乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

乳癌と授乳経験

2012年08月29日 | 病気・症状
私は高濃度乳腺なので、マンモグラフィを撮っても真っ白に映ってしまい、腫瘍があるかどうかわかりません。30代半ばから毎年、マンモグラフィを行ってきましたが、どの病院の機械で撮っても、どの医者も言うことは同じでした。

しかし、抗がん剤治療で急激に閉経したら、、、乳腺の量も減りました。ううう、歳を取ったんだねえ。。。

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【40代までの出産・授乳経験の有無が乳腺濃度に影響を与える乳癌学会】
    第20回日本乳癌学会学術総会 2012年6月28日~30日 熊本

 BMIは全年代において乳腺濃度に大きく影響を及ぼすことが示された。また、40代では授乳経験の有無が乳腺濃度に影響を与える傾向があり、50代以降になると出産数が乳腺濃度に影響を与えると報告された。岡山大学病院乳腺内分泌外科の元木崇之氏らが、6月28日から熊本で開催された第20回日本乳癌学会学術総会で発表した。

 高濃度乳腺は乳癌のリスク因子とされており、乳癌リスクの代替指標としての意義が検討されている。乳腺濃度は出産や授乳によって低下することが知られており、これらは同時に乳癌リスク軽減因子でもある。BMIと乳腺濃度には負の相関関係があるが、肥満は乳癌のリスク因子であり、この関係には矛盾が認められる。

 そこで元木氏らは、乳腺濃度と出産・授乳歴との関連について解析し、それらの患者背景における重要性について検討した。

 対象は、2010年12月から2011年10月までに検診3施設においてマンモグラフィを撮影した乳癌既往のない女性527例(平均年齢53.4歳、閉経前219例、閉経後303例)。生活歴などに関する横断的調査を実施した。順序ロジスティック解析により、年齢階層別の出産数・授乳経験の有無と、乳腺濃度の解析を行った。

 乳腺濃度はマンモグラフィによりBI-RADS(Breast Imaging Recording and Data System)に従い、乳腺濃度25%未満の脂肪性、25%から50%の乳腺散在、50%から75%の不均一高濃度、75%より濃度が高い高濃度の4段階で判定した。

 その結果、年齢が上がるに従い、乳腺濃度は低下していた。高濃度、不均一高濃度の割合が下がり、脂肪性が増加していた。

 乳腺濃度と授乳経験の有無について、全年代(20・30代、40代、50代、60代、70代)を総合すると、授乳経験がある例の方が乳腺濃度は低下していた。年代別に解析すると、特に40代では授乳経験がある例において乳腺濃度が下がる傾向が高かった(p=0.0507)。

 乳腺濃度とBMIの関係について単変量解析を行った結果、70代を除く全ての年代で有意に乳腺濃度が低下していた。乳腺濃度と出産数の関係は、50代、60代において、出産数に応じて有意に乳腺濃度が低下していた。多変量解析を行った結果でも、BMIは70代を除く全年代で有意差があり、出産数は50代、60代で有意差があった。

 これらの結果から元木氏は、40代では授乳経験の有無が、50代では出産数が乳腺濃度に影響を与えるとまとめ、「閉経を過ぎると、出産・授乳の有無による影響が乳腺濃度に反映されやすくなる傾向がある」と考察した。
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先日、中村清吾医師の講座を聴講した際、乳腺濃度の話も出ました。乳癌は乳管に発生する癌です。だから、乳腺が多ければそれだけ癌リスクは高まります。

また、未出産の人が経産婦よりリスクが高まるのは、乳管は、乳汁を分泌することで乳管として初めて完成するのだそうです。つまり、乳汁を出さないと、乳管としては未成熟であると。
この未成熟なままでいることが、乳癌のリスクファクターになるのでしょうか。

芸能人の話題として、出産した女性芸能人が、お乳の形を保つために赤ん坊に授乳させないという話をたまに聞きます。これって、乳癌のリスクを高めているようなものかもしれませんね。

私の友人には、子供を3人以上出産した人が数人います。彼女ら曰く、「1、2人目まではたっぷり授乳できるんだけど、3人目となると乳汁の出が悪くなって…。3人も授乳させると、30代で胸はぺっちゃんこ。40代になるともう、しぼんで垂れさがっちゃうよ(ぐすん)」。

女性の体は元来、たくさんの子供を出産し、たくさんの乳汁を出すように造られています。私は20人ぐらい出産し授乳させても大丈夫なぐらい、乳腺が備わっているのかもしれません。お蔵入りにしちゃって残念だわ。

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乳癌と骨粗鬆症治療

2012年08月23日 | 病気・症状
骨粗鬆症の改善薬を飲み始めて10日が過ぎました。腰痛はバッチリ改善されています。

痛みのない生活。バラ色の日々を送っています。あああ、明日という日が希望と読めます。

痛くないということは、食欲にも関係大有りです。このところ、暑さも気にせず凄まじい食欲です。自分が骨粗鬆症であるという実感はまるでありません。ので、体組成を簡易に測れる体重計を買い、毎日測っています。というか、自信を取り戻すために乗っているといったほうが正解か。
薬を飲み始めた時は、10段階(低い0 -1 0高い)の6(標準)でした。

昨夜は調子こいてビールをぐんぐん飲んじゃいました。で、測ったら、体重が1キロ増加。骨量は7だったぞ。おや、ビールを飲むと、骨って増えるのか(爆)!?
まあ、、簡易体組成計なんてこんなもんですな。あてにはなりませんが、、、おおよそのめやすに使うつもりです。

念のため、この薬を処方した薬局へ問い合わせました。1錠飲んだだけで腰痛が改善というのは、そりゃ薬の奏効とはいえないと(笑)。

だよねえ(笑)。
人生、色々ありますわ。


しかしながら、乳癌の治療者となると、骨粗鬆症の問題は重要です。女性ホルモンの枯渇により、骨はもとより、筋肉量も減ってしまうからです。お肌の調子も悪くなるし、何より更年期症状といわれる諸症状がどっと出てくることが多いですから。

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【骨環境の改善が転位・再発を抑制する 】
  第48回米国臨床腫瘍学会 
2012年6月1日~5日 Chicago, U.S.A. 
             東京医科大学乳腺科教授 河野範男氏

 今回のASCOでは、閉経後早期乳癌の術後補助療法としてアロマターゼ阻害薬の投与を受けた患者において、骨粗鬆症の治療を受けていたと報告した患者は乳癌の再発率が低いという解析結果が発表されました。実際の骨粗鬆症の有無に関わらず、骨粗鬆症の治療を受けた患者では、無イベント生存期間(EFS)、無遠隔再発生存期間(DDFS)の有意な改善が認められました。



 ステロイド型のアロマターゼ阻害薬であるエキセメスタンと、非ステロイド型アロマターゼ阻害薬アナストロゾールを5年間投与し、有効性と副作用を比較したNCIC CTG MA.27試験の、サブ解析の結果です。



 エストロゲンの枯渇によって出現する副作用には様々なものがありますが、アロマターゼ阻害薬に特徴的な副作用として、骨代謝に及ぼす影響が挙げられます。この試験では、2剤間の再発抑制効果に差はありませんでしたが、エキセメスタン群で骨粗鬆症の頻度が少ない傾向にあったことが、2010年のサンアントニオ乳癌シンポジウムで報告されています。



 一方、骨粗鬆症というのは骨代謝回転が高い状態であり、前臨床では癌が骨転移しやすい状態であることが証明されています。骨粗鬆症を予防・治療することは、癌の転移を予防する可能性もあるわけです。



詳細はこちら(PDFウインドウで開きます)
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/data/cancerex/asco2012_kouno.pdf

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この報告で気になった点を取り上げますと、
> 骨粗鬆症なし・骨粗鬆症治療あり、骨粗鬆症・骨粗鬆治療あり、骨粗鬆症な し・骨粗鬆症治療なし、骨粗鬆症・骨粗鬆症治療なしの順に予後がよく、リーズナブルな結果だと思 います。つまり、骨代謝回転が高いと予後が悪い、回転を抑えると予後がよいということがはっきり出ています。 

> その機序ですが、破骨細胞が骨を壊し、骨芽細胞が新しい骨を作るというリモデリングが骨では常に起こっています。破骨細胞による骨吸収が起こる際には増殖因子が骨髄内に放出され、骨 芽細胞が新しい骨を作る際に利用されます。ここに癌細胞が進入すると、増殖因子が癌のために使われるだけでなく、癌細胞がサイトカインを産生して骨芽細胞のRANKL発現を誘導し、RANKLが 破骨細胞の分化を促進させます。つまり骨の破壊と腫瘍増殖はお互いに促進する関係にありいわゆる骨微小環境における悪循環が起こるのです。

> また癌細胞が骨髄に入ると、増殖の過程でEMT(Epithelial-Mesenchymal Transition:上皮間 葉転換)が起こり、転移能が高まるという説も注目されています。

> これらのことから、骨環境を整えれば、癌患者の予後が改善すると推察できるのです。
ただし、このNCIC CTG MA.27試験は、患者のセルフレポートを基にしているというところがちょっと弱い。薬剤を服用している期間もまちまちですし、確定したことを言うには、もっときちんとした前向きの試験が必要でしょう。


以上、骨微小環境における悪循環と、予後改善の推察を述べています。
この報告はアロマターゼ阻害薬使用患者についてのものですが、私のように化学療法で閉経が早まった人も、骨密度が急激に低まることは推測できますよね。
事実、整形外科の医師は私に、乳癌で閉経が早まったのならば、骨粗鬆症の薬を飲んだ方がいいよと、薬を出したわけですし。

なので、しばらく体組成計に毎日乗り、様子を見ようと思います。
本音は薬は飲みたくないのですが、、、だって、私って薬を飲む習慣がなく、飲み忘れてしまうんです、、、が、仕方ないですね。希望ある生活を続けるために。ぐっすん。

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乳癌と腰痛

2012年08月20日 | 患者の気持ち
皆さま、お久しぶりです。お盆休みはゆっくりできましたか?

私は、、、腰痛でのたうちまわっちゃって、オリンピックを観る以外はほとんど寝て過ごしていました。で、思い余って大きな病院の整形外科へ行き、MRI検査へ。

結果は、、、ヘルニアなど物理的な所見はなし。「んじゃ、なんでこんなに痛いのよ!」って感じです。
医師は、スポーツで背骨を痛めているし、抗がん剤治療で閉経が普通の人よりかなり早いし。女性ホルモンの影響力は大きいから、骨粗しょう症になりやすいですよ、と。

で、出された薬を飲んだ翌日、、、痛みがなくなってしまいました!

まぢかよっ(゜Д゜)??
骨粗しょう症改善の薬を1錠飲んだだけで、こんなにスッキリなるの(゜◇゜ )???

納得いきません(`⌒´)。
だって私は学生時代から社会人になっても、ずっとハードなスポーツをやっていたんです。背骨を痛めてスポーツをやめ、替わりに1日5キロの高速散歩や筋力トレーニングをしていたのに。。。

乳癌になる前に測った骨密度は非常に高かったのですが、、、乳癌→抗がん剤治療→閉経→6年経過で、骨密度は標準と低いの境界まで激減していました。毎日牛乳を2本飲んで散歩を1時間しても、こんなに落ちてしまう、、、のか???

納得いかなくて、骨や筋肉、体脂肪なども測れる体重計を購入し、測定してみたのですが、、、骨、筋肉の量は「標準」でした。まあ、簡易体重計からの算出数字ですから、これを信じるわけにはいきません。が、骨粗しょう症の人なら、いくらなんでも骨量が標準とは出てこないんじゃないかと。

この薬を飲み始めてきょうで5日目。腰痛は出ません。整骨院でマッサージをしてもらったら、「あら、背中のいつも硬い部分が軟らかくなっていますよ」。とってもとっても不思議です。だって、前日は調子こいて延々と椅子に座り続けていたのに。

というわけで、座り姿勢ができるようになっちゃいました。お掃除もガンガンやっています。

痛みって、人から希望を奪うものですね。
せっかく乳癌治療が終わり、がんばるぞーっと気合いが入ったのに、腰痛で簡単に打ち砕かれてしまいました。

腰痛なんて、癌になるよりもずっとマシだろうと思っていたのですが、、、同じように嫌なものです。痛いのが治らないというのは、絶望感がどんどん強まってしまうのです。

せっかく乳癌の治療で病院や主治医が全力を尽くしてくれたのにと、この1年半、自分に言い聞かせていました。
“癌では鬱にならなかったのに、腰痛で鬱になった”というのは、ちょっと格好悪いなあと(〃ω〃)。

もっと早くこの病院へ行けばよかったのですが、、、いきなり大きな病院にはかかれないシステムになっているのが災いしました。近所の開業医に行ったのですが、「安静にしなさい」で片付けられていたのです。これを3件、同じ文句を言い渡されました。

自己暗示とか心理学の本も読みました。呼吸法なんかも学んだし、そうそう、健康食品もやってみました。すがるような気持ちで、ある会社のグルコサミンを飲んだら、痛みが消えました。健康食品は信じていなかったのですが、利いてしまったので続けようとしました。ところが、、、

有効成分を良く見たら、その製品にはグルコサミンのほかに、痛みどめの成分が含まれていました(╬☉д⊙)。そりゃー、痛みは取れるわ。でも、これってグルコサミンのせいじゃないじゃん(`ロ´)。
健康食品は気を付けましょう←自戒をこめて。

というわけで、あと、試してないのは宗教ぐらいです(≧▽≦)。ま、宗教は健康食品よりずっと高くつくので、やる予定は全くありません。

いまだに骨粗しょう症の薬が奏功しているとは思いたくないのですが、事実は事実です。こういう状況だと、薬を止める勇気もありません。

でもね、でもね、でもね、、、私のように栄養と運動に気を付けている人が骨粗しょう症の薬を飲むということは、世の中の大半の人が骨粗しょう症だと思うよ(ボソッ)。

ああ、受け入れられないわあ ( ̄_ ̄ i) 。


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がん化学療法に予想外の現象

2012年08月10日 | 病気・症状
ロンドン五輪、日本女子レスリングの吉田選手、3連覇おめでとーーっ(`▽´)!

昨夜は1回戦を観たところで眠くなり、一旦床に就いたのですが、、、夜中にトイレに起きた際、やっぱりもう少し観たいとテレビをつけたら、、、
もーそこから画面に釘付けになっちゃいました(゜_゜)。
夜中に力入っちゃって、そこから眠れなくなっちゃいますたよ(゜▽゜; 

、、、と書きながら、レスリングで一番感動したのは、その前日に行われた小原日登美選手の、逆転金メダルです。
テレビ局が彼女のプロフィールを紹介したのですが、解説者も言葉をつまらせるほど、壮絶な10年間だったようです。

51キロ級で世界を6度も制したのに、五輪実施階級でなかったため、不遇の日々。その頃、48キロ級には妹、56キロ級には吉田選手。悩んで出場した56キロ級の予選では、吉田選手にわずか二十数秒で破れ、代表を逃したり。心身のバランスを崩し、20キロ以上も太ったり、鬱病になったり。1度は引退したけど、元同僚の夫のコーチにより、再びマットへ。

こんな大きな挫折を体験しても、人間って復活できるんですね。私は現在、腰痛に苦しんでいますが、彼女の波乱万丈の人生を想像すると、自分も今の時期を試練と考えなくちゃなあと、少しですが気力が出てきます。よしっ、私も夫を探すかな←そっちかよ

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【がん化学療法に予想外の現象、タンパク質分泌が増え治療耐性】 2012年8月6日 12:44 (AFPBB News)

【8月6日 AFP=時事】がんの化学療法により、腫瘍の増殖を助けたり治療に耐性をもたらしたりするタンパク質の分泌が増えるとする研究論文が、5日の英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」に掲載された。

 米国の研究チームは、実験では容易に死滅するがん細胞が、なぜ人体内部では高い回復力を持つのかを調べていた。そのときに、この「完全に予想外」の結果にたどり着いたという。

 前立腺がんの男性から採取した細胞で化学療法の効果を調べていた研究チームは、化学療法を受けた後に健康な細胞の「DNAが損傷した証拠」を発見したという。

■損傷受けた細胞がタンパク質を分泌

 化学療法は腫瘍細胞の増殖を抑制することで効果を発揮する。研究チームによると、化学療法で損傷を受けた細胞は「WNT16B」と呼ばれるがん細胞の生存率を高めるタンパク質をより多く分泌していた。研究チームはこの結果を、乳がんと卵巣がんの腫瘍でも確認した。

「WNT16Bの分泌増加は完全に予想外だった」と、論文の共同執筆者で、米ワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)にあるフレッド・ハッチンソンがん研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)の研究者、ピーター・ネルソン(Peter Nelson)氏は、AFPの取材に述べた。

 このタンパク質は、損傷した細胞の近くにあるあるがん細胞に吸収されていた。「分泌されたWNT16Bは、近くの腫瘍細胞と反応して腫瘍に成長や浸潤を働き掛け、さらに重要なことに、その後の治療への耐性をもたらしていた」(ネルソン氏)

 がん治療では、初期の治療はよく効くものの、やがてがんが急速に進行し、その後の化学治療に耐性が生じることがある。がん細胞の増殖率は、治療を行うごとに加速することが分かっている。「良性細胞の損傷応答が、腫瘍細胞の増殖動態の強化に直接的に寄与している可能性があることを、われわれの研究は示唆している」とネルソン氏は述べる。

■新治療に道切り開くか

 ネルソン氏は、今回の研究結果により、さらに効果のある新治療の研究が進む可能性があると指摘する。

「たとえば、化学療法の際にWNT16Bの抗体も投与することで効果が高まる(より多くのがん細胞を殺傷できる)かもしれない。また代替手段として、より少量でより有害性の低い薬剤をがん治療に使用することができるかもしれない」と、ネルソン氏は述べた。(c)AFP=時事/AFPBB News
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抗がん剤治療を行っている患者さんに対して、この記事はがっくりしてしまうような報告ですね。癌細胞って、本当に手ごわい。一方、

>「良性細胞の損傷応答が、腫瘍細胞の増殖動態の強化に直接的に寄与している可能性があることを、われわれの研究は示唆している」とネルソン氏は述べる。

この可能性が本当だとわかれば、分子標的治療薬の開発に拍車がかかるような気もします。
研究も失敗・挫折の繰り返し。最後で逆転すればいいんです。

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帰ろうとしない患者

2012年08月05日 | 患者の気持ち
オリンピック・サッカー、男女ともにベスト4進出!
画面で各国選手の体つきを観ている分には、日本選手がこんなに勝てるなんて、、、信じられなかったです^^;
最近の柔道は、「剛よく柔を制す」ですな。レスリングとどこが違うの?って感じのバトルになっちゃっているし。国際スポーツ化するということは、こうゆうことなんでしょうか。日本人選手はもっと肉を食べた方がいい? 米くってる場合じゃないのか? なんて、ふと考えてしまいました。

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【帰ろうとしない患者の対応に苦慮-病院勤務の警察OBらが勉強会】 CB news 2012年8月3日(金)15:00

病院に勤務する警察OBを中心に、院内暴力対策に取り組むネットワーク「HKO会」(事務局=慈恵大学総務部渉外室・横内昭光顧問)はこのほど、東京都内で勉強会を開いた。「院内暴力対策として今何をなすべきか―悪質クレーム・暴力の具体的対応方法―」と題したパネルディスカッションが行われ、病院から帰ろうとしない患者への対応に、病院側も苦慮している状況が明らかになった。

パネルディスカッションでは、参加病院の幾つかの事例を基に、対応策を議論した。
会場から、身寄りがなく生活保護を受給する患者が、医療費を支払わない上、診療が終わっても、バス代がないとして家に帰ろうとせず、病院に居座り続けることを繰り返し、その対応に困っているという事例が寄せられた。

当初はお金を貸したり、家まで送ったりしていたが、それが恒常的になった。さらに、その患者が警察の説得にも応じないほか、救急車を呼んで繰り返し病院に来るなど、職員も対応に疲れているという。

聖路加国際病院の院長付参与の佐藤太郎氏は、同院でも多く見られるような事例で、対応に苦慮しているとした。実際の対応として、帰ろうとしない患者の話を聞いた上で、状況によっては家まで送ることがあるという。

佐藤氏は、病院職員がこのような患者に対応するのは非常に難しく、警察OBの対応が求められる場面と指摘。必死に説得を続けながら、ケース・バイ・ケースで対応していくしかないとした。

会場からは、不退去の患者がいる場合、外来診療が終わる午後5時までは様子を見て、それ以降は不法侵入の扱いとして、警察に連れて行ってもらっているとの声があった。また、お金を渡したり、送り届けたりしていては、患者がそのことを当然とみなすようになるのでは、とした。

弁護士の逢坂哲也氏は、こうしたケースについて、病院を退去してもらうという問題と、医療費の自己負担分を支払わずに来院を繰り返す患者への対応の問題が混在していると指摘。

前者については、不退去や建造物侵入などの刑事領域として扱えるケースでは、警察に対応してもらうことも考えられるが、救急などで24時間対応している病院はなかなか難しいとし、基本的には現場で根気強く帰宅するよう説得して、長時間居座ったり、暴力を振るったりするなどの悪質なケースについては、刑事事件として警察に対応を求めるという選択になるとした。

また、後者については、医師や医療機関の応召義務を考えると、医療費を支払わないからといって、診療拒否は基本的にできないとしつつも、不払いにも受忍限度があると指摘。医療費を支払わないのに繰り返し診療に来る患者に対しては、その都度、「いつまでに、いくら払います」などの念書を取っておき、それが相当回数となり、相当額となった場合は、悪質な医療費不払いを理由に、診療拒否が認められる可能性もあるとした。

逢坂氏は、「頻度と金額にもよるが、受忍限度を超えた場合、思い切った処置も考えられる。その間はもちろん、患者に根気強く説明をし、説得をすることが必要」とした。
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「帰ろうとしない」人っていうのは、家庭がつまんないからです。
暴言吐くのは、「俺のわがままを聞けよ、どのぐらいまで聞けるか試してやる、それが俺に対する忠誠心の表れになるんだから」という、甘えの気持ちが込められていると推測します。

こういう人たちに帰れと言っても、帰らないと思います。だって、暴言吐いたりしている時が、その人の唯一の自己表現の機会になっちゃっているからです。
ましてや、料金未払いなのに自宅まで送ってくれた、なんて‘サービス’してもらっちゃったら、こりゃ嬉しい。も一回来ますよねえ。

〉逢坂氏は、「頻度と金額にもよるが、受忍限度を超えた場合、思い切った処置も考えられる。その間はもちろん、患者に根気強く説明をし、説得をすることが必要」とした。

なんか、甘い。。。(-_-メ) 肉食国のアメリカでは、放り出されてお終いです。

お金が足りず、治療を断念する人は多いんです。そういう人たちより、なぜ、待遇が良くなってしまうんでしょうか。

根気強く説明したって、馬耳東風です。最初から聞くきはないのです。そうじゃなくて、自分のわがままを聞けよって言っているんですから。

病院がこういった人を放りだしたら、マスコミが取り上げるでしょう。「無慈悲な病院」とか何とか言われたら、病院はこの人たちを自宅へ送り返すのではなく、マスコミへ送ればいいのです。「彼らに治療してもらい、かつ、養ってもらいなさい」って。

私は一人暮らしで貧乏です。しかも腰を痛めてろくに働けません。すっごく困っています。ですから病院へ行き、やさしく接してもらい、診療費もちゃらにしてくれたら、、、そりゃー、帰りませんよ!

でも、苦境の中で大多数の人たちは、頑張って生活している。その人たちの努力を後ろ足で砂を蹴るようなことはしちゃいかんのです。オリンピック選手だって、最後には気力で勝負だって言っているでしょ。
その気力を折るようなことをしないで下さい。


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癌再発不安の慰謝料

2012年08月02日 | 社会
昨夜のオリンピック男子体操、観ました?
体操はフィギアスケート同様、ちょっとのタイミングで大きなミスを生む競技ですよね。他国の選手の演技は冷静に観られるのですが、自国の選手となると、観る側にもすご~~く力が入ってしまいます。

エースの内村航平くん、頬にトーンが入っちゃって、なんだかスタミナが心配でした。が、結果を見れば予想通りの金メダル。勝ち方も上手。オリンピックでは、いちかばちかの超ハイリスクに挑む必要はないと私は思っています。勝つことが一番大切。

サッカーなでしこも楽しみにしています。前回、南アフリカと引き分けたのも上手な戦略だと思います。なでしこ選手は一流ですが、ロボットではない。8時間の移動時間をかけ、前回負けたフランスと戦うのって、どーよ?

ゴールドメダリストって、技術的肉体的には他の選手とそんなに差がないけれど、精神的強さは勝っているように思います。精神力を鍛えるというのは、肉体を鍛えるのと同様、難しいですよね。

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【健診での肺癌見落としに400万円の慰謝料】 2012. 7. 30

東京地裁2006年4月26日判決 「5年生存率低下」の精神的苦痛を評価


 健診で肺癌を見落とされた患者が、11カ月後に別の病院で肺癌を指摘され、手術を受けました。患者は5年生存率が下がったとして医師らを訴え、400万円の慰謝料が認められましたが、この額は妥当なのでしょうか。【執筆】平井 利明=弁護士(中村・平井・田邊法律事務所)


事件の概要
 患者(当時51歳、女性)は2002年9月11日、市立の医療センターで有料健康診断(総合健康診査)を受診し、胸部X線検査を受けた。読影したA医師は胸部X線写真には異常がないと判断し、その旨を患者に説明した。

 03年7月、患者は別の医院で無料健康診断を受けた。その結果、腫瘍の疑いがあると指摘された。

 同年8月11日、さらに別の病院で胸部CT検査を受けたところ、肺葉部に腫瘍を疑われ、早期手術を勧められた。

 9月1日、患者は胸腔鏡下肺葉・区域切除術(VATS)により右肺下葉を切除し、9月6日に退院となった。

 切除した腫瘍の病理診断は肺癌(低分化型腺癌)であり、病理学的進行度分類は、T2N1M0(ステージIIb)でリンパ節転移は1群まで存在した。他方、最初の02年9月に医療センターで撮影された胸部X線写真を再検討した結果、直径約1cmの異常陰影が存在していたことが判明した。この時点の臨床的進行度分類はT1N0M0(ステージI)と推定された。

 患者は、Aが肺癌を見落としたため手術が1年間遅れ、肺癌が進行したことで5年生存率が低下したと主張。Aと市を相手取り、約2600万円の損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こした。

判決
 裁判では患者の5年生存率がどの程度低下したか、それによる損害の程度はどれほどか、という2点について争われた。

 なお、読影を担当した医療センターのAは、異常陰影を見落とした過失を認め、患者に謝罪している。また、市の調査委員会の報告でも「異常なしの判定をすることが適正であったと認定するには困難があった」とされている。つまり、本件では過失に争いはない。

 東京地裁は、この事案について次のように判断した(要約)。

 まず患者の5年生存率がどの程度低下したかについて。「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2003年版」に基づくと、02年9月の医療センター受診時の病状は臨床的ステージIa期であり、5年生存率が約72%だった。

 一方、03年9月の手術時には病理学的ステージIIb期で、進行度分類はT2N1M0、5年生存率は約42%である。

 そのため、A医師による見落としで肺癌の発見が約11カ月遅れた結果として、その間に5年生存率が30%低下したと認定できる。

 次に損害の程度について。この点に関しては、患者の逸失利益と、精神的損害について判断された。

 患者の逸失利益として、まず身体症状の出現による損害は、Ia期だった場合と比べても肺の切除範囲が異ならない以上、術後の身体症状の程度と発見の遅れに因果関係は認められない。5年生存率の低下による経済的損失については、5年生存率が低下したことで家事や業務を患者が制限していたとしても、原告の性格や癌発見当時の取り乱し方からすれば、仮に見落としがなくても患者はそのような行動を取っていたものと認められ、これについても見落としとの因果関係は認められない。

 結局、賠償金額は患者の精神的損害のみを評価して判断することが妥当であるとした。


 患者の抱いている死への不安や恐怖に対しては、Aによる見落としがなくても生じていたはずである。ゆえに、精神的損害は、Aによる見落としがなく早期に癌が発見され、速やかに手術がなされた場合と比較して、5年生存率が30%低下したことで癌の再発による危険が03年9月から5年間高まることに伴う精神的苦痛を評価すべきであるとした(肺癌切除後の再発については、術後5年を経過後に生じることはほとんどなく、その間に再発がなければ完治したと見なすことができると裁判所は認定している)。

 結果、賠償金の額は、Aが患者に謝罪していることなどを考慮した上で400万円と判断した。

 なお裁判所は、将来、患者に肺癌が再発し死亡した場合は改めてAらに損害賠償義務が生じる可能性があることに言及した。つまり、もし最初の検診で肺癌が発見できていれば、患者が死亡した時点でもまだ生存していた相当程度の可能性があると認められる余地は十分あるため、患者はその限度で損害の賠償を受けることは可能とした。

解説
 今回の裁判は、癌の再発が認められていない状況下において、「癌の発見が遅れたせいで、5年生存率が低下した」ことを理由として起こされた損害賠償請求です。患者は、判決日現在(2006年4月26日)存命で、癌の再発は認められていません。

 肺癌切除後の再発は、術後5年を経過後に生じることはほとんどなく、その間に再発がなければ肺癌は完治したと見なすことができると裁判所は認定しています。つまり、「癌が再発するかもしれない」不安と恐怖という精神的苦痛が、手術後5年の間だけ存在することに対する慰謝料の額が、400万円と判断したというのが今回の判決です。

 なお、裁判所は5年生存率が30%低下したことは認めているものの、何%だから慰謝料はいくら、という考え方はしていません。患者にとっては、5年間のうちに再発するかしないかが問題であるはずで、また再発した場合は新たに賠償を受けるための裁判をすることは可能なので(しかもその余地は十分にあると裁判所も認めています)、この判断は妥当だといえるでしょう。

 では、患者が再発への不安を背負う5年間の精神的苦痛に対する慰謝料としてこの400万円という額が妥当かどうか。この点については、異論があると言わざるを得ません。もちろん、再発への不安に対する精神的苦痛は償われるべきものですが、これまで交通事故裁判などを通じて積み重ねられてきた慰謝料に関する事例と比較すると、高額に過ぎると考えられます。特に、今回のように癌の再発という事実がなく、加えて再発した場合には新たな損害賠償請求が可能と言及していることを考えると、なおさら高額に過ぎると思わざるを得ません。

 当初の異常陰影は誰もが容易に発見できたとまでは必ずしも言い切れないということや、発見されていれば選択されたであろう手術と患者が実際に受けた手術内容は変わらず、発見の遅れにより身体的侵襲の度合いは変わらないなどの事情が認定されています。そのため、一般的に見られる慰謝料と比べて高額に算定すべきではなかったのではないかと思います。

 また、この判決では患者が受けた不安や恐怖を大きく評価していますが、このような考え方を延長させると、例えば、何らかの医療事故で危篤状態になったような場合は、その後回復したとしても極めて多額の慰謝料が発生することになりかねません。そのような考え方は、今まで交通事故事案を中心に積み上げられてきた損害賠償に関する考え方とは異なるものと思えてしまいます。
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癌再発の不安は、癌を経験した方ならば想像するのは容易です。その一方で、未経験の人には絶対わからない。と、私は思っています。それは私の母が多重癌になり、次いで私が癌になった時の体験から、そう思います。

しかし、
>「癌が再発するかもしれない」不安と恐怖という精神的苦痛が、手術後5年の間だけ存在することに対する慰謝料の額が、400万円と判断したというのが今回の判決です。

と考えると、400万円は高額に思います。この弁護士が指摘しているよう、交通事故裁判などを通じて積み重ねられてきた慰謝料に関する事例と比較すると、そう思います。
私も交通事故の被害にあったことがあります。その時、どんな怪我だとどのぐらい慰謝料が発生するのか調べました。あまりの低額に、驚きを超えて怒りを覚えました。交通事故はそんなもんです。

この記事を取り上げておいて何ですが、私は交通事故の慰謝料が低すぎると強く思います。

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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)