時間が少ないと、とっても怒りっぽくなります。これを数日続けられると、、、思考停止です。

----------
【<救命救急センター>救急医SOS 実態合わぬ「宿直」扱い--泊まり勤務毎日新聞調査】 毎日jp 2009年5月24日(日)13:00

 ◇5割、違法の恐れ

 心肺停止など命にかかわる重症患者にとって「最後のとりで」である全国の救命救急センターで、睡眠が十分取れないまま患者に対応する救急医の泊まり勤務を「宿直」として扱う施設が5割を超すことが、毎日新聞の全国調査で分かった。労働基準法が認める「宿直」は、ほとんど労働する必要のない勤務とされ、これらの施設の勤務実態は違法である可能性が高い。

 調査は全国の救命救急センター218施設を対象に4~5月に実施し、116施設から回答を得た(回答率53・2%)。
 労基法は労働時間を原則週40時間と定め、時間外労働も労使間で協定を結んだ場合、1カ月45時間まで認められる。
 一方、宿直については「巡回や電話番など軽度な勤務」「十分な睡眠が取れる」などを条件に労働時間とは別枠で、労働基準監督署長の許可で例外的に認められてきた。

 調査の結果、救急医の泊まり勤務を宿直扱いとする施設が61%あった。また、時間外労働として扱う施設は19%、残りは交代制などだった。宿直のうち9割(全体の55%)は十分な睡眠が取れていなかった。
 労基法では、連続して睡眠を取れる時間が確保されておらず、急患に追われる勤務が日常の場合は、宿直として認められないとしている。
 1カ月間の泊まりの回数は平均4・23~4・85回で、最大13回の施設があった。労基法を守るには「医師が足りない」と答えた施設は8割を超えた。

 医師の泊まり勤務を巡っては、4月に奈良地裁で県立奈良病院の宿直勤務などが時間外労働にあたるとの判決が言い渡されるなど、劣悪な労働環境の改善が求められている。
 厚生労働省労働基準局監督課は「個々のケースによって判断は異なるが、労基法の趣旨から外れる勤務実態は違法の恐れがあり、好ましくない」と話す。


◇ 「今夜で7連泊」 休めない、眠れない、人手がない――心が折れそう

 「人手がない中、なんとかやってきたが、心が折れそうだ」と、東日本の地方病院の救命救急センター長はつぶやいた。
 病院には常勤の救急医がいない。約90人の医師全員が交代で1晩3人程度、泊まり勤務に入る。この病院の泊まり勤務は、手術などの労働がほぼないことが前提の「宿直扱い」。だが、患者の搬送受け入れは年5000件以上で、受け入れ率は97%に上る。泊まりの医師の手におえなくなると、各科の医師が呼び出されるのが日常だ。

 4月下旬の夜。「じんましんが出た」「血圧が高い」――。一般市民からの相談電話が鳴った。低血糖で意識障害を起こした糖尿病患者が救急車で運ばれてくると、糖尿病専門医を呼び出した。この夜、救急搬送だけで10回を超えた。

 毎日新聞の調査で、センターの常勤医が2人以下の施設が17カ所あった。日本救急医学会認定の専門医は2850人(09年1月現在)いるが、都市部に集中している。調査にも「常勤の専門医がいる都市部はまし。地方は崩壊寸前」との悲鳴が寄せられた。

 一方、都市部が「恵まれている」わけでもない。関西の大学病院救命救急センターには、専門医を含め10人の医師が所属する。だが、泊まりの翌日も休みではなく、連続40時間近い勤務になることもある。このセンターも宿直扱いで夜間の急患に対応する。労基法で認められる宿直は週1回までだが、月平均7回もある。

 今月中旬、午前3時過ぎに救急隊から連絡が入った。患者は錯乱状態で暴れる18歳の女性。恋人から暴力をふるわれパニック状態だった。「(高度医療を担う)センターが担当すべき患者ではないが、『暴れている』と聞くと他の病院は尻込みする。我々が受けるしかない」と50代の教授。同じころ、救急科病棟で、高齢の男性入院患者の容体が悪化した。肋骨(ろっこつ)を折り、自力呼吸が危うくなっていた。担当医(28)は「気になって離れられない」と、この日で7連泊目。

 教授は「熱意だけで続けられる仕事じゃない。ただ、そういう働き方を戦力として数えているのが現状」と語った。

 ■ことば
 ◇救命救急センター
 心筋梗塞(こうそく)や脳卒中、交通事故など命にかかわる重症救急患者を受け入れ、高度な医療を提供する医療機関。医師や看護師を24時間体制で配置することが求められている。内科、外科、脳外科、循環器科、小児科などあらゆる病状の患者に対し、チーム医療で対応する。
----------

今後、高齢者人口は増え続けます。老化すれば人は病気に罹りやすくなるわけで、必然的に病人人口も増えるでしょう。
熱意で仕事をしていた医師も高齢化する。医師が増えるのは、早くても10年後ぐらいからです。

こうなると、急患でも患者のトリアージは必然となるのも近いかもしれませんね。で、患者はトリアージされた時、自分の順番がかなり遅くなったとしても、それを理解し、文句を言わないようにしなくちゃならない。
「言ったもん勝ち」と思っている人には、理解することは難しい。また、誰だって、自分の病気の重要度は高く見てほしい。自分を「特別待遇」してほしい。。。
皆が皆、冷静で大人の対応が出来るわけではないでしょう。


こなると、健康を保つのが一番よい解決法だねと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

麻薬

2009年08月12日 | 病気・症状
最近、麻薬に関する報道のラッシュです。麻薬って、そんなに魅力的なんでしょうか?
医師作家が書いた小説で、麻酔科医が麻酔中毒になっちゃったというストーリーがあるぐらいです。強い常習性がありそうですな。

で、私の体験です。
あ、麻薬ではなく、麻酔の体験ですけど。。。

随分と昔、足の怪我で手術をしたことがあります。その時、全身麻酔を行なったんですが、それに麻薬系の薬が含まれていたようです。

術後、麻酔から覚める際、私はなぜかスイスの山あいをカモメになって飛んでいた…。
谷に向かってグルグルと急降下し、グィ~ンと翼を翻し、重力を感じず、体験したことのないアングルで景色を眺める私。

「自分の発想にないことを、まるで体験したかのような気分になる」。

なぜスイス?
その時見たスイスの山とは、三十年も昔に食べたチョコレートのパッケージに描かれていた絵でした。とってもおいしいチョコレートだったのですが、小さな子どもの頃のことだから全く忘れていた。それが三十年経って思い出せたわけです。

私は読書が大好き、たくさんの本を読みます。んが、悲しいかな、ほっとんど内容を忘れてしまう。何のために長時間費やしたんだか、、、と振り返ると、とっても悲しい。自分の頭の悪さを呪い、自己嫌悪に陥ってしまうことも多々ありです。

三十年も前に見た絵や情景を鮮明に思い出すことができたら、、、これは読書などに費やした時間が全部、無駄にならないことになりますよね。

通常の人間には不可能なことが、薬の力で可能になっちゃったわけです。いや、カモメになれちゃったんだから、空想の世界へもリアルタッチで行けてしまった。

こんな点に魅力を感じた私は、乳がんの手術は全身麻酔で行うと説明を受け、ちょっぴり期待をしていました。再度こんな体験ができるのかと。
しかし、今回見たのは、小さな和室に正座し、ぶつぶつ呟く私の姿ですた。しかも、妹が言うには、「ねーちゃん、わけわからんことしゃべりまくってたで」。
うー、恥ずかし。

とまあ、心地良い気分で覚醒したわけではないようです。担当医に尋ねると、「昔は麻薬系の薬を使うこともあったけど、今はないよ~ん」。
やっぱりね、常習性の強い薬だと、こんなところから麻薬にはまる人が出てしまうかもしれない。

以上、麻薬について心地良くなることを書きました。

しかし、しかしです。


足の手術は無事に終わったのに、、、頭がとっても悪くなりました。
一日中だるくて、何かを考えるのが億劫。物を覚えられないし、気力が湧かない。
一番困ったのが、「忘却」です。

読書をする際、前ページに何が書いてあったのか、忘れるっっっ!!

脳細胞がすごい勢いで破壊されてゆくのを、リアルに体感しました。記憶が壊れてゆくのは、自分が何であるかを忘れてしまうことです。自分であって自分でない。何のために生きるかなんて高尚な悩みじゃなくて、何で自分がここにいるのか、わからんくなってしまう。。。
これって、「生きる廃人」です。
当時、認知症とかうつ病とか、、、別の病気になったのでは?と、かなり悩みました。

たった一度の薬を使用で数ヶ月も悩んだぐらい、薬の副作用は強かったです。これは脅威です。この辺りが麻薬のコワイところでしょう。


己の手で自分を破壊しちゃイカンでしょうと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

病気腎移植

2009年08月10日 | 社会
以前、医療事件として大きくマスコミに取り上げられた「病気腎臓移植」、関係病院で移植再開の方針になったようです。そして担当医の一人に、前回問題になった医師がいます。
-----------
【逆風、順風が入り乱れる中、徳洲会が病気腎移植を再開】  2009. 7. 28


 宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが、癌治療や動脈瘤などのため摘出した腎臓を別の患者に移植していた病気腎移植問題が今なお波紋を残す中で、徳洲会グループが病気腎移植を臨床研究として再開する方針を決めました。移植手術は、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)あるいは宇和島徳洲会病院で行われる予定で、万波医師が手術を担当するケースもあるとのことです。

 この病気腎移植が問題となった経緯を振り返ってみます。2006年10月に宇和島徳洲会病院の万波医師が執刀した生体腎移植をめぐる臓器売買が発覚したのを機に、同年11月、万波医師らが病気腎移植を行っていたことが表面化。万波医師が所属する徳洲会は調査委員会を設置し、これらの病気腎移植は、適切であり容認できるものだったと結論づけます。

 ところが07年3月、厚生労働省調査班は「病気腎移植は不適切」との判断を示しました。足並みをそろえる形で、日本移植学会なども「現時点で妥当性なし」との見解を発表。厚生労働省臓器移植委員会は、同年4月、臓器移植法運用指針を改訂し、臨床研究を除いて病気腎移植を禁止としました。

 しかし、2008年の年末に、厚労省が病気腎移植を原則禁止としているのは不当であり、治療を受ける権利を侵害されたとして慢性腎不全の患者ら7人が、日本移植学会の幹部ら5人に総額6050万円の損害賠償などを求めて松山地裁に提訴。原告側は、修復腎移植の医学的妥当性を訴えた上で、被告らの発言で厚生労働省の臓器移植法運用指針が改訂され、修復腎移植が受けられなくなり損害を被ったと主張しました。

 一方、被告らは自分たちは医師としての良心に従った行動を取ったに過ぎず、不法行為ではないと反論。この裁判は、現在も係争中です。

 今回の裁判の被告は学会の医師らで、国ではありません。しかし、状況によっては国を相手取った訴訟が提起される恐れもあったわけです。これまで病気腎移植を自粛していた徳洲会病院グループが方向転換した背景には、この裁判の存在があると考えるのが妥当でしょう。

 病気腎移植を巡っては、2008年に厚労省より、「病気腎移植は通常の保険診療には当たらず、診療報酬の不正請求に当たる」との見解が出されました。宇和島市立病院と宇和島徳洲会病院の保険診療の停止処分並びに万波医師の保険医資格取消処分が検討され、同年2月に処分についての聴聞会が行われる予定でした。しかし、この会についての法的な問題点を徳洲会病院が指摘したことから結局、聴聞会は開催されませんでした。

 徳洲会病院グループは以前から、医師会からの反対や行政の許認可判断によって病院開設を阻止されたときは法廷闘争で対抗するなど、法化社会を先取りして拡大を図ってきた医療グループです。これらの行政処分問題についても、法的手段で闘う心づもりはできていると推察されます。

 さて、病気腎移植の治験スタートに話を戻します。治験・臨床研究としての病気腎移植に対しても、日本移植学会のトップは、「和田移植のような問題が起きれば移植医療が再び滞ってしまう」と懸念しています。その懸念が杞憂に終わるかどうかは今後、万波医師らが選ぶ個々のケースの医学的妥当性、また生命・医療倫理の適合性、そして実施後のドナーやレシピエントに生じる結果によって左右されるでしょう。今後の病気腎移植が、徳洲会病院と第三者が妥当性をきちんと確認した上で進んでいくことを期待したいと思います。
-----------

万波医師によって病気腎移植をされた患者さんのインタビューを聴いたことがあります。
「透析の苦しみから解放され、先生には本当に感謝しています」と語り、記者が「病気の腎臓ですよ」と念を押すように返しました。「そうですよ」と口調を変えず、静かに語ったのが忘れられません。そのぐらい、透析が苦痛になっていたと想像します。

一方、ドナーとなった方の気持ちはどうでしょうか。
腎臓の病気について全くわからない私が不思議に思ったのは、腎臓が病気だから手術で除去、その腎臓を他人に移植して正常に機能するのか?ということです。自分が腎臓を失い、それが他人の体では機能するとは???
「先生、なんでもっとがんばって治療してくれないの?」なんて気持ちになりそうです。

先日、「脳死は人の死」とすることを明示した臓器移植法改正案(A案)が、参議院本会議で可決・成立しました。これについて、柳田邦男が大変ショックだったと述べています。ドナー家族の葛藤などを鑑みていないというのです。
特に、子供がドナーだった場合、家族は大きなトラウマを被ることがあり、国はその点を自己負担でどうにかしなさいというのみ。

「臓器移植」というと、成功か失敗かに焦点を当てる報道機関は多い。そのような情報を前面に、議員を始め一般市民も興味の方向が規定されてゆく。人間が持つ感情というものが、あまり議論されぬうちに立法化されるのは、誰にとっても不幸なこととなるんじゃないかと思います。

臓器移植を望む患者さんにとっては、どうしても受けたい治療になるのでしょうが、治療例が増えると、様々な立場から色々な問題が出てきますね。
私は臓器移植に関して、未知の部分が多すぎて考えがまとまりません。また、病気や治療を理解するのはかなり難しいので、こういった事件で裁判員になると、とても困ると思います。

興味のなかった問題の裁判員になったらキビシイなあと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >


なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

ペットロス

2009年08月08日 | 生活
母を亡くして以後、ペットを飼うことを勧めてくれる人がいます。でも、私は母が手入れしていた草花の管理で手一杯です(>_<)。
雨が降ると、雑草がニョキニョキ、、、この暑いのに草むしりをしなくちゃいけません。もー、汗だく、土方焼けですぅ。トマトとかナスとか、食用だったら私も頑張れるんですけど。花って、手入れしないときれいに咲かないのよ。切り花を買ったほうがきれいだし楽なんだけどな。
ままん、面倒なもん、残してくれたわねえ・・・。ううう、`生き物‘はホント、手がかかるんですぅ(T0T)と思っている私が、興味を引いたブログを紹介します。

----------
【 “死の準備”と“生の畏敬”を教えてくれるペットロス】 2009. 7. 17

北大大学院医学研究科医療システム分野の木村祐哉さんからいただいた論文「ペットロスに伴う悲嘆反応とその支援のあり方」(『心身医学』Vol.49 No.5. 2009)をご紹介しながら、われわれとペットの現在を考えてみます。

 ペットフード工業会の調査によると、2006年現在、日本の各家庭で飼育されている犬と猫の頭数は2454万6000頭に及び、約4万2000世帯のうち19.2%の家庭で犬を、14.7%の家庭で猫を飼育しています。その中の4割が「ペットを家族や子供のようなものと考えている」と答えています。

 現代日本は、こんなにもペットと親密な社会になっていますが、ペットに限らず命ある者は必ず死にます。日本で「ペットロス」あるいは「ペットロス症候群」と呼ばれる「飼育動物の喪失体験」は飼い主に大きなダメージを与えます。

 飼い主はペットの死を受容する過程で、落ち着かない、集中できない、悲観的になる、不安になる、すぐパニックに陥る、孤独感が強まる、自分はダメな人間だと思いこむ、罪悪感が強まる、悪夢を見る、死んだはずの動物の姿が見える、すぐに涙が出る、消化器症状や食欲異常、頭痛、肩こり、めまい、難聴、腰痛、全身倦怠感、じんましんなどの症状が表れる――ことが知られています。

 ペットロスは典型的な「対象喪失」であり、キューブラー・ロスが指摘した人間の死の受容のプロセス「否認・怒り・交渉・抑うつ・受容」が、ペットが死んだときにも同様に出現するようです。特にペットの死には、「飼い主としてケアが至らなかったのでは」といった後悔や、安楽死させた場合などには罪悪感が伴う傾向にあり、それ故「たかがペットじゃないか」とか、「代わりのペットを飼えばいい」などとは簡単に片付けられない深刻さがあるようです。

 この論文は、このような日本の現状を紹介した上で、ペットロスを経ることによって、悲しみやペットを拒否するといったマイナスの感情が芽生えることもある一方、感謝の気持ちや良い思い出によって人間的な成長が促されることもあり、「死の準備教育」につながるかもしれないというプラスの評価も必要ではないかと示唆しています。

 人の生命が軽視されていると感じさせられるニュースが絶えない現代社会で、ペットの生死と真摯に向き合うことは、「死の準備教育」となり得るのはもちろん、われわれが忘れがちな「生の畏敬教育」にもなり得るといってよいでしょう。
----------
>飼い主はペットの死を受容する過程で、落ち着かない、集中できない、悲観的になる、不安になる、すぐパニックに陥る、孤独感が強まる、自分はダメな人間だと思いこむ、罪悪感が強まる、悪夢を見る、死んだはずの動物の姿が見える、すぐに涙が出る、消化器症状や食欲異常、頭痛、肩こり、めまい、難聴、腰痛、全身倦怠感、じんましんなどの症状が表れる――ことが知られています。

>特にペットの死には、「飼い主としてケアが至らなかったのでは」といった後悔や、安楽死させた場合などには罪悪感が伴う傾向にあり

この辺り、人間の場合と同じなんですね。
動物は飼い主に、文句を言ったりふてくされたりしませんから、飼い主は愛情を注ぎやすい。動物も、人間ほど思考が複雑じゃない分、単純に飼い主に擦り寄ってくる。人間どうしの付き合いとは、ちょっと違いますね。

木の手入れをする際、私は機械的に雑草をむしり、害虫を除去します。でも、その木にとって一番よい環境を考えてやっているか、、、と問われると、木のことは考えてない。こうあってほしいと、自分に都合よく手入れしています。ひょっとしたら、木は「ちょっとぉ、その枝は落とさないでよ。痛いじゃないの」なんて怒っているかもしれません。

人間どうしの付き合いとなると、愛情を注いでいる相手でも、憎しみも生まれることもあります。時として、憎しみがぐんと勝ることすらあるし。幼児虐待なんか、こんな感じじゃないかしら。

ペットで死の準備教育というけど、人間の死の場合とは質というか深みというか、なんか別物という気がします。人間の死が軽視されるような事件が増える中、ペットを飼いペットロスになる人も増えている。
動物の思考は、人間よりはるかに単純でわかりやすい。介護の規模も、ペットは人間に比べて小さいから、自分一人でなんとかできる。手に負えるわけです。
人間って、時として自分の手に余ることがある、、、というか、手に負える人なんて、いませんね(^^;)。←まだ介護疲れが残っている


手がかかるものほどカワイイのよと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

トリプルネガティブ乳がんの治療薬

2009年08月06日 | 病気・症状
術後化学療法を受けた私は、「ハーセプチンの奏功率3割」に暗い気分でした。1年間という長期間&高額治療費を費やし、奏功するのはたったの3割! なんとしてもタキソールと併用し、奏功率6割にあげてもらわなくちゃぁぁっ、それでも10人に4人は効かないだわぁぁっと思ったものです。

術前化学療法だと、奏功したか・しなかったかが判断しやすく、合理的だと思います。しかし、奏功しなかった場合、腫瘍がどんどん大きくなっていくのを実感するのは、とっても不安じゃないかと想像します。

----------
【トリプルネガティブ乳癌でも術前化学療法は病理学的に著効しやすい】 2009. 7. 10


 エストロゲン受容体(ER)とプロゲステロン受容体(PgR)、HER2が全て陰性のトリプルネガティブの患者は乳癌全体の15.5%を占め、予後不良の傾向がある。しかしアントラサイクリン系製剤とタキサン系製剤を中心とした術前化学療法で、病理学的効果が得られやすいことが日本乳癌学会の班研究で確認された。

 これらの結果は、2007年度班研究「Triple negative乳癌の生物学的特徴と治療法に関する研究」によるもの。7月3日から4日に東京で開催された第17回日本乳癌学会学術総会で、研究班の班長である熊本大学乳腺・内分泌外科の岩瀬弘敬氏が発表した。

 研究班は、まず日本乳癌学会に2004年度から登録された患者1万4749人を対象にトリプルネガティブ乳癌の特徴を検討した。登録患者のうち、ERとPgR、HER2がすべて検索できたのは約8割の1万1705人。ERとPgR、HER2の状態によって四つのサブタイプに分けたところ、ER陰性、PgR陰性、HER2陰性のいわゆるトリプルネガティブの患者(以下、トリプルネガティブ群)の割合は15.5%であった。

 ほか三つのサブタイプは以下の通り。HER2が陰性で、ER陽性/PgR陽性もしくはER陽性/PgR陰性もしくはER陰性/PgR陽性(以下、A群)が最も多く70%を占めた。HER2が陽性で、ER陽性/PgR陽性もしくはER陽性/PgR陰性もしくはER陰性/PgR陽性(以下、B群)は7.3%、ERとPgRがともに陰性でHER2陽性(以下、HER2群)は8.2%だった。

 四つのタイプを比較すると、発症年齢や乳癌の家族歴を有する割合に大きな違いはなかった。ところが、閉経前患者の比率がA群は37.1%、B群は38.8%であるのに対し、HER2群で24.1%、トリプルネガティブ群で28.1%と少なく、「トリプルネガティブの患者に若年者が多いという傾向はなかった」(岩瀬氏)。

 続いて、14施設の2331人を対象に予後と術前化学療法の効果を検討した。観察期間中央値は47.8カ月。HER2群とトリプルネガティブ群の無病生存率と全生存率はA群とB群に比べて低く、予後不良であることが確認された。

 アントラサイクリン系製剤とタキサン系製剤による術前化学療法については、臨床的効果については、完全奏効(CR)がA群で22.7%、B群で30%、HER2群で26.7%、トリプルネガティブ群で37.5%と、トリプルネガティブ群で高い傾向はあったが、「全体的には4群間でそれほど大きな違いは見られなかった」と岩瀬氏。

 しかし病理学的効果を比べると、グレード3(完全奏効)がA群で0%であるのに対し、B群で22.2%、HER2群で15.4%、トリプルネガティブ群で13.2%、さらにグレード2(かなり有効)がそれぞれ16.7%、44.4%、26.9%、28.3%だった。このことから、「術前化学療法はHER2陽性のB群およびHER2群に続いて、トリプルネガティブ群で高い病理学的奏効率を示した」と述べた。また、トリプルネガティブ群で奏効性の見られた患者では予後良好であった。
----------

アントラサイクリン系製剤とタキサン系製剤による術前化学療法で、奏功したかしなかったかが、トリプルネガティブ郡の予後を予測する薬となるのでしょうか。

それにしても、、、アントラサイクリン系製剤とタキサン系製剤での治療って、相当キツイんじゃないかしら。私はタキサン系の薬を3か月使いましたが、いや~キツかった! ほとんど廃人状態、とても電車通勤とかフルタイム労働なんてできそうになかったです。アントラサイクリン系はもっとキツイと言う人は多いし。
そして、この奏功率。なんだか考えてしまった。。。


思わず無言になっちゃった人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

乳腺内視鏡手術

2009年08月04日 | 病気・症状
乳がんの手術中、私はセンチネルリンパ生検で脇を切りました。腋窩郭清はしなかったんですが、、、たまに手術した側の腕がだるくて不快になることがあります。
センチネルリンパ生検でもリンパ浮腫を起こすことはあるようです。リンパ浮腫回避のために生み出された術式といえど、なかなかパーフェクトを目指すのはむずかしいですね。

----------
【乳腺内視鏡手術で「乳房の位置ズレなし」「リンパ浮腫なし」が可能に】

          第17回日本乳癌学会学術総会 2009年7月3日~4日 東京

 乳腺内視鏡手術は、腋窩郭清術施行例においても整容性に対する患者の満足度が高く、良好なQOLが維持できる治療法と考えられる――。7月3日から4日に東京で開催された第17回日本乳癌学会学術総会で、駿河台日本大学病院外科の山形基夫氏が発表した。

 乳腺内視鏡手術は、術後の上腕浮腫や運動制限がほとんどないため術後リハビリを必要とせず、乳腺部分切除から皮下乳腺全摘術+腋窩郭清術まで連続した術式として一度に施行できることもある。

 山形氏の報告によると、乳輪アプローチによる内視鏡下乳房温存術(乳腺部分切除+腋窩リンパ節郭清)の施行後5年以上経過した142人の遠隔成績は、生存率95.1%、再発率4.9%で、通常の手術と同等の成績だった。上腕浮腫および機能障害は2人(1.4%)、術後に局所疼痛が残存したのは4人(3.6%)のみ。

 整容性の向上を目的に山形氏らは「乳腺を縫合しない」方法で良好な治療成績を上げている。通常、乳腺を縫合すると乳房の位置が上昇し、左右の乳房の位置がずれてしまう。そこで、腫瘍占拠部位が上部の症例では、切除範囲30%までの場合なら可吸収性止血剤の酸化セルロース(商品名:サージセル・アブソーバブル・ヘモスタット、以下サージセル)を用いて欠損部を充填し、縫合を行わない再建が有用なようだ。最終的にサージセルは液化するため残存しない。すでに364人(良性69人、悪性295人)にこの方法が用いられ、ほぼ満足すべき形態を保持している。

 ただし、この方法では浸出液漏出が全症例の約10%にみられることにも注意が必要だ。原因は不明だが炎症反応と考えられ、電気メスで広範囲に皮弁を形成した場合などに多い。正常乳腺から浸出液を穿刺することで改善する。

 切除範囲が30%を超えた場合は、同一の創部から皮下乳腺全摘術を行い、バッグを用いた再建を行う。通常バッグ再建ができない大胸筋筋膜浸潤例であっても下腹部の皮膚を採取して表皮をメスで剥離し、真皮のみを使用して大胸筋欠損部を修復することで再建が可能になる。

 QOLの向上には、術後のリンパ浮腫を防ぐことも大切だ。山形氏らが行っている内視鏡下腋窩リンパ節郭清術では、PDBバルーンを使用して腋窩腔を剥離し、センチネルリンパ節生検を行い、陽性であれば郭清する。PDBバルーンを膨らませると、肋間上腕神経より浅い部分が剥離される。この状態で先に浅部を、次いで深部を郭清する。

余分な脂肪組織を郭清することがなく、周囲へのダメージも小さいため、側副のリンパ流が確保でき浮腫はほとんど出現しない。術後1日目で十分に上腕を挙上することが可能で、疼痛もほとんどない。ほとんどの患者は術後約4日で退院するという。

 山形氏は「整容性や機能温存、精神的な侵襲、QOLなどについて、長期的な手術侵襲を小さくできる点が内視鏡手術のメリットではないかと考える」と話している。
----------
>乳腺内視鏡手術は、術後の上腕浮腫や運動制限がほとんどないため術後リハビリを必要とせず、乳腺部分切除から皮下乳腺全摘術+腋窩郭清術まで連続した術式として一度に施行できることもある。
>乳輪アプローチによる内視鏡下乳房温存術(乳腺部分切除+腋窩リンパ節郭清)の施行後5年以上経過した142人の遠隔成績は、生存率95.1%、再発率4.9%で、通常の手術と同等の成績だった。
>ただし、この方法では浸出液漏出が全症例の約10%にみられる

乳腺内視鏡手術は画期的な手術かもしれませんが、副作用も10%ほどあるわけですね。

>余分な脂肪組織を郭清することがなく、周囲へのダメージも小さいため、側副のリンパ流が確保でき浮腫はほとんど出現しない。術後1日目で十分に上腕を挙上することが可能で、疼痛もほとんどない。ほとんどの患者は術後約4日で退院するという。

私の場合、術後は脇が痛くて腕を上げられなかったです。上げられないどころか、水平に動かすのもだめ。雑巾がけができない日々が4か月ほど続きました。
腋窩郭清しなくてもこんな感じでしたから、郭清した人はとても痛くて不便だと想像します。

患者にとってメリットの大きそうな内視鏡手術、気になるのは費用ですね。残念ながらその明示はありませんが、一般的な外科手術より規模が小さい分、費用も安くなるんじゃないかと想像します。

となると、術者の技術面からのインフォメーションが気になる人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

ハーセプチンは再度効く

2009年08月02日 | 病気・症状
分子標的治療薬イレッサで肺がんの治療をし、効かなくなって他の薬を使用、再度イレッサを投薬すると効く場合があるといいます。
最初の投薬により、がん分子の形が変化して効かなくなる。で、しばらくするとまた分子の形が変化して薬が効きやすくなるようだ、、、と聞いたことがあります。

殺細胞性の抗がん剤で、再度使用して効く薬があるのでしょうか? それともこの作用は、分子標的治療薬の特徴となりうるんでしょうか??

で、乳がんの分子標的治療薬にも、同じような作用が報告されました。
----------
【HER2陽性進行・再発乳癌にラパチニブ投与後もトラスツズマブ、4割で有効】
       第17回日本乳癌学会学術総会  2009年7月3日~4日 東京


 HER2陽性の進行・再発乳癌で、トラスツズマブ治療後、ラパチニブによる治療を行い、その後さらにトラスツズマブを投与したところ、患者のおよそ4割に臨床効果が見られた。7月3日から4日に東京で開催された第17回日本乳癌学会学術総会で、愛知県がんセンター中央病院乳腺科の林裕倫氏が報告した。

 HER2陽性の手術不能または再発乳癌の治療には、抗HER2モノクローナル抗体製剤のトラスツズマブが使われる。さらに今年6月からは、分子標的薬のラパチニブも経口5FU系抗癌剤のカペシタビンとの併用で二次治療以降に使用可能となっている(関連記事参照)。

 対象は、トラスツズマブとタキサン系抗癌剤のパクリタキセルを週1回使用した後、病勢進行(PD)となり、ラパチニブを単剤投与した患者8人(ラパチニブ単剤群)とラパチニブとカペシタビンを併用した患者5人(ラパチニブとカペシタビン併用群)。この13人に、さらにトラスツズマブを併用する試験を行った。

 その結果、ラパチニブ単剤群では、部分奏効(PR)が1人、長期の病勢安定(長期SD)が4人、PDが3人、ラパチニブとカペシタビン併用群では病勢安定(SD)が2人、PDが3人で、クリニカルベネフィット(PR+長期SD)は38.7%となった。 PRおよび長期SD患者の無増悪生存期間は6カ月から23カ月だった。

 これらの結果から林氏は「ラパチニブ使用後のトラスツズマブ再投与の有効性が示唆された」とした。ラパチニブ治療後の選択肢の一つとして、再度トラスツズマブを投与できる可能性が示されたといえる。
----------

ちょっと患者数が少ない気がするんですけど、、、とにかく、再度ハーセプチンを投与して奏功した人がいたわけですね。

元々ハーセプチン(トラスツズマブ)の奏功率が約3割といわれており、再度奏功するのが4割。最初の投与より再度投与の方が成績がよい??
ま、この辺は患者数が少ないので、沈黙になっちゃいます。

こういう報告が出ると、んじゃ殺細胞性の薬と組み合わせたらどうかとか、順番を変えたらどうかとか、、、研究にバリエーションが出てくるんでしょうね。いや、既にたくさん研究されていることでしょう。

乳がんの殺細胞性の抗がん剤は、再度使用をすることはないので、分子標的治療薬って不思議な感じがします。


分子標的治療薬に興味を持った人、<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)