乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

やっと大晦日

2010年12月31日 | 生活
みなさ~ん、年越し蕎麦を食べましたか?
もちろん私も食べました。一人年越し蕎麦。なんか文句ある(笑)?

一人暮らしの大好きな私です。んが、この病気になって以来、年末年始で病院が休みとなるこの時期、具合が悪くなったらどーしよう、 救急車を呼ばなきゃ病院は診てくれないんだようなあ、、、なんて不安に思うようになりました。

ところが。。。今年は友達を家に招いて忘年会をし、元旦には親友が泊まりに来ます。というわけで、大掃除を念入りにやっていたし、大嫌いな料理だってちょっとは作ったし。すんご~くあわただしい日々を過ごしていたので、不安になる暇がなかったです。
私ってとっても神経質なのね。改めて思っちゃいました。

忘年会は同級生5人とギャースカ騒いだんですが、、、みんな見事に老眼になっていました(爆)。でも、そんなの序の口です。
一番の悩みといえば、、、物忘れ!

私もつい、「玄関先のシクラメンに水をやろうとして、靴が散らばっているが見え、そっちを先に片付ける。で、玄関にほこりがたまっているのにも気づく。掃除し、満足して部屋に戻る。ふと、あれ、私は何のために玄関へ行ったんだっけ?? 普通の人なら、ここで最初の目的に気がつくのに、私は気がつかない。しばらく考えても思い出せないので、ご飯を食べる。散歩しようと再び玄関へ行くと、そこに水差しが置きっぱなし。よ~やく思い出すのよ。これって認知症の前兆じゃないかな」と告白していまいました。

そしたら皆が、「ある、ある!」。なんか、ほっとしちゃいました。
最後はお墓の話で盛り上がっちゃうし。みんな年取ったね。自分だけじゃなくてよかったよ(笑)。

ちょっと前までは、自分がこんなに物忘れをすることはなかったので、すごーく気にしていました。言ってみるもんだわ。一人で家に閉じこもり、妄想ふくらますのが好きなので、不安がうまれるとそれもふくらみやすいようです。気をつけなくちゃ。

というわけで、明日は友達と二人で新年会です。飲むぞ。
皆さま、よいお年をお迎え下さい。


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エリブリンのフェーズ3試験

2010年12月26日 | 病気・症状
いや~~、全日本フィギアスケート大会、レベルが高いですね。世界選手権を観ているみたいでした。
一体、どんなに練習をしているのか、、、優雅な演技の裏に隠された練習量には、想像を絶するものがあります。

彼女らこそ、本当に強くて美しい(♥_♥)!

欲を言えば、顔の表情をもちっとオーバーにした方がいいように思います。欧米人はその点で、“成り切る”のが上手。それも自信がなせる技かしらん。

日本人は奥ゆかしさみたいな、秘めた美しさを美徳とする文化に浸っています。現代っ子の彼女たちにその意識があるかどうかはわかりません。が、欧米人と比べると、やはりそんな印象を持ってしまいます。普段はそれでいいのかもしれないけど、世界を目指す大会となると、頭を切り替えた方がいいようにも思います。

というわけで、若いスケーターがやけに幼く観えてしまう中で、安藤選手や村主選手の表現力は光っていました。美し~~。


さて、このブログでも何度か紹介した新薬エリブリン、フェーズ3試験の報告が出たようです。

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【エリブリンのフェーズ3長期観察結果でも対照に比べてOSを有意に延長】


エリブリンの局所進行性・転移性乳癌を対象としたフェーズ3試験 EMBRACE(Eisai Metastatic Breast Cancer Study Assessing Physician’ Choice Versus E7389)の最新追跡解析で、全生存期間(OS)が対照群に比べて有意に延長していることが明らかとなった。成果は12月9日から12日に開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で、英St.James's University HospitalのC.Twelves氏によって発表された。

 EMBRACE試験は、アントラサイクリン系やタキサン系の抗がん剤を含む2種類から5種類の癌化学療法による前治療歴のある、局所再発性・転移性乳癌の患者762人を対象とした、多施設、無作為化、非盲検、並行2群間比較試験。この試験では、患者をエリブリン投与群と治験医師が任意に治療法を選択する治験医師選択療法群の2群に分けた。エリブリン投与群では21日を1クールとし、各クールの1日目と8日目に、エリブリンを静注した。治験医師選択療法群には、癌治療の適応を持つ単剤化学療法、ホルモン療法、生物学的薬剤療法、もしくは緩和療法、放射線療法などが行われた。

 EMBRACE試験の最初の解析結果は、762人の患者のうち422件のイベントが起きた際にすでに行われており、その時点ではエリブリン投与群が治験医師選択療法群に比べてOSが2.5カ月延長していた。

 今回発表されたのは、762の患者のうち576件以上のイベントが発生した2010年3月時点での解析結果だ。

 試験の結果、OS中央値はエリブリン群(508人)が13.2カ月、治験医師選択療法群が10.5カ月と、エリブリン群で2.7カ月の延長が確認された。ハザード比は0.805(95%信頼区間:0.677-0.958)、p=0.014で有意だった。1年生存率はエリブリン群が54.5%、治験医師選択療法群が42.8%、2年生存率はエリブリン群が21.9%、治験医師選択療法群が19.2%と見積もられた。

 安全性プロファイルは、前回に報告されたものと変わりはなかった。
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日本でも承認薬となるのでしょうか。
アントラサイクリン系、タキサン系の薬を使用済みの人でも、数か月の延命が期待できそうですね。

ほんの数カ月の延命と捉えるか、はたまた数カ月も延命できると捉えるか、、、は、使用する人の生き方とか価値観が大きく影響するんでしょうね。
私としては、再び抗がん剤を使用する時期が来るまでに、密度の濃い生き方をしたいところです。
んが、現実は、、、( ̄▽ ̄;)>


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癌ワクチン報道の波紋

2010年12月23日 | 社会
このブログで以前、紹介した事件の続報を見つけました。
当事者である患者と医療関係者、そして状況を伝える役目を担うマスコミと、、、報道についての反発が、その道の専門家である医師サイドから上がっているようです。

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【朝日・癌ワクチン報道の波紋】 日経メディカル2010年12月号「ニュース追跡」(転載)
   報道姿勢に医科研や関連学会が猛反発
 
東大医科学研究所の癌ワクチンの臨床研究で有害事象を他病院に伝えていなかったと朝日新聞が報じ、医療界が反発。臨床研究の基準について問題提起したはずが、報道姿勢が問われることになった。
 10月15日、朝日新聞が東大医科研附属病院で行われた癌ペプチドワクチンの臨床研究について、重篤な有害事象の情報を同種のペプチドを提供するほかの施設に知らせていなかったと一面で報じた。

 同紙によれば、医科研教授の中村祐輔氏が開発したワクチンの臨床研究で、膵癌の被験者が消化管出血を起こした。同病院はその後、被験者の選択基準などを変更し、しばらくして臨床研究を中止。同種のペプチドを使う臨床研究は複数の病院で行われていたが、どこにも消化管出血の事象が伝えられておらず、被験者にも知らされなかった。

 その上で同紙は、治験と臨床研究の基準が別々になっている問題を指摘。企業主導などで実施される治験が薬事法(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)に基づいているのに対し、臨床研究には指針しかないため、安全性情報が参加施設などで共有されないことなどが懸念されるとした。

 医科研は、その日のうちに会見を開き反論した。指摘された臨床研究は標準治療に不応の膵癌患者を対象に2008 年4月から同病院で実施され、血管内皮細胞増殖因子受容体1(VEGFR1)由来のワクチンと抗癌剤を併用した臨床研究だと説明。その臨床研究は同病院が単独で実施したもので他病院への報告義務がないこと、同ワクチンと消化管出血との因果関係は明確にされていない上、そもそも消化管出血は消化器癌患者に高頻度で起きる事象であること、さらに中村氏は同ワクチンを提供していたものの、直接の開発者や臨床研究の責任者ではなく、臨床研究について判断を行う立場になかったことなど、多くの点で記事が事実と異なると反論した。

 また以前、医科研がかかわった別の癌ペプチドワクチンの臨床研究で消化管出血が起き、複数の病院に注意喚起がなされていたことも分かった。

 こうした動きに日本癌学会、日本消化器病学会など関連学会も相次いで抗議声明を発表。報道には事実誤認があり、癌患者に無用な不安を与えるだけでなく、ワクチンの開発を停滞させる恐れもあるとして、同紙に記事の訂正を求めた。

 これに対し同紙は11月10日、改めて治験と臨床研究の二重基準が問題だとする記事を掲載。同26日には医科研の質問状に対する回答書を公表し、全面的に争う姿勢を見せ、事態は泥沼化の様相を呈してきた。

二重基準の解消にも課題

 同紙が指摘した二重基準の問題については、単に治験の基準に合わせれば済むかというとそうでもない。確かに、国内の臨床研究は医薬品医療機器総合機構への届け出が必要ないなど、治験とは異なる基準で実施されている。ただし、「米国などに比べて研究費が限られている国内において治験の基準で臨床研究をしようとすると研究費が足りず、大部分が実施できなくなることが予想される」と医科研病院先端診療部内科教授の山下直秀氏は話す。さらに、国内の治験の基準は海外よりも過度に厳しいという指摘もある。基準を統一するにしても、どのレベルに基準を設定すべきかについては議論が必要になりそうだ。
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イレッサが肺がんの新薬として世の中に出た時、どんなタイプの人に奏効しやすいのか、今ほどわかっていませんでした。
インフルエンザや麻疹など、ワクチンを接種して、不幸にも死亡する人もいます。

死因を付きとめ、初めて奏効する細かなタイプがわかることもあります。大規模な「人体実験」を行うことができないから、薬の副作用が明らかになるのは、発売後ずっと後になりましょう。
患者は、命は惜しいが時間がない。この点に縛られますから、決断するのは難しいですよね。

体の薬品に反応は、人それぞれ。どんなに細かく基準値を定めても、それは“基準値”の枠を超えられません。その点、報道機関はどんな基準を設けているのか気になります。報道は文章や言葉、映像などで行われるものです。受け取り側の「感覚」により、薬品と同様、情報解釈は幅広くなります。
その上、

>「米国などに比べて研究費が限られている国内において治験の基準で臨床研究をしようとすると研究費が足りず、大部分が実施できなくなることが予想される」

これも大きな問題を含んでいます。大部分が実施されなくなると、製薬会社の活力が損なわれそうですし、結果として国力が弱まるんじゃないでしょうか。頭脳流出も含め、私はそう思います。

トレーディングやマスコミなどの業界を、「虚業」といいます。

そこの世界に住む人たちは、何も生産しません。生産の努力を知りません。何かを作り上げるまでにどんな労力があるかなんて、全く興味ない。できあがったモノやシステムなどについて、「評価」するのが仕事? 素人なのに評価すんの??(笑)。評価を評価する人も必要じゃないの??

私自身は「作り手」の末端にいます。素人にいいように評価されるのは、すっごーくムカつきます。純粋に評価するのなら、いいのですが、、、ね。



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高齢者の娯楽

2010年12月21日 | 生活
私には90歳を越える伯母がいます。70歳を過ぎるまで、夫婦で床屋さんをやっていました。一日中、ハサミを持ち、鏡の前に立っての立ち仕事でした。
そのせいでしょうか、指先が器用です。お化粧もいまだに毎日します! イヤリングの良く似合う“小奇麗なご夫人”で、私の老後のあこがれでもあります。

退職後は、お裁縫が趣味に。教室に通っては、新しい編み方なんかに挑戦しています。帰りはみんなとお茶するし。もちろん、私もたくさん編み物作品を送ってもらっています。彼女の編んだ毛糸タワシは、丈夫で長持ち、よごれがよく落ちて、これを使うと他が使えません。
私の病気後、検査日もしっかり記憶していて、結果がわかったころ、必ず電話をかけてきます。この記憶力には脱帽です。
指先を使う仕事を何十年もやっていると、やはり違うんでしょうかね。伯父さんも長生きだったしなあ。鏡の前に立つというのも、緊張感がありますよね。

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【開店前から行列も ゲームセンターが高齢者の遊び場に】 週刊文春 12月16日(木)12時12分配信

 近頃は年金支給日にパチンコ屋に高齢者が集うそうだが、ゲームセンターも日常的な人気スポットだとか。

「立地によりますが、大型ショッピングモール内の店舗では特に高齢者のお客様が多く、開店前から並ぶ方もいる。ファミリー向けの明るい雰囲気に加え、シンプルなゲームが中心で遊びやすいことが要因だと思います」(セガ広報部・松田香子さん)

 ゲームの場合はパチンコなどよりぐっと安価なのもハマる理由のひとつ。一番人気は落としたメダルを獲得できるメダルゲーム。

「手に入れたメダルは一定期間店に預けておけるので、次はそのメダルでプレイできる。バーのボトルキープに近いですね。初心者でも二~三千円あれば十分遊べるでしょう」(ナムコAM第一事業部・小松健人さん)

 楽しみはゲーム以外にも。

「『来れば友達がいる』など、会話や交流も目的の一つなんです」(前出・松田さん)

 介護福祉士の尾渡順子さんが言う。

「高齢者が何かに興味を持つのはいいこと。ゲームは、指を使うので、脳が活性化するはずです」

 実際に効果もある。

「ゲーム機『ワニワニパニックRT』(もぐらたたきゲームの一種)等を利用し九州大学病院が調査したところ、高齢者の身体機能を維持向上する効果が高いという結果が出ました」(バンダイナムコゲームス広報・橋場雄大さん)

 そこで、一部介護施設ではリハビリにゲーム機を活用。

「楽しく遊ぶことが結果的にリハビリになる。押し付け感のない理想的な方法だと思います」(デイサービスセンター「かいかや」代表取締役・河村吉章さん)

 熊本県の介護予防施設「あそびReパーク」でも〇六年にゲーム機を導入。

「八十七名中十七人に認知機能改善がみられるなど、高い効果が出ています」(同施設の理学療法士・川畑智さん)

 これを受け、熊本県では〇九年度より、一部ゲーム機を認知症予防事業の補助金対象に認定。現在は県内四施設がゲーム機を設置する。

「参加者はゲーム機を囲んでお祭り騒ぎ。得点を競って盛り上がっています」(同前)

 少なくともオタク化の心配はなさそう。 (さのちあき)

(週刊文春2010年12月23日号「THIS WEEK 社会」より)
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私は最近、老眼の自覚症状が出てきますた。
漫画を描くのに目の焦点が合いにくく、描くのが億劫と感じるほどです(苦笑)。その昔、ストーリー作成時、頭の中であーだこーだグチャグチャ考えるのが楽しいと感じたのですが、、、最近は苦痛です。細かいことを考えるのが面倒なんです。

なので、ゲームはいいですね。何にも考えなくてもいい。相手の思い通りに、ルールに沿って自分のパイを動かせばいい。受動的な娯楽です。こーゆー娯楽が私も心地良くなってきますた。


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大規模癌遺族調査

2010年12月19日 | 患者の気持ち
年の瀬ですね。皆さま、いかがお過ごしですか。

大掃除、やってます?
我が家は、隣が住宅の建築中。大型重機の出入りで、振動が、誇りが、ガソリンの臭いが。。。
というわけで、今、大掃除をやっても、すぐにススだらけになるのがわかっているので、今年は見送ります。というか、、、今夏、4回も年末大掃除をやっちゃいましたよ(涙)。

あらかじめ自分の寿命がわかっていたら、体力と気力を使う大掃除を、今年はやるかやらないか決めることができるのですが…。
遺族としては、きれいにして亡くなってくれた方がいいんでしょうけど、患者本人としては、なるべく余計なエネルギーを使いたくないもんねー(笑)。

癌の告知を受けて考えたこと。それは、癌で終末期を迎えることになるのなら、痛かったり苦しかったりは、絶対いやだなあという強い気持ちです。数日寿命を延ばすより、その分を削っていいから痛みも苦痛もなく、快適に過ごしたいです。
クリスマスケーキをホール食いしたいほど、私はケーキを食べるのが好きなんですが、、、食欲が落ち、食べ物への情熱を失ったら、何を喜びに残りの日を過ごすことになるのかなあ。

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【国内初の大規模癌遺族調査、苦痛の緩和は水準に達しないことが判明】

   第15回日本緩和医療学会 2010年6月18日~19日 東京


 国内初の大規模癌遺族調査「OPTIM-SUTY」の研究結果が報告された。全体的な満足度や医師への信頼などの評価は高かったものの、苦痛の緩和に関しては十分な水準に達していないことが示された。6月18日、19日と東京都内で開催された第15回日本緩和医療学会学術大会で東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野の宮下光令氏が発表した。

 終末期の癌患者ケアに対する質の評価は、遺族調査が世界の標準的な方法となっている。

 国内では、緩和ケア病棟、在宅ホスピス、がん診療連携拠点病院における全国的な調査は実施されているものの、地域をベースとした調査は行われていない。

 同研究は、地域の病院(一般病棟や緩和ケア病棟など)や診療所を対象に癌患者の遺族に対する緩和ケアの質の評価を行ったもので、2007年4月から2008年10月までに癌で死亡した患者の遺族に対して調査用紙を送付して実施された。

 調査地域は、鶴岡や柏、長崎などの25の病院と18の診療所で、病院はがん拠点病院の一般病棟とがん拠点病院以外の一般病棟、緩和ケア病棟などに分類された。調査項目の内容は「緩和ケアのプロセス(Care Evaluation Scale)」「アウトカム(Good Death Inventory)」「全般満足度」で、回収率は69%だった。

 死亡場所は、一般病棟が76%、緩和ケア病棟が18%、自宅が6%で、患者の年齢は各施設とも60~79歳までが最も多く、遺族の年齢は60歳代が多かった。

 調査項目中、アウトカムに対する回答では、「医師を信頼していた」が78%、「ひととして大切にされていた」が85%で、全般的な満足度は79%と高かったものの、「痛みが少なく過ごせた」は55%、「からだの苦痛が少なく過ごせた」は51%と、疼痛や苦痛の緩和に対しては十分な水準に達していないことが判明した。

 同研究における評価では、全体的に診療所が最もよく、続いて緩和ケア病棟、一般病院の一般病棟、拠点病院の一般病棟の順だった。

 発表にあたった宮下氏は、地域の緩和ケアの質を向上させるには、病院における癌患者の苦痛の緩和を図る必要があると訴えるとともに、看取りが可能な診療所が増えると緩和ケアの質が向上する可能性があると述べている。
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私はこれが意外でした。

>同研究における評価では、全体的に診療所が最もよく、続いて緩和ケア病棟、一般病院の一般病棟、拠点病院の一般病棟の順だった。

緩和ケア病棟は、一番評価が高いわけでもないのですね。小規模の診療所の方が、拠点病院みたいな大規模な施設より評価が高い。う~ん、そうなのか。。。

となると、自分が終末期となった場合に備えて、十分に下見や調べをしておいたほうがよさそうです。大規模なところほど、一応、医療スタッフの人数とか設備とか、私はそろっているんじゃなかと思っていました。小規模な施設だと、数が増えるし、利用者の評判を聞くのに

それにしても、

>「痛みが少なく過ごせた」は55%、「からだの苦痛が少なく過ごせた」は51%と、疼痛や苦痛の緩和に対しては十分な水準に達していないことが判明した。

疼痛や苦痛を緩和するのは、なかなかむずかしそうです。痛みにメチャ弱の私としては、この点が最大の関心事なんですけど。。。

知人の配偶者が末期癌で自宅療養をしています。近所の内科医が週1回診察に、緩和ケアサービスから看護師が一日置きに点滴を換えに、介護士が毎日来てくれるそうです。なので彼女がすることは、配偶者の体をふくことぐらいなんだとか。
徐々にですが、在宅介護のシステムが整いつつあるように思いました。


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パクリタキセル内包化製剤

2010年12月16日 | 病気・症状
昨年の乳がんの勉強会に、トリプルネガティブ乳癌の研究が進められていると聴きました。このような報告を見つけると、研究者は熱心に取り組んでいるんだろうなあと想像します。

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【パクリタキセル内包のEndoTAG-1がトリプルネガティブ乳癌に有効である可能性】

第35回欧州臨床腫瘍学会 2010年10月8日~12日 Milan, Italy

 トリプルネガティブ乳癌において、リポソームにパクリタキセルを内包化させた製剤である「EndoTAG-1」とパクリタキセルの併用は、無増悪生存率や奏効率に優れていることが、フェーズ2試験で明らかになった。ベルギーInstitut J. BordetのA. Awada氏らが、10月8日から12日にイタリアのミラノで開催された第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 エストロゲン受容体(ER)陰性、プロゲステロン受容体(PgR)陰性、HER2陰性の、いわゆるトリプルネガティブ乳癌は、乳癌全体のおよそ15%を占め、このうち30%は転移性乳癌になる。しかしアントラサイクリン系抗癌剤やタキサン系抗癌剤を投与した後の治療は限られている。

 「EndoTAG-1」は、陽イオンの電荷を帯びたリポソームにパクリタキセルを内包化させた製剤。陰イオンの電荷を帯びた腫瘍血管の内皮細胞をターゲットとして、血管新生を阻害し、抗腫瘍効果を示す。

 フェーズ2試験は、局所再発もしくは転移性のトリプルネガティブ乳癌患者140人を対象に、以下の3群に分けて治療した。まずEndoTAG-1を毎週22mg/m2投与し、さらにパクリタキセル70mg/m2を毎週投与する群(ET+P群)、次に週2回EndoTAG-1のみを44mg/m2投与する群(ET群)、そしてパクリタキセルのみを90mg/m2毎週投与する群(P群)とした。

 ET+P群(55人)のうち転移性乳癌は82%、ET群(57人)では91%、P群(28人)では100%を占めた。化学療法による前治療のある患者はいずれの群でも約80%、タキサン系抗癌剤による術前もしくは術後補助療法を受けた患者はそれぞれ29%、42%、28%だった。

 主要評価項目である16週の無増悪生存(PFS)率は、ET+P群では59%(95%信頼区間43-74)、ET群は34%(同20-51)、P群は48%(同28-69)で、無増悪生存期間の中央値はそれぞれ4.2カ月(95%信頼区間3.5-9.1)、3.4カ月(同2.0-3.8)、3.7カ月(同1.9-6.7)だった。

 抗腫瘍効果もET+P群で高く、16週での臨床的ベネフィット率がET+P群で59%、ET群は34%、P群は50%、16週での奏効率はそれぞれ25%、5%、38%だった。また最も良かったときの臨床ベネフィット率は76%、58%、58%で、ET+P群では部分奏効が34%、病勢安定が42%であった。

 グレード3/4の有害事象は、好中球減少がET+P群で20%、ET群は4%、P群は7%、白血球減少はそれぞれ7%、2%、0%、貧血はP群で7%、血小板減少はET群で4%に見られた。グレード3/4の発熱がET+P群とET群で各2%、悪寒がET群で2%、消化器症状(吐き気、下痢、嘔吐、便秘、口渇)がET+P群とET群で各2%、皮膚障害がET+P群が4%、P群が7%だった。

 また全グレードの末梢感覚神経障害がそれぞれ13%、9%、14%に見られた。EndoTAG-1の安全性プロファイルは悪寒と発熱を除いてパクリタキセルで報告されたものと同じであり、忍容性も認められた。
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>「EndoTAG-1」は、陽イオンの電荷を帯びたリポソームにパクリタキセルを内包化させた製剤。陰イオンの電荷を帯びた腫瘍血管の内皮細胞をターゲットとして、血管新生を阻害し、抗腫瘍効果を示す

イオン電荷の性質を利用した薬剤でしょうか。陰イオンの電荷を帯びた腫瘍血管の内皮細胞に作用するんですね。


>ET+P群(55人)のうち転移性乳癌は82%、ET群(57人)では91%、P群(28人)では100%を占めた。化学療法による前治療のある患者はいずれの群でも約80%、タキサン系抗癌剤による術前もしくは術後補助療法を受けた患者はそれぞれ29%、42%、28%だった

タキサン系の薬剤を使用済みの人にも、奏効はしているようです。でも、率でいうと値は小さいように見えます。一度使用した薬剤は、やはり奏効性が落ちるのかな。


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がん探知犬

2010年12月14日 | 病気・症状
がん患者って、臭うんでしょうか? イヤ-ン (><)

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【がん探知犬、においで患者ピタリ…精度9割超】 2010年12月11日(土)15時6分配信 読売新聞 

 九州大医学部第二外科の前原喜彦教授らのグループが、がん患者特有のにおいが分かる「がん探知犬」に、大腸がん患者の呼気などをかぎ分ける実証試験をした結果、9割以上の精度で患者を判別できた。研究成果は英国の医学誌「GUT」に掲載される。

 探知犬は、千葉県南房総市の「セントシュガー がん探知犬育成センター」が飼育しているラブラドルレトリバー(9歳、雌)。名前は「マリーン」で、海難救助犬として飼育されていたが、嗅覚や集中力が特に優れていたことから、がんのにおいをかぎ分ける訓練を受けている。

 グループは2008年6月から09年5月にかけ、福岡、佐賀県内の2病院で、消化管の内視鏡検査を受けた約300人から呼気と便汁を採取。内視鏡検査で大腸がんと分かった患者の1検体と、がんではなかった患者の4検体を一つのセットにして、探知犬に挑戦させた。呼気では36セットのうち33セット、便汁では38セットのうち37セットで「正解」をかぎ分けた。

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白衣を着た“お犬様”が、がん患者を診察…! なんてイラストを描くのは、三流漫画家でしょうけどねえ(^^;)。

がん患者というか、癌細胞が出す臭いには独特なものがあるのは、本当かもしれません。テレビで観たのですが、ある犬が飼い主の胸をしきりにタッチ、やけに吠えるので変だと思い病院へ行ったら、乳癌と診断された、という内容でした。

私も肺がん患者と長らく生活をしていたので、やはり臭うのかなあと意識していたのですが、、、鼻があまり利かないせいなのか、全く違和感を覚えず(苦笑)。呼吸は浅いし、血痰とか咳とかほとんど出さなかったので、わからなかったのかもしれません。

体が癌細胞に犯されると、体組織が崩され、それが臭うんだという人もいます。とすると、初期の癌では見つかりにくいのかな?


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癌難民

2010年12月12日 | 病気・症状
年の瀬ですね。皆様、快適に年越しできそうですか?
私は・・・、
懐がとってもお寒いですぅ。。。

ハーセプチンとタキソールの抗がん剤治療に、ン百万円かかっちゃった余波がいまだにあります。仕方ありません、もっと生きたかったんだもん。
せっかくの正月休みですが、寝正月を決め込み、ネットオークションで楽しむつもり。なんてカワユイ正月でしょう(^^;)。

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【経済的な理由で癌の治療を中止・変更する患者は4.5万人に】

    第48回日本癌治療学会総会 2010年10月28日~30日 京都


 癌患者の経済的負担が増加する背景には癌医療の高額化があり、経済的な理由で治療を中止・変更した患者は約3%、4.5万人に上るとみられている。このような「癌の経済難民」の現状と経済的負担の最小化を図る方策について、10月28日から30日にかけて京都市で開催された第48回日本癌治療学会学術集会(JSCO2010)で、東北大学の濃沼信夫氏が発表した。

 2002年から2007年の癌医療費の伸びは21.7%で、国民医療費の伸びの10.3%と比較すると2倍となる。一方で、国民所得の伸びは2003年から2008年の間にわずか1.8%であり、収入が増えない状況で支出が増加していることになる。高額療養制度の利用は、2007年の53%から2010年には96%に増加し、現在では不可欠な制度となっている。

濃沼氏らは、患者の経済的負担の実態を明らかにし、負担を最小化するための方策を検討した。全国の癌診療施設において、これまでに約1万8000人の患者の協力を得て、領収書や家計簿を見ながら具体的に支出額を記入してもらう調査を実施した。

 その結果、6604人(平均63.3歳)の患者における自己負担額の平均は101万円だった。直接費用としては、入院52万円(該当割合74%)、外来18万円(同100%)、交通費5万円(同94%)だった。間接費用としては、健康食品・民間療法22万円(同57%)、民間保険料25万円(同85%)、その他14万円(同43%)であった。

 一方、償還・給付額は平均62.5万円だった。内訳は、高額医療費28万円(該当割合53%)、医療費還付9万円(同23%)、民間保険給付102万円(同45%)であった。

 1万8000人の患者における自己負担額と償還・給付額を治療法別にみると、化学療法を受けた1150人では133万円と75万円、分子標的治療を受けた59人では125万円と74万円、粒子線治療を受けた388人では420万円と116万円だった。

 患者の自己負担額の年間総額は、直接費用が4610億円、間接費用が3453億円と推計される。調査の結果、経済的な理由で治療を変更・断念した患者は約3%に上った。継続的な受療者が152万人とすると、4.5万人が癌の経済難民に該当するとみられる。

 患者の経済的負担の最小化を図り、癌の経済難民を出さないようにするために、濃沼氏は次の3つのレベルでの方策をあげた。1つは「臨床現場での配慮」で、検査・投薬・入院の適正化や外来化、在院日数の短縮、費用の十分な説明などが含まれる。また「現行制度の運用の工夫」として、高額療養費の限度額引き下げ、保険適用・適応拡大の迅速化が貢献すると考えられる。さらに「医療制度の抜本改革」として、負担軽減から無料化、優先度に応じた資源投入(トリアージ)を行うことが考えられる。

 濃沼氏は、「この3つのレベルにおいて、考えられることは全て行うことが必要」と話した。
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新薬を使用する治療は高額ですが、粒子線治療はもっと高額ですね。それで病気が治るのなら、まだいいのかもしれませんが。。。

民間保険に加入している人は多いですね。私も加入していたので、大分助かりました。でも、、、自分の支払った総額と、将来もらえる保険金を並べてみると、、、今のところマイナスです(爆)。

そういえば入院中、隣のベッドの人は医師に、もう1日長く入院させてほしいと頼んでいました。加入する保険が古いタイプのもので、入院日数がある程度ないと保険金が下りないと。医師も困っちゃいますよね。

私が興味を持ったのは、

>間接費用としては、健康食品・民間療法22万円(同57%)、民間保険料25万円(同85%)

健康食品・民間療法に、1か月に2万円近く出費する人が半数以上いることです。
私も癌になった母に健康食品を食べさせました。アガリスクとコエンザイムQ10を、1か月1.5万円でやっていました。でも、腫瘍が大きくなってきた時、やめました。半信半疑で始めたというより、「効いてくれないかなあ」という期待感で始めたんですが、やっぱり効果はなかったなと思って。

で、自分が乳癌になった時は、健康食品は一切購入しませんでした。なるようにしかならないと悟ったので(笑)。
自分の時はそう思っても、親や子供が癌となると、なかなか気持ちが割り切れないんじゃないかな。「治療法はもうない」って言われてしまうと、家族としてはどうしていいかわかりませんもん。絶望の中で毎日を生きるわけにはいかないし。

健康食品や民間療法に科学的根拠を求めても、それはない。のは、わかっているけれど、パチンコとか音楽鑑賞でCDを購入したりと、他人からみたら無駄と思われるような出費をするのが人間でもあります。

本人が納得の出費でしかも支払える額なら、まーまー目をつぶっていいんじゃないかと思います。私のように、家族には目をつぶっても、自分の時はスッカリ目が覚めてやらないという人もたくさんいるでしょう。


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トリプルネガティブ乳癌と分子標的治療薬

2010年12月09日 | 病気・症状
乳がんに、新たな分子標的治療薬が認可されるでしょうか。

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【セツキシマブのシスプラチンへの追加は転移性トリプルネガティブ乳癌の奏効率を上げ増悪を抑制する】

   第35回欧州臨床腫瘍学会 2010年10月8日~12日 Milan, Italy

 転移性トリプルネガティブ(エストロゲン受容体陰性、プロゲステロン受容体陰性、HER-2陰性)乳癌に対し、シスプラチンにEGFR モノクローナル抗体セツキシマブを追加すると、シスプラチン単独に比べて奏効率は高くなり、無増悪生存期間は有意に延長することが、無作為化フェーズ2試験(BALI-1) で明らかになった。米国Massachusetts General Hospital/Harvard Medical SchoolのJose Baselga氏らが、10月8日から12日にイタリアのミラノで開催された第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 フェーズ2試験は、ステージ4のトリプルネガティブ乳癌で、前治療は1回以下の患者173人を対象に、セツキシマブとシスプラチンを併用する群とシスプラチンのみの群を2対1に無作為に分けた(セツキシマブ併用群115人、シスプラチン単独群58人)。

 セツキシマブは初回用量を400 mg/m2、その後は 250 mg/m2として毎週投与した。シスプラチンは3週置きに75 mg/m2を第1日に6サイクル投与した。シスプラチン群で最初の6週間までに病勢進行した場合はセツキシマブ併用に、6週間以降で病勢進行した場合はセツキシマブ単独に変更できるとした。

 シスプラチン単独群のうち、最初の病勢進行後、セツキシマブとシスプラチンの併用に17人が移行し、セツキシマブ単独に13人が移行した。化学療法による前治療のある患者はセツキシマブ併用群で27%、シスプラチン単独群で27.6%だった。

 主要評価項目である奏効率はセツキシマブ併用群で20.0%(95%信頼区間 13.1-28.5)、シスプラチン単独群で10.3%(同3.9-21.2)だった。事前に、奏効率は20%を超えることで、統計的にα=0.1 (two sided)、検出力80%に達すると設定されていたが、奏効率は20%を超えなかった。しかし有意差はなかったものの、セツキシマブの追加で奏効率はおよそ2倍高くなった(オッズ比 2.126、95%信頼区間 0.809-5.591、p=0.11)。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値はセツキシマブ併用群で3.7カ月、シスプラチン単独群で1.5カ月であり、セツキシマブの追加で、無増悪生存期間は有意に改善した(ハザード比0.67、95%信頼区間 0.47-0.97、p=0.03)。

 グレード3/4の有害事象はセツキシマブ併用群で60.5%、シスプラチン単独群で42.1%に見られた。主なグレード3/4の有害事象は、好中球減少がそれぞれ9.6%、5.3%、疲労が8.8%、 7.0%、呼吸困難が6.1%、1.8%、吐き気と嘔吐が4.4%、5.3%だった。またセツキシマブ併用群ではざ瘡様皮疹が14.0%に見られたが、新たな有害事象は認められなかった。
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なんだか微妙な奏効に見えるんですけど。。。
でも、「乳がん患者は粘り強く、次の薬の開発までがんばろう」っておっしゃる先生もいらっしゃることですし。

分子標的治療薬は、癌の増殖などに関係する特定の分子に作用する薬なので、その分子を持っていない人には効き目が望めませんよね。となると、分子標的治療薬を用いる際、患者ひとり1人のがん細胞を詳細に検査するようになっていくのかなあ。お金と時間がかかりそうですね。
まあ、効果が大きければ納得できる部分もありますけど。。。


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トリプルネガテイブ乳癌とBRCA遺伝子

2010年12月07日 | 病気・症状
「遺伝性乳がん」の存在で、遺伝子検査を行うべきか、検討されるようになってきました。この乳癌遺伝子を持っているとなると、気分的に悪くなる人は多いような気がするのですが、こんな報告もあります。

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トリプルネガテイブ乳癌でBRCA遺伝子に変異のある患者は再発リスクが低い可能性【ASCO BREAST 2010】

 HER2陰性、ホルモン受容体陰性のいわゆるトリプルネガティブ乳癌(TNBC)患者のBRCA遺伝子変異を解析したところ、19.5%の患者が変異を持ち、変異のある患者は再発のリスクが有意に低かったことが発表された。10月1日から米National Harborで開催された2010Breast Cancer Symposium(ASCO Breast)でUniversity of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのA.M. Gonzalez-Angulo氏らが発表したもの。

 研究グループは、同センターで1997年から2006年にTNBCと診断された77人の患者の原発巣からDNAを抽出、BRCA1/2遺伝子のエクソン領域/フランキング領域の遺伝子配列を解析した。患者の年齢中央値は51歳(27-83)だった。

 解析の結果、BRCA遺伝子の変異を持つ患者は15人(19.5%)だった。15人のうち12人がBRCA1に変異を持ち、そのうちの1人は体細胞変異だった。BRCA2に変異を持つ患者は3人だった。BRCA遺伝子に変異がない野生型のTNBC患者に比べて、BRCA遺伝子に変異のある患者は年齢が若い傾向があった(p=0.005)。核グレード、組織学的、病理学的病期には差はなかった。1人の患者を除いて、アントラサイクリン系抗癌剤とタキサン系抗癌剤の術後補助化学療法を受けていた。

 観察期間中央値43カ月(7-214)で、33人(42.9%)が再発し、35人(45.5%)が死亡した。2人の患者は再発なしの死亡だった。野生型の患者の5年無再発生存率(RFS)は51.7%だったのに対して、変異型の患者の5年RFSは86.2%だった(p=0.031)。5年全生存率(OS)は、野生型が52.8%だったのに対して、変異型は73.3%(p=0.225)だった。患者背景で調整すると、変異型患者は野生型患者に比べて有意にRFSが良かった。ハザード比は0.19(95%信頼区間 0.045-0.79)、p=0.016だった。
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> BRCA遺伝子に変異がない野生型のTNBC患者に比べて、BRCA遺伝子に変異のある患者は年齢が若い傾向があった(
>野生型の患者の5年無再発生存率(RFS)は51.7%だったのに対して、変異型の患者の5年RFSは86.2%

「BRCA遺伝子の不思議な特徴?」でしょうか。
この遺伝子だけで再発を強力に押さえこんでいるわけではなさそうです。が、確かに差があるように見えますね。

でも、、根本的な問題に戻って考えると、乳がんに一度なってしまうと、再発の不安をぬぐえない人が圧倒的に多いんじゃないでしょうか。たとえ、0期と診断された人とて、不安を感じる人はいるように想像します。


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疼痛治療と放射線治療

2010年12月05日 | 病気・症状
抗がん剤の開発だけでなく、放射線治療でも技術は進んでいるようです。

痛みが出てきたら、何としても止めてもらわなくちゃいやですよね。痛くて辛い日々を送ることに、生きている意味なんか見いだせそうにありませんから。
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【放射線治療で一歩上をいく癌疼痛治療を目指す】

    第48回日本癌治療学会総会 2010年10月28日~30日 京都


 癌の疼痛に対する緩和目的の放射線治療は、患者の状態や予後、目標などから患者ごとに最適な治療を考える必要があるが、椎体の転移性脊髄圧迫により麻痺が出現した場合は例外で、48時間以内に緊急照射を行う必要がある。京都府立医科大学附属病院疼痛緩和医療部の坪倉卓司氏が、10月28日から30日まで京都市で開催された第48回日本癌治療学会学術集会(JSCO2010)で、緩和を目的とする放射線治療について解説した。

 近年、放射線治療技術の進歩や放射線治療が重要となる種類の癌の増加、低侵襲治療への流れ、高齢化社会の進行などから、放射線治療の役割が増大している。従来、放射線治療は各種の症状緩和に重要な役割を担ってきたことから、放射線治療は診断時から終末期医療まで、癌治療全般を幅広くサポートしていると言える。

 疼痛緩和を目的とする放射線治療の対象は、転移性骨腫瘍に伴う疼痛が最も多く、7~8割の患者に疼痛の改善をもたらす。完全除痛率は3~4割である。オピオイドが効きにくい神経障害性疼痛や突発痛にも有効とされ、原発巣や組織型などによる除痛効果の差は認められていない。ただし、肺癌や予後不良例などで効果が劣るとの見解もある。

 骨転移に対する放射線治療の適応は、腫瘍が存在し、かつ疼痛などの症状の原因となっていること、そして治療中に身体的および精神的に安静体位が保てることである。

 骨転移に対する照射スケジュールとして、国内では30Gy/10回/2週間が頻用される。ただし、最近の研究では、除痛効果と照射スケジュールに相関関係がないことが明らかになっている。6~8Gyの1回照射でも除痛効果は同等に得られ、逆に長期予後が期待され、抗腫瘍効果も期待する場合は、40~60Gyのスケジュールを用いる場合もある。

 除痛効果は照射開始後1~2週で出現し、4~8週後に最大効果が得られる。坪倉氏は「放射線治療は即効性に乏しいため、現在激しい疼痛がある患者には、まずは鎮痛剤で鎮痛を」と指摘した。放射治療は治療期間も要することなどから、早めに検討・紹介、または相談する必要がある。

 現状では、予後が限られる症例には、患者の負担の軽減と早期からの鎮痛効果を期待して、1~数回の短期照射を考慮する。比較的長期の予後が期待される症例には、分割回数および総線量が多い治療を考慮することで、疼痛の緩和とある程度の腫瘍制御が期待できる。

 緩和目的の放射線治療では、照射範囲は限局され、総線量も少ないため、重篤な副作用の発現は稀である。副作用で患者にさらに苦痛を与えることは極力避けるよう計画される。根治が目的ではないため、休みを入れての治療でもよく、副作用が強くなれば治療を中止してもよい。

 ただし、緊急照射が必要なケースもある。椎体の転移性脊髄圧迫により麻痺が出現した場合で、48時間以内に緊急照射を行う必要がある。横断症状が完成してから48時間を超えると麻痺は固定し、放射線治療での麻痺改善率はゼロに等しくなる。癌の経過中に転移性脊髄圧迫が発生する頻度は5~10%とみられている。

 麻痺に対する照射スケジュールはさまざまだが、運動機能改善率にスケジュールによる有意差はない。運動機能改善率は約3割と報告されている。

 緩和目的の放射線治療では、患者の状態、予後、目標、希望は多様であり、患者ごとに最適な治療を考える必要がある。坪倉氏は、「“一歩上を行く放射線治療”を行うためには、治療方針について主治医と十分相談し、麻酔科、精神科、在宅医、薬剤師、看護師などを含むチームとしての密接な連携が重要」と締めくくった。
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ポイントは、
>最近の研究では、除痛効果と照射スケジュールに相関関係がないことが明らかになっている。

> 除痛効果は照射開始後1~2週で出現し、4~8週後に最大効果が得られる。
>放射治療は治療期間も要することなどから、早めに検討・紹介、または相談する必要がある。

>ただし、緊急照射が必要なケースもある。椎体の転移性脊髄圧迫により麻痺が出現した場合で、48時間以内に緊急照射を行う必要がある。横断症状が完成してから48時間を超えると麻痺は固定し、放射線治療での麻痺改善率はゼロに等しくなる。癌の経過中に転移性脊髄圧迫が発生する頻度は5~10%とみられている。


椎体の転移性脊髄圧迫による麻痺をのぞくと、放射線治療は早めに行うことを考えるのがいいようですね。放射線治療を行うと、皮膚が火傷と同じように炎症を起こします。また、白血球数も下がりますから、体調を整えておくことが必要となりそうです。


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ストレスの影響

2010年12月02日 | 社会
漫画家の原稿料は、下がり続けています。
でも、出版社の社員が下がっているという話とか噂とか、聞いたことがありませーーんっ。

つまり、、、“弱小下請け”の首をキュウキュウ絞めて、つじつまを合わせている??
あーーっ、ストレスだわ! 

このペン蛸がむなしい。老眼進んで字がよく見えない。腰痛なんて、何年間もお付き合いだわ。。。
なんか最近、じっと手を見る日が続いています。腫瘍マーカーの1つが上昇中です。これもストレスの種だなあ。。。
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【仕事で大きなストレスを抱える女性は心血管疾患イベントの可能性が40%も高い】

米国心臓協会・学術集会2010  2010年11月13日~17日 Chicago U.S.A.

 仕事で大きなストレスを受けている女性は、ストレスが少ない女性に比べて、心血管疾患イベントを起こす可能性が40%も高いことが示された。Women's Health Studyの結果から明らかになったもので、米Brigham and Women's病院のNatalie Slopen氏(写真)らが、11月13日から17日までシカゴで開催される第83回米国心臓協会・学術集会(AHA2010)で発表した。

 仕事関係のストレスと心血管疾患の関係についてのこれまでの研究は、方向性の定まらない結果をもたらしてきた。加えて、女性における仕事のストレスおよび不安感と心血管疾患の長期的な関連性については、データが不足しているという。演者らは、米国における現在の経済情勢を考えると、仕事のストレスと心血管疾患との関係を理解することが重要であると判断し、今回の調査に取り組んだ。

 演者らは、Women’s Health Study(女性健康調査、44~85歳で平均年齢57±5歳)に参加した1万7415人の、表面上は健康そうな女性医療従事者を対象に、仕事のストレス、仕事への不安感の実態を把握するとともに、心血管疾患との関係を調べた。

 10年間の追跡期間中、心筋梗塞が134件、虚血性脳卒中が125件、冠動脈血行再建が342件、心血管疾患による死亡が40件あった。

 年齢、人種、教育で調整したコックス比例ハザードモデルを使って解析したところ、仕事から受ける大きなストレスと仕事への不安感は、心血管疾患リスク因子と有意に関連していた。

 たとえば仕事から受ける大きなストレスは、運動不足と高コレステロール血症のリスク増大の予測因子になり(それぞれp<0.05)、仕事への不安感を報告した女性では、喫煙、運動不足、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、高いBMIのリスク増大を認めた(それぞれp<0.05)。また、年齢、人種、教育、収入で調整したモデルでは、仕事から大きなストレスを受けている女性(3529人)は、ストレスは少ないと報告した女性(4161人)より、心血管疾患イベントを起こす可能性が40%も高いことも分かったた(ハザード比1.4、95%信頼区間;1.1-1.9)。

 特異的アウトカムの分析から、仕事から大きなストレスを受けることは、心筋梗塞(ハザード比1.9、95%信頼区間;1.1-3.3)と冠動脈血行再建(ハザード比1.4、95%信頼区間;1.0-2.0)の予測因子になるが、脳卒中(ハザード比1.3、95%信頼区間;0.7-2.3)と心血管疾患による死亡(ハザード比0.99、95%信頼区間;0.4‐2.7)の予測因子にはならないことが明らかになった。一方、仕事への不安感と心血管疾患リスクとの関連性については、エビデンスは得られなかった。

 Women’s Health Surveyに参加した女性において、仕事のストレスは心血管疾患リスクの増大に関連していたが、仕事への不安感は関連していなかった。ただ、仕事への不安感は心血管疾患のリスク因子に有意に関係しており、健康に関わる行動(喫煙、運動不足など)に経時的に関係している可能性があることを示唆しているという。

 こうした分析から演者らは、「今回の調査結果は、働く女性における心血管疾患防止の取り組みにおいて、仕事のストレスを評価することの重要性を訴えるもの」と強調した。
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「仕事でストレス」をかかえないほうがよいのは、よくわかりました。「仕事がない」ストレスだと、どんなもんでしょう?(苦笑)


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