乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

麻薬

2009年08月12日 | 病気・症状
最近、麻薬に関する報道のラッシュです。麻薬って、そんなに魅力的なんでしょうか?
医師作家が書いた小説で、麻酔科医が麻酔中毒になっちゃったというストーリーがあるぐらいです。強い常習性がありそうですな。

で、私の体験です。
あ、麻薬ではなく、麻酔の体験ですけど。。。

随分と昔、足の怪我で手術をしたことがあります。その時、全身麻酔を行なったんですが、それに麻薬系の薬が含まれていたようです。

術後、麻酔から覚める際、私はなぜかスイスの山あいをカモメになって飛んでいた…。
谷に向かってグルグルと急降下し、グィ~ンと翼を翻し、重力を感じず、体験したことのないアングルで景色を眺める私。

「自分の発想にないことを、まるで体験したかのような気分になる」。

なぜスイス?
その時見たスイスの山とは、三十年も昔に食べたチョコレートのパッケージに描かれていた絵でした。とってもおいしいチョコレートだったのですが、小さな子どもの頃のことだから全く忘れていた。それが三十年経って思い出せたわけです。

私は読書が大好き、たくさんの本を読みます。んが、悲しいかな、ほっとんど内容を忘れてしまう。何のために長時間費やしたんだか、、、と振り返ると、とっても悲しい。自分の頭の悪さを呪い、自己嫌悪に陥ってしまうことも多々ありです。

三十年も前に見た絵や情景を鮮明に思い出すことができたら、、、これは読書などに費やした時間が全部、無駄にならないことになりますよね。

通常の人間には不可能なことが、薬の力で可能になっちゃったわけです。いや、カモメになれちゃったんだから、空想の世界へもリアルタッチで行けてしまった。

こんな点に魅力を感じた私は、乳がんの手術は全身麻酔で行うと説明を受け、ちょっぴり期待をしていました。再度こんな体験ができるのかと。
しかし、今回見たのは、小さな和室に正座し、ぶつぶつ呟く私の姿ですた。しかも、妹が言うには、「ねーちゃん、わけわからんことしゃべりまくってたで」。
うー、恥ずかし。

とまあ、心地良い気分で覚醒したわけではないようです。担当医に尋ねると、「昔は麻薬系の薬を使うこともあったけど、今はないよ~ん」。
やっぱりね、常習性の強い薬だと、こんなところから麻薬にはまる人が出てしまうかもしれない。

以上、麻薬について心地良くなることを書きました。

しかし、しかしです。


足の手術は無事に終わったのに、、、頭がとっても悪くなりました。
一日中だるくて、何かを考えるのが億劫。物を覚えられないし、気力が湧かない。
一番困ったのが、「忘却」です。

読書をする際、前ページに何が書いてあったのか、忘れるっっっ!!

脳細胞がすごい勢いで破壊されてゆくのを、リアルに体感しました。記憶が壊れてゆくのは、自分が何であるかを忘れてしまうことです。自分であって自分でない。何のために生きるかなんて高尚な悩みじゃなくて、何で自分がここにいるのか、わからんくなってしまう。。。
これって、「生きる廃人」です。
当時、認知症とかうつ病とか、、、別の病気になったのでは?と、かなり悩みました。

たった一度の薬を使用で数ヶ月も悩んだぐらい、薬の副作用は強かったです。これは脅威です。この辺りが麻薬のコワイところでしょう。


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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)