乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

がん哲学外来の話その3

2009年04月21日 | 患者の気持ち
【第五話】 患者とともにがんと闘う家族について

著者が小学校で講演した時、子供から核心をつく質問を受けました。
「うちには寝たきりのおじいちゃんがいる。楽しいことは何もできないのに、何のために生きているのか。先生はどう思いますか」

「誰にでもそれぞれ立派な役割があり、寝たきりでもおじいちゃんは何もしていないわけではない。そこにいる使命があるんです」と著者は答えます。
その子が理解できたかは問題ではなく、その場でわからなくてもよい。しかし、言うべき時に言っておかなければならないことはあると。

がん患者の家族の子供も同じ。子供には子供の人生があり、家族ががんになることは、その子の人生にも大きな問題。だから、著者は真実を伝えると言います。
リスクはあるし、不安定になるかもしれない。そういう反応を含め、親が子どもの全てを受け止める準備をしておくべき。

完璧にやろうと思わず、むしろ親も完璧ではないし、立派でもないのだということを、子供にわからせることも大事。
みんな人間で、みんな悩んでいる。だからこそ、人と人はつながり慰めあう。

ポイントは、子どもの不安を和らげるため、子供に必要な情報を与えること。
例えば、がんの父を介護する母が疲れている。子供は母親に元気がないのがわかっていて不安になる。その時、「なぜお母さんは元気がないのか」を、子供に分かる言葉で説明してやる。

また、不安や疲れがたまり、子供に八つ当たりすることもあるかもしれない。そういう時も落ち着いてから、「なぜそうなってしまったのか」を説明することは大事。理由がわかって納得すれば、子供の不安は和らぐ。

がんであることを子供に言わないほうがいいと判断したら、それでもかまわない。その場合は「なぜ言わないほうがいいのか」がはっきりしていればよい。言葉としては真実ではなくても、「心」をともなわせることはできる。


著者は、「自分はこう思ったから、そうしたんだ」という、信念を持って実行したのならそれでよい、と言っているように見えます。


【第6話】 がんで夫を亡くしたある女性の話

夫の女性関係に苦しみ、離婚を何度も考えた妻だったが、夫が末期のがんになると、それまでの不満や恨みが吹き飛んで献身的に看病した。

夫が昏睡状態になり、医者が「明日までもつかわからない」と言われたのに、数日経っても夫は逝かない。苦しそうに息をする夫を見て、ふと「これほど苦しいのに死ねない理由があるのではないか」と思った。

「すまなかった」と夫は言いたいのかもしれない。苦しみながら生きているのも、その罪悪感で自分を罰しているようにも見えた。だから夫を苦しさから解放してあげたい、しかしもう会話をすることもできない。そこで心の深いところから夫に伝えた。

「色々あったけれど、今はあなたと結婚できて良かったと心から思っている。あなたのおかげで色々な体験ができた。子供も孫も授かった。あなたのおかげで私の人生は豊かだった、本当にありがとう」
翌日、夫は静かに息をひきとった。


妻の思いが夫に届いたからなのかは、誰にもわからない。しかし、妻はそう信じている。そして何より自分が夫に感謝できたことで救われたのは、自分自身だったと彼女は語ったそうです。心の奥底でくすぶっていた恨みや心の傷から自分を解放することができたからです。

「許してほしい」と思うからには罪悪感がある。罪悪感の裏には「罰せられる」という恐れがある。だから潔く謝罪できない。
また、許すのはなかなか難しい。

しかし、精算のチャンスは必ずやってくる。自分の問題を避けていても、「ものごと」が気づかせにやって来る。がんという死を意識する病を得たときは、まさにその時なのだと著者はいいます。


【第7話】 自殺未遂をした男性患者さんの話

がんが体中に転移し医師から余命宣告された男性が、希望を失い自殺を試み未遂に終わった。この患者さんに著者は、
「それでもあなたには、死ぬという大事な仕事が残っている」

男性はしばらくの沈黙の後、
「わかりました、なんとか頑張ってみます」


最後の希望を絶たれて自殺したいと思っている患者さんに、「希望を捨てずに頑張って」というのは酷。希望を持ち続けて頑張り続けてきた、その希望が絶たれて死にたくなっているのだから。死に向かって「どう生きるか」を考えた時、患者さんの表情はきりっとするといいます。
「死」という最後の仕事を立派に務め上げたい、、、人間には誇りがあります。


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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

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