乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

日本乳癌学会公開セミナー

2013年07月07日 | 患者の気持ち
第21回日本乳癌学会学術総会 乳癌公開セミナーに参加しました。

友達のエム子から、「最近、ブログの更新がないけど、どーしたの?」の心配メールをもらいました。更年期症状との戦いに疲れてしまい、ずっとだらだら過ごしています。

抗がん剤治療でいきなり更年期症状に突入して、はや7年。コンディションは泥沼化しております、、、と思ったら、エム子が過労でぶっ倒れたと知らせが( ̄□ ̄;)!! 彼女はフルマラソンにも出場するほどの、仲間内では一番元気な女性です。

なんだ、この疲労感は治療の後遺症のせいじゃないのね ( ̄▽ ̄)。乳癌になったからというより、単に加齢によるもの、誰もが通り抜ける関門よねっ(*´∇`*)。お仲間(?)の存在にちょっと気が楽になり、ちょっくら第21回日本乳癌学会学術総会(浜松市)の公開セミナーへ行ってみました。

司会に渡辺亨医師、あけぼの会会長ワット隆子さんが出て、さて始まるのかと思ったら、まずはパイプオルガンの演奏がありました。
乳癌セミナーになぜパイプオルガンの演奏??と、目をぱちくりしちゃったのですが、重厚な音色にすぐに馴染んでしまい、心が穏やかになれました。
そうだった、癌患者にはこういう癒しが必要です。知識の習得よりも心の浄化が先ですわよね。

         

この画像の長方形の中に小さな長方形が見えますか? その中央にかすかな黒点があるのですが、それが演奏者の頭です。天井のシャンデリアは、オペラ座の怪人が乗っかれるほどの大きなものです。手前のお客さんの頭と比べ、演奏位置がいかに高いかがわかると思います。こんな頂上で音を奏でたら、自分こそが神の声を代弁している気分になりそうです。こりゃあ私も弾いてみたいです。

さて、中山清吾先生もパネリストの一人だったのですが、、、おおっ! 1年前にお見かけした頃より断然、ス、スマートになられていましたっ!!昔のハンサムなお姿に戻ったようです。
当時は、先生もいよいよ中年太りかぁ、太るとハンサムも台無しねえ、ただのオッチャンじゃん(ヒソッ)と、非常にがっかりしたのであります。人間、やればできる、努力は人を裏切らないんですねえ。

セミナー自体は1時間半と短かったため、突っ込んだ話とはなりませんでした。が、最新情報をキャッチしました。特にHer2強陽性患者には朗報が入りました。
2年ほど前にこのブログでも紹介した“次世代ハーセプチン”と呼ばれるトラスツズマブ-DM1が今年中に承認されそうです。
この薬は、分子表的治療薬に抗がん剤を搭載したピンポイント抗がん剤です。

また、Her2とHer3を押さえるペルツズマブも承認が近いとのことです。

患者代表のワット隆子さんが、「これら新薬で生存期間が数ヶ月延びたと言われても、患者はたった数ヶ月かという気持ちになる」。

渡辺先生は、「新薬は既薬が効かない人から使う。(母数にはその人たちが多分に含まれていると私は理解しました)。劇的に効く人、全く効かない人も含まれている。術前・術後の補助療法使用は含まれていない。

1剤だと寿命は数ヶ月延びるに留まるが、2剤併用したりすると、2000年以降、寿命は1.5倍ぐらい延びているという印象を持つ。
また、ただ寿命が延びるのではなく、QOLも高まっている」。

中村先生は、「少し前までは、日本で未承認薬を、海外に行ったり海外から購入したりした患者がいた。最近の治験は欧米だけでなく、日本も同時期にスタートするようになった。ドラッグラグは少なくなった」。

皆様、ドラッグラグは解消されつつあるようですよ。


私が今回のセミナーで一番心に残ったのは、ワット隆子さんの言葉です。

「患者はある日突然、患者になる。賢くなれと言われても、その日から賢くはなれない。
だから愛とやさしさをお医者様に求めます」。


ある患者さんが抗がん剤治療で脱毛した時、これでがん細胞も消滅したと喜んだそうです。彼女の担当医が、脱毛と癌消滅は関連がないと言い放つのは、愛がないと。

私なら、抗がん剤は毛根細胞みたいな細胞分裂が盛んな細胞に効くのだから、がん細胞は分裂が早いんだから、効く可能性は高いんじゃないかしら。苦しくても途中で止めない方がいいよ、と言うでしょう。
関連がないのは私も知るところです。が、喜んでいる人に向かって、ばっさり切り捨てるのは、患者としてできそうにありません。苦しむ患者には、救いが必要なのです。

私の母は長年がんを患い、がん治療がどんなものかはわかっていました。が、自分のがんとなると、なかなか冷静でいられなくなります。
自分で手術する病院、日取りを決め、費用を工面しなくてはなりません。仕事を辞めて引っ越して、、、等等、家事や介護をしながらやることが山ほどあるし、治療に入ると、精神的にもかなり厳しくなるからです。

私の場合、ストレスがかかった中で、まず乳がんに関する書物を読み、最新情報をネットで得ようとしたのですが、、、医者だって色々な治療をするし、患者も同様です。情報が雑多で混乱します。
ある癌の掲示板など、「もっと勉強してから書き込め」とか、「あなたは病気を正しく理解できてない」とか、患者に対して強烈なレスが付いたりしていました。

これを患者目線で見ると例えて言えば、車に酔って気分が悪い時、地図を見せられ、駅から自宅までのルートを示してくれと言われるようなものです。

具合が悪いのに、細かな地図など見られますか?
がんばって見ようとすると、吐いちゃうんじゃないですか?

下車して一息つけば、冷静に地図を見られるようになるでしょう。
心ないレスを付けるのは、患者ではない人だからです。

手術がいかに不安なもので、治療がどんなに体にダメージを与えるものか。
ある日突然、精神的、肉体的、経済的にドカッと重い衣を纏ってしまう。それが患者です。

私も纏うものが重すぎて、その日から賢くははなれませんでした。掲示板では、治療や薬の知識より、愛がほしいと叫んでいました。ワットさんの言葉は、患者の本質をついています。

患者が賢くなりたいと思い始めるのは、治療が済み、体調も戻ってからです。つまり、一通り体験してやっと冷静になれる。自分の病気を見つめる気力が湧くのは、ずっと後です。

実際は治療する前に、たくさんの重い決断をしなくてはなりません。わからないから不安になります。他人に頼りたくなったり、手軽にネットで調べたりもするでしょう。それゆえ、上記のような強烈なレスがつくような質問をしたりもするでしょう。

患者のそういう行動の裏にある気持ちは、同じ体験をした患者が一番理解できそうです。が、患者だけでもないでしょう。
患者や家族、医療関係者など立場の違いで、理解は変わるとは言えないと思います。

患者を人としてどう捉えるか。彼女の実像に至るには、想像力が必要だと思います。

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なかのひと

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アンジェリーナ・ジョリーと乳がん

2013年05月16日 | 患者の気持ち
随分と間が空いてしまいましたが、きょうは腰の調子がいいので、チャチャッと書きたいと思います(・∀・)。

昨日のTVニュースなどで盛んに放映していたので、ご存知の方が多いかと思います。有名人の治療はインパクトがありますから、私もこの話題にちょっと触れてみます。

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【アンジェリーナ・ジョリーが選択した「乳腺切除」 技術が格段に進歩、「美しい」再建できる】 2013/5/15 18:15 j-CAST

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(37)が乳がん予防のために、両胸の乳腺切除の手術をおこなったと告白して、世界中の関心を集めている。

乳腺を切除すると、乳房の大半を失うことになる。現在は再建手術により、「美しく」戻ったというが、日本のネットでは「がんにかかったわけではないのに、本当にそこまで必要だったのか」と疑問の声も上がっている。

発がんリスク、87%から5%以下に

アンジェリーナさんは5月14日付けのニューヨークタイムズ(電子版)に「私の医学的選択」というタイトルで寄稿した。そこで、遺伝子検査の結果、BRCA1と呼ばれる遺伝子に変異があり、乳がん・卵巣がんになる確率が一般の人よりもかなり高いことが分かったため、がんのできる乳腺を切除する手術に踏み切ったと明かした。

アンジェリーナさんの医師によると、乳がんにかかるリスクが87%、卵巣がんが50%あったという。一般に、BRCA1に欠陥がある場合の乳がんにかかる確率は65%で、日本人女性のうち生涯で乳がんにかかる確率は6%(国立がん研究所統計)だから、かなり高い数値と言える。アンジェリーナさんは、がんにより母親を56歳で亡くしており、子どもに同じ思いをさせたくなかったと検査に至った理由を説明している。

アンジェリーナさんの文章には、措置の過程もつづられている。まず乳首を温存するため、乳管とその周りの血管を除去する処置をした上で、2週間後に手術で乳房組織を取り除いた。

乳腺をすべてとるとなると、乳房の大部分を切除することになる、とピンクリボンブレストケアクリニック表参道の院長・島田菜穂子医師が14日、やじうまテレビ!(テレ朝系)などで語っていた。

そこで、アンジェリーナさんは9週間後、乳房のかたちを再建するため、インプラントを埋めこむ手術を受けた。一般に、乳がんでの乳房切除後の乳房再建術では、インプラントには、シリコンまたは自分の組織が用いられる。ここ数年で再建の技術は格段に進歩しており、「美しい」結果になりえたようだ。

これらの措置により、アンジェリーナさんは発がんリスクを5%以下に減らしたという。

日本での費用は「遺伝子検査が20万~30万円、手術は全部で約200万円」
この予防のための遺伝子検査と乳腺切除術は、乳がん患者が女性の8人に1人と多い欧米では、一般に知られている。ただ、日本では、乳がんと診断される前の検査や手術は保険適用外ということもあって、とくに手術はほとんどおこなわれていない。ごく一部の遺伝外来が受け付けているが、費用は「遺伝子検査が20万~30万円、手術は全部(遺伝子検査込み)で約200万円」(島田医師)という。検査でリスクが高いと分かった場合は、おもに「なった際にどうするかを綿密にカウンセリング」(同)していくそうだ。

こうしたこともあって、日本のネットではかなり驚いた人も多かったようだ。

「リスクが高いから削除・・凄い判断ですが、将来これが普通になるのかな?」
「本当にそこまで必要なの?」

アメリカでも、「多くの女性に遺伝子の検査を受けてもらい、もしリスクが高かったならば、強力な選択肢があることを知ってもらいたい」とするアンジェリーナさんの呼びかけを、疑問視する向きは出ている。アンジェリーナさんのように遺伝子に問題があるケースは特殊で、ほとんどの人には検査も手術も必要ない。さらに、アメリカでも検査にかかる費用は3000ドル(約30万円)と高額だ。

「リスクを抱えている女性にとっては切除手術は意味があるものですが、ほとんどの女性はそれに該当しないのです」
スローン・ケッターリング癌センターの乳がん部門主任、モニカ・モロー医師はNYT(電子版、14日付)に対してこう話した。

なお、日本乳癌学会では、ホームページ上で「乳がんのうち5~10%は遺伝性である」と説明した上で、遺伝子検査の対象者の条件を以下のようにあげている。
・乳がんと診断された年齢が若い(50歳以下が目安)
• ・同時にまたは異なる時期に、2つ以上の原発性乳がんを発症した場合(両側の乳房にて乳がんが認められた場合や、同じ側の乳房内に明らかに別の複数の原発がんがある場合を含む)
・乳がんと同時にまたは異なる時期に、卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんのいずれかを発症している場合
・乳がん患者の父方母方どちらか一方の家系の近縁の血縁者の中に、乳がんと診断された人が2人以上いる場合、または、近縁の血縁者の中に、乳がんと診断された人が1人しかいなくても、ほかに卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんのいずれかの患者がいる場合
・ 乳がん患者が男性である場合
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昨年、中村清吾先生の遺伝性乳がんの講座を聴きました。内容をちょっと紹介します。

祖母、母、娘と、乳がんが続いておこる場合、2つに分けて考えることが必要だそうです。
1つは、親の卵子または精子の遺伝子に変異があったり、もとから体のすべての細胞に特定の遺伝子変異があり、体のある部位でがんを発生しやすくなり、子供が乳がんに罹患しやすくなる場合。

2つは、家族で高脂肪食、アルコールの多飲、肥満、高齢出産という環境で生まれ育った場合。

BRCA1、BRCA2変異保有者の乳がん、卵巣がんの発症リスクは、30歳を過ぎたあたりから徐々に上昇します。BRCA1変異保有者だと、60歳で半数弱までに。BRCA2変異保有者だと、70歳になる前に過半数を超えます。

遺伝子検査のステップについては、
1 家族性のリスクを有する患者の判定
2 遺伝子カウンセリング
3 インフォームド・コンセント
4 検査の実施
5 結果説明
6 検査後カウンセリングとフォローアップ
1の段階では、主治医の責任が極めて重要です。

BRCA陽性となった患者には3つの対策が主に取られます。
1 予防切除術(乳房切除、卵巣摘出)
2 化学的予防 タモキシフェン、経口避妊薬
3 検診 マンモグラフィ、MRI、超音波、視触診

上記にあるよう、日本での遺伝子検査にかかる費用は20万円ほどとのこと。中村先生は日々、費用を軽減するために尽力の最中だと思われます。

もし私がBRCA陽性だったら、乳房の予防切除をすると思います。自分が乳がんになった経験から、そう思います。最初の5年間は常に再発の不安との戦いでした。この5年分の不安が200万円でかなり軽減するのなら、私はがんばって働いて資金を作るでしょう。

中村先生のスライドでは、30歳以下での乳がん・卵巣がんの発症率は少なそうなので、妊娠出産はそれまでに済ませておきたいと思うでしょうね。

、、、となると、恋愛・失恋を何度か繰り返し、好みの男性と結婚するまでの猶予期間が必要です、、、となると、成人するぐらいまでには検査を受けたほうがいいように私は思ってしまいます。

もちろん、「リスクが高いから削除・・凄い判断ですが、将来これが普通になるのかな?」と思う方には無用の検査になるでしょう。

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なかのひと

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医療ジャーナリストのニーズ

2013年03月11日 | 患者の気持ち
この数年、医療事故に関する報道が増えているような気がします。
あるテレビ番組のある医療ジャーナリスト、元は写真家だったらしいのですが、出演当初はスリムでいかにもアーティストっぽい身なりでした。

「患者の立場から見た医療問題」を唱えてずっと取材を続けているとのことなんですが、、、政治家のように脂ぎって太っちゃったんですぅ(╬☉д⊙) 。

私もアーティストの端くれですが、、、美を追求するとか、自己表現を磨くようなに就くと、醜く太るってことは少ないっす( ̄▽ ̄)。
彼の肥え方は、ジャーナリストになったからなのか?

いや、ジャーナリストは真実を追求する職業ですよね??

私はマスコミ関係の会社に出入りしたことがありましたが、、、社員は取材に追われ、会社に戻れば資料集めと原稿書きです。食事もそこそこ、長期休暇も取れません。
太っている人はいませんでした(`▽´)!

デスクワークだけならば、運動不足で太ることもありましょう。しっかしです、取材は体力なんです。
ジャーナリストと名乗るなら、ある真実を追求するためには、多面的な取材が必至です。関連資料を集め、“ウラ”を取らねばなりません。この地道な作業なくしては、情報は公にはしちゃいかんのです。

取材活動をこなし、膨大な資料を読みこなし、無駄な時間と思われるような時間を費やす。そこから真実を追求する人って、そんなに太る暇があるのでしょうか?

最近のマスコミは、このウラ取り作業が甘いのか、「番組の訂正がございます」が多いですね。多過ぎて、最後に「申し訳ございませんでした」の謝罪の言葉もなかったりします。すげー(●゜ω゜●)!

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「適応外治療の説明不足」で説明義務違反!?

判例解説●高松高裁2005年6月30日判決
膨張する「説明義務」の範囲


 乳房温存療法が適応外の患者に乳房切除術を行ったケースで、医師側が敗訴しました。温存療法が適応外である理由を詳細に説明し、セカンドオピニオン先も紹介しましたが、それでも温存療法の説明が足りないとされました。

【執筆】田邉昇=弁護士(中村・平井・田邉法律事務所)

事件の概要
 患者は50歳代の女性である。県立病院で「乳癌の疑いあり」と診断された患者は、乳房温存療法に積極的に取り組んでいる大学外科助教授Aのことを本で知り、診察を受けた。Aが診察したところ、乳癌の疑いが強く、Aは健診センターのB医師の精密検査を受けるよう勧めた。

 健診センターのBはマンモグラフィー、超音波検査および細胞診を実施した。その結果、やはり強く乳癌が疑われたため、Bは患者の同意を得て、1995年12月14日、大学病院で摘出生検を実施。AとBは、病理診断の結果や、自ら生検標本を検鏡した結果から、乳房温存療法の適応がなく、乳房切除術が適当であることを確認した。

 Bは、患者および夫に、患者の病変は初期の浸潤が疑われる「非浸潤性乳管癌」であり、癌細胞の悪性度が高く、切除標本のほとんどすべてに乳管内癌が広がっていると説明、早期に転移する可能性は低いと思われるものの、このまま放置すれば遠隔転移を起こす浸潤癌に移行する可能性があることを説明した。

 そして、非浸潤性乳管癌の場合、一般に乳房切除術と乳房温存療法があり、自分は乳房温存療法を積極的に行っているが、患者の場合、広範囲の乳管内進展型で、マンモグラフィー上も乳房の中に癌がたくさん残っているので、乳房温存療法は適応外であり、乳房切除術によるべきであることを説明したほか、現時点では転移がないため、乳房切除術を行えば予後は良好であることなどを伝えた。

 Bは患者らに対し、セカンドオピニオンも聞きたいのであれば構わないと話したところ、患者が「どこへ行ったらいいでしょうか」と質問したので、がんセンターなどの病院名を挙げた。患者が「乳房温存療法に積極的な東京の放射線科医のC医師はどうか」と質問したところ、「あそこだけはやめておいた方がよい。内部の人の話だけれど、再発が多く、C先生にかかれなくなって外科にかかり直している」などと返答した。

 また、医師である患者の夫は患者に、「組織診断は助教授の診断だから間違いない。乳房切除にすべきである」旨の発言をした。

 患者は、96年1月4日、乳房切除術を受けること、セカンドオピニオンは聴取しないことをBに電話で伝え、入院・手術予定日を決めた。

 Bは同月23日、手術の実施に当たって患者および息子に対し、再度病状や手術の合併症などを説明し、患者と息子は「手術・麻酔・検査承諾書」などに署名・押印し、手術の実施を承諾した。

 同日午後、Bは自ら執刀医となり、Aを助手として、患者に対し本件手術(乳房切除術)を施行し、患者の右乳房を切除した。切除標本の病理組織検査結果は、小範囲ながら非浸潤性乳管癌が見られというものであった。Bは患者に検査結果を示し、乳房切除術が妥当であったことを説明した。

 しかし、その後患者は、医師らは乳房温存療法などについて十分な説明をせず、自らの意思で治療方法を決定する機会を奪ったなどと主張し、慰謝料など合計1100万円の支払いを求めて提訴した。

判決

 地裁では請求棄却となったが、患者側は控訴した。控訴審の高松高裁は、生検結果などから本件の患者は乳房温存療法の適応である可能性は低かったものと認められるとしながらも、一審判決を覆し、医師側の説明義務違反を認定。大学およびA、Bに、連帯して240万円を原告に支払うよう命じた。

 裁判所は、患者が乳房温存療法に強い関心を有していることを医師らが認識していたと推認。その上で、「乳房切除術および乳房温存療法のそれぞれの利害得失を理解した上でいずれを選択するかを熟慮し、決断することを助けるため、患者に対し、医師らの定めている乳房温存療法の適応基準を示した上、患者の場合はどの基準を満たさないために乳房温存療法の適応がないと判断したのか、という詳細な理由を説明することはもちろん、再発の危険性についても説明した上で、医師らからみれば適応外の症例でも乳房温存療法を実施している医療機関の名称や所在を教示すべき義務があったというべきである」とした。

 Bが患者に説明した内容は「乳房温存療法は適応外であり、乳房切除術によるべきであることを説明したにとどまり、乳房温存療法が適応外であることについての上記説示のような詳細な理由を説明したとは認められない」と判断した。

 Bが患者に対し、がんセンターなどの名を挙げたことについては、「これは、乳房温存療法は適応外であり、乳房切除術によるべきこととした判断についてセカンドオピニオンを受けることのできる具体的な医療機関を教示したにとどまる」として、「Bからみれば適応外の症例でも乳房温存療法を実施している医療機関の名称や所在を教示したと認めることはできない」と判示した。上告受理申立も却下され、判決は確定している(高松高裁2005年6月30日判決)。

解説

 私はこの判決を詳しく読んで、あぜんとしてしまいました。「温存療法が適応外である理由を詳しく説明しなかった」「温存療法を行っている施設を紹介しなかった」などを理由に説明義務違反が認められたのですが、病理診断に基づいて病状を詳しく説明し、セカンドオピニオン先まで紹介しているのにそう判断されたことには、驚きを禁じ得ません。

 そもそも、乳癌手術の際の説明は、患者の自己決定に必要な情報を提供するために行うものです。医師の夫がいて、書籍で調べて病院を訪れている患者が、医師からこれだけの情報を得て自己決定ができないなら、ほかにどんな情報があればよかったのかと強い疑問がわいてきます。

 判決では「乳房温存療法を行った場合のデメリットまで説明せよ」としていますが、癌が広がっていることや、現時点では転移がないため、乳房切除術を行えば予後は良好であることなどを説明していることからすれば、温存療法のデメリットとして、残った癌が遠隔転移するという危険性を患者は当然認識していたのではないでしょうか。

 この判決には、ほかにも首をかしげたくなるポイントがあります。B医師は、患者が受診してから3週間近く連絡がなかったため、患者に電話をかけ、生検を受けることを勧めたのですが、裁判所はこれを「患者に診療方針の選択について熟慮する機会を与えるという観点からみた場合、不適切であったとの批判の余地はある」などとしています。さらに裁判所は、乳癌を「精神的苦痛を重視すべき特異な疾患」として考えていますが、現在では形成外科の進歩で、形態的にはかなりの再建が可能ですから、乳房切除術への「偏見」自体が誤ったものといえるでしょう。医師は乳房再建術についての説明を行い、患者に勧めています。

 上告受理申立も却下され、最高裁もこの判決を不問にしているようですが、これがまかり通るようでは、裁判所に対する不信感が増大するばかりでしょう。医療行為の当否については、学会が適切な鑑定人を推薦することで、不当な判決をある程度食い止められますが、説明義務違反は裁判官の独壇場です。わが国の医療をこれ以上荒廃させないためにも、早期に医療審判に関する代替の制度を確立し、裁判によらずに原因や解決法を模索する仕組みをつくるべきです。
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乳房を温存することに、大きな執念を持つ人もいます。そういう患者の場合、この記事を読むと、医師が温存することはリスクが大きいと説明しても、本人には伝わらないような気がしてしまいます。

この件の場合は、患者の夫が医師であることも大きな?です。医学的知識を持っている夫でも、温存リスクに関しては少ないはずだと考えているかのように見えます。

この夫である医師が、もし妻である患者の立場だった場合、やはり温存手術を希望するのでしょうか?

彼の医療技術にとても興味を持った記事でした。
医療ジャーナリストならば、こういう医師への取材をお願いしたいところです。取材交渉や、裁判傍聴、乳癌手術の術式を調べるなどなど、、、肥える暇はないと思いますよ。

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助けて~っ

2013年03月06日 | 患者の気持ち
入院中のことを少し書いておきましょう。

入院生活で私が一番困るのは、他人のいびきです。
寝る時は真っ暗、一人でないと寝られない私です。普段の生活では、その環境だと朝までノンストップ8時間睡眠はいけます。しかし、4人部屋だと誰かがいびきをかき、トイレに行き、そして看護師だって見回りに来ます。
というわけで、デリケートな私は、必ず眠れなくなります。今回もそうでした。

睡眠不足は折り込み済みです。仕方ないから同部屋の人の寝言なんぞを聞いて過ごしていました。寝言は、何を言っているのか不明瞭なのが救いですね。明瞭だと、どんどん興味が湧いて聞き入ってしまいますから(笑)。

ある晩のことです。お隣の病室へ移ってきたおばあちゃんが、、、

「助けて~、誰か来て~」

何事ぞっ!って、思いますよね。
でも私は両足を手術しているし、周りの人たちだって似たようなもの。看護師が来るのをじっと待つだけ。

しかし看護師は来ない。おばあちゃんは叫んではいるものの、ナースコールを押していない様子。その後、おばあちゃんと同室の人によると、「助けて~」は彼女の口癖なんだそうな。

以後、毎日、何度もおばあちゃんの「助けて~」が聞こえることとなったのであります。

これが「○○に惚れとるで~」とか「○○を食べさせろ~」とかなら、生暖かい目でスルーできるのですが。。。
このおばあちゃん、誰かに助けを求めなくてはならぬ人生を送ってきたというのか??
などと、私の妄想は脹らむ一方で、
聞くのが精神的に辛くなってしまいました。

昨年末に怪我をして以来、周りの助けを借りて生活を続ける私です。親切な友人の助けなしには,ご飯だって食べられなかった。役所や病院にも行けなかったのです。私こそ「助けて~、誰か来て~」と叫び続けていた張本人なのであります。

自分も80歳を超えてなお、助けてと叫ぶ生活を送るようになるんじゃないか、、、と想像すると、暗くなってしまって。叫ぶの、もうやめてと、彼女に苛立ちを感じるようになっていったのです。

毎日この口癖を聞き、憂鬱になっていたら、ある夜のことです。同室の84歳のおばあちゃんが寝言で「早くやらなくちゃ~」。

彼女は翌朝、仕事をしていた夢を見たと話してくれました。このおばあちゃんは50歳の時、夫を亡くし、夫の会社の社長となり、従業員を養うために身を粉にして働いたそうです。従業員のご飯まで作っていたというから、朝から寝るまで働き詰めだったのでしょう。昔の話ですから、今よりずっと労働はきついはずです。

夢の中でも働き続けるおばあちゃん。この方は相当、頑張って生きてきたんじゃないかと。
80歳を超えた時、私はこんな格好いいおばあちゃんになっていたい。

尊敬できるおばあちゃんの出現に、私も頑張らなくっちゃと、自分に活を入れたのであります。

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【ネット依存】

治療目標は「節度ある使用に戻すこと」

 インターネット上のゲームやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に没頭し、日常生活での心身状態や対人関係などに弊害が生じる状態をネット依存(インターネット嗜癖)と呼ぶ。2004年ごろから韓国などで注目を集め始め、長時間、同じ姿勢でインターネットを利用することで深部静脈血栓症を発症した例や、ネット依存との関連が疑われる自殺例などが問題となっている。



 ネット依存は米国精神医学会によるDSM-4分類には含まれておらず、疾患として認定されていない。そのため、統一された診断基準はまだない。現在、診断の参考として主に使われているのが、米セント・ボナベンチャー大のキンバリー・ヤング氏が考案した「Internet Addiction Test(IAT)」と、韓国の情報社会振興院(National Information Society Agency)が開発した「Kスケール」だ。



 どちらも「配偶者や友人と過ごすよりも、インターネットを選ぶことがあるか」「睡眠時間を削り、深夜までインターネットをすることがあるか」といった複数の質問項目を設け、回答項目ごとに設定された得点の合計で判定する。IATでは20問の設問があり、100点満点中40~69点をネット依存傾向、70~100点をネット依存の疑いとしている。



 日本では11年7月、国立病院機構久里浜医療センターが国内初のネット依存治療部門を開設した。同センターはそれに先立つ08年に、20歳以上の男女4123人を対象としてIATによるネット依存傾向の調査を実施。回答を得た4090人のうち、2%に当たる82人が40点以上だった。



 この結果から同センターの心理療法士の三原聡子氏は、国内の成人のネット依存傾向者(IAT40点以上)は約270万人と推計。ただし、「当センターに来院する患者の7割が大学生までの若年層であるため、調査対象に20歳未満も含めれば、より多くの依存者の存在が明らかになるのではないか」と推測する。



 治療は、薬剤をほとんど使わず、生活習慣の改善を目的に個人精神療法などが行われる。同センターの精神科医の中山秀紀氏は「アルコールや麻薬と違い、インターネットは人々の生活に必要不可欠なものとなっており、節度ある使用に戻すことが治療目標となる。治療が困難な患者には根気強くアプローチをし、利用時間を制限していくことが重要となる」と語る。



 現時点では、明確に効果が得られる治療法がないのが実情だ。三原氏は、「開設してから昨年12月までに121人の患者がネット依存を主訴に来院しているが、継続的に通院できている患者は3~4割。治療に難渋する患者の中には、うつ病や注意欠陥・多動性障害(ADHD)が背景にあるケースもある」と話す。



 最近では患者に週1回、朝から夕方まで院内で過ごしてもらい、インターネットを使えない時間を設けるなどの取り組みを始めているという。「今後は、アルコール依存の治療に使われているグループ療法などの導入も検討していきたい」と中山氏は話している。
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入院中、私が一番懸念したのはこの問題です。私も1日中、ネット接続生活なので、それがいきなり遮断されたら、私は我慢できるのだろうかと。

結果は、全く問題なしでした♩

というか、ネットショッピングとかオークションとか、無駄に時間を使っていたことがよくわかりました。ネットショッピングで品物を買うことより、どんな品があるのかに興味があるだけだったんです。知ってためになるのか? なりませんね(苦笑)。

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死にたい。

2012年12月25日 | 患者の気持ち
皆様、楽しいクリスマスを過ごしてらっしゃいますか?
私は、、、人生最悪(だと思う)日を過ごしております(T*T)。

今月初旬の寒~い晩、いつものようにウォーキングを1時間弱行いました。あまりに寒い夜だったので、通常の運動靴ではなく、ぶかぶかのブーツで歩いちゃったんです。で、膝を傷めたのですが、、、だましだまし過ごしていました。その後も毎晩ウォーキングをしていたのですが、、、徐々に悪化。選挙の朝、室内でコードに足をひっかけ、転倒。通常だったら、軽く踏ん張れる状況だったのです。が、既に膝が悪く、踏ん張った瞬間、膝のお皿に強い痛みを感じました。

半月板損傷です。
画像で見ても、医師の説明を聞いても、1、2か月後には手術になりそうです。

病院で診断された後は、ギブスで固定となりました。これは困りました。私は一人暮らしの自営業者です。

膝の痛みもさることながら、変な歩き方を強いられ、腰痛も出現です。というか、日に日に腰痛がひどくなっています。整骨院でマッサージや鍼治療を受けたい。でも、仕事ができず、毎日のタクシー通院は経済的につらいものがあります。なので、自宅でじっと我慢です。

起きていると膝が痛む。が、横になると腰が痛む。風呂に入れず、食事も作れず、かろうじてトイレに行くぐらい、他は何もできません。

80歳ぐらいになり、足腰が弱って動けず、あちこち痛いとこだらけって、こんな感じでしょうかね。

若い頃は怪我をしても、一晩寝るごとに回復を実感できました。将来に起こってほしいと思うことが起こりそうな気がして、日々を過ごせたのです。が、今回は、日々増す痛みのせいで、全くそんな気持ちになりません。
乳癌の手術の時は、傷口が痛かったのは1日だけ。しかし膝の場合は、そうはいかないでしょう。術後だって、こんな痛みがしばらく続く。そう思うと、どうやって生活するのか、、、考えなくては手術を受けられませんが、考えるのがしんどいです。

仕事はできないのに、医療費と交通費がどんどん出ていきます。石油ストーブの灯油もなく、電気ストーブだけ。台所にも立てず、髪もベタついてきて、これじゃまるで寝たきり老人。掃除はどうするよ? 五ごみ出しは?? もう死にたくなっちゃいました。

癌患者となって以来、鬱病患者が「死にたい」というのを、何と甘いことを言うのだろうと思っていました。癌になれば、死にたくなくなるよ。本当の死の恐怖を体験したことがないから、死にたいなんて口から出せるのだろうと思っていました。

半月板損傷も腰痛も、直接生命を脅かすものではありません。
しかし、、、それが絶望をもたらすことがあるのだと、私は体験しています。

怪我をして3日間は、冷凍庫にあったもんをチンして食べてしのいだのですが、、、食料が尽き、さてどうしようかと。友達に助けを求めようとしても、皆、働いているから、土、日しか体があかないし。。。

「ノエルちゃん、選挙ではどーもありがとうございました。今、スーパーにいるんだけど、ノエルちゃんの好きなパンを持って行きま~す」
と、4日目に亡き母の友人から電話が。彼女と母は同時期、ある宗教に入信しました。で、今回の選挙では、ある党を応援することになっていました。母の娘である私にも当然のように、選挙協力のお願いがあったのです。

これはもう、「慈悲の心」を掲げる宗教家の心に頼るしかありません。事情を話して食料を買ってきてもらいました。
いや~~、助かったぁ! その後、病院まで車を出してくれたし、灯油も買ってきてくれたし、おかずまで作って持ってきてくれました。彼女にとってはとんだ迷惑ですが、責任感の強い彼女です、たびたび電話をくれます。

投票に行く前に怪我しちゃったんだけど、それは“口”チャック。本当に本当にありがとうございます。

ノエルの晩にこんなエピソードを書いちゃって、なんだかなぁ。。。

あ、今はようやく痛みが引いてきました。先の彼女がクリスマスケーキを持ってきてくれたし。まあ、波乱の人生、こんな年越しもありますよね。

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なかのひと

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患者様の満足度

2012年10月01日 | 患者の気持ち
台風一過、後片付けしています(;´3`)=3

我が家が台風17号の直撃コースに乗っかっちゃったのがわかっていたので、あらかじめ、昨年の教訓を元に、LEDランタンとネックライトを用意。もちろん、昨年吹っ飛ばされて修理代5万円もしちゃった門も縄でがっちり固定。とばされそうなものは全て家に収容。
草むしりはこの日のためにずっと放置。昨年は塩害で雑草まで枯れ、草むしりをしないですんだんです。

で、雨風が強くなりそうな夕方頃、救急車が続けて2台。強くなって更に2台。誰も外は歩いてなさそうな天候なのに、室内で一体何が? ひょっとしたら、暴風雨に恐くなった一人暮らしの人が呼んじゃったとか??

何とか夕飯は食べられたのですが、、、お風呂をどうしようかなと思っていたら、停電キタ━━━━(゜Д゜|||)━━━━!!
19時で真っ暗です。

一番困るのは冷蔵庫です。んが、これも昨年の経験から、バッチリ用意してありました。

おにぎりです!

でんぷん質は融けにくいのです。おにぎりを冷凍庫の一番上に置いておくと、保冷剤の役割も果たしてくれる。これも昨年の経験です。

ネック対策ができていたので、さっそくふて寝です。、、、とはいえ、20時に就寝っていうのは難しいです。暴雨風雨のサウンドエフェクトもすごいし。

防災ランタンにラジオも付いていたので、ずっとそれを聴いていました。3分間取っ手を回して充電すると、5分間ライトがつくかラジオが聴けるかという品なんですが、、、5分間って、短いです。
取っ手を回すのが次第に面倒になってきました。しかも、一番台風が接近した21時頃、ライトもラジオも点かなくなりました。

内蔵電池が切れたようです( ̄□ ̄;)

頃を見計らったように、トイレに行きたくなりました(T*T)。

仕方ないので、ネックライトを灯して用を足しに。でも、ネックライトの灯りはおぼろです(TT▽TT)。
というわけで、ヘッドライトが一番有用な気がします。ランタンは手で持って歩くことになるしね。

せっかく準備万端と思ったのに、今回もまた失敗です。
というわけで、ただいま、庭に飛んできたもんを片付けちうです。

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【病院に満足している患者は外来で50%、入院で64%】

厚労省が2011年受療行動調査をまとめる

 厚生労働省は9月11日、2011年の受療行動調査の概況を公表した。これは全国の医療施設を利用する患者に対し、受療の状況や受けた医療に対する満足度を調査したもの。



 それによると、外来を受診した患者のうち、病院に「非常に満足」あるいは「やや満足」(以下、「満足」)しているとの回答は49.7%。「やや不満」あるいは「非常に不満」(以下、「不満」)は4.4%だった。病院の種類別にみると、「満足」との回答は特定機能病院が57.1%と最も多く、小病院(52.2%)、大病院(51.1%)と続いた。「不満」との回答は、中病院が5.2%と最も多く、次いで大病院(5.1%)、特定機能病院(4.6%)だった。



 外来患者の項目別の満足度をみると、「満足」の割合が最も多いのは「医師以外の病院スタッフの対応」で49.3%。以下、「医師との対話」(48.8%)、「医師による診療・治療内容」(46.7%)と続く。一方、「不満」の割合が最も多いのは「診察までの待ち時間」(25.3%)で、「診察時間」(7.8%)、「精神的なケア」(6.0%)と続いた。



 入院患者では、「満足」が64.1%、「不満」は4.5%。病院の種類別では「満足」との回答は、特定機能病院が72.6%と最も多く、大病院が69.1%、小病院が65.4%。「不満」との回答は、療養病床を有する病院が4.9%と最も多く、小病院が4.6%、中病院が4.5%だった。



 入院患者の項目別の満足度では、「満足」の割合は「医師による診療・治療内容」(68.1%)、「医師以外の病院スタッフの対応」(67.1%)、「医師との対話」(63.0%)の順で多かった。一方、「不満」の割合が最も多いのは「食事の内容」で14.5%。「病室・浴室・トイレ」(11.2%)、「病室でのプライバシー保護の対応」(7.5%)と続く。



 診察を受けた病気や症状に対する診断や治療方針について、「医師から説明を受けた」と回答したのは外来が85.6%、入院が93.3%。また、その説明の内容が「分かった」との回答は外来が96.6%、入院が93.5%。「分からなかった」は外来が3.4%、入院が6.5%にとどまっており、きちんと説明がなされていることが分かる。



 もっとも、診断や治療方針に対する疑問や意見について「十分に伝えられなかった」との回答が外来で13.6%、入院では16.7%あった。「十分に伝えられなかった」理由については、「質問しにくい雰囲気だった」が外来で5.7%、入院で6.0%。「的外れな疑問や意見のような気がした」が外来で4.0%、入院が4.4%だった。



病院を選択した理由は、外来は「以前に来たことがある」が最多


 病院を選んだ理由については、外来では「以前に来たことがある」が38.0%と最も多く、「自宅や職場・学校に近い」(37.6%)、「医師による紹介」(33.2%)と続いた。入院では「医師による紹介」が49.0%、次いで、「以前に来たことがある」(34.9%)、「医師や看護師が親切」(34.7%)だった。



 病院を選択する際に「病院について何らかの情報を入手した」との回答は外来が51.6%、入院が55.3%。「特に情報は入手していない」との回答は、外来が38.8%、入院が35.3%だった。



 病院を選択する際の情報源を項目別にみると、「医療機関の相談窓口」が外来26.0%、入院42.4%と最も多く、「病院が発信するインターネットの情報」(外来13.2%、入院10.6%)、「病院の看板やパンフレットなどの広告」(外来11.9%、入院8.8%)と続いた。

病院の種類別にみると、いずれの規模の病院でも「医療機関の相談窓口」がもっとも重視されていたが、特定機能病院、大病院、中病院、小病院では「病院が発信するインターネットの情報」が次いで多かったのに対し、療養病床を有する病院は「病院の看板やパンフレットなどの広告」が続いた。



 調査は岩手県、宮城県、福島県を除く全国の500病院を対象に、2011年10月18~20日のうち1日、調査票を配布して行った。調査票の回収数は外来9万9986、入院5万2569。病院規模は、大病院は500床以上、中病院は100~499床、小病院は20~99床と区分した。



関連サイト
平成23年受療行動調査の概況(概数)
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超高齢化により、“患者”数は今後増えそうですし、“少子化”により、医療スタッフは減りそうです。外国人スタッフの導入なしでは成り立たないという声もあがっていますね。

いまのうちに“仮病”救急患者の撲滅を図らないと、病院に対して不満だらけになりそうです。

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乳癌と腰痛

2012年08月20日 | 患者の気持ち
皆さま、お久しぶりです。お盆休みはゆっくりできましたか?

私は、、、腰痛でのたうちまわっちゃって、オリンピックを観る以外はほとんど寝て過ごしていました。で、思い余って大きな病院の整形外科へ行き、MRI検査へ。

結果は、、、ヘルニアなど物理的な所見はなし。「んじゃ、なんでこんなに痛いのよ!」って感じです。
医師は、スポーツで背骨を痛めているし、抗がん剤治療で閉経が普通の人よりかなり早いし。女性ホルモンの影響力は大きいから、骨粗しょう症になりやすいですよ、と。

で、出された薬を飲んだ翌日、、、痛みがなくなってしまいました!

まぢかよっ(゜Д゜)??
骨粗しょう症改善の薬を1錠飲んだだけで、こんなにスッキリなるの(゜◇゜ )???

納得いきません(`⌒´)。
だって私は学生時代から社会人になっても、ずっとハードなスポーツをやっていたんです。背骨を痛めてスポーツをやめ、替わりに1日5キロの高速散歩や筋力トレーニングをしていたのに。。。

乳癌になる前に測った骨密度は非常に高かったのですが、、、乳癌→抗がん剤治療→閉経→6年経過で、骨密度は標準と低いの境界まで激減していました。毎日牛乳を2本飲んで散歩を1時間しても、こんなに落ちてしまう、、、のか???

納得いかなくて、骨や筋肉、体脂肪なども測れる体重計を購入し、測定してみたのですが、、、骨、筋肉の量は「標準」でした。まあ、簡易体重計からの算出数字ですから、これを信じるわけにはいきません。が、骨粗しょう症の人なら、いくらなんでも骨量が標準とは出てこないんじゃないかと。

この薬を飲み始めてきょうで5日目。腰痛は出ません。整骨院でマッサージをしてもらったら、「あら、背中のいつも硬い部分が軟らかくなっていますよ」。とってもとっても不思議です。だって、前日は調子こいて延々と椅子に座り続けていたのに。

というわけで、座り姿勢ができるようになっちゃいました。お掃除もガンガンやっています。

痛みって、人から希望を奪うものですね。
せっかく乳癌治療が終わり、がんばるぞーっと気合いが入ったのに、腰痛で簡単に打ち砕かれてしまいました。

腰痛なんて、癌になるよりもずっとマシだろうと思っていたのですが、、、同じように嫌なものです。痛いのが治らないというのは、絶望感がどんどん強まってしまうのです。

せっかく乳癌の治療で病院や主治医が全力を尽くしてくれたのにと、この1年半、自分に言い聞かせていました。
“癌では鬱にならなかったのに、腰痛で鬱になった”というのは、ちょっと格好悪いなあと(〃ω〃)。

もっと早くこの病院へ行けばよかったのですが、、、いきなり大きな病院にはかかれないシステムになっているのが災いしました。近所の開業医に行ったのですが、「安静にしなさい」で片付けられていたのです。これを3件、同じ文句を言い渡されました。

自己暗示とか心理学の本も読みました。呼吸法なんかも学んだし、そうそう、健康食品もやってみました。すがるような気持ちで、ある会社のグルコサミンを飲んだら、痛みが消えました。健康食品は信じていなかったのですが、利いてしまったので続けようとしました。ところが、、、

有効成分を良く見たら、その製品にはグルコサミンのほかに、痛みどめの成分が含まれていました(╬☉д⊙)。そりゃー、痛みは取れるわ。でも、これってグルコサミンのせいじゃないじゃん(`ロ´)。
健康食品は気を付けましょう←自戒をこめて。

というわけで、あと、試してないのは宗教ぐらいです(≧▽≦)。ま、宗教は健康食品よりずっと高くつくので、やる予定は全くありません。

いまだに骨粗しょう症の薬が奏功しているとは思いたくないのですが、事実は事実です。こういう状況だと、薬を止める勇気もありません。

でもね、でもね、でもね、、、私のように栄養と運動に気を付けている人が骨粗しょう症の薬を飲むということは、世の中の大半の人が骨粗しょう症だと思うよ(ボソッ)。

ああ、受け入れられないわあ ( ̄_ ̄ i) 。


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帰ろうとしない患者

2012年08月05日 | 患者の気持ち
オリンピック・サッカー、男女ともにベスト4進出!
画面で各国選手の体つきを観ている分には、日本選手がこんなに勝てるなんて、、、信じられなかったです^^;
最近の柔道は、「剛よく柔を制す」ですな。レスリングとどこが違うの?って感じのバトルになっちゃっているし。国際スポーツ化するということは、こうゆうことなんでしょうか。日本人選手はもっと肉を食べた方がいい? 米くってる場合じゃないのか? なんて、ふと考えてしまいました。

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【帰ろうとしない患者の対応に苦慮-病院勤務の警察OBらが勉強会】 CB news 2012年8月3日(金)15:00

病院に勤務する警察OBを中心に、院内暴力対策に取り組むネットワーク「HKO会」(事務局=慈恵大学総務部渉外室・横内昭光顧問)はこのほど、東京都内で勉強会を開いた。「院内暴力対策として今何をなすべきか―悪質クレーム・暴力の具体的対応方法―」と題したパネルディスカッションが行われ、病院から帰ろうとしない患者への対応に、病院側も苦慮している状況が明らかになった。

パネルディスカッションでは、参加病院の幾つかの事例を基に、対応策を議論した。
会場から、身寄りがなく生活保護を受給する患者が、医療費を支払わない上、診療が終わっても、バス代がないとして家に帰ろうとせず、病院に居座り続けることを繰り返し、その対応に困っているという事例が寄せられた。

当初はお金を貸したり、家まで送ったりしていたが、それが恒常的になった。さらに、その患者が警察の説得にも応じないほか、救急車を呼んで繰り返し病院に来るなど、職員も対応に疲れているという。

聖路加国際病院の院長付参与の佐藤太郎氏は、同院でも多く見られるような事例で、対応に苦慮しているとした。実際の対応として、帰ろうとしない患者の話を聞いた上で、状況によっては家まで送ることがあるという。

佐藤氏は、病院職員がこのような患者に対応するのは非常に難しく、警察OBの対応が求められる場面と指摘。必死に説得を続けながら、ケース・バイ・ケースで対応していくしかないとした。

会場からは、不退去の患者がいる場合、外来診療が終わる午後5時までは様子を見て、それ以降は不法侵入の扱いとして、警察に連れて行ってもらっているとの声があった。また、お金を渡したり、送り届けたりしていては、患者がそのことを当然とみなすようになるのでは、とした。

弁護士の逢坂哲也氏は、こうしたケースについて、病院を退去してもらうという問題と、医療費の自己負担分を支払わずに来院を繰り返す患者への対応の問題が混在していると指摘。

前者については、不退去や建造物侵入などの刑事領域として扱えるケースでは、警察に対応してもらうことも考えられるが、救急などで24時間対応している病院はなかなか難しいとし、基本的には現場で根気強く帰宅するよう説得して、長時間居座ったり、暴力を振るったりするなどの悪質なケースについては、刑事事件として警察に対応を求めるという選択になるとした。

また、後者については、医師や医療機関の応召義務を考えると、医療費を支払わないからといって、診療拒否は基本的にできないとしつつも、不払いにも受忍限度があると指摘。医療費を支払わないのに繰り返し診療に来る患者に対しては、その都度、「いつまでに、いくら払います」などの念書を取っておき、それが相当回数となり、相当額となった場合は、悪質な医療費不払いを理由に、診療拒否が認められる可能性もあるとした。

逢坂氏は、「頻度と金額にもよるが、受忍限度を超えた場合、思い切った処置も考えられる。その間はもちろん、患者に根気強く説明をし、説得をすることが必要」とした。
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「帰ろうとしない」人っていうのは、家庭がつまんないからです。
暴言吐くのは、「俺のわがままを聞けよ、どのぐらいまで聞けるか試してやる、それが俺に対する忠誠心の表れになるんだから」という、甘えの気持ちが込められていると推測します。

こういう人たちに帰れと言っても、帰らないと思います。だって、暴言吐いたりしている時が、その人の唯一の自己表現の機会になっちゃっているからです。
ましてや、料金未払いなのに自宅まで送ってくれた、なんて‘サービス’してもらっちゃったら、こりゃ嬉しい。も一回来ますよねえ。

〉逢坂氏は、「頻度と金額にもよるが、受忍限度を超えた場合、思い切った処置も考えられる。その間はもちろん、患者に根気強く説明をし、説得をすることが必要」とした。

なんか、甘い。。。(-_-メ) 肉食国のアメリカでは、放り出されてお終いです。

お金が足りず、治療を断念する人は多いんです。そういう人たちより、なぜ、待遇が良くなってしまうんでしょうか。

根気強く説明したって、馬耳東風です。最初から聞くきはないのです。そうじゃなくて、自分のわがままを聞けよって言っているんですから。

病院がこういった人を放りだしたら、マスコミが取り上げるでしょう。「無慈悲な病院」とか何とか言われたら、病院はこの人たちを自宅へ送り返すのではなく、マスコミへ送ればいいのです。「彼らに治療してもらい、かつ、養ってもらいなさい」って。

私は一人暮らしで貧乏です。しかも腰を痛めてろくに働けません。すっごく困っています。ですから病院へ行き、やさしく接してもらい、診療費もちゃらにしてくれたら、、、そりゃー、帰りませんよ!

でも、苦境の中で大多数の人たちは、頑張って生活している。その人たちの努力を後ろ足で砂を蹴るようなことはしちゃいかんのです。オリンピック選手だって、最後には気力で勝負だって言っているでしょ。
その気力を折るようなことをしないで下さい。


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なかのひと

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歯止めかからぬ医師不足

2012年03月27日 | 患者の気持ち
術後6年目検診を受けてきました。
半年ごとの定期検診って、いつまでたっても気分的に暗くなります。今朝は久しぶりに、両親の写真の前で手を合わせちゃったりして^^;

病院は、見かけはそんなに混んではいなかったのですが、、、外国人が多くて、通訳を通しての診察は、日本人の2倍の時間を要します。診察は予約制ですが、通訳が足りず、時間通りに進行しません。診察前に既にぐったりです。

診察室に入ったら、こころなしか先生もお疲れ気味に見えました~~;
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【大分大病院の呼吸器・乳腺外科で医師7人が一斉退職】

4 月から手術、新患受け入れ中止

 大分大学病院は、所属する医師の相次ぐ退職により、4月1日から呼吸器外科と乳腺外科で新規患者の受け入れなどを中止し、診療を大幅に縮小する。退職するのは、第2外科に所属する10人の医師のうち、教授の川原克信氏と准教授ら7人。



 川原氏は3月末で定年退職を迎えるが、ほか6人の医師の辞職理由は「一身上の都合」(同大病院広報部)。6人の医師の辞職は今年2月中旬までに明らかになり、病院側は慰留に努めてきたというが、叶わなかった。



 第2外科は呼吸器外科、乳腺外科、食道外科などの診療を担当しているが、4月以降は医師が3人になるため、新規患者の受け入れを中止する。手術や入院も行えないため、診療は再診患者の外来のみとなる。新規患者、手術や入院が必要な患者は、同じ大分市内にある大分県立病院や大分赤十字病院へ紹介する予定。



 呼吸器外科の外来患者数は1300人、延べ入院患者数は3500人。乳腺外科の外来患者数は1800人、延べ入院患者数は1300人に上る。(いずれも2010年度)

 同大では教授が定年退職する場合、半年から1年後に教授を公募するのが通例。しかし、今回は教授とともに准教授も退職するため、特例的に4月か5月にも第2外科教授を公募する方針だ。
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大分市に住んでいる患者の皆さんは、大丈夫でしょうか? 
抗がん剤治療となると、通院日数が多くて長いので、通える病院を探すとなると苦労しますよね。私は自転車で通院できる病院を選んで手術したのですが、それで本当によかったです。
私のアジュバントは、ハーセプチンによる一年間の投薬だったので、遠くの病院なんて、とても通えなかったでしょう。私はハーセプチンがあまり体に合わず、吐き気が結構あり、バスは元よりタクシーに乗るのも辛くて、自転車が一番通院しやすかったのです。

選択する病院があるうちはいいのですが、病院すら少ない地域では、病気の種類を問わず、患者は通院するのに苦労しますね。元気な若者でも、長距離の通院は辛いのに。

医師不足は首都圏でも止まらない様相を呈してきました。
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【日大練馬病院の継承、4月の常勤医は120人から70人に】

継承に向けた計画書を地域医療振興協会が提出

 地域医療振興協会は3月13日、今年4月に日大から運営を引き継ぐ練馬光が丘病院(一般病床342床)の継承に向けた事前相談計画書を東京都に提出した(関連記事)。練馬区によると、4月1日の開設時点で協会が確保した医師数は常勤70人、非常勤40人。日大練馬光が丘病院の常勤121人、非常勤48人(いずれも昨年12月末時点)を大きく下回った。看護師も、日大練馬光が丘病院の約280人(同)より大幅に少ない180人となった。



 各診療科の医師数は公表していないが、小児科は常勤医9人と非常勤医7人、産婦人科は常勤医2人と非常勤2人体制で運営するという。日大練馬光が丘病院では、小児科の常勤医が15人、産婦人科の常勤医が5人おり、新病院ではともに減員となる。また耳鼻咽喉科、血液内科、精神神経科、病理診断科については、当面は非常勤医での対応となる。



 計画書の提出を受けて練馬区は3月14日、区議会の医療・高齢者等特別委員会に報告した。しかし委員からは「後継法人を選定する際、小児、周産期医療を手掛けることを条件としていたはずだが、これでは小児科医も産科医も足りないのではないか」など、スタッフ確保に関して不安の声が上がった。これに対して区は「産婦人科では当面、妊娠32週までの妊婦を診る。出産の受け入れは夏以降に始める」と説明した。



 区によると、新病院では外来は1日800件を見込み、4月1日から救急告示病院として救急患者を受け入れる考えだ。指定に一定条件が課される二次救急医療についても申請しているが、「二次救急の受け入れ開始時期は未定」と練馬区地域医療課長の新山博己氏は説明した。



 また、引き継ぎの時点で入院患者を一時的に減らすが、その後徐々に増やしていくという。「新しい病院として運営を始めてみないと分からないが、342床を稼働させるのは早くて3カ月後になるだろう。入院稼働率は80%を目指す」(新山氏)としている。



 事前相談計画書は、病院の運営法人が変わる際、病院の規模・機能をそのまま引き継ぐ“継承”の形で開設するときに提出するもの。一時的に減らした病床の稼働を元のレベルに戻すまでのスケジュールやスタッフの確保策、引き継ぎの予定などを記載する。協会は当初、昨年11月までに計画書を提出するとしていたが、スタッフの確保や引き継ぎが進まず、提出が遅れた。



 計画書の提出を受け、許可権限を持つ東京都は継承の可否を判断する。その後、協会が開設許可申請と使用許可申請を行い、都の許可を経て練馬光が丘病院の運営が協会に継承される。

常勤医70人? 常勤換算70人?
 「日大光が丘病院の存続を求める区民の会」は3月14日に会見を開き、練馬区が発表した医師数に対する疑念を示した。区民の会が日大などへの聞き取りをまとめたところ、協会が確保した常勤医は多くても40人程度とみられるという。「区は常勤医70人と説明するが、常勤換算で70人なのではないか」と区民の会代表の神津眞久氏は指摘した。



 計画書を受け取った都に確認すると、「計画書では常勤換算で70人となっている」と説明。区の報告とは異なっており、区の情報開示のあり方が今後問題となる可能性がある。



 また、新病院では総合診療科が救急患者を受け入れる。これについて区民の会は、「総合診療科の先生が救急患者を診ることができるのか。4月からの病院の形が見えないことに不安を感じる。病院開設前に、練馬区と地域医療振興協会には住民向けの説明会を開いてほしい」と訴えた。
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超高齢化を前に、医療インフラが急激に崩れていくような感じがします。根性論ではどうにも乗り切れません。じゃあ外国から医師を呼べばいいじゃないか、という考え方も???と思ってしまいます。これって、移民促進政策にもつながるような気がするのです。

日本人はあまり多民族との共生が上手ではないような気がして、私は移民促進には反対です。とはいえ、超高齢化社会になった時は、若い世代の日本人だけで高齢者を支えるのは絶対無理です。というか、そうなることは既にわかりきっている若者たちが、日本にとどまっているのかさえも疑問なんですけど。。。


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なかのひと

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21世紀のインフォームド・コンセント

2012年02月24日 | 患者の気持ち
昨年末、義弟にたのんで梅の木を切ってもらいました。
枝が伸び過ぎたのでちょっと切ってちょと言ったつもりが、何を間違えたか、彼は太い幹からゴシゴシとぶった切ってしまいました。なので、残った幹はこの厳冬で、枯れてしまうだろうと思っていました。
ところがここ1週間ほどで、タキソール時に脱毛したような非常にみっともなく残った毛のようなみずぼらしい残り枝から、なんと紅い梅のつぼみが。今朝みたら、花が咲いたじゃないですか!

梅の木のたくましさに脱帽です。そして、調子いいですが、耐えがたきを耐えた紅の花の美しさに、うっとりです。やはり、花を眺めるのは豊かな気持ちになりますね。←うん、本当に勝手だよね。


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ある医師のブログより、インフォームドコンセントに対する考え方がおもしろかったので、抜粋します。 
【もはやヒポクラテスではいられない(もはヒポ) 21世紀新医師宣言プロジェクト】

 
「今のインフォームド・コンセントはおかしすぎる!」。皆さんも、おかしいと思っていますよね?

 私はよく、うちの病院の研修医たちに「インフォームド・コンセントの目的とは何か?」と聞いています。すると、研修医は「患者にとって最適と考えられる診療方針を立てること」と返答します。なんだ、ちゃんと分かってるじゃないですか。でも、実際の診療場面におけるインフォームド・コンセントでは、上記のような目的で行われているとは言い難いと私は思っています。

医師の治療方針を患者が拒否したときの受け止め方に違和感

 これは、別に医療者が患者に対して説明を怠っているということではありません。むしろ、現代の医師は、患者に懇切丁寧に説明することに必死であるように私には見えます。全身麻酔の手術などの説明に至っては、内科医である私も知らないようなことまで丁寧に、何度も何度も説明しています。みんなあんなに毎日忙しいのに。私はその努力に敬服する一方で、一体これはどこに向かっているのだろうかと疑問も感じます。
 
 誤解を恐れず、さらに付け加えます。しっかりとしたインフォームド・コンセントが行われた場合、“医学的には最も適切と考えられる選択肢を選ばない頻度”が増えると私は考えています。例えば、つい先日Hbが4.7g/dL(ちなみに鉄欠乏性です)しかない患者に対して、入院もさせず、それどころか内視鏡検査も行わないということで私と患者は合意してしまいました。もちろん、その後も私はその患者に対して内視鏡検査を受けることを勧め続けるのですが。なぜ私は医学的には愚かと考えられる選択に合意してしまったのでしょうか?

 それは、たぶん私が患者の言い分に納得してしまったからだと思います。「自分の具合が特に悪くないうちは、できれば病気と関わりたくない。知ってしまうと病気になるから。そしてもし癌があるとわかっても手術をする気はない。癌があると知りながら生きるよりも、元気に今を生きていたい」と。

 医師が提案する治療に対して患者がそれを拒否したとき、医師はしばしば「インフォームド・コンセントを取得することができなかった」と感じてしまいます。この感覚に私は強烈な違和感を覚えるのです。なぜ「治療(もしくは検査)を行わず経過を見ていくことで合意した」という感覚を、医療者が持つことができないのでしょうか? それは、「医師としての自分が正しいと思っていることこそが、患者にとって正しい」という考えに、我々が縛られすぎているからではないか、私はそう考えます。

医療者、患者の両方が読める手引書が完成

 そういった思いから、この手引書は「こんなインフォームド・コンセントはおかしい」という違和感をベースに、また生命倫理学の専門家の方々や医療におけるコミュニケーションに詳しい方、実際に患者と医療者をつなぐ懸け橋として毎日仕事をされている方など合計15人の方々に手伝っていただき作成しました。私はこの手引書で、以下のことを強調しました。

・全部理解する、全部理解させるということを放棄し、お互いにほんの少ししか理解できないことを、前提として受け入れた上でのインフォームド・コンセントであること
・医療者の患者への説明よりも、医療者が患者の事情を理解することがインフォームド・コンセントにはより大切であること
・「人は迷うものである」ということ。すなわち、決断を保留したり、いったん行った決断を覆したりすることが大切であること
・何よりも、対話あっての決断であること


この手引書はユニークな構造をとっています。見開きページの中で、左は医療を受ける人が見るページ、そして、右ページは医療を提供する人が見るページになっています。インフォームド・コンセントの進行過程それぞれにおいて、医療を受ける側は何をすればよいか、提供する側は何をすればよいかが分けて書いてあります。そうすることで、医療を受ける立場の人は、自分が何をすればよいか知ることができると同時に、医療提供者がするべきことを知ることができます。是非一度現物を見ていただきたいです。以下のサイトからpdfをダウンロードできます。

●患者と医療者で「ともに考える」インフォームド・コンセントの手引き
http://www.ishisengen.net/information04.html

 さて、このようなことを書きますと、決まって出てくる反対意見は、「今のままでもインフォームド・コンセントは大変なのに、患者と医療者で一緒に考えて進めるなんて、そんなに時間と手間をかけていたら、いくら時間があっても足りないじゃないか?全く現実的じゃない!」というものです。

21世紀に目指すインフォームド・コンセントは「相談しよう、そうしよう」

 そうですね。現実的に変化しなければ意味がありません。それでは、まず説明するのをやめてみてはどうでしょうか? ちょっとラジカルすぎますかね。説明する時間を短くしてみてはどうでしょうか? たとえば、ある特定の病気を持った患者に対して毎回同じ内容を説明しているのであれば、事前にビデオに撮ってDVDやYouTubeなどで見てもらうなどの工夫をすることで、時間を短縮できるかもしれません。そして、その分直接対話するときに、自分からの話をぐっとこらえて患者の事情や言い分を聴く。そのような対話スタイルが今のインフォームド・コンセントには必要だと私は思うのです。

 西欧では、インフォームド・コンセントのプロセスについて、もっと患者側の選択する権利を強調すべきだという立場から「インフォームド・チョイス」という言葉の方が適当ではないかという話があります。また逆に、医療を提供する立場と受ける立場が、それぞれ情報や責任をシェアするべきだという主張から「Shared Decision Making」という言葉が適切ではないかという議論もありました。

 実は、日本語にはインフォームド・コンセントの本来の意味をより的確に表す言葉があります。それは「相談して決める」ということです。私は「相談」という言葉がとても好きです。相談という言葉には、主体とか立場の存在が希薄です。その分、「話されていること」に目を向けている感じがします。医療の良いところは、立場の駆け引きをする必要が(本来は)ないサービスだということです。だから、しっかり相手の話を聞きながら、患者にとって良いことについて自分の言葉で話し、相談を繰り返すことが現代の医療におけるインフォームド・コンセントのエッセンスなのだと私は考えます。

“相談しよう、そうしよう。相談しよう、そうしよう”(by ハイロウズ “相談天国”)
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以前、糖尿病の市民講座で、長年患っていると思われる患者らしき人が、何度も説明を受けていたであろう病気の説明を理解できず、講座の場で大立ち回りをしてしまった話を書きました。

私は、医師などの専門家が言うことを、一言一句理解することは不可能だと考えています。相手は専門家、こっちはタダの人です。“6歳の子供に教えるようにわかりやすく説明する”ことができるのは、アウトラインに過ぎないと思うのです。根本から理解するには、診察室での数十分では非常にむずかしいのではないでしょうか。
治療は、専門家だって迷う。タダの人はもっと迷うでしょう?

以上のように考える私は、この治療を選択した時のメリット・ディメリット、奏功率、奏功しなかった場合はどうなるか、、などの方に関心を持ちます。一生懸命病気を学んで治療を選択したとしても、治療が奏功しない場合もある。癌治療なんて、その確率の方がはるかに高いのです。
その時、自分をどうやって保つのか、を考えておいたほうがいいような気もするのです。

専門性の高い治療の話はアウトラインの理解に留めてよしとする、じゃ、だめ(・∀・)???

患者としては、まともな病院、誠実な医療スタッフを探すことに労力をかけることも大切かと思います。患者力が問われるのは、医療スタッフに「治してあげたい」と思われる患者になれるか、かなあ。
あ、私はギャンギャン言うほうなので、全く自信がありませんが( `▽)ゞ。

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なかのひと

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日本老年医学会が終末期医療への立場表明を改訂

2012年02月05日 | 患者の気持ち
寒波襲来により、靴下やシャツなど着て、翌日の格好になって寝ています(^^;)。朝、着替えるのにごっつい寒さを感じなくていいですよ。

でも。
昨夜はちょっと暖かかったし、電気毛布をダニ取りモード(最高温度)に上げて寝てしまったので、、、熱くて汗をかきまくってしまいました。こうして風邪を引くのであった。

ほんのちょっと暖かくなっただけなのに、心に余裕がでちゃったようで、、、朝食のパンにつけるジャムが切れていたので、勢いで金柑のジャムを作ってしまいました。金柑は種が多くて、いちいち取るのが面倒です。煮詰めるのに30分もかかるし。朝から一体、何をやっているのだ…( ̄_ ̄ i) 

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【日本老年医学会が終末期医療への立場表明を改訂】

治療の差し控えや中止を選択肢として示す


 日本老年医学会は1月28日、「高齢者の終末期の医療およびケアに関する立場表明 2012」を理事会で承認し、終末期の治療の差し控えや中止を考慮する必要性を学会として初めて明記した。



 日本老年医学会は、死を迎える高齢者の医療やケアの指針として、01年6月に立場表明を発表。10年以上を経た現在、患者中心の医療が定着し、死や終末期をタブー視する傾向が弱まったほか、自分なりの尊厳ある終末期を迎えたいと考える人が増えている。高齢者医療やケアの実態や意識のこうした変化を踏まえ、同学会は立場表明を改訂する。



 新しい立場表明は、「年齢による差別に反対する」「本人の満足を物差しに」「緩和医療およびケアの普及」など11項目からなる。



 最も大きな変更点は、治療の差し控えや中止にまで踏み込んだ点だ。今回の立場表明では、胃瘻を含む経管栄養や、気管切開、人工呼吸器装着などの適応を慎重に検討すべきとした上で、「何らかの治療が、患者本人の尊厳を損なったり苦痛を増大させる可能性があるときには、治療の差し控えや治療からの撤退も選択肢として考慮する必要がある」とした。



 患者に対して、「考えられる予後や終末期の医療やケアに伴って起こりうる病状経過についての話し合いと合意が必要である」ことを強調。その上で、患者の意思の確認が困難なケースでは、家族などと患者の意思を推定することや、事前指示書などの導入を検討することを推奨している。



 一方で、緩和ケアについて、「高齢者のあらゆる終末期において広く適用されることが望まれる」とした。現在、ホスピスの利用や疼痛緩和薬などの適応対象となっているのは主として癌患者だが、癌以外でも終末期に苦痛を伴うことは少なくない。



 改訂された立場表明は近く、日本老年医学会雑誌と学会のウェブサイトに掲載される見通しだ。
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先日、マスコミで大きく取り上げられた超高齢化時代の到来と合わせ、これは待った無しの重要な問題ではないでしょうか。「長寿の国」の中身を整理する時期がやってきたとも思えます。

終末期に苦痛を伴う病気は、癌以外にも存在するのですから、緩和ケアシステムは国が力を入れて行うべきでしょう。
「年寄りは苦しがって死ねというのかっ」と、高齢者がマイクに向かって叫ぶような事態にはしないで下さい。

そのうち日本もオランダのように、“安楽死”も公の選択肢となる時代が来るのかもしれませんね。ひょっとしたら、高齢化の進む先進国のプロトコルになるかも??

高齢者本人は死を望んでも、家族がそれを受け入れるに相当な葛藤があるでしょう。子供としては、親がどんな状態になったとしても、とにかく生きていてほしいと思うものです。親が意志表示できない状況であれば、治療の差し控えや撤退を申し出るのは相当なストレスになりそうです。

私は親のセデーションを選択する際、大変大変悩みました。やはり1日でも長く生きていてほしかったのです。しかし、苦しみの中で生かされるのは、私ならば絶対に嫌です。自分の身に置き換え、セデーションを選択したのですが、、、逝ってしまうと、もっと長く生きられたのではないかとか、もっと別の方法もあったのではないか…など、複雑な感情がわき上がりました。
家族に対する事前講習とか、事後ケアも、合わせて必要だと思います。

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なかのひと

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パラセボ(偽薬)効果

2012年01月06日 | 患者の気持ち
病気療養中の皆様に、お年玉となりそうな記事を見つけました。

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【「偽物」と分かっていても、治療に効果発揮する偽薬】 2012年 1月 4日 18:08 JST


 「パラセボ(偽薬)効果」と聞くと、その偽薬が効くと信じるが故に得られる気分的な高まりを思い浮かべることが多い。だが、最近の研究では、つかの間の気分の高まり以上のものがパラセボから得られることが分かってきた。

 最近の研究で、自身の体や健康状態に関するある種の見方や思い込みが、病状の改善につながり、食欲や脳化学物質や視力の変化にまでつながる可能性があることが示され、心と体が深く結びついていることが浮き彫りになった。

 この場合、摂取するのがパラセボであり、「本当の」治療ではないと分かっていても関係がないようだ。ある研究では、有効成分を含まない砂糖の薬を飲むと告げられた被験者にも、強いパラセボ効果が見られた。

 パラセボは実際の臨床診療でも使われる場合がある。英国の医学会報で発表された2008年の調査では、700人近い内科医とリウマチ専門医にアンケートを行い、その約半分がパラセボを定期的に処方すると答えた。最もよく使われるパラセボは市販の痛み止めとビタミン剤だ。砂糖でできた薬や食塩注射を使うと答えた医師はわずかだった。米国医師会によると、扱いにくい患者をなだめるためだけにパラセボを処方することはできず、患者に通知して同意を得なければ使うことはできない。

 研究者はパラセボ効果をさらに探求し、効果を増減させる方法を解明したいとしている。体重やメタボリズムに関係する健康状態を改善するうえでは、より強力で長続きするパラセボ効果があれば有用かもしれない。

 エール大学院生のアリア・クラム氏とハーバード大学のエレン・ランガー心理学教授が行い、2007年にサイコロジカル・サイエンス誌に掲載された研究によると、ホテルの客室係は、仕事がよい運動になると聞かされると、4週間後には体重や血圧、体脂肪が大きく減少した。同じ仕事をしながらも、運動については聞かされなかった従業員では体重に変化はなかった。両グループとも食事や運動量は変わっていなかった。

 昨年、ヘルス・サイコロジー誌に発表された別の研究では、個人の食欲やグレリンと呼ばれる消化管ペプチドの生成に対して、人の物の見方がどのように影響するかが示された。グレリンは食後に得る満足感に関係しており、体が食べ物を必要している時には上昇し、カロリーが摂取されると減少して、もう空腹ではなく、食べ物を探す必要はないと体に伝える。

 しかし調査では、グレリンのレベルは、実際にどれだけのカロリーを摂取したかではなく、どれだけ摂取したと告げられるかに左右されることが示された。これから飲もうとするミルクセーキが620キロカロリーで「過剰」であると告げられた被験者は、脳が満足感を認識し、同じミルクセーキが120キロカロリーで「適度」なものであると言われた被験者よりも、グレリンのレベルが低下した。

 クラム氏によると、この結果は、ダイエット食品を食べるとなぜ満足感が得られないのかを、心理学的に説明するという。「ダイエット食品を食べる場合、体に対して十分には食べないと伝えることになる」

 うつ病や片頭痛、パーキンソン病などに関する研究では、砂糖でできた薬や偽手術、偽はり治療といった効力のないとされている処置でも、大きな効果をもたらすことが発見されている。サイエンス誌に2001年に発表された研究では、パーキンソン病の症状を改善するうえで、パラセボが本当の治療と同等の効果を発揮することが示された。パラセボは実際に、パーキンソン病の治療に有効とされている神経伝達物質のドーパミンを大量に誘発した。

 ハーバード大学のパラセボ研究プログラムのディレクターであるテッド・カプチュク氏らは、パラセボが効果を発揮するためには、必ずしも患者をだます必要はないことを示した。同氏らは、過敏性大腸症候群の患者80人に対して、パラセボを与えるか、何の治療も施さなかった。パラセボを与えられたグループは、薬が効力のない物質で作られ、「心身の自己回復プロセス」を通じて症状が改善するという研究結果があることを示された。患者は、パラセボの効果を信じる必要はないが、ともかく薬を飲むように言われた。3週間が経過した後、パラセボを摂取した患者は苦痛が軽減し、一部の症状が大きく改善、生活の質がいくぶん向上したと報告した。

 なぜパラセボは、真の治療ではないと知らされた後でも効果を発揮するのか。カプチュク氏は、期待感がその一因だと言う。また、前向きな環境に置かれ、革新的なアプローチと薬を飲むという日々の儀式が、変化に対して開かれた心を作り出すのではないかという。

 カプチュク氏は「現在のところ、パラセボは病気の生態を根本から変えるのではなく、患者が病気を経験し反応する方法を変えるのではないかと考えている」と話している。
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「偽薬」と伝えられても、なんだか効いてしまう。
心と体のつながりの神秘を感じます。

私が乳癌の手術をした後、親族とか親しい人とかから、いわゆる健康食品を頂きました。私は、健康食品は効かないと思っているので、その時はかなり困ってしまったのですが。。。

でも、私を心配してくれる、その気持ちが嬉しかったです。

これがパラセボ効果だと思います。薬の効き目じゃなくて、親切心を頂く。なんか、食べると体がホワッとするじゃないですか。ですから、あまり高価な品じゃなくてもよさそうです。というか、あまり高価なお品だと、お返しとか考えなくちゃいけなくなります。適度がいいですよね。

同じ理屈で、集団治療なんかも、みんなでホワッとした気分になれるから、何となく効果が上がるんじゃないかと想像します。これも会員制とかで高額の参加費を取るのは、かえってうさんくささを感じてしまいます。親切心とか団結力とか、大枚はたいても買えるもんじゃないからです。

となると、熱血医師とかほんわか医師は、クールな医師より患者にとって、パラセボ効果があるのかもしれません。あ、イケメン医師も(はぁと)。

腰痛の原因は、8割ほどがストレスと言われます。笑うことは健康によい、寿命も伸びるという報告もあります。
それほど、心と体はつながっている。心のコントロールは難しいです。だから、ちょっとでもホワッとするのならやってみよう、、、なんて思うのは自然な欲求かな。

それにしても。

正月太りでぶっくぶくになっちゃたんですが、この記事を読んで、なぜ糸こんにゃくのラーメンもどきを食べても満足しないのか、わかりますた。

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なかのひと

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死後画像診断

2011年12月22日 | 患者の気持ち
寒くて買いものに出るのが億劫です。
なので最近はずっと、お歳暮で頂いたものを食べて過ごしていました。お茶漬けが食べたい今日この頃。。。

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【死後画像診断の3分の1は剖検結果と大きく異なる】  Lancet誌から

死因特定能力はMRIよりCTの方が高い

 成人患者の死因特定におけるCTとMRIの精度を通常の剖検と比較した研究結果が、Lancet誌電子版に2011年11月22日に掲載された。著者である英John Radcliffe病院のIan SD Roberts氏らは、画像に基づく死因判定は約3分の1が剖検の結果と大きく食い違うことや、MRIよりもCTによる判定の方が精度が高いことなどを明らかにした。

 剖検に対する一般の人々の抵抗感は強く、侵襲性の低い代替法が求められてきた。その1つの方法として期待が集まっているのが死後画像診断だが、精度については不明な部分が多い。

 著者らは、英国内の2施設で06年4月から08年11月まで、検死官に報告された成人の死者を登録。全身CTと全身MRI検査を行い、その後、病理学者が全身剖検を実施した。画像の読影は、ケース1人当たり4人の放射線医が担当した。まず、2人がCT画像を、別の2人がMRI画像を基に協議して死因を判定し、次に4人そろって両方の画像に基づいて死因を判定。合意した死因とその判断に対する自信(明確、ほぼ確実、その可能性がある、確定不能)、剖検の必要性の有無などを記した報告を作成した。

 画像を基に判定された死因と剖検によって同定された死因が、英国の死亡統計に影響を及ぼすレベルの違い(たとえば、本来の死因が肺塞栓症だった患者を心筋梗塞死亡と判断するなど)を示した場合を「大きな相違」とみなした。

 無作為に選んだ182人の死者について評価した。これらの死者が検死官に報告された理由は、突然死した状態で発見(54%)、目撃者の前で突然死(21%)、原因不明の院内死亡(14%)などだった。

 画像に基づく死因と剖検によって同定された死因の間に大きな相違が認められたケースの割合は、CT検査に基づく死因判定の32%(95%信頼区間26-40%)、MRIでは43%(36-50%)、放射線医4人の合意による判断では30%(24-37%)だった。大きな相違例は、MRIに比べCTの方が10%(3-17%)少なかった(P=0.0046)。

 放射線医が画像に基づいて明確に死因を判断できたと考えた、すなわち、「その画像データがあれば剖検は不要」と見なしたのは、CT画像のみでは34%(28-41%)、MRI画像のみでは42%(35-49%)、「両方の画像があれば剖検不要」と判断されたのは48%(41-56%)だった。これらケースのうち、大きな相違が認められた、すなわち、実際には剖検を行う必要があった症例はそれぞれ16%(9-27%)、21%(13-32%)、16%(10-25%)だった。

 放射線医が画像を基に明確に死因を判定できたと考えた上記のケースを除くと、判定に大きな相違が見られた死者の割合は、CTが41%(33-50%)、MRIが59%(49-67%)、両方では44%(34-54%)と大きく上昇した。

 死因の同定における画像診断のエラーとして多かったのは、虚血性心疾患(見落としが14%、誤って死因と判断したケースが16%)、肺塞栓症(いずれも100%)、肺炎(32%と14%)、腸梗塞(67%と33%)などだった。

 従来の剖検と比較した死因同定精度は、MRIよりCTの方が高かった。しかし、「死後画像診断では、一般的な疾患が突然死の原因となったケースを特定できない可能性が高く、その点が改善されないまま剖検の代替として用いれば、死因統計に誤りが生じると考えられる。今後、より正確な死後画像の取得方法と読影法の開発が必要だろう」と著者らは述べている。

 原題は「Post-mortem imaging as an alternative to autopsy in the diagnosis of adult deaths: a validation study」、概要は、Lancet誌のWebサイトで閲覧できる。
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保険の関係などで、死因の明確化が必要な場合がありますね。癌保険に加入していた人が、癌で亡くなったのか、それとも違うのか、とか。

微妙な亡くなり方をした場合、きちんと剖検したほうがいいのでしょうが、、、剖検するのも時間がかかりますね。
夕方なんかに亡くなると、ずっと付き添っていた家族としては、疲れ果てています。これから更に、剖検でお待ち下さいと言われると、、、ちょっとモニョります。だって、葬儀屋さんと連絡取らなきゃいけないし、隣保さんたちとも話をしなくちゃいけない…、と、色々とやることがてんこ盛りなので。
周囲の人たちのコンディションも、剖検の決断には大きく影響するんじゃないかしら。

長らく治療していた母が病院で亡くなった時、主治医の「剖検しますか?」の言葉に、私はキターッと思いました。そう聞かれるのを知っていたからです。
亡くなったばかりの母を前に、こんなことを言われるのは、何だかモノ扱いされた気がして、とても冷たい感じがします。でも、そう聞くのも医師の仕事なので、そこは割り切って考えましょう。
事実、その後もその医師と何度かお会いしていますが、必ずお声かけいただいています。

私は、仲間内では比較的早くに両親を亡くしたので、こういうことを人づてに聞いたことがなく、最初の時は面喰いました。できれば、知識を入れてから体験したほうがいいですね。でも、今じゃインターネットがあるからいいか。


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乳癌治療に地域差

2011年07月28日 | 患者の気持ち
私が住む地域では、定期的に乳癌の市民講座を開催してくれます。毎回、特別講師に、乳癌患者の皆さまがよくご存知の乳腺外科医を招いてくれるのが魅力です。
選者がミーハーなのか、中年女性のウケねらいなのか…(笑)、若くてハンサム、テレビ映りバッチリの先生が多い。
中村清吾先生は、オサレで超ハンサムですたよ(≧▽≦)

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【治療法に地域差 早期乳がん「手術だけ」…鹿児島48%、長野6%】 毎日jp 2011年7月26日(火)13:00

 ◇国立研究センターまとめ

 全国のがん診療連携拠点病院が登録した患者数や治療法の施設別データをもとに、国立がん研究センターは25日、都道府県別のがん治療の傾向をまとめた。比較的早い時期の乳がん治療は「手術のみ」に限らず、放射線や薬物との組み合わせが一般的。ところが、手術だけの患者の割合が鹿児島県で半数近かった一方、長野、石川両県は1割未満にとどまるなど地域差が大きいことが分かった。

 データは、「院内がん登録」という手続きで08年の1年間に集められた。全国359施設、42万8196症例を分析した。

 早期の乳がんは、患者負担を減らすため切除を小さくし、放射線などを追加する治療が広がっている。比較的早期の乳がんと診断された全国2万7354症例を分析したところ、最初の治療で手術だけを実施した症例は平均22・3%、手術と薬物が35・9%、手術と放射線と薬物が29・9%、手術と放射線は7・0%だった。

手術だけの割合が高かったのは鹿児島(48・0%)、山口(40・6%)、青森(36・4%)。
低かったのは長野(6・8%)、石川(9・2%)、高知(10・3%)だった。

低かった県は、放射線や薬物との組み合わせが多かった。早期の胃がんや大腸がん治療も最近、負担の少ない内視鏡が増えている。早期の胃がんで内視鏡のみの治療を選択した割合が、手術のみを上回ったのは17都府県に上った。一方、胃がんで手術のみの割合が内視鏡のみの3倍前後も高い県もあった。

 同センターホームページ(http://ganjoho.jp/professional/statistics/index.html)で26日以降、都道府県別、施設別のデータを公表する予定。
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これは驚きです。
私の住む市では、癌拠点病院とそうでない病院も、定期的に情報交換会を開いています。病院により、治療や手術方法はやはり異なりますが、一応、情報は共有している。ですので、どの病院も患者の生存率やQOLの向上を考えているはず…と、楽観していました。

乳癌は2ミリぐらいになると、癌細胞がパラパラと血管などに散りだす。だから手術だけでなく、薬物治療も必要なのだとのW腫瘍内科医の話が気になります。

インターネットで全国どこでも情報が共有しやすくなった今、このばらつきはなぜでしょうか?
患者がネットで得られる情報は、どこに住んでいても同じです。これは患者にとってはショックです。医療者側の説明を求めたいところです。

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ストレスと肥満

2011年07月03日 | 患者の気持ち
梅雨明け、しました???
気象庁の発表はどうなっちゃったんだろうかと思うほどの、カンカン照りがつづいております。私はもちろん、保冷剤をまいたタオルを首に。これ、なかなかいいです。室温32度までいけます。
見てくれは…。オバサン道まっしぐらですが。。。orz

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【ストレスや運動不足→被災太り? タンパク質取るひと工夫を】 産経新聞 2011年6月21日(火)08:00


 東日本大震災の後、「太った」と訴える女性が増えたという。「震災太り」なる言葉も広がっており、多くの女性が同様の状態になったようだ。背景には、震災のショックによる過食や食生活の乱れがある。一方、被災地では栄養の偏りや運動不足が「震災太り」につながっているとの指摘もある。避難所などでバランスの良い食事をとるのは難しいが、ちょっとした工夫で改善できる点もある。(道丸摩耶)

 ◆食欲が止まらず

 「震災直後、食欲が止まらず3キロ太りました。被災地では食べ物も手に入らないのだから申し訳ないと思うのですが、ニュースを見ながら、食べることを止められなくて…」と語るのは、東京都練馬区の女性会社員(30)だ。
 この女性は、震災後に「太った」「食欲が止まらない」という訴えを周囲でもよく聞いたという。

 「仲間内では『震災太り』と言っていましたけれど、こういうことってあるんでしょうか」
 複数の医療機関に聞いてみたが、震災後に「太った」と訴える患者が増えたという記録はなかった。逆にこれまで過食に苦しんでいた患者が落ち着いたり、会社に行けなかった患者が行けるようになったりという「改善例」がみられたほどだ。

 だが、医療機関にかからないまでも、日常生活の中で「太った」と感じた人がいることは考えられる。
 「健康な人であっても、震災や福島第1原発の事故は相当ストレスを感じる出来事。食べることでストレスを解消しようとすることは考えられます」と分析するのは、国立国際医療研究センター国府台病院(千葉県市川市)の石川俊男・心療内科部長だ。

 石川部長の周りでは、「『いつ食べられるか分からないから』と、非常食や作り置きしていた食事を傷む前に食べてしまい太った」という声もあったという。余震や物不足への恐怖に備え、いつ何があってもいいように食べることを優先させたケースだ。

 ただ、「一時的に食べ過ぎるならいいが、普段の3~5倍もの食事を短時間で食べてしまうなどの場合は、医療機関を受診した方がいいでしょう」と石川部長はアドバイスする。

 ◆防衛本能が原因?

 「太ったという訴えは聞きませんでしたが、震災後に食事が乱れたケースはありました」と語るのは、『子育て食事セラピー』(河出書房新社、1365円)などの著書がある食事カウンセラーで栄養士、笠井奈津子さんだ。

 笠井さんによると、人間にはもともと、ストレスがかかるとそれに対して闘うエネルギーを過度にためこむ防衛本能があるという。特に、ストレスがかかると大量に分泌される「コルチゾール」というホルモンは食欲を高めてしまう。ストレスによって脳内の物質「セロトニン」が減ってしまうと、食欲のコントロールができなくなってしまうこともあるという。
 
笠井さんは「避難所では菓子パンやおにぎりが中心と聞きますが、炭水化物は血糖値を乱高下させ、情緒不安定にさせます。そのため、さらに食べてしまい、太りやすくなってしまうのです」と、栄養面からの悪循環を指摘する。

 こうした事態を防ぐには、できるだけタンパク質を取ることが効果的。これから暑くなり、食欲が落ちてくる時期だが、1日3食食べることも基本だ。

 「避難所ではバランスの良い食事は難しいが、レトルトのカレーやパスタにツナ缶をプラスしたり卵を足したりするなど、ちょっとした工夫ができれば」
 また、体に適度に負荷をかけることでバランスは整えられる。いつも以上に体を動かすことも効果的なようだ。
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〉ストレスがかかると大量に分泌される「コルチゾール」というホルモンは食欲を高めてしまう。ストレスによって脳内の物質「セロトニン」が減ってしまうと、食欲のコントロールができなくなってしまうこともあるという。

ストレスによる過食の科学的裏付けは、ここらへんでしょうか。
家事や仕事が忙しい時とか、気持ちが充実している時とか、たしかに食べ物のことばかりを考えていませんね。

私の場合、「食べるな」と言われると、それがストレスとなり食べたくなっちゃいます。なので、好きな食べ物をうんと買い、冷蔵庫をパンパンにすると、なんだかうれしくなります。食べるというより、眺めると満足(^^;)。

ネットのお取り寄せにハマり、たっくさん買っちゃったんですが、、、若い頃のようにたくさん食べられる時期は過ぎ、結局、ご近所に配ってしまった。一体何をやっているんだか…orz

しかし、夏場にたんぱく質を食べるのって、ちょっとつらいですね。焼き肉なら、クーラーの利いた部屋じゃないと食欲でないし。たんぱく質はもそもそした歯触りのもんが多いので、ツルンとしたのど越しのよいものを求める夏には、ちとキビシイ気がします。


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