梅雨の頃って、手術跡が痛みませんか?
私はセンチネルリンパ生検を行った時、リンパ節を3個取りました。
いまでも、たまに手術側の腕がだる~~~くなる時があります。浮腫というまではいきませんが、だるだるで気分も沈みます。たった3個取っただけでもこんな感じ。リンパ浮腫になった方はもっと大変じゃないかと思います。
------------
【一部の早期乳癌ではセンチネルリンパ節転移陽性でもリンパ節郭清不要】 JAMA誌から
乳癌患者に対する腋窩リンパ節郭清はQOLの低下を招く。米Saint John's Health CenterのArmando E. Giuliano氏らは無作為化試験を行い、病期がT1~T2で、乳房温存療法が適用され、その後に全乳房照射などの標準治療が予定されている女性については、センチネルリンパ節生検で転移陽性リンパ節が1~2個認められた場合でも腋窩リンパ節郭清は不要で、郭清の実施の有無で5年生存率に差はないことを示した。論文は、JAMA誌2011年2月9日号に掲載された。
早期乳癌患者に対するセンチネルリンパ節生検は、リンパ節への転移の有無を正確に判断するために有用だ。しかし、結果に基づいて腋窩リンパ節郭清を行うことが生存に及ぼす影響は明らかではない。郭清は感染やリンパ浮腫を引き起こす可能性があり、それらは患者のQOL低下につながる。近年、癌の生物学的理解が進み、腋窩リンパ節郭清の利益が大きい患者を選出するための様々なアルゴリズムが作成された。並行して欧米では、センチネルリンパ節転移陽性患者に対するリンパ節郭清の適用が減少している。
郭清実施の有無が患者の生存に及ぼす影響を明らかにしようと考えた著者らは、早期乳癌に対する標準的な治療、すなわち、乳腺腫瘍摘出術、全乳房接線照射、術後補助療法を受ける予定の患者で、センチネルリンパ節が転移陽性だった女性を対象として、腋窩リンパ節の完全郭清を行った場合とリンパ節郭清を行わなかった場合の生存率を調べるフェーズ3非劣性試験を実施した。
99年5月から04年12月まで、115施設で患者登録を実施した。T1~T2の浸潤性乳癌(腫瘍の直径は5cm以下)で、触知可能なリンパ節腫脹はなく、センチネルリンパ節生検において転移陽性リンパ節が1~2個(凍結切片を用いた組織診断、捺印標本を対象とする細胞診、併給標本のヘマトキシリン-エオジン染色によって判定)を組み込み条件とした。術前に化学療法またはホルモン療法を受けた患者などは除外した。
登録患者を、無作為に、腋窩リンパ節郭清(445人)または郭清なし(446人)に割り付けた。すべての患者に乳腺腫瘍摘出術と全乳房接線照射を実施し、化学療法の適用については担当医の判断に任せるとした。
主要アウトカム評価指標は全生存率に設定。非劣性のマージンはハザード比の両側90%信頼区間の上限が1.3とした。
当初のデザインでは、目標とする登録患者数は1900人で、500人が死亡した時点で分析する計画だった。だが、死亡率は予想を大きく下回った。そのまま続行すると試験期間は20年を超えると推定したデータ安全性監視委員会から早期中止が勧告され、これに従って試験は中止された。それまでに登録された患者は891人だった。
このうち、割り付けられた治療を受けたのは郭清群420人、郭清なし群436人で、術後補助療法(化学療法、ホルモン療法のいずれかまたは両方)は、それぞれ403人(96.0%)と郭清なし群423人(97.0%)に行われていた
郭清群と郭清なし群の患者の臨床特性と腫瘍の特性は同様だった。
郭清群の患者は中央値17個(四分位範囲13~22個)のリンパ節の切除を受けた。郭清なし群から切除されたリンパ節は中央値2個(四分位範囲1~4個)だった。それらの中で、組織学的に癌の存在が確認されたリンパ節の数は両群ともに1個(四分位範囲1~2個)だった。
郭清群から切除されたリンパ節を対象に転移の有無を調べたところ、27.3%においてセンチネルリンパ節以外にも転移が認められた。4つ以上のリンパ節が転移陽性だったのは13.7%だった。
追跡期間の中央値は6.3年で、その間に94人(郭清群が52人、郭清なし群42人)が死亡した。5年全生存率は、郭清群が91.8%(95%信頼区間89.1%-94.5%)、郭清なし群が92.5%(90.0%-95.1%)。5年生存の未調整ハザード比は0.79(90%信頼区間0.56-1.10)、適用された術後補助療法の種類と年齢で調整したハザード比は0.87(0.62-1.23)で、いずれもあらかじめ設定されたマージンを超えず、リンパ節郭清ありに対する郭清なしの非劣性が確認された。
著者らはさらに、ホルモン受容体の過剰発現の有無などに基づいて患者を層別化し、サブグループ解析も行ったが、ハザード比に有意な変化は見られなかった。
5年無病生存率は、郭清群82.2%(78.3%-86.3%)、郭清なし群83.9%(80.2%-87.9%)で、未調整ハザード比は0.82(0.58-1.17)、調整ハザード比は0.88(0.62-1.25)となった。
外科的合併症の発生率を比較したところ、創感染、腋窩漿液腫、知覚異常、リンパ浮腫は郭清群に有意に多かった(P<0.001)。
病期がT1~T2で乳房温存療法、全乳房照射、術後補助療法が適用される早期乳癌患者については、センチネルリンパ節生検で転移陽性リンパ節が2個以下ならリンパ節郭清は不要であること、生存期間短縮なしにQOL向上が望めることが示された。
原題は「Axillary Dissection vs No Axillary Dissection in Women With Invasive Breast Cancer and Sentinel Node Metastasis: A Randomized Clinical Trial」、概要は、JAMA誌のWebサイトで閲覧できる。
----------
〉センチネルリンパ節生検で転移陽性リンパ節が1~2個認められた場合でも腋窩リンパ節郭清は不要で、郭清の実施の有無で5年生存率に差はないことを示した
これって、「一つや二つ陽性が出たからって、キャアキャア騒ぐな」ってことかしらん???
ともあれ、術後補助療法の重要さを示唆したことにはなると思います。
〉外科的合併症の発生率を比較したところ、創感染、腋窩漿液腫、知覚異常、リンパ浮腫は郭清群に有意に多かった
リンパ節を郭清すると、浮腫になる確率は約5割といいます。
この報告だけを読めば、センチネルリンパ節生検で転移陽性リンパ節が1、2個あったとしたら、私はとっても悩みそうです。というか、、、郭清しないかもです。
「かも」なのは、こういった報告が出ると、その対極になる報告も出ることがあるからです。少し時間を置き、両者の側からデータがたくさん出しつくしたところで決定したいです。
治療には時間も大切だから、ホント、困っちゃうなと思う人<ここをクリックよろしくね~ >
This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)
私はセンチネルリンパ生検を行った時、リンパ節を3個取りました。
いまでも、たまに手術側の腕がだる~~~くなる時があります。浮腫というまではいきませんが、だるだるで気分も沈みます。たった3個取っただけでもこんな感じ。リンパ浮腫になった方はもっと大変じゃないかと思います。
------------
【一部の早期乳癌ではセンチネルリンパ節転移陽性でもリンパ節郭清不要】 JAMA誌から
乳癌患者に対する腋窩リンパ節郭清はQOLの低下を招く。米Saint John's Health CenterのArmando E. Giuliano氏らは無作為化試験を行い、病期がT1~T2で、乳房温存療法が適用され、その後に全乳房照射などの標準治療が予定されている女性については、センチネルリンパ節生検で転移陽性リンパ節が1~2個認められた場合でも腋窩リンパ節郭清は不要で、郭清の実施の有無で5年生存率に差はないことを示した。論文は、JAMA誌2011年2月9日号に掲載された。
早期乳癌患者に対するセンチネルリンパ節生検は、リンパ節への転移の有無を正確に判断するために有用だ。しかし、結果に基づいて腋窩リンパ節郭清を行うことが生存に及ぼす影響は明らかではない。郭清は感染やリンパ浮腫を引き起こす可能性があり、それらは患者のQOL低下につながる。近年、癌の生物学的理解が進み、腋窩リンパ節郭清の利益が大きい患者を選出するための様々なアルゴリズムが作成された。並行して欧米では、センチネルリンパ節転移陽性患者に対するリンパ節郭清の適用が減少している。
郭清実施の有無が患者の生存に及ぼす影響を明らかにしようと考えた著者らは、早期乳癌に対する標準的な治療、すなわち、乳腺腫瘍摘出術、全乳房接線照射、術後補助療法を受ける予定の患者で、センチネルリンパ節が転移陽性だった女性を対象として、腋窩リンパ節の完全郭清を行った場合とリンパ節郭清を行わなかった場合の生存率を調べるフェーズ3非劣性試験を実施した。
99年5月から04年12月まで、115施設で患者登録を実施した。T1~T2の浸潤性乳癌(腫瘍の直径は5cm以下)で、触知可能なリンパ節腫脹はなく、センチネルリンパ節生検において転移陽性リンパ節が1~2個(凍結切片を用いた組織診断、捺印標本を対象とする細胞診、併給標本のヘマトキシリン-エオジン染色によって判定)を組み込み条件とした。術前に化学療法またはホルモン療法を受けた患者などは除外した。
登録患者を、無作為に、腋窩リンパ節郭清(445人)または郭清なし(446人)に割り付けた。すべての患者に乳腺腫瘍摘出術と全乳房接線照射を実施し、化学療法の適用については担当医の判断に任せるとした。
主要アウトカム評価指標は全生存率に設定。非劣性のマージンはハザード比の両側90%信頼区間の上限が1.3とした。
当初のデザインでは、目標とする登録患者数は1900人で、500人が死亡した時点で分析する計画だった。だが、死亡率は予想を大きく下回った。そのまま続行すると試験期間は20年を超えると推定したデータ安全性監視委員会から早期中止が勧告され、これに従って試験は中止された。それまでに登録された患者は891人だった。
このうち、割り付けられた治療を受けたのは郭清群420人、郭清なし群436人で、術後補助療法(化学療法、ホルモン療法のいずれかまたは両方)は、それぞれ403人(96.0%)と郭清なし群423人(97.0%)に行われていた
郭清群と郭清なし群の患者の臨床特性と腫瘍の特性は同様だった。
郭清群の患者は中央値17個(四分位範囲13~22個)のリンパ節の切除を受けた。郭清なし群から切除されたリンパ節は中央値2個(四分位範囲1~4個)だった。それらの中で、組織学的に癌の存在が確認されたリンパ節の数は両群ともに1個(四分位範囲1~2個)だった。
郭清群から切除されたリンパ節を対象に転移の有無を調べたところ、27.3%においてセンチネルリンパ節以外にも転移が認められた。4つ以上のリンパ節が転移陽性だったのは13.7%だった。
追跡期間の中央値は6.3年で、その間に94人(郭清群が52人、郭清なし群42人)が死亡した。5年全生存率は、郭清群が91.8%(95%信頼区間89.1%-94.5%)、郭清なし群が92.5%(90.0%-95.1%)。5年生存の未調整ハザード比は0.79(90%信頼区間0.56-1.10)、適用された術後補助療法の種類と年齢で調整したハザード比は0.87(0.62-1.23)で、いずれもあらかじめ設定されたマージンを超えず、リンパ節郭清ありに対する郭清なしの非劣性が確認された。
著者らはさらに、ホルモン受容体の過剰発現の有無などに基づいて患者を層別化し、サブグループ解析も行ったが、ハザード比に有意な変化は見られなかった。
5年無病生存率は、郭清群82.2%(78.3%-86.3%)、郭清なし群83.9%(80.2%-87.9%)で、未調整ハザード比は0.82(0.58-1.17)、調整ハザード比は0.88(0.62-1.25)となった。
外科的合併症の発生率を比較したところ、創感染、腋窩漿液腫、知覚異常、リンパ浮腫は郭清群に有意に多かった(P<0.001)。
病期がT1~T2で乳房温存療法、全乳房照射、術後補助療法が適用される早期乳癌患者については、センチネルリンパ節生検で転移陽性リンパ節が2個以下ならリンパ節郭清は不要であること、生存期間短縮なしにQOL向上が望めることが示された。
原題は「Axillary Dissection vs No Axillary Dissection in Women With Invasive Breast Cancer and Sentinel Node Metastasis: A Randomized Clinical Trial」、概要は、JAMA誌のWebサイトで閲覧できる。
----------
〉センチネルリンパ節生検で転移陽性リンパ節が1~2個認められた場合でも腋窩リンパ節郭清は不要で、郭清の実施の有無で5年生存率に差はないことを示した
これって、「一つや二つ陽性が出たからって、キャアキャア騒ぐな」ってことかしらん???
ともあれ、術後補助療法の重要さを示唆したことにはなると思います。
〉外科的合併症の発生率を比較したところ、創感染、腋窩漿液腫、知覚異常、リンパ浮腫は郭清群に有意に多かった
リンパ節を郭清すると、浮腫になる確率は約5割といいます。
この報告だけを読めば、センチネルリンパ節生検で転移陽性リンパ節が1、2個あったとしたら、私はとっても悩みそうです。というか、、、郭清しないかもです。
「かも」なのは、こういった報告が出ると、その対極になる報告も出ることがあるからです。少し時間を置き、両者の側からデータがたくさん出しつくしたところで決定したいです。
治療には時間も大切だから、ホント、困っちゃうなと思う人<ここをクリックよろしくね~ >
This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)