乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

原発巣と再発巣のホルモン受容体の変化

2010年06月29日 | 病気・症状
乳腺外科医らのコメントとして、たまに見かけた情報ですが、今回のASCOで大掛かりな調査がなされたようです。

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【3人に1人は乳癌ホルモン受容体の状態が原発巣と再発巣で違うASCO2010】 2010. 6. 13
    第46回米国臨床腫瘍学会 2010年6月4日~8日 Chicago, U.S.A.

 原発巣と再発巣のホルモン受容体(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)の状態は30%以上の患者で異なることが明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、スウェーデンKarolinska Institutet Cancer CenterのEva Karlsson氏が発表した。同氏は再発時にも生検を行う必要性を強調している。

 これまでにもホルモン受容体の状態は原発巣と再発巣で異なることが報告されてはいるが、「転移性乳癌は原発巣の特徴に基づいて治療が行われている」とKarlsson氏。そこで1997年から2007年に再発した患者を対象にレトロスペクティブにエストロゲン受容体(ER)とプロゲステロン受容体(PR)の状態を調べ、原発巣と再発巣で比較した。

 ERとPRの状態は免疫組織化学(IHC)法で決定したが、IHCが困難な場合は免疫細胞化学(ICC)法を用い、さらにそれが困難な場合は生化学的手法で決定した。

 ERは486人、PR は456人で原発巣と再発巣のデータが得られた。それらを比較した結果、ERは27%の患者で原発巣の陽性から再発時には陰性に、8%の患者では陰性から陽性に変わっていた。PR は38%の患者で陽性から陰性に、5%の患者で陰性から陽性に変わっていた。つまり病勢進行で3人に1人はホルモン受容体の状態が変化していることになる。

 診断からの生存期間を比べると、原発巣の状態に関わらず、再発時にER陰性の患者はER陽性の患者に比べて予後が悪いことが示された(p<0.0001)。また原発巣も再発巣もER陽性の患者に対し、原発巣は陽性だが再発巣(局所再発と転移)が陰性の患者のハザード比は1.49(95%信頼区間 1.05-2.11)と死亡リスクが高く、さらに転移巣に限るとハザード比は1.91(同 1.29-2.84)だった。  再発時のERの状態が生存に影響することから、「転移性乳癌に対して原発巣の特徴を基にした治療は適切ではない。転移の疑いのある部位の生検が診断の精度を高め、より良い治療につながるだろう」と述べた。

 なおこの研究の短所として、IHC・ICCによる結果と生化学的手法による結果の一致率は高い(ERでは82~93%)が、IHC・ICCで偽陰性あるいは偽陽性の可能性もある程度は否定できないという。
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>乳癌ホルモン受容体の状態が、原発巣と再発巣で違うことがある。

私が見かけた乳腺外科医らのコメントでは、その理由として例えば、再発というより新たに原発と考えるとか、数種類のがん細胞のタイプが交じっており、ホルモン剤や抗がん剤により、死滅しなかったがん細胞が活発化したとか、、、色々と考え方があるのだなと思いました。つまり、確立した考えはなさそう。ですので、

>再発時のERの状態が生存に影響することから、「転移性乳癌に対して原発巣の特徴を基にした治療は適切ではない。転移の疑いのある部位の生検が診断の精度を高め、より良い治療につながるだろう」

を頭に置き、生検を行うのがいいんじゃないかと思います。


念には念を入れ、適切な治療を受けたい人、<ここをクリックよろしくね~ >

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アロマターゼ阻害剤の奏効率

2010年06月27日 | 病気・症状
術前補助療法のメリットは、使用した薬が奏効しているかが明らかなことです。で、奏効性が高いと、乳房切除から温存へと、手術する範囲も縮小することがあるようで、、、これって、体の負担が少なくなるし、経済的な負担も軽くなりますよね。

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【アロマターゼ阻害剤による術前補助療法で乳房切除術の適応患者の半数が乳房温存可能にASCO2010】 2010. 6. 11

  46回米国臨床腫瘍学会 2010年6月4日~8日 Chicago, U.S.A.

 ステージⅡ/Ⅲのエストロゲン受容体(ER)陽性の閉経後乳癌で、アロマターゼ阻害剤であるエキセメスタンとレトロゾール、アナストロゾールによる術前補助療法の奏効率は高く、治療前に乳房切除術の適応と判断された患者でも乳房温存が可能になることが、多施設共同無作為化フェーズ2試験(ACOSOG Z1031)で明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010) で、米Siteman Cancer Center, Washington UniversityのMatthew J. Ellis氏らが発表した。

 術前補助療法として、レトロゾールはタモキシフェンより奏効率が高く、乳房温存がより可能になることが報告されているが、3種のアロマターゼ阻害剤の効果の違いは明らかではなかった。

 フェーズ2試験は、今後予定されている化学療法とアロマターゼ阻害剤の比較試験のため、薬剤選択を目的に3種のアロマターゼ阻害剤が比較された。ER陽性の閉経後乳癌患者を対象に、エキセメスタン25mg/日、レトロゾール2.5mg/日、アナストロゾール1mg/日のいずれかを16週間投与した。

 2006年4月1日から2009年10月1日に377人が登録。374人が治療を受けた。年齢中央値は66歳(43~90歳)、腫瘍径中央値は4.0cm(2~13cm)。

 この結果、WHO基準による奏効率は、エキセメスタンが60.5%(95%信頼区間 51.3-69.1)、レトロゾールは72.4% (同 63.8-80.0)、アナストロゾールでは68.3%(同 59.3-76.4)。完全奏効率はそれぞれ20.2%、20.5%、16.3%、部分奏効率は40.3%、52%、52%だった。

 また治療前に乳房部分切除術の適応だった患者199人で、治療後に乳房温存術(BCS)を行った患者は163人(81.9%)だった。乳房切除術の適応だった患者152人では77人(50.7%)でBCSが可能であり、治療別ではエキセメスタンで26人、レトロゾールでは24人、アナストロゾールでは27人だった。

 アロマターゼ阻害剤の毒性は低く、優れた忍容性が認められた。なお今回の結果から、次に予定された化学療法との比較試験では非ステロイド系のアロマターゼ阻害剤を用いる予定であるという。
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3つのアロマターゼ阻害剤の奏効率だけを見ると、自分ならどれを選択するか、何となくこれがよさそうだと思うものはあります。しかし、副作用の程度とか、投与方法など、使いやすい薬と使いにくい薬もあるそうです。

この3種の薬、ながめればながめるほど、どれを選択するのがよいか、わかんなくなっちゃう人、<ここをクリックよろしくね~ >

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センチンネルリンパ節生検で腋下郭清省略

2010年06月24日 | 病気・症状
私が住む地域では10年ほど前まで、センチネルリンパ節生検を行える病院はごく一部でした。今では、かなり一般的な方法になったのではないでしょうか。

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【センチンネルリンパ節生検で腋下郭清省略しても長期予後は変わらない、NSABP B-32で明らかにASCO2010】 2010. 6. 11

 臨床的にリンパ節転移がない乳癌患者におけるセンチネルリンパ節生検の有用性を検証した大規模無作為化フェーズ3試験、NSABP B-32の最終結果では、センチネルリンパ節生検で陰性を確認した後、腋下リンパ節郭清を実施する群と実施しない群で、長期予後に差がないことが明らかになった。6月4~8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で米University of VermontのDavid N Krag氏が発表した。

 現在、センチネルリンパ節生検は、臨床的にリンパ節転移がない浸潤性乳癌患者に対して国内外で多く行われている。センチネルリンパ節転移が陰性ならば、術中に腋下リンパ節郭清を省略しているケースは多く、ASCOのガイドラインでも標準治療とされている。だが、その長期予後については明らかになっておらず、NSABP B-32の結果が注目されていた。

 同試験は、臨床的にリンパ節転移がない乳癌患者を対象とし、2004年2月までに5611人の患者を登録(生存率の差が2%なら検出できる規模)。センチネルリンパ節生検を行い、結果にかかわらず腋下リンパ節郭清を実施する群(SN+AD群)と、センチネルリンパ節生検を行って結果が陽性なら腋下リンパ節郭清を実施、陰性なら省略してそのままフォローアップする群(SN群)に無作為に割り付けた。

 登録者5611人のうち、センチネルリンパ節転移陰性だった3989人(71%)を分析対象とした。SN+AD群では1975人、SN群では2011人。両群で年齢や人種、腫瘍径、治療方針などに有意差はなかった。

 フォローアップ期間中央値は95カ月だった。主要評価項目である全生存率は、SN+AD群とSN群で差がなかった(ハザード比1.2、p=0.117。)。5年生存率は、SN+AD群で96.4%、SN群は95.0%、8年生存率はそれぞれ91.8%、90.3%とほとんど差がなかった。

 また、無病生存期間においてはさらに差がなく、ハザード比は1.05(p=O.542)。5年間の無病生存率は、SN+AD群で89.0%、SN群は88.6%、8年間ではそれぞれ82.4%、81.5%だった。

 初回の局所再発については、SN+AD群で54人が局所に、2人が腋下に再発しており、一方SN群では、局所49人、腋下8人で、両群に差はなかった。

 また、フォローアップ終了時の後遺症の発生率についても比較した。肩の外転障害(SN+AD群19%、SN群13%)、腕の太さの違い(28%、17%)、腕の感覚障害(31%、8%)などは、いずれもSN+AD群で高かった(すべてp<0.001)。
 QOLについて検討したサブスタディ(n=789)からは、同側の腕と乳房の症状、仕事や社会活動の制限、QOLの障害は、いずれもSN+AD群の患者で多く発生していたことも分かった。
 
 この試験結果に関し、ディスカサントとして登壇したEmory UniversityのWilliam C Wood氏は、同試験を両群でバランスが取れた質の高い研究だと高く評価した上で、「臨床的にリンパ節転移のない乳癌患者においては、センチネルリンパ節転移陰性の場合の腋下リンパ節郭清の実施は、利益をもたらさないという有益なエビデンスが提供された」と締めくくった。
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う~~ん、、、5年生存率と8年生存率、ほとんど差がないとはいえ、若干ですが差がありますね。
しかし、後遺症を緩和するのに、リンパ節を郭清する・しないは、影響が大きい。リンパ浮腫は、QOLを大幅に落とします。

センチネルリンパ生検を正確に行える外科医を探すこと。
正確に行えたとしても、偽陰性はありえる。。。

生存率のちょっとの差を気にするのと、リンパ浮腫のような後遺症を気にするのと、どっちがマシかと問われたら、私はリンパ浮腫を回避することのほうがずっと大切です。


生存率のちょっとの差は、本当にちょっとしかないのだから、気にしないも~んと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >

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HER2陰性・ベバシズマブ国内臨床試験

2010年06月22日 | 病気・症状
ベバシズマブ(アバスチン)の国内臨床試験の報告が出たようです。対象はHER2陰性の転移性乳癌患者さんです。

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【日本人のHER2陰性転移性乳癌でベバシズマブとパクリタキセル併用がPFSを改善ASCO2010】 2010. 6. 7

  第46回米国臨床腫瘍学会 2010年6月4日~8日 Chicago, U.S.A.


 HER2陰性の転移性乳癌にベバシズマブとパクリタキセルを週1回投与することで、無増悪生存期間(PFS)が延長し、忍容性も認められることが日本のフェーズ2試験で明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、国立病院機構大阪医療センターの増田慎三氏が発表した。

 海外では3つのフェーズ3試験(E2100、AVADO、RIBBON-1)で、ベバシズマブとタキサン系抗癌剤などの化学療法との併用が、HER2陰性で局所進行または転移性乳癌の無増悪生存期間と奏効率を改善したと報告されている。国内でも中外製薬が2009年10月、化学療法との併用でベバシズマブの乳癌に対する適応拡大申請を行っている。

 日本のフェーズ2試験はE2100試験と同じレジメンで行われた。4週置きに、ベバシズマブ10mg/kgを第1日、15日に投与し、パクリタキセル90mg/m2を第1日、8日、15日に投与した。

 2007年4月から2008年7月に120人が登録された。年齢中央値は55歳、65歳以上が18%で、ECOG PS 0が90%と全身状態のよい患者が大半を占めた。また術前・術後補助療法を受けたことのある患者が55%だった。

 2009年6月の時点で、39人(33%)が治療を継続しており、治療期間の中央値は10.6カ月。治療を中止した81人では、増悪による中止が44%、有害事象による中止が15%だった。

 PFS中央値は12.9カ月(95%信頼区間 11.1-18.2)で、E2100試験のPFS中央値11.3カ月とほぼ近い結果となった。また治療成功期間の中央値は11.1カ月(同 9.3-13.6)だった。

 評価できた117人における完全奏効は4.3%、部分奏効が69.2%で、奏効率は73.5%(95%信頼区間 64.5-81.2)。24週間以上の病勢安定は11%で、クリニカルベネフィット率は85%だった。2009年8月までに24人(21%)が死亡。OS中央値には達していないが、1年生存率は88.9%。E2100試験の奏効率は50%、1年生存率は81%であり、日本のフェーズ2試験のほうが良好な結果だった。

 グレード3/4の有害事象は101人(84%)で認められた。ベバシズマブによる新たな有害事象はなかったが、グレード3/4の末梢神経障害が26%と、E2100試験に比べて多かった。そのほか主な有害事象は、グレード3/4の高血圧は17%、血液毒性ではグレード3/4の好中球減少が43%、白血球減少が27%。治療関連死はなかった。
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奏効率は7割、完全奏効も4.3%いるようですね。で、副作用は好中球減少が4割、末梢神経障害は3割弱、これはタキサン系の薬の副作用でしょうか。メリットとディメリット、やっぱり双方ありますね。
ベバシズマブは分子標的治療薬だから、副作用は少ないと信じたいです。


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HR陰性HER2陽性の術前化学療法が新たな展開か

2010年06月20日 | 病気・症状
ASCO2010年の報告がされているので、興味を引いたものをピックアップします。
HR陰性HER2陽性の乳癌患者さんの術後治療は、化学療法を数種類行うぐらいしか手がなく、予後が悪かったと、W医師が講座で述べたことがあります。しかし、ハーセプチンの登場により、予後の改善は明らかになったとも。

で、その講座のタイトルが「ここまで進んだ、乳癌の術前治療」だったんですが、、、術前化学療法を行い、しこりがCT画像から消失してしまった例をあげました。抗がん剤が劇的に効き、乳房を切除しなくても済んだ事例でした。
術前治療は、抗がん剤の奏効性が把握できるのが最大のメリットですね。

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【HR陰性HER2陽性の早期乳癌、術前の化学放射線療法で手術省略の可能性も ASCO2010】 2010. 6. 8
   第46回米国臨床腫瘍学会 2010年6月4日~8日 Chicago, U.S.A.

 早期の原発乳癌に対しては、全例手術を行うのが標準治療になっている。だが、ホルモン受容体(HR)陰性でHER2陽性の患者など一部の対象においては、術前化学療法の後に放射線治療を追加することで、手術を行わなくても済むようになるかもしれない。

 国立がん研究センター東病院化学療法科の向井博文氏らは、術前化学療法の後に放射線治療を行う治療スケジュールの安全性と有効性を検証し、将来手術を省略できそうな対象群を模索するためのフェーズ2臨床試験(JCOG0306)を実施。6月4日から8日までシカゴで開催されている第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)のポスターセッションでその最終結果を発表した。

 対象は、組織診で浸潤性乳癌と診断された臨床病期I~IIIA期の早期乳癌患者。腫瘍径は2.0~5.0cmで、performance statusは0または1とした。2004~05年の登録期間で108人が登録(ステージI:1人、IIA:52人、IIB:51人、IIIA:4人、IIIB:0人)。平均年齢は50歳(23-69歳)だった。 62%(67人)はホルモン受容体(HR)陽性、31%(34人)はHER2陽性だった。

 術前化学療法としては、AC療法4コース(ドキソルビシン60mg/m2とシクロホスファミド600mg/m2)の後にweeklyパクリタキセル療法(80mg/m2)を12コース行い、その後続けて放射線治療(45Gy+追加10Gy)を行った。化学放射線治療を完遂してから12~16週間後、すべての患者に対して、個々の患者に適した術式で手術を行い、病理評価を行った。

 主要評価項目は病理学的完全奏効割合(pCR rate)。将来、非手術療法(NST:nonsurgical treatment)を実現するためのまずは第一歩として、今回の検討では、pCR rateが50%を超えることを目標とした。また、副次的評価項目は、臨床的完全奏効割合(cCR rate)、乳房温存割合、無再発生存期間、全生存期間、有害事象とした。

 その結果、手術が行われた106人のうち、pCRを得たのは36.1%(39人)だった。 ただし、ホルモン受容体(HR)陰性/HER2陽性の患者(14人)ではpCR rateは57%と高く、HR陰性/HER2陰性のいわゆるトリプルネガティブの患者(25人)でもpCR rateは52%だった。一方、HR陽性/HER2陰性の患者(46人)では低く24%、HR陽性/HER2陽性(20人)では40%だった。

 術式としては、乳房温存術を受けた割合は88.9%で、対象をすべてのプロトコールを完遂した83人に絞ると94.0%(78/83人)に上った。各治療法による有害事象は軽度~中等度で、放射線治療による有害事象は、早期・晩期ともにグレード3、4に当たるものは発生しなかった。ただし、1人は乳房温存術3カ月後に放射線壊死による壊死組織切除を受けた。

 4年間の全生存期間は93.5%。再発率については、4.5年間の経過観察期間の中で、HR陰性/HER2陽性の患者で7%にとどまったものの、トリプルネガティブの患者では24%が再発していた。HR陽性/HER2陰性では22%、HR陽性/HER2陽性では15%だった。

 「全体としては予想していたpCR rateは達成できなかったものの、術前の化学放射線療法は、手術時の合併症を増加させることなく非常に高い乳房温存率を達成した」と向井氏。
 
 さらに、同試験はトラスツズマブなどこの数年で好成績を出している新薬が保険承認されていないときのレジメンであったものの、一部の群ではpCR rateが50%を越えていた。

 今後は、対象をpCR rateの高かった群に絞り、検討していく予定だ。「海外では化学療法とハーセプチンを組み合わせることでpCR rate 60%というデータがある。そこに放射線治療を加えれば、もっと高いpCRが得られるのではないか」と向井氏。「術前化学放射線療法でpCR rateが80%程度になれば、手術前に生検やMRIなどをで腫瘍の残存がないことを確認し、NSTを治療の選択肢として提示することが現実的になるかもしれない」と話している。
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この報告における早期の原発性乳がんでは、AC療法4コース(ドキソルビシン60mg/m2とシクロホスファミド600mg/m2)の後にweeklyパクリタキセル療法(80mg/m2)を12コース行い、その後続けて放射線治療(45Gy+追加10Gy)を行うと、、ホルモン受容体(HR)陰性/HER2陽性の患者の奏効性が他の型よりもよいようですね。
逆のHR陽性/HER2陰性の患者では低くなるが、全く奏効しないわけではない、といったところでしょうか。

自分がHER2強陽性だったので、HER2強陽性のがん細胞の増殖スピードに恐れを抱いています。画像や生検で腫瘍残存が確認されなくとも、本当に手術しなくて大丈夫なのかという不安も大きいです。もちろん、乳房全摘出しちゃえば、がん細胞は全てなくなった、とも思いませんが。

乳がんは全身病。
だから、早期の乳がんでも補助療法を考慮する必要がある。

で、術前治療で腫瘍残存がなくなってしまったら、患者としては大変ラッキーですよね。こうなると、ハーセプチンが加わった術前治療なんかの臨床試験の報告はないのかな、なんて思っちゃいます。

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エリブリンは新薬になるか

2010年06月17日 | 病気・症状
分子標的治療薬の開発が脚光をあびる現在、抗がん剤の開発も進んでいるようです。

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【前治療のある日本人の局所進行・転移性乳癌にエリブリンが有効で安全ASCO2010】 2010. 6. 7
第46回米国臨床腫瘍学会 2010年6月4日~8日 Chicago, U.S.A.

 アントラサイクリン系抗癌剤やタキサン系抗癌剤による治療歴がある、局所進行もしくは転移性乳癌に対し、エリブリンは効果があり、安全に投与できることが日本のフェーズ2試験で明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催されている第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、愛知県がんセンターの岩田広治氏が発表した。

 エリブリンは、エーザイが創製した新規化合物で、タキサン系抗がん剤とは違い、微小管の伸長を阻害することによって細胞周期を停止させる。今年3月、同社は局所進行・転移性乳癌を適応として、日本、米国、欧州で承認申請を行っており、日本での申請にはグローバルで実施されたフェーズ3試験と今回のフェーズ2試験のデータが用いられた。

 フェーズ2試験は、局所進行もしくは転移性乳癌で、アントラサイクリン系抗癌剤やタキサン系抗癌剤による治療を受けた経験のある患者を対象とした。エリブリン(1.4mg/m2)を3週間おきに第1日、8日に投与した。

 84人が登録され、22施設の81人に治療が行われた。ER陽性もしくはPgR陽性の患者が52人(65%)、HER2/neu陽性が9人(11.3%)、ER陰性・PgR陰性・HER2陰性のトリプルネガティブの患者が22人(27.5%)だった。

 前治療数の中央値は3回。アントラサイクリン系抗癌剤およびタキサン系抗癌剤による治療は全員が、カペシタビンによる治療は57.5%の患者が受けていた。

 主要評価項目であるエリブリンの奏効率は21.3%(95%信頼区間 12.9-31.8)で、完全奏効(CR)は0人、部分奏効(PR)は17人、病勢安定(SD)は30人。クリニカルベネフィット(CR+PR+6カ月以上のSD)は27.5%だった。

 サブグループ解析では、ER陽性/PgR陽性の患者の奏効率は23.1%、HER2/neu陽性が22.2%、トリプルネガティブでは13.6%だった。岩田氏は「アントラサイクリン系抗癌剤やタキサン系抗癌剤による治療後の患者さんでも、良い奏効率が得られた」と話した。

 また奏効期間の中央値は119日で、無増悪生存期間(PFS)の中央値は112日、全生存期間(OS)の中央値は331日、6カ月PFS率は20.1%、6カ月生存率は72.3%、1年生存率は45.4%であった。

 主なグレード3/4の毒性は好中球減少が95.1%、白血球減少が74.1%、発熱性好中球減少が13.6%、リンパ球減少は12.3%。またグレード3の末梢神経障害は3.7%に発生したが、グレード4はなかった。いずれも管理可能で、エリブリンの忍容性が認められた。
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エルブリンについて

 エーザイは6月1日、米国食品医薬品局(FDA)が、エリブリン (E7389)の局所再発性・転移性乳癌を対象とした申請を5月28日に受理し、あわせて優先審査品目に指定したと発表した。優先審査品目に指定されたことで、FDAは2010年9月30日までに何らかの決定を下すことになる。

 エリブリンは3月30日に日本、米国、欧州で同時に申請された。日本は即日受理され、欧州でも、2010年5月25日に欧州医薬品庁(EMA)が申請を受理している。

 今回の申請に用いられた主なデータは、グローバルで実施されたフェーズ3試験(EMBRACE試験:Eisai Metastatic Breast Cancer Study Assessing Physician's Choice Versus E7389)のもの。EMBRACE試験の詳細は4日からシカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)で8日に発表される。
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この報告におけるエルブリンの奏功は、ホルモン陽性とHer2陽性の患者に対しては2割ほど。トリプルネガティブで1割ぐらい、ということですね。
前治療数の中央値が3回だと、このぐらいってところでしょうか。

ハーセプチンの治療歴のある人の、ラパチニブ奏効率は1割という報告もあるようです。
それよりもは良い結果かと。。。


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成人T細胞白血病のキャリアが全国に拡散

2010年06月15日 | 社会
口蹄疫が吹き荒れる現在、封じ込めのために関係者が、大きなエネルギーを費やしています。伝染病は、一旦発生すると厄介です。被害の拡大はあっという間だからです。

動物の伝染病も、ヒトの場合と同様、初期段階で封じ込めなくてはなりませんよね。間違っても、「食べても影響ないんなら、しばらく様子を見ていてもいいんじゃね?」などと、ボケかましはやめてもらいたいものです。

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【成人T細胞白血病のキャリアが全国に拡散】 2010. 6. 8

 成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia:ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)への感染によって起こる難治性の疾患だ。いったん発症すると予後は悪く、有効な治療法は発見されていない。

 主なHTLV-1への感染経路は、母乳を介する母子感染(垂直感染)と精液を介して男性から女性へ感染する水平感染。キャリアのATL生涯発症率は約5%で、潜伏期間は50~60年。ただし、水平感染によるATLの発症は現時点で報告されていない。垂直感染は、母乳を与えないことで、子どもの感染リスクを約30%から数%まで減らせるという。

 しかし、「ATLは九州地方の“風土病”と思われ、その結果、対策で後れを取ってきた」と、HTLV-1感染の実態調査を取りまとめた、元国立感染症研究所血液・安全性研究部部長の山口一成氏は話す。

 1991年の厚生省(当時)研究班の報告書では、「キャリアの数は地域差があり、全国的な検査や対策は不要」とされた。また、放置してもキャリアは自然に減少し、いずれゼロになるとの試算も行われた。

 ところが、山口氏らが2006~07年に、16~65歳の初回献血者約120万人のHTLV-1の陽性率を基に推計したところ、88年の調査で120万人だったキャリアの数は、約108万人と顕著に減ってはいなかった。しかも、関東・中部地方ではキャリア数が増加し、キャリアが全国に拡散している実態が明らかになった。ATLの新規発症者数は、88年は約700人/年だったが、07年は約1030人/年に増加していた。

キャリアの高齢化も認められている。88年では50歳代が最も多かったが、07年では70歳代が最多だった。山口氏は「ATLの発症年齢も高齢化している。従来より負担の少ない治療法も出てきたが、高齢者への治療戦略については今後の課題」と話す。

 山口氏は、母子感染スクリーニングを全国的に実施し、感染予防策を徹底すべきだと訴える。日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は、産婦人科診療ガイドラインの11年の改訂に当たり、妊婦全例でのHTLV-1検査の勧奨を検討中だ。

 長崎大原研内科准教授の塚崎邦弘氏は「酵素免疫法(EIA法)やゼラチン凝集法(PA法)単独の抗体検査では、非特異反応による偽陽性が見られることがある。ウエスタンブロット法や蛍光抗体法(FA法)を追加し、必ず複数の検査で確認すべきだ」と話す。長崎県では、87年から妊婦検診で積極的にHTLV-1スクリーニングに取り組んできた。キャリアと判明した場合は人工栄養を勧奨し、感染率を長期母乳と比べて約8分の1に抑えられたという。

 最近の研究から、HTLV-1のウイルス量が多いキャリアほどATLを発症しやすく、家族歴や年齢、合併症がリスク因子であることも分かってきた。「今後は、“ATLを発症しやすい人”を特に慎重にフォローするといった対応が可能になるかもしれない」と山口氏は期待を寄せている。
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ATLが「風土病」にされたところが、今日の全国的な拡散につながったようですね。
学生時代に、私も「白血病を引き起こす風土病がある」と習った記憶があります。場所の記載はなし。差別につながるという理由でした。知らずにその地へ旅行に行き、川の水をすくって飲んだら感染するのかしら?なんて思いましたっけ。

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【<縄文のウイルス>遅れた感染症対策/下 「風土病」国が対応放置】 毎日jp2010年6月11日(金)13:00

 ◇病院転々、診断やっと
 ◇九州以外、医師の認識低く/治療費、保険外の場合も

 「ウイルスの病気なのに診断がつかず、病院を転々とする。本当につらい」。HTLV―1関連脊髄(せきずい)症(HAM)や成人T細胞白血病(ATL)の患者の切実な声だ。

 5月中旬、患者、家族らでつくるNPO法人「はむるの会」(山越里子理事長)の1周年総会が神奈川県内の病院で開かれた。昨年6月に設立され、情報交換などをしている。

同会の鈴木芳子さん(59)が振り返る。「たった15分の朝礼で立っていられなくなり、48歳のとき、デパートの販売員をやめました」

 最初は整形外科を受診したが、医師は「運動をするように」とそっけなかった。その後、関東一円の病院を次々と受診したが、徐々に歩けなくなった。親類の元医師から「脊髄に異常があるのでは」とのアドバイスを受けやっと病院でHAMと診断された。デパートをやめて5年たっていた。

 同会理事でHAM患者の石母田(いしもだ)衆さん(64)は診断までに7年かかった。石母田さんは98年に家族で血液検査を受け、6人兄弟のうち次男の石母田さんを含め4人の感染が分かった。その後、三男は03年、ATLで亡くなった。それでも、医者からHAMの説明を受けたことはなかった。

 石母田さんは医師の認識の低さを嘆く。「病院にかかるたびにキャリアーだと告げたのに、『HAMの疑い』と言われるまであまりに長すぎる」

 HAMの研究をしている聖マリアンナ医科大の山野嘉久准教授によると、頸椎(けいつい)の異常と診断され、首の手術を受けた患者も少なくないという。「(患者の多い)鹿児島なら、MRI(磁気共鳴画像化装置)など画像の所見に比べて症状の出方が強ければHAMを疑って血液検査をするだろう」。しかし、九州以外の診断体制は遅れている。

 ――成人T細胞白血病 母乳感染説を検証

 86年12月の本紙1面の見出しだ。感染防止に向けた国の早急な対応の必要性が報じられた。当時研究者の間でもその機運が高まっていた。だが、90年の厚生省(現厚生労働省)研究班の報告書が風向きを変える。

 「感染者は自然に減少し、将来は消滅する」としてキャリアー率の高い地域以外の対策は不要とした。その後「研究費は減り、研究者も離れていった」と山野准教授は振り返る。

 あれから約20年、キャリアーは全国に広がった。HAM患者で「日本からHTLVウイルスをなくす会」(鹿児島市)代表理事の菅付加代子さん(53)は訴える。「『発症率が低い』『風土病だ』として緊急性が軽視されたため対策が遅れた。私たちはもう待てない」

 一方、患者には治療費の負担が重くのしかかる。今村病院分院(鹿児島市)の宇都宮與(あたえ)・院長によると、ATL治療ではエイズ患者と同じ治療薬を使うことがある。だが、薬害などによるエイズ患者は医療費が無料になるが、ATL患者は保険が利かず、自己負担となるケースがある。

 さらに、国の研究費助成は、同じ感染症のC型肝炎に比べて100分の1程度だ。日ごろATL患者と接している宇都宮院長は「キャリアーの段階で発症を抑える治療法の研究も必要」と、せめて10億円以上の研究費があればと訴える。

 キャリアーを減らし、患者を救うことはできるのか。渡辺俊樹・東大大学院教授(HTLV―1研究会会長)は「108万人のキャリアーは、健康行政上の大きな課題だ」と指摘する。そのうえで全妊婦の検診の実現、治療・研究対策の充実を求めている。
「先進国では日本に特有のウイルスなので、日本が率先して対策をすべきだ」
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 ■主な相談窓口
HAM   鹿児島大学病院、京都大付属病院、聖マリアンナ医科大学・難病治療研究センターの各神経内科など
ATL   鹿児島大学病院、東京大医科学研究所付属病院、長崎大学病院、大阪市大付属病院、北海道大学病院の各血液内科など
キャリアー 鹿児島大学病院キャリア外来
母子感染  市町村や都道府県の母子保健関連部署、保健所など
患者団体  「日本からHTLVウイルスをなくす会」(099・800・3112、メールnakusukai@po.minc.ne.jp)▽「はむるの会」(ファクス046・292・5880
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>「感染者は自然に減少し、将来は消滅する」としてキャリアー率の高い地域以外の対策は不要とした。その後「研究費は減り、研究者も離れていった」

この辺りも、全国拡散の原因になっているようですね。

なぜ、感染者が自然に減少すると考えたのか?
「風土病」だからでしょうか?

その地方しか発生しないのだから、大都市のように人々の転出入がない。だから自然に消滅する??

でも、他人へ感染することがわかっていたのだから、、、ましてや白血病の一つであるのなら、誰もが感染したくないでしょう。

じん肺や薬害エイズ、注射器使い回しによる肝炎など、原因は比較的わかっているのに、積極的に調べず、結果的に被害者を増やしてしまう。責任の所在はうやむやに。

「美しい国、日本」を目指す、なんて言った人がいたけど、それは「臭いものに蓋」をすることではないよと思う人、
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蚊に刺されの神秘

2010年06月13日 | 病気・症状
梅雨入り前のこの時期、草むしりをシッカリやっておかないと、、、雨が降ってどえらい目にあってしまいます。でも、既に蚊が発生。

私は子どもの頃から蚊に刺されやすく、私がいることにより、他の人たちが刺されることはありまへん(T*T)。いますよね、こーゆー人。
しかも蚊にさされた痕が、年々、赤く大きく脹らんでしまうようになりました。加齢により、免疫能が落ちてんのか?

草むしりをする際、この蚊の対策が一番重要なんですが、、、肌が弱いので、虫除けスプレーを体に当てるのはちょっとぉ。。。蚊取り線香は、なんだか肺に悪いような気がするし。

というわけで、炎天下に行うのが比較的、蚊の少ない時間帯なんですわ。暑くて別の問題が起こりそうですが・・・。

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【刺される場所によって痒さのレベルが違うのはどうして?】 R25.jp 2010年6月5日(土)10:00

バーベキューや山登りなど、アウトドア活動が増えてくるこの季節。暖かくなるとともに思い出されるのが、蚊の存在です。そこで思い浮かぶ素朴な疑問が、“刺される場所によって痒みが違うのはなぜ?”ということ。指先なんかを刺されると、異常に痒い気がしませんか?

というわけで、蚊の研究や駆除、実験、企業への情報提供を行い、多数の蚊に関する著書がある害虫防除技術研究所・代表の医学博士、白井良和さんに話を聞きました。

「確かな因果関係は証明されていませんが、指先などは“神経が集中しているから痒く感じる”という説があります。その他には、“皮膚が薄い部分”を痒く感じる人もいるようです。ちなみに、個人の痒みの感じ方は、これまで蚊に刺されてきた回数、つまり免疫の状態によって異なります。これまで刺された回数が多い人ほど、痒みや赤みが出にくいという結果もあります」

なるほど。刺される部位を問わず、子どもの頃、元気に外で走り回っていた人は、蚊にも強いのかもしれないですね。では、刺されやすいのはどんな部分ですか?

「ナンバーワンは圧倒的に足です。これは、汗を発しやすい部分であり、ニオイが蚊を引きつけるため。同じ理由により、第2位には手がランクインしています。第3位は顔で、蚊が好む皮脂が多いため刺されやすい。“普段から露出している部分だから”と思われるかもしれませんが、下着姿の被験者で実験をした際に出た結果なんですよ」

裏を返すと、体を清潔に保つのが蚊に刺されないポイントだと。ちなみに、“刺された箇所に爪でバッテンを作るとかゆみが治まる”というのは、やっぱり迷信?

「痛みによって痒みを忘れているだけですね。おまじないのように精神的な効果がると思う人もいるようですが、あまりやりすぎて傷をつけると、細菌が入ってしまうので注意してください」

最後に、“蚊に刺されやすいタイプ”についても知っておきたいのですが。

「蚊は水分や熱、二酸化炭素を感じて人に近づいてきます。そのため、よく汗をかく人や、体温が高い人は刺されやすくなります。端的にいうと、太っている人は水分や熱を発しやすいことと表面積が大きいことから、蚊に刺されやすいタイプと言えます」

お腹回りの贅肉が気になっている人は、蚊に嫌われる体質になるために、夏に向けてダイエット…というのも一石二鳥でいいかも!? 
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>個人の痒みの感じ方は、これまで蚊に刺されてきた回数、つまり免疫の状態によって異なります。これまで刺された回数が多い人ほど、痒みや赤みが出にくいという結果もあります」

あら、私は年々、痒みを強く感じるようになってるんですけど。とにかく、免疫が関与しているようですね。

>ナンバーワンは圧倒的に足です。これは、汗を発しやすい部分であり、ニオイが蚊を引きつけるため。同じ理由により、第2位には手がランクインしています。第3位は顔で、蚊が好む皮脂が多いため刺されやすい

いや~ん(>_<)、汗とニオイが関与ですかい。私なんか、肘の関節のとこや首筋まで刺されちゃいます。
ニオイというのは、がっくりです。だって、夏なんかシャワーを2回あびて、汗を流しているのに。

>蚊は水分や熱、二酸化炭素を感じて人に近づいてきます。そのため、よく汗をかく人や、体温が高い人は刺されやすくなります。

は~い、私は汗っかきで~す。クーラーが苦手なので、夏場は扇風機を回し、水をゴキュゴキュ飲んでしのぎます。汗がよく出ちゃうし、体温も高くなるし、、、なるほど、これは身に覚えがありますわ。
そして、高齢者に蚊が寄ってこない理由も、なんとなく想像がつきますね。


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乳癌検診とTBS

2010年06月10日 | マスコミ
私は乳腺が濃くて、マンモグラフィーを撮ると真っ白に写ってしまいます。
「これじゃ癌があっても全然わからないよ、まるで20歳代の女性の乳腺だ」、と、何人の医師に言われたことか。

乳癌検診では毎回、マンモグラフィーは撮っても無駄になってしまい、エコー検査も必ず行います。カラーエコー検査だと、しこりの温度がわかりやすくモニターに写され、癌なのかの判定がしやすくなっています。

乳癌患者の皆さまならば、中村清吾先生、上野直人先生の名は、一度は目や耳にしたことがあるでしょう。
私は“生”中村先生を見たことがありますが、写真よりずっとハンサムです(*≧m≦*)ポッ
ってことが言いたいんじゃなくて…("`д´)ゞ

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【番組きっかけの乳がん検診 TBSに医師らが中止要望】  2010年6月10日1時44分
 
乳がんのため24歳で亡くなった女性を取材した番組「余命1カ月の花嫁」をきっかけに、TBSが展開している20~30代女性を対象にした乳がん検診を中止するよう求める要望書を、医師や患者ら38人が9日、同社に提出した。20~30代への乳がん検診の有効性に科学的根拠はなく、不必要な検査につながるなど不利益が大きいと指摘している。

 要望書を提出したのは、中村清吾・昭和大教授や上野直人・米MDアンダーソンがんセンター教授ら、乳がん治療の第一線で活躍する医師のほか、がん経験者、患者支援団体のメンバーら。

 「科学的根拠のない検診を、正しい情報を発信すべきテレビ局が行うことは倫理的に問題が大きい」として、検診の中止を含め活動の見直しを求めた。また検診を20~30代女性に限定している理由などを問う公開質問状も内容証明郵便で送った。

 国は指針で、乳がん検診は40歳以上を対象に、マンモグラフィー(乳房X線撮影)検査と、医師が胸の状態を診る視触診の併用を推奨している。要望書は、20~30代女性への検診は、放射線被曝(ひばく)やストレスを増やし、がんを見逃す場合もあると指摘。メディアの役割は、異常を感じたら医療機関へ行くべきと呼びかけることだとした。

 TBSは2008年から検診を実施。これまでに約7千人がマンモ検診を受けた。今年も、15日から舞台で上演されるのと連動し、東京や大阪などでエコー(超音波)検診を実施している。
     ◇
 TBSのコメント 要望書で指摘されている点は、現在の医学界の基準的な考え方で、反論するところはない。ただ、40歳未満の乳がん罹患(りかん)者は年々増えており、あくまでも自己責任・自己負担で検査を受けることは意味があると考えている。
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医師側は、

〉科学的根拠のない検診を、正しい情報を発信すべきテレビ局が行うことは倫理的に問題が大きい。

〉20~30代女性への検診は、放射線被曝(ひばく)やストレスを増やし、がんを見逃す場合もある。メディアの役割は、異常を感じたら医療機関へ行くべきと呼びかけることだ。
〉20~30代への乳がん検診の有効性に科学的根拠はなく、不必要な検査につながるなど不利益が大きい。

と訴えているのに対して、TBS側は、
〉要望書で指摘されている点は、現在の医学界の基準的な考え方で、反論するところはない。ただ、40歳未満の乳がん罹患(りかん)者は年々増えており、あくまでも自己責任・自己負担で検査を受けることは意味があると考えている。

とコメントしていますね。

〉反論するところはない。ただ、あくまでも自己責任・自己負担で検査を受けることは意味があると考えている。
〉反論するところはない。ただ、あくまでも自己責任・自己負担で検査を受けることは意味があると考えている。
〉反論するところはない。ただ、あくまでも自己責任・自己負担で検査を受けることは意味があると考えている。

すみません。
「反論するところはない、が、自己責任・自己負担で検査を受けることは意味がある」
のつながりが、よくわかりません。。。(。-∀-)


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なかのひと

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米国の環境汚染はトイレから?

2010年06月08日 | 社会
米国でナース・プラクティショナーとして働く日本人の女性のブログで、おもしろいトピックを発見。

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【アメリカ人がトイレに流すモノ】  2010. 5. 25

著者プロフィール
緒方さやか(婦人科・成人科NP)●おがた さやか氏。2006年米イェール看護大学婦人科・成人科ナースプラクティショナー学科卒。現在、米イェール大NP学生の臨床指導のほか、クリニックで週4回の外来も担当。「チーム医療維新」管理人。


 14歳の時、親の転勤について米国に来ることになった。米国に住み始めた当時、母がどこからか情報を仕入れてきては私に吹き込んでいた。ある日、母は恐ろしそうに「アメリカでは、死んだ金魚をトイレに流すんだって」と言った。それを聞いたときには、「まさか!」と思った。あったとしてもまれなことだろうと。第一、日本と違ってほとんどの人が庭のある家に住んでいるのだ。お墓を作ってあげる場所は十分にあるではないか。

 それから16年経った今言えるのは、確かにこの国ではいろいろなモノをトイレに流すということだ。渡航後、私は寮生活を経験し、ルームメイトとの共同生活も行うなど、米国人の暮らし方を観察する機会に恵まれた。

 ディスポーザーのようなものが備え付けられた素敵な台所はまれで、寮では食べ残しや使用済みのコーヒーの粉などを、トイレに流す人が多かった。「糞尿を通せるパイプなら残飯もゆうに通せるだろうし、ゴミ箱が臭わなくて済む」という論理だろう。おかげで便器にはひからびたramen noodle(カップラーメンはこちらの大学生の夜食として大人気である)がこびりついていて、気持ちが悪いこともあった。

 そんなある日、長年の疑問を解消すべく、友人たちに「ペットの金魚を、死んだ後に、トイレに流したことある?」と恐る恐る聞いてみたところ、多くの友人が肩をすくめて「あるよ」と返答した。死んだどころか、生きた金魚を 飽きたからトイレに流してしまったという人もいた。 また、一人の友人は子供のころ、死んだ亀をトイレに流し、トイレを詰まらせた経験があるという。この国の下水には、一体どのようなものが流れているのだろう。

「余った薬はトイレに流すよう指導して」

 さて、それからまた何年か後、看護学生をしているころ、「子供がゴミ箱から拾って食べたりするのを防ぐために、使わなかった薬は必ずトイレに流すように患者さんに指導しなさい」と教わった。実際、多くの患者さんは、飲み残した薬などはトイレに流しているようだったし、モルヒネ系の薬の一部は、悪用されるのを防ぐため、そのような指示がパッケージに明記してあることもある。

 また、私が見た病院や介護施設では、不要になった薬や期限の過ぎたサンプル薬などは大きな箱に集められ、看護師がトイレでひたすら流していた。医療施設のポリシーによって、ほかの廃棄方法は許されていないと言う。次々と流されていく抗うつ薬や痛み止めの数々を見て、空恐ろしい感じがした。下水処理施設は薬剤の濾過まで考慮しているとは思えなかったからだ。

 実際、昨年2月の米国Associate Pressの報告によると、米国では毎年約1億1000kgの薬剤が病院や介護施設によって下水に流されている。人間が服用した薬でさえも、薬によっては尿を通して下水に流れている。特にホルモン系の薬剤が野生の魚や蛙などへ及ぼす影響はすでに知られているし、実際の関連はまだ調査中だが、人体へも影響している可能性が高いという。

 高まる懸念に応えてか、地域自治体などによって、不要な薬を1カ所に集めて正しく処理しようとする動きもあるが、まだまだ少ない。昨年10月にはアメリカ政府のOffice of National Drug Control Policyが、悪用される恐れの高いモルヒネ系などの薬を除き、「不要な薬をトイレに流さないように」という画期的なrecommendationを出した。トイレの代わりに「薬は猫トイレの砂か、使用済みのコーヒーなどに混ぜて、ふたの閉まるプラスチック容器に入れて捨てましょう」という呼びかけにどれだけの人々が応じるかは疑問だが、安全な薬処理への第一歩であることは確かだ。

 薬をトイレに流すことによる人体への影響については、調査で少しずつ明らかになっていくのだろう。またこれから先、「薬の廃棄処理」という分野で、新しいビジネスや法律ができていくのかもしれない。一人の医療従事者として、そして、上下水道を使う一人の市民として、気になるところである
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>看護学生をしているころ、「子供がゴミ箱から拾って食べたりするのを防ぐために、使わなかった薬は必ずトイレに流すように患者さんに指導しなさい」と教わった。
>モルヒネ系の薬の一部は、悪用されるのを防ぐため、そのような指示がパッケージに明記してあることもある。
>不要になった薬や期限の過ぎたサンプル薬などは大きな箱に集められ、看護師がトイレでひたすら流していた。医療施設のポリシーによって、ほかの廃棄方法は許されていないと言う。

ひえぇ~~っ!
日本人とアメリカ人とでは、トイレを使う目的が激しくちがうようですね(*0*;)。これって、すんごい環境汚染じゃないですかっ!!

日本の場合、学校などで化学実験をする際、劇薬や有機溶剤など、いくつかに廃液入れを用意しなくちゃいけなくなっています。当たり前といえば、当たり前ですな。

今まで、中国野菜は農薬ガンガンでコワイと思っていましたが、、、アメリカ野菜はもっとコワイんかい?!
なるほど、ブッシュが京都議定書をへっとも思わなかったわけだわ(苦笑)。


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赤ちゃんの細胞

2010年06月06日 | 病気・症状
半年前に手の甲を擦り剥いちゃったんですけどね、多少の出血があった程度で、気にもしなかったんですが。
もちろん、傷は絆創膏を貼っただけで直りましたとも。

でも…。

傷跡が残っちゃったんですぅ(T*T)。
も~、信じられない! ざっくり切ったわけじゃないのに、かさぶただって1週間でとれたのに、なんで傷跡が残るのぉぉっ。

若い頃だったら跡形もなく治った傷が、跡形のある治り方になりました。ああ、悲しい。ナルトの九尾のチャクラが欲しいわ。綱手姫の細胞活性の術も。。。
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『【母親学】東京工業大教授 本川達雄』 産経新聞 2010年5月5日(水)08:00

■ 寝て食べて大きくなる赤ちゃん

 「赤ちゃん」はなぜよく寝るのだろう? ヒントは動物界にあった。体が小さいハツカネズミは大きなゾウよりも何倍も眠り、食物は18倍も食べる(体重比)のだという。小さい動物の細胞ほどエネルギーが必要だからだ。赤ちゃんも同じ。体をどんどん大きくするため、よく寝てよく食べる…。「生物学」から見た“赤ちゃんの不思議”を紹介する。
                   ◇
 赤ちゃんって、しょっちゅう寝ていますね。生後数カ月の赤ちゃんなら、1日の3分の2は眠っています。なんであんなに寝ているのでしょう?

 突然動物の話になりますが、ハツカネズミは13時間も眠ります。ゾウは3~4時間しか眠りません。小さなものほどよく眠る傾向がみられます。

 こんな傾向が生じるのには、動物がどれだけエネルギーを使って生きているかが関係していると私は考えています。

 体は細胞からできており、細胞はエネルギーを必要とします。そのエネルギーを動物は食物から得ています。だから食べなければエネルギー不足になり、死ぬのです。

 細胞は大きい動物のものでも小さい動物のものでも、見かけもサイズもそれほど変わりはありません。

 ところがエネルギー使用量は大違いで、小さい動物の細胞ほど大量に使うのです。

 だから、小さいものは体の割にはたくさん食べねばなりません。例えば、ハツカネズミは(体重当たりで比べると)ゾウの18倍も食べます。細胞がそれだけエネルギーを必要とするからです。子供は小さいけれど、よく食べますよね。「痩(や)せの大食い」もよく知られたことです。

 エネルギーを使うとは、仕事をしているということです。

 体の小さな動物の細胞は、より多くの仕事をしている、つまり活発に働いているのです。そして、そういうものほど長く眠るのです。よく働けばよく眠るわけです(ちなみに運動選手の睡眠時間は長いと聞いたことがあります)。

 赤ちゃんの細胞は、母親の4倍ものエネルギーを使っています。極めて活発に仕事をしているのですね。

 赤ちゃんの仕事とは、体をどんどん作って大きく育っていくこと。この、ものすごく大切な仕事を懸命に行っているのが赤ちゃんなのです。

 だからこそ、よく眠る必要があるのでしょう。「寝る子は育つ」のです。
                   ◇
【プロフィル】本川達雄
 もとかわ・たつお 東京工業大学大学院生命理工学研究科教授。専門は生物学。昭和23(1948)年、宮城県出身。東京大学理学部生物学科(動物学)卒。著書に『ゾウの時間ネズミの時間』(中公新書)、『「長生き」が地球を滅ぼす』『世界平和はナマコとともに』(いずれも阪急コミュニケーションズ)など。
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私が赤ちゃんを驚異に思ったのは、朝に擦り剥いた傷が夜には治っていることです。チョイ傷なら、かさぶたになるのが早くて剥げ落ちるのも早い。細胞分裂のスピードが、大人とは全然ちがいますね。

最近、夜の9時を過ぎて、ファミレスに赤ん坊連れてやってくる家族を見かけることが増えました。これ、赤ん坊には絶対よくないと思います。
成長ホルモンは夜、分泌するんですよ。

赤ん坊だからわからないよと、手を抜いてはいけません。親が笑わないと、子どもも笑わない。無表情系の子どもの一丁上がり!になってしまいます。
有名幼稚園の面接官は、子どもを見るというより、親のそういった表情を面接で見るといいます。子どものうちは、無限の可能性を秘めているので、入園して仕込めばそれなりに伸びていく。でも、反復復習するはずの家庭が、子に対して関心が薄いと、せっかく子どもが幼稚園で興味を持ったことでも、家庭でつぶすことになってしまう。

親の都合で子どもの睡眠をうばわないよう、子どもの立場を想像してほしいものです。
「子どもがどんなふうに育ってほしいか」の問いに、「人に迷惑をかけない子」と答える母親は大変多い。おそらく子どもも、「自分に迷惑をかけない親になってほしい」と思っているんじゃないかしらん。

で、親が学校に文句を言ってくる内容のNo1は、「うちの子の個性を大事にしてほちい」なんだそうです。


親の愛情は藍より深いんだねえΨ(`∀´#)と思った人、<ここをクリックよろしくね~ >

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陽子線治療は夢の治療か

2010年06月03日 | 病気・症状
2年近く前に、このブログで陽子線治療について取り上げました。で、その成果みたいなもんが上がってきたので、再び取り上げましょう。

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【男性機能を残しながら前立腺がんを治療!? 飛躍的に向上した日本のがん治療最前線】

「治るのか?」「仕事は続けられるのか?」「いくら位かかるのか?」「痛いのか?」
 ビジネスマンの方は、医師にがんを告知されるとこれらのことが気になって仕方がない。「通院だけで、手術をしないで痛みや苦痛がなく完治したい」と夢のようなことを誰でも願うはずだ。しかし、そんな夢のようながん治療を、実は500人もの患者が既に行っている。今回は、夢のがん治療である「陽子線治療」を民間で初めて採用した脳外科医渡邉一夫氏に話を聞いた。

渡邉一夫/医学博士。1971年福島県立医科大学医学部卒業/1981年秋田県厚生連雄勝中央病院脳神経外科部長1984年(財)脳神経疾患研究所理事長、同南東北病院院長/1991年北京大学客員主任教授/2004年福島県立医科大学臨床教授

■日本のがん治療が飛躍的に変わった
 
2008年秋。世界ではじめての民間の陽子線治療施設が福島県の郡山で誕生した。同業の医師から100億を超す費用に『あんな高価なものを…』という妬みの声も囁かれた。

 しかし渡邉氏は確信していた。「医師は最もいい医療サービスを患者さんに提供すべき。そしてがんは治る病気になった」と。

 例えば、舌がんで舌を取る手術を勧められた患者さんは、陽子線治療の副作用もなく、楽しく食事ができるようになった。肺がんが全身30カ所以上転移していたのにも関わらず、ほぼ完治して元気に会社に通う男性もいた。皮膚がんで、顔の皮膚を切り取る手術を回避した女性は毎日普通にメイクを続け楽しく暮らしている。咽頭がんでも声帯を取らなかったので、現在ではカラオケを楽しんでいるお年寄りもいる。

 陽子線治療で患者さんの笑顔が戻った。「がんを克服したあとの人生こそが大切だ」。渡邉氏は常にそれを考えていた。

■がん告知をするようになったのは「がん=治る病気」だから

 20年前。日本ではがん告知は行われていなかった。その頃、「がん=死につながる病気」というイメージが強かったからだ。しかし、現在は告知が当たり前になっている。

渡邉氏の病院では、がんを早期発見できるPETが6台ある。70人の放射線技師とともに連日フル稼働している。渡邉氏は、即日PET検診を日本で初めて導入した。
 他の病院のなかには、PETを予約すると数ヵ月先まで予約がいっぱいと言われるところもあるという。自分の健康に不安を持つ患者さんが、勇気をもって検診に来たのに「今日は予約をして、数ヵ月後に出直してほしい」というのはおかしい。もし、がんであったとしたら進行してしまう。がんを少しでも早くみつけてあげたい。渡邉氏は即日PETができるシステムに改善した。がんは早期発見できれば治る。渡邉氏は病気に対して前向きな姿勢を崩さない。

■ 高齢化社会の進行により近い将来、手術のできない患者が急増

 現在75歳以上の高齢者は1160万人。2025年には2167万人に達すると予想されている。渡邉医師は以前から、高齢化社会が進むと、がんの病期に関わらず、手術ができない患者が急増し、放射線や陽子線治療の果たす役割が増えていくと考えていた。

 ただ、従来の放射線治療だと、ピンポイントでの照射が難しい場所もある。例えば直腸がんであれば、放射線によって近くの肛門の細胞が壊されて人工肛門になったり、前立腺がんも放射線治療でがんは完治できても、男性機能が失われてしまう場合があった。

 それに対して、陽子線治療は正常細胞への影響が極端に少ないことが魅力だ。しかも、患者さんはベッドに数分寝ているだけ。最近は生命保険の高度先進医療特約に加入していれば、治療費が支給されるようになった。患者さんの経済的な負担も劇的に軽減されてより身近な治療になったことが嬉しかった、と渡邉氏は語る。

■脳ドックを世界ではじめて実施早期発見で治療費は約10分の1に
 
渡邉氏は脳外科医だ。多い年は、年間500件の手術をこなしてきた。脳出血、脳梗塞、脳腫瘍など、難しい手術を12時間立ちっぱなしで行うのは当たり前。しかし、長時間に及ぶ手術をしても助けられない患者や後遺症が残る患者もいた。

その思いから脳ドック学会を立ち上げた。脳血管が破裂してから手術すると後遺症が残りやすくなり、しかも治療費が1000万近くかかる。しかし、MRIで事前に梗塞をみつけて手術をすると、予後がよいだけでなく、費用も10分の1の100万程度で済む。

 外科医師でありながらも常に予防医学と患者さんの肉体的、経済的な負担を軽減することに常に心を注いだ。その思いは、現在のがん治療につながっている。

■「中国でもがん告知ができるように」東アジアのがん治療の発展につくす
 
また、渡邉氏は北京大学客員主任教授の肩書も持っている。1991年から北京大学で教鞭をとり、中国の医師育成にあたってきた。中国で教壇にあがり、手術にも立ち会った。

 万博が開催される2010年春。世界最大の都市、上海の浦南医院国際診療部と医療連携を結んだ。渡邉氏は陽子線治療が東アジア全体のがん治療を飛躍的に発展させると確信している。

「すべては患者様のために」。これが身上だ。現在中国でははまだがん告知は行われていない。PETもまだ普及していない。日本だけでなく、中国の患者さんのために「治ります」と笑顔で言えることが夢だ。
 医療ビザの発給を日本政府が検討段階に入ったと発表した。渡邉医師のチャレンジは続く。
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なんだか、この治療は、イイことづくめのような読後感なんですが。。。

実は2年ほど前、身内に肺がんになった人がおり、私も同伴者として陽子線治療をする病院へ説明を聞きにいったことがあります。
身内の病状は、CTで見ると片肺に3か所の肺がんがあり、一番大きいもので直径1.5センチでした。

その施設の陽子線治療は、がんが1センチ以下を対象にしていました。また、動脈のすぐ横にできていたため、陽子線が血管に触れる可能性が高いとのこと。そんなこんなで、治療は受けられなかったです。
当時、治療費は300万円以上となっていたと記憶しています(保険適応外)。

そこから2年。この治療の技術も更に向上したでしょうか。

私が今一つ乳房再建手術に踏み切れないのには、この技術革新があります。待てば待つほど、体に負担が少なく、しかもすぐれた技術が開発されます。テレビやパソコンの開発みたいです。
手術はもーごめんだわと思う半面、きれいで自然な仕上がりの胸が手に入るのなら私もやりたいと、心は大きく対極へと振れます。

癌になってしまうと、医師の「治ります」は、夢のような言葉になりますよね。
そうハッキリ言ってくれなくとも、「この先生ならきっと、自分に一番良い治療をしてくれるはず」と思う信頼感があればOKなんですけど。。。

私の主治医は術後すぐ、「悪いところは全部取った、もう心配ないよ」って言って下さいました。すごーくホッとしました。
よく考えると、、、そりゃそーだ、全摘だもん、なんですけど。。。(笑)


この記事を20字で要約すると、「がんを克服したあとの人生こそが大切だ」だと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >


がんを「克服」、、、すごい言葉だわ。私はいまだにビクビクしています。
自分がこの言葉を使える日とは、、、○○教の「教祖さま」になっちゃった日だったりして…(・∀・;)。

なかのひと

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卵とコレステロール値

2010年06月01日 | 病気・症状
「コレステロール値が高いのですが、卵は食べてもいいでしょうか」。
栄養相談で、必ず尋ねられる質問です。

私が通った大学では、学生から志願者を募り、毎日卵を6個食べる実験をしたことがあります。
結果は、血中コレステロール値に変化はなし。
ただし、20代前半の若い女性のデータですが。

ゆで卵を毎日6個食べるのは、、、かなりいやんなっちゃいますけど(笑)。でも、ケーキやプリンみたいな洋菓子には、ちょっとした量の卵がはいっています。卵を1個から2個へ倍増しても、体に大きな変化はないようですが、その分、野菜とか果物とかを食べる量を減らさないよう、バランスをとりましょう。

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【動脈硬化】卵の摂取を制限すべきか  2010. 4. 20


「コレステロール値が高いのですが、卵は食べてもいいでしょうか」。患者から一度はこんな質問を受けたことがあるはずだ。

 確かに鶏卵は、1個当たり約215mgと多くのコレステロールを含んでいる。しかし、実際に卵摂取と心筋梗塞の関連を調べた厚生労働省研究班による多目的コホート研究(JPHC研究)の結果、卵摂取の多寡と心筋梗塞の発症リスクは関連しないことが明らかとなった。

 この研究では、1990年代初めに40~69歳の男女約9万人に対し、食事調査を実施。そのうち36%(約3万3000人)について血清総コレステロール値を調べたところ、卵の摂取頻度と血清総コレステロール値との間に関連性は認められなかった。

 また、約10年の追跡調査の結果、卵を毎日食べる群に比べ、ほとんど食べない群でも、心筋梗塞の発症リスクは低下しなかった。つまり、この研究では、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を予防するために、卵を制限する根拠は得られなかったわけだ。

 ただし、この結果からは「卵の摂取を控える指導が全くの誤りとまではいえない」。結果を分析した京都女子大家政学部教授の中村保幸氏はこう付け加える。一般住民が対象のJPHC研究で、卵の摂取頻度と血清総コレステロール値に関連がなかったのは、もともとコレステロール値が高い人が、動脈硬化を心配して卵の摂取を控えた可能性があるからだ。

 80年に行われた大規模疫学調査(NIPPON DATA 80)では、卵の摂取頻度と血清総コレステロール値との間に相関関係が認められている(Am J Clin Nutr 2004;80:58-63.)。「卵の摂取と血清総コレステロール値の上昇には関連がないとは言い切れないので、やはり過剰な摂取には注意が必要」と中村氏は言う。

 一方、「コレステロール値が高めで、動脈硬化を心配する患者の食事指導では、むしろ魚を積極的に摂取するよう勧めた方がよい」。こう話すのは、富山大和漢医薬学総合研究所教授の浜崎智仁氏だ。

 前述のJPHC研究では、魚の摂取量が多いほど心筋梗塞の発症リスクは低下する傾向にあることが判明している(図2)。「魚に多く含まれるEPAやDHAなどには、動脈硬化性疾患やメタボリックシンドロームといった様々な疾患の予防効果が報告されており、魚の積極的な摂取のメリットは大きい」と浜崎氏は話す。
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最近の栄養学では、「コレステロール値の高い人には魚を」を指導するのが多くなっています。
50代以上の人は、そんなん言われなくても肉より魚を食べる人が多いです。が、50代より下の世代となると、、、魚を食べない人が結構います。

「お母さんが骨を取ってくれたけど、妻は取ってくれない」みたいな理由を述べる男性、時々いるんですよ。こーゆー人は、はっさくとかりんごとかの皮つきの果物も、一人暮らしだと食べない傾向があります。

「血液ドロドロ」という言葉は、みのもんたが作ったそうですね。
牛や豚の脂は常温で固体です。それらの動物の体温は37-38度ぐらい、その体内では液体を保っています。
人間の体温は36-37度ぐらいですから、牛や豚の脂身を食べると、サラサラ流れるというよりトロトロ流れるぐらいになりそうです。

で、魚の脂はもっと低い温度にならないと固まりません。魚って、水の中を泳いでいますから、冷たい水の中で脂が固まったら困っちゃいますよね。


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なかのひと

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