乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

裁判員になったらどうする?

2008年08月31日 | 社会
福島県立大野病院裁判において、検察側が控訴断念を表明しました。このブログではそのカテゴリーを設けて私の意見を表しましたが、TVなどによる一般の方々の意見とは少し距離があるように感じます。

この事件に興味を持ったのは、マスコミ報道で事件を知る一般の人と、被告と同じ職である医師と、見方が全く異なったからです。で、自分なりに調べるほどに、一般の意見と乖離してしまった。このことは、自分が裁判員になった時、どの資料をどのように使うか、誰に相談するか…等など、色々と考えさせられます。

重罪の判決に関わる裁判の場合、自分も大きな十字架を背負うことになります。死刑と無期懲役の格差が大きく開いている現在、簡単に刑期が短縮されてしまう無期懲役は軽いからと、じゃ死刑に賛成!と、簡単に死刑を言い渡せる人は少ないでしょう。

「仮釈放なし終身刑」創設を…超党派議連が骨子案(読売新聞) - goo ニュース

議員連盟「量刑制度を考える超党派の会」(会長=加藤紘一・自民党元幹事長)がまとめた終身刑を創設するための刑法改正案などの骨子案が30日、明らかになった。

 仮釈放がない終身刑を創設して、死刑と無期懲役の格差を埋めるのが狙い。裁判員制度が開始される来年5月までの終身刑創設を目指しており、臨時国会で成立させたい考えだ。

 骨子案は〈1〉現行法で死刑が設けられている現住建造物等放火罪、殺人罪、強盗致死罪などに終身刑も設ける〈2〉終身刑に恩赦を認め、減刑して有期刑とする場合は、30年以下とする--などの内容。

 一方、政府は終身刑の創設に慎重な立場だ。このため、法務省は、不透明との指摘がある無期懲役の仮釈放のあり方について、課長レベルの勉強会を省内に設置する。無期懲役の運用を透明化して裁判員制度に対応することが狙いだ。

 無期懲役は10年以上の服役で仮釈放が可能となるが、最近の運用では約25年の服役で仮釈放となっている。昨年の仮釈放は3人で、平均入所期間は31年10か月。一方で、昨年、無期懲役で新たに入所したのは89人だった。

 勉強会は、このような現状を積極的に情報公開することや、仮釈放を許可する地方更生保護委員会の組織見直しなどを検討する。
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『光市母子殺害、死者は「1.5人」!?』のコメント欄で示したように、私は死刑より本当の「無期懲役」、一生を被害者のために費やす刑を望みます。上記の骨子案は自分の意見に近いという印象を持ちました。
で、終身刑を実行すると、我々の税金の投入が増えるのは必須ですね。


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トラクターに乗った王子か

2008年08月30日 | 生活
被害者にはお気の毒ですが、加害者の立場なら女冥利に尽きてウッフッフと思わせるような記事を発見。

結婚詐欺、70歳女に実刑=42歳独身と偽る-宇都宮地裁支部(時事通信) - goo ニュース

 42歳独身と偽って48歳の男性と結納をかわし金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた茨城県桜川市の農業深谷ハツエ被告(70)の判決公判が29日、宇都宮地裁真岡支部であり、飯塚圭一裁判官は懲役3年10月(求刑懲役5年)を言い渡した。

 飯塚裁判官は「結納金で嫁入り道具を購入し、同居後は農業や家事を手伝うなど農家の嫁として振る舞うなど計画的で大胆かつ巧妙な犯行」と指摘。「長く良縁に恵まれなかった被害者が厳罰を望むのも当然」とした
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70歳女性を「老女」と表現していいのか、、、は、ちょっとビミョーかもしれませんが、28歳さばを読むのはカナーリ無理があるのでは???
42歳の女性たちが怒っちゃいそうですし。(・`ω・´)

被害者の男性は本当に騙されちゃったんでしょうかね?
恋愛しちゃえば年の差なんて関係なくなるでしょうし、元々年上の女性が好みだったかもしれません。

もしくは、変だなあと思ったけど、結婚したかったなら皺の10本や20本ぐらい、両目をつぶってスルーか。。。

加害者は農家の嫁としての務めも行ったようで、その点から結婚は家族も了承していたのかなあ。異性が42歳と信じてくれるなんて、彼女にとってはオジサン、、いや、王子様の存在ですわね。

いやー、私も70歳になった時、見かけが42歳に思われたいです。(/ ̄ー+ ̄)キラーン


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難しい医療用語

2008年08月28日 | 病気・症状
「寛解」という言葉は、がん患者さんならご存知の方が多いでしょう。で、健康な時は全く?の言葉でしたよね。

医療ジャーナリストの講演を聴講しますた。開口一番、「皆さん、これらの単語の意味はわかりますか?」ときますた。

低侵襲
保存的療法
コンプライアンス
アドヒアランス
キュアからケアへ
ブレストケアナース

はっはっは、、、私は全然わかりませーん!

次に、「これ、読めますか?」ときた。
胃瘻
褥瘡
止瀉薬
譫妄

いや~、読めないし書けないわ。お医者さんて頭がイイのねえ。。。

困っちゃうのは、カタカナ用語。手持ちの辞書で調べようにも、載ってないのが多いし、英語のスペルも正しくわかんないと調べられん。

ネットで検索できる時代にいてよかったです、、、といいたいところだけど、高齢者はネット検索できない人が多いわけで。診察室で、医師がこれらの単語をさらっと言って終わっちゃったら困りますよね。ぜひ、意味を尋ねましょう。
老人に「えびでんす」は、わからんでんす。

えびでんす(evidence)=科学的根拠。
 最近の医療は、特殊な経験や勘に基づく医療ではなく、確固たる科学的根拠に基づいた医療になっている。エビデンスは、標準的な医療水準を保ち、診療指針の客観性を患者・家族に説明し、同意を得るためには必須。

講師は、臓器別の縦割り研究や診療組織が、専門用語を多様化させたと指摘。また、高齢化社会を迎え、精神科領域での造語が増えたとも言っています。

講師は40年近く新聞記者として文章を書いてきたが、文章が相手にいかに正確に理解され難いかを痛感しています。で、最大の衝撃文書は社保庁の連絡文書で、何回読んでも意味がわからず、本気で認知症になったと思ったと言います。

常識で理解できない文章は悪文で、説明責任の時代にこれじゃ実害が大きいと締めくくりますた。


寛解 病気は治っていないが症状が改善
低侵襲 患者に負担がかからない手術
保存的療法 手術入院を伴わない療法
コンプライアンス 順守的な服薬
アドヒアランス 自らが納得した服薬
キュアからケアへ 体を治すから心を治すへ
ブレストケアナース 医師に本心を言えない患者の心を開かせる専門性を持つ看護師や薬剤師

胃瘻 いろう
褥瘡 じょくそう
止瀉薬 ししゃやく
譫妄 せんもう


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医療報道ミス

2008年08月26日 | 社会
「報道の正確性」について考えちゃう記事を発見。

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「NHK、400万円支払い謝罪」 2008年8月23日  共同

助産行為を資格がない看護師らにさせ、保健所などの指導を受けたという不正確な報道をされ、名誉を傷つけられたとして、愛知県豊明市の産婦人科医院院長がNHKに5500万円の損害賠償を求めた訴訟は22日、NHKが謝罪し、400万円を支払うことを条件に東京地裁(鹿子木康裁判長)で和解した。

NHKは「今回の件を教訓に今後の取材、報道に生かす」としている。

訴状によると、この産婦人科医院では、医師や助産師にしかできない妊婦の内診を看護師らにさせていたが、2003年10月以降は中止した。しかし、NHK名古屋放送局は05年1月25日の地方ニュースで、放送時点でも看護師らによる違法な内診が続いているかのように報じたため、患者が激減。年間所得は4000万円以上減った。
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やらせ報道、勤務中の株取引、職員の暴行・・・、国営放送みたいな報道機関でも不祥事は起きています。で、こんな報道ミスもあるってか。

「報道のプロ」として報道するのなら、しっかり裏を取ってから公にしてちょうだいね。
でないと報道の正確さでいったら、民放よりNHKの方が多少はマシではないか、だって視聴者から受信料を取っているぐらいだもん、、、と思っていた人たちまでも、トーンダウンしちゃうから。
いや、怒って受信料払わなくなるかも。

>違法な内診が続いているかのように報じたため

実際の放送は知らないけど、きちんと調査したのなら曖昧な表現はしないんじゃないかな。その点で取材の浅さを感じますた。

予算も人事権も政府に握られているNHKだから、何でも政府に都合良く報道するんだろうって私は思っています。だからこの報道も、政府のご機嫌取りの一つにするつもりだったんじゃなかろうか。。。


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もっと観たかったよ、フェアリージャパン

2008年08月24日 | 生活
あ“あ”あ“、、、新体操の日本の演技、予選だけで終わっちゃいましたね。(-"-;)
もっと観たかった。。。(´A`)

技のレベルは、常連入賞5強国とさほど引けを取らなかったように思うんですけど。(選手たちのスタイルのよさもね(・∀・)。

日本は、ハイリスク・ハイリターンを取って負けてしまった。入賞した国の中には、それほどハイリスクな技をやらなかった国もあるけど、ま、これも戦術ですかね。┐(´-`)┌
(でも、ハイリスクな技を入れないと、金メダルは無理だぞ、ブツブツ・・・( ̄u ̄)。

来年の三重県で行われる世界選手権で、今回の雪辱を果たしてほしいです。
スポーツ選手は失敗して強くなるのよ o( ̄O ̄)ノ゜ おぅ!!

シンクロ団体は、日本人ヘッドコーチたちの戦いでもありますた。銀メダルのスペイン、銅メダルの中国、そしてメダル無し終わった日本、、、ヘッドコーチが3人とも、日本のナショナルチームのコーチだった!(。・∀・。)

日本人は独創性に欠けるって言う外国人は多いけど、シンクロは独創ありまくりの演技を指導していたわけで。

日本の女性はスゴイです。ヾ(●⌒∇⌒●)ノ 
(それとね、人は邪険に扱っちゃいけないって、チト思いますたよ。ボソッ(・ε・)

五輪競技で、私の一番の楽しみが新体操だったので、今回はNHKの放映に不平が一杯です。
なんで個人戦決勝の放映を総合テレビでやらないのっ??(`ロ´)ノ
新体操は個人戦が面白いのに (=`(∞)´=)”

おもしろそうな試合のほとんどがBSで放映。総合では“チラ観”程度って、とってもアタマに来ます。BS加入しろって、無言の圧力をかけられているみたいです。( ̄∩ ̄#

あーあ、もっと美の戦いを観たかったなぁ。。。( ̄O ̄)


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五輪の美女たち

2008年08月22日 | 生活
昨日のソフトボール決勝戦、観る側も肩に力が入っちゃいましたね。上野投手の頑張りには脱帽です。
彼女の技術も根性も、世界一!!!!!!!!

北京五輪もいよいよ終盤、私の寝不足もピークです。
シンクロ、飛び込み、新体操と、強くて美しい女性たちが、戦いに火花を散らしています。これらの競技は、技の難度が高くて正確に行うだけじゃダメなのよ。

美しくなければ。
オリジナリティがなければ。

私は“ただのスリムさん”には全く関心がなく、鍛えられた筋肉美が好き(はぁと)。なので、これらの競技の観戦はとっても楽しみです。

終わっちゃったけど女子体操でいったら、強くて美しい演技、そしてすっばらしい筋肉美だと思ったのが、個人総合でブロンズメダルを獲得した中国選手Yang Yilin。一見、華奢なシルエットなんだけど、筋肉でプリプリ。演技がしなやかで、キリッとした美人だし。

んでも、中国の紅色と黄色のユニフォームには、ちょっとねえ・・・です。2色とも彩度の高い組み合わせは難しいんですよね。どちらかの色の彩度を落とした方が、色のまとまりがつくっていうのが常道、無難な感じになっちゃうんだけどさ。。

それとね、彼女のメイクもユニフォームとカラーバランスが悪いような気がして。。
アイシャドウが水色って、、、紅色、黄色、水色の組み合わせって、、、う~ん。

ま、これは民族の好みの色合いっていうのがあるので、センス悪って思うのは私個人の勝手な感情ってことにしておきましょう。

さすが共産国での開催だなと思ったのが、何百人もいる中国人の女性アシスタントたち。
みんな美人! みんなスタイルばっちり! ずっと笑顔!
まるで、兵馬俑みたいです。よくぞ集めたもんですわ。

あれだけの数を集めるとなると、ちょっと背の高低さがあったり、やせ、太めの差があったりしてもよさそうなもんなのに、みごとに揃っている!
しかも、顔に知性がある人ばっかだし。

顔のパーツが完璧な形で、しかもバランスも完璧に配分されると、あまり頭が良さそうに見えなくなっちゃうことがあります。人形のように見えてしまう。美人女優さんの顔を見ても、それがわかるでしょう。

一つ欠点がある顔だと、人はそこにホッとするわけで。そこに親しみを持ったりします。
“完璧な顔”には、知性の入り込むすき間もなくなっちゃうのかもしれません。

中国の大人数のアシスタント女性たちは、この点でイイ線いってます。知性と気品を感じるし。中国の新体操団体や、シンクロ団体は、能力も体形も見事に揃っているのが他国と一線を画するところです。人口が多い国でなくちゃなかなかできにゃいのだ。

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人知の及ばぬ事象に無罪判決

2008年08月20日 | 福島県立大野病院事件
福島大野病院事件に際し、私は「ボールペン作戦」 に参加して、マスコミ関係を中心に配りました。最後の1本は、本日、一番お渡ししたかった方に渡すことができました。

先月、不正出血があり、青くなって通院する病院の婦人科に予約を取ろうとすると、なんと3週間待ち! 他の病院へ行く選択肢はありません。この病院は産婦人科外来に医師が4人、週3回も診察するにもかかわらず、越境患者の出現でいつも混雑しているのです。

「皆さん、同じ事情で待っていただいておりますので・・・」と事務員の声。2年前は1週間で予約が取れたのに、産科崩壊はここまで来たかという思いがしました。新たながんになっちゃったのかなという不安を、3週間も引きずるのは少々厳しかったです。他の人たちもそうなのよね。

朝イチの診察だったのに、担当医は目をこすりながら、私のカルテを読んでいました。年に一度の診察ですが、私よりお若い先生なのに、昨年よりぐっと白髪が・・・。
ホルモン分泌の乱れとの診断を得、ほっとしたところで、例のボールペンを先生にお渡ししました。

「この判決に関心の無い産科医なんて、一人もいませんよ」
とにっこり微笑み、受け取って下さいました。私のような一般市民が、この事件に関心を持つことは、専門家にとっても意味のあることのようです。

帝王切開で29歳失血死、医師に無罪判決…福島地裁(読売新聞) - goo ニュース

 福島県大熊町の県立大野病院で2004年、帝王切開手術を受けた女性(当時29歳)が死亡した事件で、業務上過失致死と医師法(異状死の届け出義務)違反の罪に問われた産婦人科医、加藤克彦被告(40)の判決が20日、福島地裁であった。
 鈴木信行裁判長は、「標準的な医療措置で、過失は認められない」として無罪(求刑・禁固1年、罰金10万円)を言い渡した。
 医療界からは、医師の逮捕に対して反発の声が上がり、元々勤務が過酷とされる産科医離れが進むなど波紋を広げたとして注目された。
 判決によると、加藤被告は04年12月17日に女性の帝王切開手術を執刀。子宮に癒着した胎盤をはがした際に大量出血が起き、女性は失血死した。子どもは無事だった。
 鈴木裁判長は、胎盤をはがしたことと死亡との因果関係を認め、「手でこれ以上胎盤をはがせないと判断した時点で、はく離を続ければ大量出血の恐れがあると予見できた」と、検察側の主張を認めた。
 だが、はく離を途中でやめて子宮摘出手術に移り、大量出血を回避すべきだったとする検察側の主張については、「最後まではがすのが標準的な医療措置」として、結果を回避する注意義務はなかったと判断。さらに、「女性は(難症例の)癒着胎盤という疾病で、過失のない診療行為でも死亡という結果は避けられなかった」として、医師法違反についても「異状死ではなく、届け出義務はない」とした。
 検察側は「胎盤の癒着は広範囲で相当深く、はがし続ければ大量出血し、生命に危険が及ぶ」と指摘。弁護側は「胎盤をはがしている最中の出血量は最大555ミリ・リットルで、大量出血の予見可能性はなかった。はがし始めたら最後まで行うのが臨床の実践。標準的な医療行為だった」と主張した。
 産科医は、04年ごろから減少が顕著となり、加藤被告の逮捕・起訴後は、医師の産科離れにさらに拍車がかかったとされる。日本産科婦人科学会は「故意や悪意のない医療行為に個人の刑事責任を問うのは疑問」とする見解を表明。国は「医療安全調査委員会(仮称)」の設置を検討している。
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この事件に関して、Dr.I先生のブログ 「やぶ医師のつぶやき」にわかりやすい説明があります。

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医学っていうのは、不確実なものですから。
絶対に大丈夫って事はないんですよ。
日本は、周産期死亡率が世界一低いんですけど。
それでも、お産をすれば、死ぬ人もいるんですよ。
ある一定の確率で、必ずね。

100点満点のテストで60点以上が合格として。
99点だったら、喜びますよね、普通。
楽勝で合格点だし、
ほとんど満点に近いような点数だから。
多分、クラスで一番か二番でしょう。

でも、言い方を変えれば、
1点はミスしているんですよね。
100点満点で99点っていう事は。
その1点の事だけを取り上げて、「医療ミスだ」
って言っているのが、一部の医療訴訟です。

しかも、点数の基準が○×とか。
マークシートとか、そういう完全に白黒
はっきりつけるものならともかく。
採点者によっては、人によっては正しいけど、
人によっては、正しくない。
って言ってるような、そんな基準で。
一部の医療訴訟は行われています。

福島大野病院事件の場合は、
極めてまれで予測不能な難治疾患と遭遇して、
救命を目的に必死の思いで
正当な医療行為を実施しても、
結果的にその患者さんを救命できなかった。

そういう場合に、今回のように極悪非道の殺人犯と
全く同じ扱いで逮捕・起訴されるようでは、
危なくて誰もリスクを伴う医療には
従事できなくなってしまうんですよ。
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多くの医師が団結し、抗議しているのは、この事件が刑事罰に問われたことです。しかも、書類送検ではなく、逮捕・拘留されてしまった。

この事件では、警察、検察は医療の専門家ではないから、医療の専門家の意見を尋ねました。ところが、経験の乏しい鑑定医が鑑定した。結果、多くの専門家が鑑定に疑問を持った。

ひょっとしたら、今までも専門的な知識を必要とする事件で、同じようなことが起きていたかもしれません。。。

弁護士さんとは頭がよくて優秀で、きちんと説明すれば理解してもらえる人たちだと私は思っていました。が、実際の医療現場において、治療をすれば治るという思い込みでもあるのかなと、今回、考えを新たにしましたね。

もっともこれは、私が親の十数年来がんと付き合い、「治療をしてもうまくいかないこともある」のを実感しているからかもしれませんが。


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深いなあ・・・。

2008年08月19日 | 福島県立大野病院事件
「罪を憎んで人を憎まず」と言われるのは、人を憎んで罪を忘れようとする人が多いからでしょうか。

私とて右ほほをぶたれたら、左足で蹴り返しちゃいそうです(^^;)。頭でわかったつもりでも、相手を理解し自分を納得させるには、また、それを行動に移すには時間がかかる…かな。

明日の福島県立大野病院事件の第一審判決を前に、産婦人科医なな先生のブログ「ななのつぶやき」を読みました。

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「お祈り」

今日は、寝る前にお祈りをします。
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明後日は、福島県立大野病院事件の、第一審判決の日です。
無罪が確定しても、福島県警と福島地検を、罰してはならないと思います。
警察も検察も、その道のプロフェッショナルだからです。
警察は、プロとして犯罪捜査をし、逮捕しました。
検察も、プロとして捜査・起訴・立証をしました。
専門家が判断して、その場その場で正しいと思って行ったことです。
しかし、専門家も人間ですから、過ちを犯します。
だから、誤認逮捕も冤罪も、存在します。
誤認逮捕をした警察官を処罰し、結果として無罪の人を起訴した検察官を処罰してしまったら、
警察官も検察官も、萎縮してしまいます。
警察が凶悪犯の逮捕を躊躇して、第2第3の犯罪が起きたり、
検察が迷った挙句不起訴処分にして、真犯人が野放しにされたら、
日本の治安が守れなくなってしまいます。
そんな危険な国にしてはなりません。
やるべきことは、警察・検察の処罰ではなく、
何故このような逮捕・起訴・裁判がなされてしまったのか、 原因を究明し、
二度とこのようなことが繰り返されないように、対策を立てることです。
処罰は、過失の根絶につながるのではなく、萎縮につながるものだと思います。
警察と検察が、萎縮することなく仕事ができる世の中を、願って止みません。
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起こってしまったことは、再発防止の対策に役立てることが必要なんですね。医療技術も警察の捜査法の進歩も、根っこは同じだと思います。というか、失敗から学ぶことの重要性を、我々は日々の暮らしで体感しています。

不毛な争いは早く終わりにし、再発防止にエネルギーを注ぎ、暮らしやすい社会になることを願います。


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糖尿病遺伝子

2008年08月18日 | 病気・症状
糖尿病遺伝子を発見、日本人患者から…理研などのチーム(読売新聞) - goo ニュース

 糖尿病の発症に大きく関係する遺伝子を、理化学研究所と国立国際医療センターの研究チームが、それぞれ日本人患者の調査から突き止めた。

 糖尿病になりやすい人の早期診断に道を開く成果だ。二つの論文は18日、米科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」(電子版)に同時掲載される。

 糖尿病との関連が判明したのは、日本に約820万人いる患者の約9割を占める「2型糖尿病」の発症にかかわる「KCNQ1」と呼ばれる遺伝子。2型糖尿病は食べ過ぎや運動不足などの生活習慣のほか、遺伝的要因で発症する。

 欧米人を対象にした調査では、2型糖尿病に関係する別の遺伝子が知られていたが、遺伝的要因には人種差があるため、日本人の調査が求められていた。

 両チームは2型糖尿病患者と健康な人の遺伝子を、それぞれ計約9000人規模で比較調査。患者群のKCNQ1遺伝子の配列にわずかな違い(一塩基多型)があることを突き止めた。この遺伝子配列の違いがあると、発病の危険度は最大で約2倍(理研)~約1・4倍(同センター)高まるとの結果が出た。
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入院患者の半数が糖尿病、、、病院関係者の話として時々聞きます。

古代、大陸から日本列島に渡った人に糖尿病の人がいて、その子孫が島内で繁栄した、、、という説もあるぐらい、日本人は西洋人に比べ糖尿病になりやすいとも言われています。

飲酒の量を比較すると、日本人より欧米人の方がアルコールを多飲しても糖尿病になりにくいと、習った記憶もあります。
欧米人と遺伝子の型が違うからというのには、ちょっと納得です。

栄養士が指導する糖尿病食は、日本人が昔から食べてきた伝統的な料理とあまり離れていません。といっても、「伝統的な料理」が何だかわからん人が増えているので、オーソドックスに、「乳製品、肉・魚、野菜・果物・穀類・油を、ちょっとづつ食べる」とでも表現するのがいいのかなと。。。

戦時中は糖尿病患者がいなかったということから、肉はめったに食べないし、ケーキもなかったし。ましてハンバーガーショップや自販機もなし。ちょっとひもじく感じるような程度の食事ならば、発病の回避の可能性は上がるかもです。
ま、欧米人と同じ食生活をすると、日本人の方が糖尿病になりやすいというのは最近の傾向から言えることですね。

糖尿病が進むと、末端の壊疽や失明など、治療の難しい予後を迎えることになりますので、努力して発病しないようにしましょう。
食べ過ぎ、運動不足に気をつけるのが一番よい方法というのは、病気予防の上で一番実行しやすいことでもあります。


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注目の判決を前にして

2008年08月16日 | 福島県立大野病院事件
「医師数は足りている」と県から評された地域に私は住んでいます。しかし、新たに建設された中規模病院の産婦人科に医師はおらず、最新設備は埃を被ったままです。

産婦人科は大病院へと集約化され、妊婦さんと婦人科へ罹る患者さんとで溢れています。常に午前の妊婦検診が午後に大きくずれこむほど、妊婦さんが集まっています。また、患者急変で医師の外来・検診は時々中断します。

数字的には医師数は足りている。しかし、周辺地域・隣県からの妊婦や患者が流れ込み、その割合は地元患者1に対し、越境患者0.7。集約前の約2倍の人たちがこの地域の病院を利用するようになりました。これのどこが医師数は足りているというのか?
片道数時間かけて通院する妊婦さんがざらにいる。これは母体に安全なことなのか?

この地区では、里帰り出産しても住民票がなければ、妊婦教室や赤ちゃん教室には参加ができなくなりました。妊婦の大量流入に、行政が対応しきれなくなったためです。

がん検診の予約を入れても、婦人科だけは1か月待ちです。他の科は1週間で予約がとれます。婦人科がんの疑いのある人が入院・手術となると、長い時間を不安の中で待たされることになるでしょう。

皆、我慢を強いられています。

大野病院事件の後、産婦人科を取り巻く環境は激変しました。これが実情です。(事件については、大野病院のカテゴリーを参照下さい)
この事件の公判記録を読むと、自分も医師と長らく付き合うことになった「乳がん患者」の立場として、大いに疑問を感じた点があります。

第12回公判の亡くなられた妊婦さんの夫の証言
>加藤先生の手術の内容は、弁護側の先生からは誰でもする、特に問題がなかった、と言われました。何も問題がなければ、なぜ、妻は死んでしまったのか、とても疑問です。
>子供と妻のために、責任を追及し、責任をとってもらいます。

加藤医師とこの妊婦さんとで、いかなる話がなされたか。
その話は彼女の夫、家族などと共有されたものだったのか。各々が彼女の意志や希望を正確に理解していたのか。

治療については、乳がん患者も一人ひとりの価値観が異なります。乳房全摘出するのが最善の治療であっても、絶対に乳房を残したいと医師に懇願する人、治療・手術より妊娠を継続したい人など等、医師の提示する最善の治療と離れた希望を述べる患者もいます。
診察室ではその希望を叶える治療とリスクについて、医師と患者は十分に話をするものだということは、患者となられた方ならご存知でしょう。医師は自分にできないことはしないし、できるだけ患者の希望に沿った治療を考える。そして患者自らが選択するんですよね。

亡くなられた妊婦さんは、過去の出産経験から想像するに、彼女の希望を叶えるべくリスクは小さくなかったように思います。つまり、彼女はもう一人子供を得るため、小さくないリスクを取ったのではないのか。

私の場合、乳がんの治療をするにあたり、主治医には自分の希望や意志を率直に伝えても、家族には隠すことがあります。家族に言うと、私を心配するが故に私の行動を阻止する可能性がある時です。それはまた、自分が腹をくくった時でもあります。

家族は妊婦さんの気持ちをどのぐらい理解していたか。彼女を深く思いやり、彼女の意志を尊重したというのでしょうか。リスクに対し、彼らは担当医とどのぐらい話し合ったのか。
医師が「責任をとる」時、そこには医師と家族との間にも、出産に対し共通の理解があるはずです。原告の公判記録からは、その点が読み取れません。

もう一つ、警察と検察が依頼した鑑定医についても大いに疑問があります。
この妊婦さんは、産科医が遭遇するのは1万分娩に1回ほどの強い癒着胎盤で、出産時に予期せぬ事態に陥ったといいます。そのような事態の処置を、完璧に行った医師を鑑定医に選ばなかったのはなぜでしょう。

未経験の鑑定医の鑑定を判断の基とするのは、素人目に見ても納得がいきません。あとから「こうすれば助かったはずだ」と言い出せば、言った人が有利です。それは今後の医療の改善に役立つかもしれませんが、当時、医師が行うべき行為の過失とは全く別のものです。この件では、産婦人科医としての経験と実績のある鑑定医をつける必要がありました。

検察側は、医療の「不可抗力」とはいかなるものか、専門家の知識と経験を正確に知る必要があると思います。その時できるだけのことを行い、しかし結果が悪い場合、犯罪者とするのは間違いです。

産科医のみならず、全国には患者とその家族の希望を踏まえ、限界まで精一杯の仕事を行う医師が大勢います。私の主治医もその一人です。
この裁判で有罪判決が出たら、その行為は犯罪になるかもしれない。その状況に耐えられる医師がどれほどいるというのか…。
自分が受けた医療の恩恵が受けられなくなる人々の出現を、私は危惧します。


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お墓の危機

2008年08月15日 | 生活

始めに、戦争で犠牲になられた大勢の方々へ、謹んで哀悼の意を申し上げます。

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私のお墓の中に私はいまへん~♪って歌が流行りましたが、徐々に現実味を帯びてきたようです。お墓の存続の危機だそうで。。。

ある生命保険会社の話しからです。
少子化が進み、お墓を守る子孫がいない人とか、一家で複数のお墓を守らなくちゃいけない人が増えている。また、転勤族の増加により、墓参りも儘ならない。核家族化も進んで、子どもがいても無縁仏にならない保証もなし。

過疎化が進む地方では、無縁墓が増えている。撤去する時は、“産業廃棄物”として処分。ちょっと悲しいでつね。

お墓に対する意識も昔とは違う。“あの世離婚”したい夫婦は、別墓を望むし、姑と同じ墓には絶対に入りたくない嫁も多い。正月の帰省を各々の実家で過ごす夫婦が増えたと同様、お墓も各々の実家の墓に入るつもりの夫婦も多くなった。
私の周りの人たちは、こんなこと言う人、多いですよん。

現在人気のあるお墓は、ガーデニング墓地。墓石の代わりに樹を植えた樹木葬の墓地。
オーソドックスに墓石でいいやと思いきや、石の色が白や水色、ピンクとか、、、デザインも多種に渡っている。こだわりがあるのだ。
実は私も、自分のお墓にはピ○チュウの花瓶を備えてほしいと密かに思ってまつ。(本当は、あったらピ○チュウの線香たても欲しいんだが)。

子孫が墓を守らなくていいようにと、血縁のない人たちと一緒の“合葬墓”に関心を持つ人も多い。
もちろん、子どものいない人、独身の人には人気がある。「血縁がなくても、大勢で入れば賑やかでいいんじゃないの」っていう人も。
無縁墓にならなくてすむのが、大きな関心を呼んでいる。なので、公営の墓地として設置する自治体も増えている。

高齢者の間で時々言われる「長男なんだから、先祖代々の墓を守れ」っていうのは、長男の世代では通用しなくなってくるかもしれませんね。

苗字が変わるのはイヤだという男性は依然として多いけど、自分の埋葬先が変更することについては、そんなに抵抗を感じない男性が増えつつあるのかな??


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なかのひと

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死への自律性

2008年08月11日 | 患者の気持ち

がんになったら、一度は考える自分の死に方。
では、高齢者と呼ばれるようになると、どのぐらい考えるものなのか。

「多くの日本人に共通する望ましい死のあり方が明らかに」 2008. 7. 1

 日本人に共通する望ましい死のあり方に関する大規模なアンケート調査の結果が、このほどまとまった。これは、東京大学医学系研究科成人看護学/緩和ケア看護学の宮下光令氏らの研究によるもので、7月4日から5日に静岡市で開催された日本緩和医療学会で発表された。

 今回の調査は、一般集団として宮城県、東京都、静岡県、広島県に在住する40歳から79歳の住民5000人と、緩和ケア病棟で看取りの経験を有する遺族、約800人を対象に行われたもの。一般集団からは2548人の回答(回答率51%)、遺族からは513人の回答(回答率70%)を得ている。

 その結果、日本人の多くが共通して望む点として10項目があることが明らかになった。これは、「落ち着いた環境で過ごすこと」「人生を全うしたと感じられること」「望んだ場所で過ごすこと」「希望や楽しみを持って過ごすこと」「自分のことが自分でできること」「体や心の辛さが和らげられていること」「医師や看護師を信頼できること」「家族や他人の負担にならないこと」「人として大切にされること」であった。

 また、人によって重要さは異なるが、大切にしている点としては8項目が明らかになった。これは、「信仰に支えられていること」「できるだけの治療を受けること」「先々のことを自分で決められること」「生きていることに価値を感じられること」「病気や死を意識しないで過ごすこと」「他人に弱った姿を見せないこと」「自然なかたちで過ごすこと」「伝えたいことを伝えておくこと」であった。

 同研究を率いた宮下氏は、「若いほど、自立していたという気持ちが強かったが、年齢が上がるほど自立への願いは弱くなり、告知も望まず、死を意識したくない、今まで通りに普通に生活したいという気持ちが強くなっていた」と語る。

 また、海外の同様な研究では「残された時間を知り、準備をすること」が重要とされているが、今回のアンケートで、この点を重視する回答は50%から70%となっており、日本人は死への自律性はあまり重視していない点が示されたという。
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> 「若いほど、自立していたという気持ちが強かったが、年齢が上がるほど自立への願いは弱くなり、告知も望まず、死を意識したくない、今まで通りに普通に生活したいという気持ちが強くなっていた」

腫瘍マーカーの上がりっぱなしの親と同居する私ですが、これ、ひしひしと感じます。
家族の立場からいったら、そろそろ「残された時間を知り、準備をすること」を始めてほしい気持ちがくすぶります。しかし、本人は死について考えることを避けている。

淡々と普通の生活を送る親を横目に、時として苛立つこともあります。が、自然の成り行きに身を置こうと、口に出さないことにしています。
死を考えることを避けて暮らすのも、その人の人生観。それがキャラクターの一部であるならば、その人の過ごしやすいようにするのがいいかと。。。
まあ、死を意識しながら生活するのは、生きていて楽しくないです。

「死への自律性」、、、これは宗教観からくる考え方なんでしょうか?

私の場合、乳がんの告知の後、人に見られては絶対困る物はせっせと処分したので、気分的にはスッキリしています。その時、思ったのですが、もし、余命がわずかと宣告されたら、どこまで身辺整理をするか。つまり、死への自律をどこまで行うかなんですが、、、

最期は思い出の品に囲まれて死にたいので、身につけていたものや写真とか、最後まで処分しない気がします。家族に向かって、「私が死んだら処分してちょ」ってなりそうです。

しかし、遺族側から見たら、これ、ちょっと困ります。故人が思い入れを強く持った品は、捨てにくい。写真もしかりです。遺品がたくさんあるのは、遺族にとって保管場所の困るものになってしまうのですわ。←経験者
となると、物品については、死の自律性を考えてほしくなります。

「伝えたいことを伝えておく」については、「愛しているわん」と口に出して言うのはとっても恥ずかしいと思っちゃう私ですから、言葉に出すのは体が切羽詰った時になってからかな。
でも、がんで死ぬことになりそうだとなったら、お世話になった人々に感謝の気持ちを伝えるため、会いにいきたいと思うでしょう。がんだと、そのぐらいの準備はできそうなのがいいところかと。

とまあ、今は大した考えもなく生きています。
でも、、加齢に伴い、私も死への自律性は弱まっていくような気がします。もうあまり生きられないんじゃないかと自覚した時点から、毎日、死ぬことを意識して生きるのは何のために生きているのかわからなくなるような気がして。そうならないようなことを考えて終末を迎えようと、自分は気を向ける、、、つまり死を考えることから逃げるような気もします。

十数年ぐらい前までは、がんを告知することはそんなに多くはありませんでした。本人に病名を隠す家族としては、大変な苦労をしたものです。
インフォームドコンセントや、セカンドオピニオンという言葉が広まってきたのは、記憶に新しい。セカンドオピニオンを取ろうとすると、怒り出す医師も最近まではいたぐらいです。
社会のニーズが現在のシステムを作った面も大いにアリでしょう、、、システムの方向が、元のニーズとシンクロしていなかいとしてもですが。

死への自律性についても、今後、人々の意識は変わるかもしれません。現在の生活にあった考えが生まれ、そして浸透していく。超高齢化社会を目前に、いや、既に始まっているんだけど、人々は多種多様な意見をもち、今までにない行動もする。
今後、死に対する教育システムなんかの確立もなされるのかもしれません。


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なかのひと

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良心と行動

2008年08月09日 | 社会
第二次大戦に出兵したアメリカの退役軍人の多くが、日本への原爆投下は戦争終結を早めるための必要な行為だったと、コメントを求められればそのように答えますね。

しかしながら同じアメリカ人でも、自分のした行いをひどく悔い、考えを翻す人もいます。

「成果だけ求めた科学者人生恥じる」 原爆開発参加者 悔悟の長崎訪問 米国離れたヒントンさん(西日本新聞) - goo ニュース

 米国の原爆製造計画「マンハッタン計画」に参加した米国人女性科学者、ジョアン・ヒントンさん(86)が8日、長崎市を初めて訪れた。無差別大量殺りく兵器として原爆が使われたことに憤り、祖国を離れたヒントンさん。爆心地に立ち、自らが生んだ核兵器の廃絶を強く願った。

 ヒントンさんは大学院で物理学の才能を認められ、24歳で計画に加わった。「砂漠に落として威力を知らしめ、ドイツの核兵器使用をやめさせるのが目的と思っていた」という。

 ウラン型原爆の広島投下を新聞で知り「まさか」と思った。3日後、プルトニウム型原爆が長崎に落とされたことも新聞で知り、二重の衝撃を受けた。米国の行為が許せず1948年に中国に移り住み、北京郊外で酪農をしながら核兵器廃絶を訴えてきた。

 ヒントンさんは米国の作家パール・バックの小説「神の火を制御せよ」のモデルとされる。邦訳を発行した東京の出版社の招きで初来日した。関係者によると「長年来日を希望していたが、機会が得られなかった」という。

 広島市に続いて長崎市に入り、長崎原爆資料館などを見学。展示された長崎原爆「ファットマン」の模型を無言で見つめ、熱線で溶けたガラスや重傷を負った人々の写真に「なんてひどい」とつぶやき、うつむいた。

 「私は研究成果だけを求める純粋な科学者だったことを恥じる。若い科学者には、自分の行為が招く結果を考えて行動してほしい」と静かに語った。
2008/08/09付 西日本新聞朝刊
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この人もある意味、戦争の被害者だったと思うのは、「あなたの頭脳は人類のためになる」と政府に強く勧められたことでしょうか。
「まさか、こんなことに…」と、自責の念にかられたのは、ドイツ人科学者たちも同じ。ドイツでは、大勢の宇宙開発の研究者が大、量殺りく兵器の開発へと動員されたようです。
当時の事情を測ると、各国の情報統制、研究開発の増進補強は自然のなりゆきでしょう。

終戦後、かなりの時間を経てこういったコメントを出す科学者は少なからずいます。おそらく、気持に整理をつけカミングアウトするのには、それほど長い時間が必要なのでしょう。

自分の研究開発の結果の現実を知ることで、この元研究者は良心の呵責とか、人間とはいかなる存在か、、、など、深く長く考えたんじゃないかと想像します。
その後、中国で酪農生活を送りながら核兵器廃絶を訴えることは見上げた行いです。

知らなかった事実を知った時、どうするか。

自分の今までため込んだ知識とか経験、行動力など、こういう時にきっちり使えるかどうかで、その人の品格が表面化するのでしょうか。

自身に照らし合わせると、最近病気になり、初めて病院や医師・スタッフと長期間つきあうことになりました。現場の人たちの志や努力が、それまで抱いていたイメージよりずっと深いところにあったと気付かされました。
大した志を持たぬ者ではありますが、せめて自分の主治医やスタッフぐらいへは、何とか迷惑をかけぬ者になるよう努めたいです。

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がん患者も仕事したい

2008年08月08日 | 患者の気持ち
がんの治療にはお金がかかります。治療費は自力で稼ぎたいですが、現実は厳しい。。。
あるNPOががん患者に就労についてのアンケートを実施したという記事を見つけますた。

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『4人に3人「仕事続けたい」、現実は解雇、退職も  NPO法人ががん患者の就労調査』

がん患者の四人に三人が現在の仕事を続けたいと考えるが、実際は三人に一人が診断後に転職している厳しい就労環境が7月20日、NPO法人HOPEプロジェクト(東京豊島区)の研究チームの調査で明らかになった。
調査は三月、現在治療中や治療経験のあるがん患者にアンケートを実施。403人(男性40人、女性363人)から有効回答を得た。

調査の結果、がん診断時点で「仕事を続けたい」と回答したのは306人(75.9%)と高い割合だった。ただ、うち95人(31.0%)が診断後に転職し、内訳は解雇14人、依願退職23人、廃業8人となった。
がん診断後の収入については、約四割の156人が下がったと回答した。

 調査時点で収入を伴う仕事を持つ280人に仕事継続の不安について聞くと、回答した275人中168人(61.1%)が「不安がある」と回答。働き続けるのに必要なことに関して自由回答で尋ねると「就労時間や形態の選択」、「抗がん剤治療時などの休暇制度」、「雇用や健康に対する専門カウンセラーの設置」などが挙げられた。

 研究チームは「がんは手術後も長期治療が必要な疾患。通院時間の有給認定や柔軟な就労体制、治療休暇制度の導入などにより、社会全体で患者の仕事継続を支える必要がある」としている。
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この記事では、アンケートに回答した9割近くが女性、職種や雇用形態の詳細は不明です。

診断後、3人に1人が現職を辞めている、、、私もその一人です。
未承認薬を使う病院が限定されていたので、そこに引っ越しました。仕事より、まず命!って気持ちで、後輩に籍を譲るのに迷いはなかったです。

でも、、、術後補助療法に多額の費用がかかり、がんで死ぬか貧困で死ぬか・・・と徐々に心細くなっていきました。働きたくても具合が悪く、病人なのにこんなにキツイことしちゃっていいのだろうか・・・と、気分は沈む。収入が無くなるのは大変不安です。

一方、がん患者となった人とチームを組んで仕事をすることになったら、どうでしょう。特に抗がん剤治療中だったりすると、かなり気を使っちゃいそうです。患者側から、できることとできないことを明示してくれたら、周囲も理解しやすいかな。

がんになっちゃった人が普段からサボリ屋で自己中だったとすると、その人の仕事を手伝おうとするか、、、う~ん、これはモニョりますな(- -)。

治療を行いながら働くことは、すごーく大変。
自分ができなくなった分を他人に頼んでやってもらえるかは、それまでの自分の行いがモノを言っちゃいますね。

病気になって自分の行いを振り返るってことは、よくあること。んで、病気にならなきゃ振り返らないってことも。。。
モンスター○○って呼ばれる性格だと、他人の助けを得るのはむずかしい。

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脳の老化には

2008年08月06日 | 病気・症状
 始めに、広島・長崎の原子爆弾で、犠牲になられた多くの方々に対し、謹んで哀悼の意を捧げます。


さて、ここんとこ、すっかり物覚えが悪くなりますた。。。
加齢じゃなくて抗がん剤の副作用のせい、と思うことにしています。薬の副作用なら、いつかは元に戻るような気がして。加齢じゃ不可抗力かなって落ち込むので。。。

加齢による記憶能力低下について、サルを使った記事を見つけますたよ。

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「高齢でも脳神経増加 学習続ければ幹細胞分裂」 東大・理研など

学習や記憶を担う脳の海馬と呼ばれる部分にある神経細胞のもとの幹細胞は、高齢になっても若い時の半分程度はあることが、東京大と医薬基礎研究所霊長類医科学研究センター、理化学研究所が20日までに行ったカニクイザルの研究で分かった。

幹細胞が分裂して新たに神経細胞になる割合はサルによって違いが大きく、学習能力が高いサルでは、神経細胞がよく増えていた。

東大大学院新領域創成科学研究科の久恒辰博准教授は「年を取ると学習能力が衰えるが、それでも学習を続けて海馬を使っていると神経細胞が増えることが分かった。今後、高齢者の方の協力を得てヒトの場合を調べ、認知症の予防に役立てたい」と話している。

研究チームがヒトなら60-70歳に相当する20-24歳のカニクイザル4匹の海馬を調べたところ、神経幹細胞は平均で約7万3500個と、若いサルの約15万2000個の半分あった。

また、分裂中の幹細胞は約240個で、3分の1、新たに成長中の神経細胞(顆粒細胞)は約1500個で35分の1にとどまった。

サルに二枚の絵柄のカードを見せ、同じ絵柄を当てさせる実験を行うと、若いサルが三日で正答率八割に達するのに対し、高齢のサルは十日かかった。しかし、高齢サル四匹の中では、成績が良いサルほど、海馬の神経幹細胞が多く、分裂中の幹細胞や成長中の神経細胞も多い傾向があった。

研究成果は日本神経科学大会で発表された。
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海馬は、ちょっと前の記憶を司る器官でもありますね。私が記憶の衰えを感ずるのは、まさにここ。数分前に他人から言われたことを忘れやすくなりますた。

ヒト換算で60過ぎになると、海馬の神経細胞が若い頃の半分になるなんて、、、
ああ、若いって素晴らしい! うらやましいぞ!!

まあ、若者の半分の記憶があれば、普通っていう考え方もできますね(^^;)。
学習能力も、若者の1/3のスピードで普通っていうのも、ちょっとは救いかな。

認知症を研究する医師の講義を聴いたのですが、5人に4人は認知症にならないそうです。認知症を予防するには、何事にも興味を持つことと力説していました。
高齢になると、行動力が落ち、結果的に自宅にこもりがち。好奇心も減退しそうですもんね。認知症になっていなくても、なったように見えるのかもしれません。

年を取ると、何かを学習するにもエネルギーがかかり、しんどく感じます。で、時間を費やして学習する割りに進歩がないと、いやになっちゃいます。
が、体感できるような進歩がなくともよいそうです。そこでメゲないことが、海馬の細胞を維持することにつながるようです。


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