乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

選挙応援

2009年08月30日 | 社会
選挙運動期間中に、ある職場の女性社員が話題にしたのが、各政党の子育て支援案。
「子ども1人につき、いくばくかの手当てが付いたってねーっ。」
「出産費が無料になったってねーっ」
「多少のお手当てをあげるからって言われたって、それだけじゃ産まないよねーっ」

このご時勢、子どもができたから、子育てのためだからと仕事を辞め、家庭に入る女性は確実に少なくなりましたね。

まず、産婦人科クリニックが近所にない。やっと見つけたクリニックはいつも満員。
なんとか出産したら、保育園は待機児童で溢れ、うんと遠くの不認可保育園へ子どもをあずけなくっちゃならない。
しかも、これらの仕事はなぜか女性の役目。離婚率がこんなに高くなり、明日はわが身かもしれないのに、社会復帰は難しくなる一方、、、そんなん、いやじゃーっ!


出産可能な年齢の女性にとっては、目先のお金より、出産・育児を安心してできるインフラ整備と、男性も女性と同じく育児に関わるという、社会の意識改革の方が先だと考えているのです。
それが議員や役人にはわかっていない。

「お金がもらえるってさ、ンじゃ産もーよーって軽く考える人が、ポンポン子どもを産んで、あ、やっぱり私、子育てできなーいって、国が税金を使って面倒見ることになったら、、、軽い子どもばっか増えちゃって、国力が下がるんじゃない?」なんて極論も飛び出しました。

とにかく、現状況下で出産する人の気持ちを正確に吸い上げないと、少子化の流れはとまらないでしょう。
で、当の少子化担当大臣なんですが、よっしぃ先生のブログで見つけた記事です。

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【聖子氏“妹分”小渕氏妊婦応援に号泣…岐阜1区】


 苦戦が伝えられる岐阜1区の自民党・野田聖子消費者担当相(48)が27日、岐阜市内で総決起大会を開催。妹分として知られる小渕優子少子化担当相(35)が応援に駆けつけた。

 9月末に出産予定の小渕氏は、大きなおなかをユッサユッサと揺らしながら登場。なぜか号泣しながら「昨夜、野田先生に『行きます』と言ったら『あんた、自分の体を考えなさい』と断られましたが、私の姉貴分です。無理やり岐阜にやって参りました!」とあいさつ。飲み友達でもある後輩から熱くハグされ、これまた号泣した野田氏は「いつ生まれるかも分からないから群馬を離れるな、と言ったのに…。私は幸せ者であります!」とグジャグジャに泣きまくっていた。
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医者の立場からみると、この大臣の行動はこんな風に見えています。
「美談ではない」


この記事を読んだ時、私は噴き出してしまいました。
“胎児を大事にしない少子化担当大臣”って???

臨月に長距離移動とか、マラソンとか、、、胎児のみならず自分の体を大切にしないのを、妊婦の権利みたいなもんにするのは、どーかと思います。
妊婦さん本人が無茶をするのは自己責任。万が一の事態に陥っても、それは本人が決めたことなので、自分で解決してちょうだいね、と個人的には考えます。

しかし、です。
これだけ救急車の受け入れ不能だ、激務の産婦人科医、小児科医の過労死だ、医療崩壊なんだよーと叫ばれている現在です。医療者を「こーゆー人は勘弁してよー」と思わせることを、あえてするのってどーよ???
少子化担当大臣なんて、本来ならば妊婦さんのオピニオン・リーダーにならなくちゃいけない存在じゃなかったのか?と、疑問が湧き出てしまいます。

「んじゃ私もマラソンしよ」なんて、妊婦さんが軽く考えちゃったらどーするんでしょ。それこそ自己責任なんですが、大臣級の妊婦さんなら「それはアホな行為やで」と、諌める社会的な雰囲気を作る側に回るべきではありませんか。例え心の中ではそう思っていないとしてもです。

妊娠出産を考える年齢になったのなら、知人に流産体験をした人の一人や二人、話に聞いたことはあるでしょう。私の知人は妊娠5カ月で、周囲が止めるのを振り切って激しい運動をし、流産。以後、妊娠せず。7カ月の知人は温泉旅行中に流産、以後5年間の治療。8カ月の知人は激務を続け、新幹線で出勤中に破水。。。


妊婦さんが全員、無事に出産しているわけではありません。臨月に入れば、あともうちょっとの我慢なんだから、役割を全うしてほしい。ここでリスクを上げる行為をしてどーするんだっ。
救急車で病院に運ばれ、受け入れてもらえない事態にならないと理解できない、、、というのは悲しいですね。


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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)