紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

抜き紋(3)

2005年01月23日 13時27分32秒 | 
以前、色の生地を紋型に白く抜いて上絵する「抜き紋」について書きました。
改良三品と言う薬品を糊に混ぜて抜きますが、生地によってきれいに白く抜ける場合と抜けなく黄味が残る場合があります。(この他に赤味とかねずみ色が残る場合もあります)

最近、生地の色焼け防止の為に、染料に薬品を入れたり、含金染料といった染料を使う事が多くなり、薬品で抜いても黄味が残り白く抜けない事があります。又昔から紫系統の染料も同様の事になる場合があります。

以前は改良三品で抜けない時は、白の胡粉(樹脂)を摺込んで上絵して納品してましたが、綺麗に抜き紋された紋と比べると、どうしても紋におしろいで化粧したみたいでスッキリしません。(すっぴんがやっぱりいい-笑)
かつお客さんの呉服業者も出来る限り白をかけないで抜いて欲しいと言う要望もあって、最近では特殊な薬品を使って白く抜く様にしています(同じ料金で手間は三倍以上かかりますが)

こうしてうまく抜けた時はいいんですが、マルッキリ変わらなく抜けない時はガッカリシテ仕方なく白をかけてお化粧して仕上げる訳です。疲れ倍増です!

詳しくはこちら

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
紋ちゃん ()
2005-01-26 19:01:30
こうやって紋ちゃん達がきっちり仕事をしてくれるお陰で、和服の紋も継承されていくのですね。仕立てもそうですが、洋服のように型も取らないから簡単かと言えば、そうでもなく、身体に沿うように仕立てなければと、おばが言いながら、その人の体型を見て、寸法を微調整して縫うと言っていました。

紋入れもこだわりがありますよね。何より職人さんとして、納得のいかない仕事はプライドが許さないですね。
返信する