乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

ダイエット食品の油断

2011年06月30日 | 病気・症状
昨日は室温が36度に達し、寒がり・冷え性の私もついにクーラーをつけてしまいました。設定温度30度ですが何か?(笑)

きょうもなかなか暑かったですね。でも、33度までしか上がらなかったので、楽勝です。必殺“保冷剤の首まき”です。お菓子を買った時に付いていた保冷剤をハンカチに包み、首にまくだけ。33度ぐらいまでなら、これだけで十分。

でも、パソコンが熱で誤作動しまくりでした。コンパクトタイプのパソコンほど、熱に弱くて。。。で、タオルで巻いた特大アイスノンをマシンの上にのっけおきました。アイスノンは複数用意し、溶けてぶよぶよになったら次のアイスノンを用意します。あまり冷たいのをのっけると結露しちゃうので、ほどよくタオルにくるむのがポイントです。

蒸し暑い日は、火を使った料理なんてしたくないですよね。作っていると暑さで食欲落ちるし。。。でも、私は更年期症状緩和のために漢方薬を飲んでいて、それがお腹を空かせるんです(^^;)。食べたいけど、作りたくない、の葛藤の日々です。
んが、クーラーをつけると、すご~~くお腹が空く。焼き肉とかまんじゅうを食べまくりです。真夏に肉じゅばんを着込むわけにはいかんなあ。。。

----------
【ダイエット清涼飲料の飲みすぎは禁物、胴囲の増加が飲まない人の6倍に】


第71回米国糖尿病学会 2011年6月24日~28日 San Diego, U.S.A.

 ダイエット清涼飲料を1日2本以上飲んでいる人は、胴囲の増加が飲まない人の6倍に達していることが報告された。サンアントニオ長寿高齢化研究(SALSA)により明らかになったもので、テキサス大学サンアントニオ健康科学センターのSharon P Fowler氏らが、6月24日から米サンディエゴで開催されている米国糖尿病学会(ADA2011)で発表した。

 カロリーゼロをうたうダイエット清涼飲料の消費は、肥満やメタボリック症候群および糖尿病の発症増加と関係していると言われてきた。演者らは、これらの関係を検証するため、サンアントニオ長寿高齢化研究(San Antonio Longitudinal Study of Aging ;SALSA)の参加者を対象に、ダイエット清涼飲料の消費が胴囲に及ぼす影響を調べた。胴囲は、内臓脂肪の指標であり、また糖尿病や心血管疾患、癌および他の慢性疾患の主たる危険因子として広く使われている。

 対象は、SALSA参加者のうち、登録時にダイエット清涼飲料の消費に関するデータを収集できていた384人。これを1日当たりのダイエット清涼飲料の消費量ごとに、0本、0.5本未満、0.5~1本未満、1~2本未満、2本以上の5群に層別化して、解析を行った。人種、教育水準において一部に有意差が見られたほかは、それぞれの対象群は同様の背景であった。

 登録時から平均3.6年間隔で3回のフォローアップ検査を行い、身長、体重、胴囲およびダイエット清涼飲料の消費量について変化を追った。データは共分散分析(ANCOVA)を用いて解析し、各群の平均胴囲変化を全てのフォローアップ期間で比較した。なお、結果は、性別、登録時の胴囲、年齢、人種、教育水準、地域、余暇時の運動、糖尿病、喫煙状態およびフォローアップ期間の長さで補正した。

 計9.6年追跡した結果、全体で見ると、ダイエット清涼飲料の消費群は、胴囲が2.11±0.33cm増加していたが、非消費群では0.76±0.24cmの増加にとどまっていた(p<0.01)。また、ダイエット清涼飲料消費と胴囲の変化の間には、正の関係が確認された(p<0.001)。各群でみると、毎日2本以上のダイエット清涼飲料を飲んでいる群では胴囲が平均4.74cm増えており、飲まない人の6倍に達していた(p<0.001)。

 今回の結果をもとに演者らは、「加糖飲料の消費を減らそうという努力は、ダイエット飲料の消費拡大につながっている。しかし、今回の結果は、ダイエット飲料の消費拡大に思わぬ落とし穴があることを示した」と結論。その上で、「カロリーを減らすためにダイエット炭酸飲料の消費を促すことは、必ずしも賢明な対策とは言いがたい。カロリーはゼロかもしれないが、もたらす結果は期待通りではない」などと指摘した。
----------

飲料に限らず、ダイエット食品はたくさんあります。1食分を飲料に置き換えるとか、こんにゃく粒入りで量を増やすとか。しかし、総エネルギー量が少ないと、やはり空腹感は出やすい。結局、追加で食べてしまいがち。

クーラーなしで一夏過ごすほうが、ダイエットはできるような気がします。


私はそれをしませんと思った人、<ここをクリックよろしくね~ >


なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

分子標的治療薬のカクテル療法

2011年06月28日 | 病気・症状
きょうも暑かったですね。
最高室温が33度まで上がってしまいました。まだ、6月なんですよね・・・orz

――――――――――
【HER2陽性乳癌に対する術前化学療法としてのP-FECへのラパチニブ・トラスツズマブ併用は病理学的完全奏効率を上昇させる】

    第47回米国臨床腫瘍学会 2011年6月3日~7日 Chicago, U.S.A.

 HER2陽性乳癌への術前化学療法としてパクリタキセル+5-FU+エピルビシン+シクロホスファミド(P-FEC療法)へのラパチニブとトラスツズマブの併用投与は、P-FEC+ラパチニブ、P-FEC+トラスツズマブと比べて病理学的完全奏効率を50%以上上昇させることが示された。6月3日から米国シカゴで開催されている第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、イタリアModena University HospitalのValentina Guarneri氏が発表した。

 抗体医薬であるトラスツズマブと低分子薬であるラパチニブの併用は、HER2の細胞外ドメインと細胞内チロシンキナーゼ部位の両方を阻害することで抗腫瘍活性が高まると期待されている。

 Guarneri氏らは、HER2陽性乳癌患者を対象に、術前化学療法としてのアントラサイクリン/タキサン系薬剤とラパチニブ、トラスツズマブの併用の有効性を評価するCHER-LOB試験を進めてきた。今回、CHER-LOB試験の最終結果を発表した。

 本試験の対象はステージII/IIIAのHER2陽性乳癌で、ECOG PSは0~1、左室駆出率が正常な患者。試験の主要評価項目は、浸潤性病変と腋窩部リンパ節がないことで定義される病理学的完全奏功(pCR)とし、副次評価項目は乳房温存術施行率、安全性、バイオマーカー解析、遺伝子発現、客観的奏効率などを設定した。

 対象者を3群に割り付けており、週1回パクリタキセル(80mg/m2)を12コース後、5-FU(600mg/m2)+エピルビシン(75mg/m2)+シクロホスファミド(600mg/m2)併用を3週に1回4コースを行うP-FECレジメンをベースとして、化学療法開始時からのトラスツズマブ週1回併用する群(A群)、ラパチニブ1日1500mg併用する群(B群)、トラスツズマブ週1回+ラパチニブ1日1000mgを併用する群(C群)とした。なお、グレード3の下痢がB群で20%、C群で41%に見られたため、B群は1日1250mg、C群は750mgに減量するプロトコール変更を行っており、ラパチニブを投与された85例のうち50例が減量された。

 12施設から121例の患者が登録され、A群に36例、B群に39例、C群に46例が割り付けられた。患者背景は、平均年齢はいずれの群も49~50歳、閉経前の患者の割合は、A群53%、B群62%、C群59%。臨床病期はステージIIA、IIB、IIIAがA群は30%、50%、17%、B群は33%、49%、18%、C群は29%、51%、20%だった。乳管癌の割合は、A群89%、B群92%、C群93%、病理学的グレード1/2、3がA群は22%、67%、B群は15%、64%、C群は19.5%、61%。ERあるいはPgR陽性はA群は58%、B群62%、C群61%だった。

 安全性評価の結果、グレード4の好中球減少や発熱性好中球減少は3群の間で差はなかったが、下痢、皮膚症状、肝障害がA群と比較してB群、C群で多かった。心毒性については、左室駆出率はいずれの群も登録時62~63%、12~13週後、治療後ともに59~63%で、慢性心不全の発症は見られなかった。

 有効性評価の結果、pCRはA群25.7%、B群27.8%に対してC群は43.1%となった。ホルモン受容体の評価ごとのpCRも検討し、A群ではホルモン受容体陽性例25%、陰性例26.6%、B群では陽性例22.7%、陰性例35.7%、C群では陽性例35.7%、陰性例56.2%だった。

 副次評価項目として設定した、ypT1a+ypN0以下まで拡大したpCRは、A群が42.8%、B群38.9%、C群70.3%。また、手術時のリンパ節転移陰性例はA群74.3%、B群69.4%、C群84%だった。

 乳房温存術施行率はA群68.6%、B群58.3%、C群70.4%で、乳腺切除術から乳房温存術への移行率はA群63.1%、B群53.3%、C群62.5%だった。

 バイオマーカーについては、HER2の再検定を登録患者の94.2%で実施し、再検定結果との一致率は97.4%、3例(2.6%)が一致せず、これによりpCRの変更は見られなかった。

 トラスツズマブ抵抗性に関与すると考えられているp95HER2の組織染色の結果ごとにpCRを再解析したところ、全対象患者の73%でp95HER2の評価が可能だった。A群ではp95陽性例のpCRは33.3%、p95陰性例は30%、B群では陽性例のpCRは25%、陰性例は35.7%、C群では陽性例のpCRは33%、陰性例54%で、いずれの群においてもp95陽性グループと陰性グループの間でpCRは有意な差ではなかった。

 こうした結果からGuarneri氏は、「P-FEC+ラパチニブとP-FEC+トラスツズマブのpCRは同等で、P-FEC+トラスツズマブ+ラパチニブの併用はP-FEC+トラスツズマブ、P-FEC+ラパチニブよりも50%以上pCRを向上させたことから、HER2陽性乳癌患者に対して細胞内外の両方からのHER2の阻害が有効であるというこれまでのエビデンスをさらに強固にした結果だ」と語った。また、p95HER2の評価は化学療法とトラスツズマブ、ラパチニブの併用のpCRを予測できなかったと指摘した。
----------

>抗体医薬であるトラスツズマブと低分子薬であるラパチニブの併用は、HER2の細胞外ドメインと細胞内チロシンキナーゼ部位の両方を阻害することで抗腫瘍活性が高まると期待されている。


この報告だと奏功率がずいぶんアップしたように見えます。トラスツズマブとラパチニブの併用は、HER2細胞の内側と外側の両側から阻害するから、抗腫瘍活性が高まると期待されるんですね。抗がん剤のカクテル療法は複雑ですが、この分子標的治療薬の併用の意味はわかりやすい。

今後はHER2陽性乳癌患者に対して、細胞内外の両方からのHER2の阻害を考えた治療になっていくのかな?なんて思いました。


次の分子標的治療薬は出ないのかな?と、ふと思っちゃった人、<ここをクリックよろしくね~ >


W腫瘍内科医曰く、10年ぐらい前まではHER2陽性乳癌患者には有効な治療薬が少なく、生存率が低かった。んが、分子標的治療薬の出現で、生存率が底上げされたといいます。
研究が進む今日、新たな展開はひょっとするとすぐそこまで来ているかもしれません。粘り強く治療を続けることがいいんでしょうね。

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

分子標的の併用療法

2011年06月26日 | 病気・症状
お暑うございます。
このムシムシの日に、カーテン洗いの第3段。へろへろです(´;ω;`)。
でも、花粉の季節が終わり、カビやすいこの時期にカーテンを洗っとかんと、なんだかすごいことになりそうで、毎年この時期に決行しております。

さて、分子標的治療薬を2剤併用した治療についての報告が出ました。奏功性はどんなもんでしょうか。

――――――――――
【HER2陽性乳癌へのラパチニブ・トラスツズマブを使った術前化学療法は高い病理学的完全奏効率が得られる】

    第47回米国臨床腫瘍学会 2011年6月3日~7日 Chicago, U.S.A.


 HER2陽性乳癌に対して、ラパチニブとトラスツズマブのみを併用する術前化学療法は高い病理学的完全奏効率が得られることが示された。6月3日から米国シカゴで開催された第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、Translational Breast Cancer Research Consortiumを代表してJenny Chang氏が発表した。

 これまでの基礎研究において、HER2陽性乳癌に対して、抗体医薬であるトラスツズマブと低分子薬であるラパチニブを併用することはそれぞれの薬剤の単独投与と比べて高い有効性が得られることが示されている。

 こうした背景から、この2剤の併用を用いたさまざまな臨床試験が実施されているが、そのうちの1つがHER2陽性乳癌患者の術前化学療法への利用だ。

 Chang氏らは、HER2陽性乳癌患者の術前化学療法として、ラパチニブとトラスツズマブだけで他の抗癌剤は用いないレジメンの有効性を評価したフェーズ2試験TBCRC 006を実施した。これまでの報告はラパチニブ、トラスツズマブとともに他の抗癌剤も併用した術前化学療法の結果で、今回の発表はラパチニブとトラスツズマブのみの併用について評価している点が新しい。

 対象は腫瘍径3cm以上あるいは2cm以上で腋下リンパ節転移が認められる、ECOG PS 0または1のHER2陽性乳癌患者66例。

 術前12週間に、全例にトラスツズマブ週1回(導入時4mg/kg、以降2mg/kg)とラパチニブ1日1000mgを投与した。ER陽性例についてはレトロゾール、閉経前例にはさらにゴセレリンを投与した。

 病理学的完全奏効率(pCR)は、術前化学療法施行完了後に評価しており、pCRは浸潤性癌がないこと、npCR(near pathological response)は1cm未満の残存病変のみがある状態と定義した。

 患者背景は、平均年齢50歳、病巣は平均6cm(1.5~30cm)で、5cm以上の病変例は39例(62%)だった。閉経前は36例、閉経後は30例。ER陽性は41例(62%)、ER陰性は25例(38%)。プロゲステロン受容体(PR)陽性は29例(44%)、陰性例は31例(47%)だった。ER陽性/PR陽性は29例(48%)、ER陽性/PR陰性は10例(17%)、ER陰性/PR陽性例はなく、ER陰性/PR陰性例は21例(32%)。

 64例がpCRの解析対象となり、pCRは28%。ER陽性グループのpCRは21%(39例中8例)、ER陰性グループのpCRは40%(25例中10例)。pCRとnpCRをあわせた奏効率は53%で、ER陽性グループでは56%、ER陰性グループでは48%だった。

 臨床的奏効率について、全奏効率は75%、完全奏効率は31%、部分奏効率は44%だった。

 有害事象は、治療中断例は5例(8%)、グレード1~2では、下痢が66%、吐き気が31%、皮疹が46%、グレード3から4は肝障害が3例(5%未満)に見られたのみだった。

 これらの結果からChang氏は、「ラパチニブとトラスツズマブの併用は高い臨床的奏効率を示し、また高い病理学的完全奏効率を示した。エストロゲン枯渇患者に対する2剤併用によるHER2の阻害は有効である」と締めくくった。
――――――――――

奏功率は高いようですが、、、副作用も結構ありそうですね。この結果だけ読むと、私はトラスツズマブ(ハーセプチン)とタキソールの併用療法を選ぶかもです。ハゲてもいいやという気持ちと、病気が再発した時に分子標的治療薬の選択肢を残しておきたいという気持ちがちょっとあります。


分子標的治療薬の併用療法に興味をもった人、<ここをクリックよろしくね~ >


なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

ハーセプチンとP95 HER2その2

2011年06月23日 | 病気・症状
きょうは暑かったですね。もう梅雨は終わっちゃうんでしょうか。
カーテンの洗濯と草むしりで日中を費やしてしまいましたorz

よくわからん「P95 HER2」について、ASCOではこんな報告も出たようです。
――――――――――
【トラスツズマブ治療を受けた転移性乳癌患者でP95 HER2とHER2総発現量は予後と関連する】

    第47回米国臨床腫瘍学会 2011年6月3日~7日 Chicago, U.S.A.

 トラスツズマブ治療を受けた転移性乳癌患者では、HER2総発現量が多い患者の方が無増悪生存期間(PFS)が有意に長く、P95 HER2発現量は少ない患者のほうがPFSは有意に長いことが、レトロスペクティブな解析で明らかになった。6月3日から7日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、ポーランドMedical University of GdanskのW. Biernat氏らによって報告された。

 HER2陽性患者においてp95 HER2の出現はトラスツズマブ耐性の機序と考えられているが、これはキナーゼ活性をもつトラスツズマブ結合部位がP95 HER2には欠損しているためといわれている。

 解析は、トラスツズマブによる治療を受けた転移性乳癌患者142人の標本を用いて、VeraTagアッセイ法によるHER2総発現量(H2T)およびP95 HER2の発現量とPFSとの関係を検討した。

 患者背景は、閉経後女性が55%、年齢中央値は53歳(25~79歳)。転移部位は骨が63%を占め、内臓が20%、軟部組織が17%。エストロゲン受容体陽性が39%、プロゲステロン受容体陽性が30%、病理学的グレード3が60%、乳管癌が89%を占めた。

 H2Tのカットオフ値を13.8と設定したところ、H2T>13.8群(114人)の PFSはH2T<13.8群(28人)よりも有意に良好だった(ハザード比 0.61、p=0.044)。またHER2陽性患者(H2T>13.8)のうち、p95の発現量が高い患者(p95>2.8)では低い患者(p95<2.8)に比べてPFSは短かった(ハザード比 1.9、p=0.018)。2変量解析では、H2Tとp95はそれぞれPFSと有意な関連性が認められた(p=0.011、p=0.011)。

 なおH2TとP95の発現量はグレード3の患者の方がグレード1/2の患者に比べて高かった(p=0.005、p=0.006)。またH2Tはホルモン受容体との有意な関連性が見られなかったが(p=0.10)、P95の発現量はホルモン受容体陰性患者のほうが陽性患者よりも有意に高かった(p<0.001)。
――――――――――

1) トラスツズマブ(ハーセプチン)治療により、HER2総発現量が多い患者の方が、無増悪生存期間が有意に長い。
2) P95 HER2発現量は少ない患者のほうが、無増悪生存期間が有意に長い。

複雑な内容ですが、表題通りこれだけわかればいいんじゃないかと…(^^ゞ

つまり、HER2が強陽性の人は、癌細胞のグレードが高くて、且つ、P95 HER2発現量が少ないほうが、トラスツズマブ治療による無増悪生存期間が有意に長くなる、ということですね。
私は自分のP95 HER2発現量を調べる気には、あまりなれませんが。。。

私も、と思う人、<ここをクリックよろしくね~ >


なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

ハーセプチンとP95 HER2

2011年06月21日 | 病気・症状
HER2強陽性患者にとって、トラスツズマブ(ハーセプチン)は期待値の高い分子標的治療薬です。単剤の奏功率は約3割。7割の人に奏功しません。
どんな場合に奏功する・しないのかは、患者として気になるところです。
――――――――――
【HER2陽性原発性乳癌でP95 HER2がトラスツズマブの治療効果予測因子となる可能性】

   第47回米国臨床腫瘍学会 2011年6月3日~7日 Chicago, U.S.A.

HER2陽性原発性乳癌において、トラスツズマブ耐性の機序と考えられているP95 HER2がトラスツズマブの治療効果予測因子になる可能性のあることが、術前補助療法のGeparQuattro試験の組織標本を解析して明らかになった。6月3日から7日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、German Breast GroupのSibylle Loibl氏らによって報告された。

 P95 HER2はHER2のカルボキシル末端フラグメント(CTF)であり、P95 HER2ではトラスツズマブ結合部位が欠損している。そのためHER2陽性乳癌において、P95 HER2の出現はトラスツズマブ耐性に関与しているといわれている。

 この研究では、GeparQuattro試験でトラスツズマブによる治療を受けたHER2陽性原発性乳癌患者の標本を用いて、P95 HER2の発現と臨床効果との関係を調べた。

 GeparQuattro試験は、術前補助療法として、EC療法(エピルビシンとシクロホスファミド)後に、3群に無作為化割り付けし、ドセタキセル投与する群、ドセタキセルとカペシタビンを投与する群、ドセタキセルの後にカペシタビンを投与する群を比較。HER2陽性乳癌にはすべての化学療法にトラスツズマブを追加した。

 GeparQuattro試験でHER2陽性患者は445人。このうちホルマリン固定パラフィン包埋標本が採取でき、免疫組織化学染色(IHC)によるHER2判定と611 CTF抗体を用いたP95 HER2の検出ができた患者145人を解析対象とした。P95 HER2は、3人の病理医によって陽性細胞の割合として評価され、カットオフ値は20%と設定された。

 患者の年齢中央値は48.5歳(22.2-77.6)、腫瘍グレード3が40.7%、T1-3は85%、T4(炎症性乳癌を含む)が15%、リンパ節転移なしが39%、ホルモン受容体陽性が52%だった。

 化学療法とトラスツズマブ併用における病理学的完全奏効(pCR)率は、p95 HER2が陽性だった患者では59%だが、p95 HER2陰性の患者では24%と有意に低かった(p<0.0001)。また単変量解析ではpCRとp95 HER2の発現、pCRとホルモン受容体の状態に有意な関連性が見られた(p=0.001、p=0.039)が、多変量解析ではp95 HER2の発現のみがpCRと有意に関連した(p=0.004)。

 これらの結果から、Loibl氏は「p95 HER2の発現によって、トラスツズマブに感受性の高いHER2陽性腫瘍を検出することができる」と述べている。
――――――――――
「P95 HER2」って何でしょうか?!

P95 HER2については、2009年の第47回日本癌治療学会学術集会で、以下の演題を見つけました。

【HER2可溶性抗原によるTrastuzumab耐性とtruncated-HER2(p95-HER2)のモニタリング】演題番号 : OS091-1
柏葉 匡寛:1 稲葉 亨:1 武田 雄一郎:1 小松 英明:1 上杉 憲幸:2 菅井 有:2 三浦 一穂:3 熊谷 真澄:3 佐藤 誠志:4 若林 剛:1 
1:岩手医科大学外科学講座 2:岩手医科大学分子診断病理学講座 3:岩手医科大学附属病院看護部 4:岩手医科大学附属病院薬剤部
________________________________________
【始めに】TrastuzumabはHER2陽性乳癌に対し再発から補助療法へと治療の場を移し予後を著明に改善していると考えられるが、殆どの再発症例ではいずれ耐性を示す。

【目的】ハーセプチン耐性化の1機序とされるtruncated-HER2(以下p95-HER2)出現のsurrogate markerとして、再発時HER2可溶性抗原(以下HER2-ECD)陽性率とTrastuzumab耐性時のHER2-ECDの変化を検討した。

【対象】HER2陽性(IHC3+/FISH>2.0)進行再発乳癌18症例、同患者の1-4次治療の進行時47検体を採取、ケミルミCentaur-HER2/neuにてHER2-ECDを測定、15.2ng/mL/以上を陽性、>20%を上昇としてレトロスペクティブに検討した。

【結果】再発時HER2-ECD陽性率は50%(9/18)、陰性例の多くは進行後も上昇がみられなかった(77.8%:7/9)。一方、耐性時HER2-ECD上昇は66%(31/47)で観察された。

【考察】現状ではp95-HER2は腫瘍のWestern blotでのみ観察可能であり個々の腫瘍での出現をリアルタイムには検出できない。諸家の報告のようにHER2-ECDは再発予測因子あるいは再発症例のTrastuzumab効果予測因子であり、またIn vitroでのp95-HER2の発現との相関からLapatinib等の効果予測因子として期待されている。更に症例を追加し文献的考察を加え報告する。
――――――――――

どうやら、HER2の状態の違いにより、治療効果に差が出ている様子。詳細が徐々に明かになっているようにも見えます。


でも、これ以上話が難しくなると辛いなぁと思わず(-_-;)になっちゃった人、<ここをクリックよろしくね~ >


この報告、私はよくわかんないんです。P95 HER2の発現のあるなしで、病理学的完全奏効率に差異があったのはわかったんですけど。
「P95 HER2ではトラスツズマブ結合部位が欠損している」とありながら、「化学療法とトラスツズマブ併用における病理学的完全奏効(pCR)率は、p95 HER2が陽性だった患者では59%だが、p95 HER2陰性の患者では24%と有意に低かった」の部分が、?(-_-;)です。

化学療法とトラスツズマブを併用し、トラスツズマブが結合できないp95 HER2が陽性だった患者の病理学的完全奏効率が、p95 HER2陰性の患者より有意に高かったんですよねえ。。。

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

ベバシズマブとパクリタキセル併用は日本人のトリプルネガティブ転移性乳癌にも有効

2011年06月19日 | 病気・症状
み、みなさん、お元気ですか?

今月初旬に風邪を引いた私は、未だによくなったり悪くなったり。気温のアップダウンで、いまいち治りきりません。蒸す夜は、布団を蹴っ飛ばして寝ていたりします。

47回米国臨床腫瘍学会の報告が続々と出ているので、気になる情報をアップしたいと思うのですが・・・( ̄ii ̄)。今回の報告は、前回よりさらに細分化されたものが多いような印象です。風邪っぴきの頭では混乱するばかりです(T_T)。
無難な報告ではこれかな。
――――――――――
【ベバシズマブとパクリタキセル併用は日本人のトリプルネガティブ転移性乳癌にも有効、OS中央値が良好】

   第47回米国臨床腫瘍学会  2011年6月3日~7日 Chicago, U.S.A.

 HER2陰性の転移性乳癌に対する初回治療として、ベバシズマブとパクリタキセル週1回の併用療法は、海外の試験結果と同様に、日本人の患者でも臨床効果があり、かつ安全に使用できることがフェーズ2試験の解析で確認された。またエストロゲン受容体(ER)とプロゲステロン受容体(PR)、HER2が全て陰性のトリプルネガティブ患者にも、この併用療法は有効であることが明らかになった。6月3日から7日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、癌研有明病院化学療法科の伊藤良則氏らによって報告された。

 ベバシズマブと化学療法併用による初回治療は、HER2陰性転移性乳癌患者の無増悪生存期間(PFS)と奏効率を改善することが、3件のフェーズ3試験(E2100、AVADO、RIBBON-1)で明らかになっている。そこで研究グループは、日本人の転移性乳癌患者を対象に、E2100試験と同じレジメンで有効性と安全性を検討した。

 対象は、治療歴がなくHER2 陰性で測定可能病変のある転移性乳癌患者120人。4週おきに、ベバシズマブ 10mg/kgを第1日と第15日に、パクリタキセル90mg/m2を第1日、第8日、第15日に投与した。主要評価項目はPFSと安全性、副次評価項目は治療成功期間と奏効率、奏効期間、全生存(OS)と設定された。

 2009年6月の時点で、フォローアップ期間の中央値は11.1カ月(0.5-24.7カ月)。独立審査委員会が判定したPFSの中央値は12.9カ月(95%信頼区間 11.1-18.2)、医師判断によるPFS中央値は14.9カ月(同 11.2-18.2)だった。E2100試験のPFS中央値は11.3カ月で、日本の試験のほうがやや良い結果であった。

 治療成功期間の中央値は11.1カ月(95%信頼区間 9.3-13.6)で、奏効率は74%(同 64.5-81.2)、病勢安定は21%の患者で認められた。奏効期間は86人で評価され、中央値は13.6カ月(同 1.8-22.2)。2010年8月の時点でのOS中央値は35.8カ月(同 26.4-到達せず)、1年生存率は88.9%(同 83.2-94.6)、2年生存率は63.2%(同 54.4-71.9)だった。この結果はE2100試験のOS中央値26.5カ月、1年生存率81%よりも優れていた。

 PFSをサブグループ解析した結果、65歳未満(97人)でPFS中央値は14.5カ月、65歳以上(20人)は9.4カ月であり、トリプルネガティブの患者(38人)では9.6カ月、トリプルネガティブではない患者では14.8カ月だった。E2100試験ではパクリタキセル単独では5.3カ月だが、ベバシズマブの追加で10.6カ月に延長したことが報告されており、日本のデータもほぼ同等の結果が得られた。

 また転移部位の個数が3未満(61人)ではPFS中央値は14.5カ月、3以上(56人)では12.8カ月、術前・術後の補助療法としてタキサン系抗癌剤による治療歴がある患者(22人)では11.1カ月、ない患者では15.2カ月だった。

 新たな有害事象はなかったが、主なグレード3/4の有害事象は好中球減少が43%、白血球減少が27%で、末梢神経障害が26%だった。高血圧はグレード3が17%の患者に見られたが、グレード4の高血圧、グレード3/4のタンパク尿はなかった。また消化管穿孔や発熱性好中球減少、可逆性後白質脳症症候群は見られなかった。
――――――――――

ベバシズマブ(アバスチン)の乳がん適応がまだ新しいので、この薬剤については今後も研究結果が報告されるんじゃないでしょうか。奏功性や副作用、薬の組み合わせなど、研究が深まるのはこれからかな。
ベバシズマブに限らず分子標的治療薬の開発は、今後も急ピッチで進みそうですね。

ベバシズマブは、加齢黄斑変性症に効果があるとされる薬でもあります。抗がん剤としてではなく、眼科で使う薬なんですね。詳しくはよっしぃ先生のブログをどぞ!

「抗がん剤なんですけど」


へぇ~と思った人、<ここをクリックよろしくね~ >


なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

アロマターゼ阻害剤

2011年06月12日 | 病気・症状
皆様、お元気ですか?
私は風邪を引きました。先週の蒸し暑かった日に、薄い布団にチェンジして寝たら、夜中に寒くて目が覚めて。でも、面倒くさかったのでそのまま我慢して寝たら、、、翌朝、くしゃみの連発ですた(T_T)。我慢しちゃいけなかったな。

ASCO2011の報告が続々入っているようですので、患者として気になるもんをピックアップしました。

――――――――――
【エキセメスタンは閉経後女性の乳癌発生を予防する可能性ASCO2011】

 乳癌発症のリスクが上昇する閉経後の女性を対象としたフェーズ3のNCIC CTG Mammary Prevention Trial-.3 (MAP.3)試験において、アロマターゼ阻害剤(AI)のエキセメスタンはプラセボと比べて浸潤癌発生のリスクを65%減少する結果が示された。本試験は、乳癌の一次予防にAIを使用した最初の無作為化試験である。6月3日から7日にかけてシカゴで開催されている第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、米Massachusetts General HospitalのPaul E. Goss氏が発表した。

 乳癌発症のリスクが高い女性に対し、抗エストロゲン薬のタモキシフェンとラロキシフェンが予防目的で承認されているが、稀ではあるが子宮内膜癌や血栓などが発生することも報告されている。一方、エストロゲン合成を強力に阻害するAIは、早期乳癌の発生を抑制する効果がタモキシフェンよりも高く、AIの中でもエキセメスタンは骨量の減少が少ないことが報告されている。

 NCIC CTG MAP.3試験は二重盲検の無作為化フェーズ3試験。カナダのNCIC CTGを中心に4カ国で実施されており、乳癌発症のリスクが上昇する閉経後の女性を対象として、エキセメスタン25mg/日またはプラセボを5年間投与する。主要評価項目は両群における浸潤癌の発生率である。

 本試験の適格基準には、35歳以上の閉経後の女性であることの他に、次の①から④の危険因子が1つ以上ある場合も含まれた。①60歳以上、②将来の乳癌発症リスクを算出するGail scoreが1.66%を超える、③異型乳管過形成(ADH)、異型小葉過形成(ALH)、非浸潤性小葉癌(LCIS)の既往、④非浸潤性乳管癌(DCIS)で乳房切除術を受けた既往。

 2004年2月から2010年3月までに4560人が登録された。エキセメスタン群は2285人(年齢中央値62.5歳)、プラセボ群は2275人(62.4歳)となった。BMIの中央値は、エキセメスタン群は27.9、プラセボ群は28.1、Gail scoreの中央値は両群とも2.3だった。①~④の危険因子を有する患者の割合は、エキセメスタン群は①48.8%、②40.7%、③8.1%、④2.5%、プラセボ群は①49.5%、②39.8%、③8.3%、④2.5%だった。

 追跡期間の中央値が35カ月の時点で、浸潤癌発生のイベント数は、エキセメスタン群は11、プラセボ群は32となり、1年あたりの発生率は0.19%と0.55%となった(ハザード比 0.35、p=0.002)。エキセメスタン群では浸潤癌発生のリスクが65%減少したことになる。

 浸潤癌とDCISの両方が発生したイベント数は、エキセメスタン群は20、プラセボ群は44となり、1年あたりの発生率は0.35%と0.77%となった(ハザード比 0.47、p=0.004)。

 またエキセメスタン群では、Gail score、BMI、ADH/ALH/LCISの既往など、全てのサブグループで浸潤癌の発生率がプラセボ群と比べて低かった。

 DCISならびにADH、ALH、LCISの1年当たりの発生率も、プラセボ群と比べてエキセメスタン群で抑制される傾向がみられた。

 QOLでも、身体的な苦痛や性的な面で意義のある変化がエキセメスタン群で認められた。

 有害事象の顔面紅潮、疲労感、不眠、下痢、嘔気、関節炎、関節痛、筋肉痛は、プラセボ群と比べてエキセメスタン群で有意に発現頻度が高かった。しかし、心血管事象、臨床的な骨折、骨粗鬆症、二次的な癌の発生など、重篤な有害事象の発現は、両群で有意差はなかった。

 Goss氏は「エキセメスタンは乳癌の一次予防に有望であり、新たな選択肢として考慮すべき。MAP.3の組み入れ基準に適合する患者とその医師は、今回の結果を知ってほしい」と話した。本試験の結果は、New England Journal of Medicineオンライン版にも6月4日から掲載されている。
----------
この報告では、薬の投与群とプラセボ群との差がシッカリ出ているように思います。ホルモン陽性の乳がんには強い味方でしょうか。

そうそう、私は現在、更年期症状緩和のため、漢方薬で治療中なんですが、、、調子、いいです!
血行促進の薬ってことなんですけど、体の冷えはあまり変わりませんが、お風呂あがりとかの急激な室温の変化で調子が悪くなることがほとんどなくなりました。
この薬、抗がん剤のタキソールを服用中に吐き気どめとしても飲んでいたんですけど、、、今じゃ食欲が出過ぎちゃって(´∀`*)。

あ、気力がモリモリ盛り上がる・・・ってことはありませんね(-.-)。


まあ、それ以上太らないようにねと思う人、<ここをクリックよろしくね~ >


なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

高所得国の死産の危険因子

2011年06月05日 | 病気・症状
昨年ごろから仕事するのが億劫になっちゃいました。
第一の原因は腰痛。
隣の敷地に新築住宅が建つのですが、、、地震に強い家とかで、地盤固めからどんちゃんどんちゃんやっていて、振動と騒音とほこりがすごいんです。で、毎日、私は室内の拭き掃除を強いられてしまって。。。すっかり腰を痛めました。
で、次に女性ホルモン不足による倦怠感。

腰痛で椅子に座るのが苦痛な上に、やる気の無さで相乗効果です。毎日ダーラダラしていたら、、、すっかり仕事が取れなくなっちゃいました。ここ1か月間は全く仕事をせずです(-_-メ)。
ずっと自宅におこもりしていたら、2キロも体重が増加しちゃいました。こりゃーまずい!

----------
【高所得国における死産の危険因子は肥満、高齢妊娠、喫煙など】

    Lancet誌から  96件の研究のメタ分析の結果

 高所得国における死産の危険因子の同定を試みた系統的レビューとメタ分析で、人口寄与危険度割合(PAR:population-attributable risk)が高く、リスク低減が可能な要因は、妊娠前の過体重と肥満、35歳超の妊娠、妊娠中の喫煙などであることが明らかになった。オーストラリアMater Medical Research InstituteのVicki Flenady氏らが、Lancet誌2011年4月16日号に報告した。

 高所得国における妊娠22週以降の死産の発生率は0.5%程度で、過去20年間ほとんど変化していない。高所得国における死産には、胎盤の機能不全と胎児の発育障害の関与が想定される例が多いが、原因不明のケースも少なからずある。修正可能な危険因子を同定し積極的に介入すれば、高所得国の死産率を下げることが可能ではないか。そう考えた著者らは、危険因子の探索を目的とする系統的レビューとメタ分析を行った。

 Medline、CINAHL、コクランのシステマティックレビューデータベースに1998~2009年に登録された、死産の危険因子に関する集団ベースの研究の中から、世界銀行の基準で高所得国に分類されている国で行われた、質が高い研究を選出した。著者らは特に、ライフスタイルの修正または医学的な介入によりリスク低減が可能な因子に着目した。

 最初に6963件の研究を同定、条件を満たした96件を分析対象とした。76件がコホート研究(6件が前向き研究、70件が後ろ向き研究)、20件がケースコントロール研究だった。これらの研究は13カ国で行われており、内訳は、米国が29件、スウェーデンが16件、カナダが9件、オーストラリアが12件、英国が9件、デンマークが6件、ベルギーが5件、ノルウェーが3件、イタリアが2件、ドイツが2件、スコットランド、ニュージーランド、スペインがそれぞれ1件だった。

 死産の定義は妊娠週数20週以上とした研究が42件、22週以上とした研究が5件、出生体重が500g以上としていた研究が7件で、それ以外はより進んだ妊娠週数での胎児死亡について分析していた。

 死産の件数が多く、分析に必要な情報がすべて入手できた5カ国(米、英、カナダ、オランダ、オーストラリア)での研究データを基にメタ分析を行い、修正可能な危険因子を同定してオッズ比を求め、そこからPARを推定した。


この結果、妊娠前の母親のBMIが25以上、妊娠中の喫煙歴、妊婦の年齢が35歳以上、初産、妊娠週数に対して胎児が小さい、胎盤剥離、妊娠前からの糖尿病または高血圧の罹患などが重要な危険因子であることが示された。

 妊娠前の過体重(BMIが25~30)と死産の関係を調べていた5件の研究をプール解析したところ、オッズ比は1.23(95%信頼区間1.09-1.38)になり、肥満(BMIが30以上)と死産の関係を評価したコホート研究4件のプール解析の結果はオッズ比1.63(1.35-1.95)になった。5カ国のそれぞれについて、肥満の妊婦と過体重の妊婦を合わせると、PARは8~18%で、これを基に推定すると、今回分析対象となった先進13カ国に1年間に発生する死産5万820件のうち、8064件に過体重と肥満が寄与していると考えられた。つまり、妊娠に先駆けて肥満と過体重をなくせば約8000件の死産を減らせる可能性が示された。

 妊娠期間中のあらゆる喫煙と死産の関係を調べた4件の研究のメタ分析の結果は、オッズ比1.36(1.27-1.46)を示し、5カ国のデータはPAR4~7%を示した。これは、分析対象となったすべての高所得国で1年間に発生した死産のうち2852件が喫煙によることを示唆している。

 35歳超での妊娠と死産の関係を調べた6件の研究のデータをプール解析しオッズ比を求めたところ、1.65(1.61-1.71)となった。オッズ比は年齢の上昇と共に上昇していた。5カ国のデータはPARが8~11%であることを示し、高所得国で年間4226件の死産が35歳超での妊娠に起因すると推定された。

 初産と死産の関係を調べた研究は3件で、プール解析のオッズ比は1.42(1.33-1.51)、PARはどの国でも15%前後で、全体で年間7434件の死産が初産と関連付けられた。

 妊娠前からの糖尿病または高血圧も死産の危険因子だった。糖尿病と死産の関係を調べた5件の研究のプールしたオッズ比は2.9(2.05-4.09)、PARは3~5%で、年間2194件の死産に関係していた。妊娠前からの高血圧と死産の関係を調べた5件の研究のプールオッズ比は2.58(2.13-3.13)、PARは7~14%で、年間4242件の死産に関与していると推定された。

 そのほか、学歴が低い、社会経済的地位が低い、妊娠管理が行われていないまたは適切でないといった要因も死産リスクを有意に上昇させていた。

 なお、妊娠週数に対して胎児が小さい(下位10パーセンタイル未満)ことの影響は大きく、PARは23%、胎盤剥離のPARは15%だった。

 高所得国で発生する死産には、完全に、または部分的に回避が可能な因子が関与していた。修正可能な危険因子については妊娠前の介入が、また初産のようにそれ自体には介入できない危険因子については、注意深い観察を続け、早めに治療を行うことによりリスクを減らせると考えられた。高所得国では35歳を過ぎた初産婦が増加しているが、死産の危険因子に関する情報を広く知らせることが大切だろう。

 原題は「Major risk factors for stillbirth in high-income countries: a systematic review and meta-analysis」、概要は、Lancet誌のWebサイトで閲覧できる。
----------

肥満、高齢妊娠、喫煙が危険因子だということは、なんとなく予想がつきますね。肥満と喫煙が他の病気に悪影響を与えそうだってことも、みんなわかっています。

でも、太っちゃうんだも~んヽ(`⌒´)ノ

自分が太ってわかりました。肥満すると、こーゆー考えで己の道を通そうとするんだね(^^;)。
あーあ、そろそろ就職活動しなくちゃなんないから、体重を下に戻さなくちゃ。スーツがパッツパツになっちゃったんだわ。


就活、ちゃんとやんなよ~の<ここをクリックよろしくね~ >

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

救急外来患者から特別料金を徴収

2011年06月02日 | 社会
数日前は暑さにまいって扇風機を出し、半そでを着たのに。。。
昨夜は電気アンカを布団に投入。今朝はホッカイロを腰にペタリと貼るしまつです(´ω`)。きょうは寒かったですねえ。で、明日はまた暑くなる予報。私は風邪をひいてしまいました。

喉が痛くてくしゃみが止まらず。まあ、この程度なら、ドラッグストアで薬を買えばなんということもありません。
しかし、以前、夜中に急に息苦しくなり、目がクラクラ、そのうち激しい腹痛と下痢。「え“、食中毒か何か??(´Д`lll)」と不安になりました。都会の一人暮らしだったので、身の周りの世話をしてくれたり、元気づけてくれる人もおらず、とっても不安が大きくなってしまいました。で、死に物狂いで布団を引き、横になって様子を見ました。
しばらくしたら、状況は少し回復。朝起きた時には、まあまあ普通に近い状態に。

ノロウイルスでした(´д`)。

救急車なんか呼ばなくてよかったなあ。("`д´)ゞ
腹痛と下痢があったあたりから、これは心臓病とか脳血管系の重要な病気じゃないんじゃね?と思い、様子を見てよかったです。
急に息苦しくなって、それが続いていたら、、、救急車を呼んじゃったかもしれません。呼吸困難って、すごーくコワイ。

で、同じ症状に陥った友達は、、、救急車を呼んじゃいました。
彼女じゃなくて、旦那さんが驚いてしまったそうです(゜▽゜; 救急車で運ばれて、でも、すぐ診断がついて帰宅。翌日、みんなの笑いのネタにされちゃいました。

本人にしてみれば、急激に体調が悪くなるので、体内で何事がおこったのかと。ノロウイルス、恐るべしです。病名が即座にわかっていれば、布団の中で我慢ができそうですが。真夜中にワケワカラン状況になると、まず、本人がパニックになってしまいますね。
どうすべきか、判断するのも自分自身なんですけど。。。

----------
【「救急外来患者から特別料金を徴収」との回答は14%】 MedPeerドクターズ・ボイス

    医療の平等性や患者とのトラブルの可能性がネック

 軽症救急患者の急増は、医療崩壊につながる大きな問題の一つとされている。昨年の中央社会保険医療協議会では、軽症の救急外来患者に対する特別料金徴収の是非が議論されたが、結論は持ち越された。医療の平等性の問題や患者とのトラブルの可能性もあり実施には難しさも伴うが、一部では、徴収に踏み切っている医療機関もある。実際、鳥取大付属病院は、2009年8月から夜間・休日に救命救急センターを受診する軽症患者(入院を必要としない患者)から特別料金を徴収しており、結果として軽症患者数が半減したと報道されている。

 では実際には、どのくらいの医療機関が救急患者に特別料金を請求しているのか。「徴収している」との回答は14.1%で、「徴収の方向で検討している」が13.5%。一方、59.5%が「徴収していない(今後も予定はない)」と回答した。これは、MedPeerが同社のサービスを利用する医師にインターネット上でアンケートを行った結果。

 徴収していない理由として目立ったのは、「民間病院が『自分のところだけ』というわけにはいかない」(30代、一般内科)、「公的病院なので徴収が困難」(40代、小児科)など、周囲の医療機関との兼ね合いや病院の性格を考えた上での判断。また、一部の患者だけから特別料金を徴収することの運用上の難しさを挙げる声もあった。徴収自体に反対というよりも、「徴収したいが、それ以上にトラブルは避けたい」というのが多くの考え方のようだ。

 これに対し、既に徴収しているとの回答は14.1%。「徴収によって平日の夜間は患者が少し減った」(30代、呼吸器内科)と効果を認める声がある一方で、「『払ったんだから診ろ』と言われると嫌になる」(40代、一般内科)といった、徴収が招いた患者の身勝手な“解釈”を嘆くコメントも寄せられた。

 「今後、徴収する方向で検討中」は13.5%。「近隣の病院と同時に、徴収に踏み切ることになった」(30代、一般内科)など、周囲の施設と足並みを合わせて決断する動きが広がりつつあることをうかがわせる回答も見られた。ただし、導入に際しては、「受診せずに重症化する患者が出てくるのではないか」(30代、小児科)など、“副作用”を懸念する意見も聞かれた。

 アンケートは11月26日から12月9日にかけて、MedPeerに登録する医師会員対象にWeb上で行われた。回答数は1989人。全コメントを含めた回答内容の詳細については、「MedPeer」サイト上にて公開中。
----------
〉徴収自体に反対というよりも、「徴収したいが、それ以上にトラブルは避けたい」というのが多くの考え方のようだ。

私はこれが意外に思いました。
「医療の平等性」って、何でしょう?

本当に苦しんでいる人と、タクシー代わりやさみしいから医療スタッフにやさしく扱ってもらいたいと思う人と、平等に扱うことでしょうか??

外国の観光地に行くと、日本のように「危険ですからここより先は立ち入り禁止」の看板のない所がたくさんあります。というか、ある方が稀かも。
観光客は「自己責任」の下、危険個所に立ち入りたまえ、というのが暗黙のルールになっています。

タクシー代わりに救急車を利用した人って、自己責任の下、立ち入り禁止区域に入っちゃった人ってことじゃないでしょうか。責任取ってほしいなと思うんですけど。


数年前、「自己責任」って言葉が大流行りしたのになあと思いだした人、<ここをクリックよろしくね~ >


なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)