紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

祝着の紋

2006年02月04日 23時54分15秒 | 
赤ちゃんが誕生して30日前後に宮参りしますが、その時赤ちゃんに着せるのが「祝着」(熨斗目)です。「祝着」には当家の家紋を、男の子は当家の定紋、女の子には女紋(この地方では定紋の丸無しの紋を入れるのが多い)を入れます。

しかし、最近は時々ご自分の家紋をご存知ない方がいて、持ちこまれた「見本」を見て戸惑う事が多々あります。当の若夫婦はもとよりその親(60才台以前)もご存知ない方がおられます。

下図は最初に持ち込まれた「見本」です。丁寧に描かれています。

この紋は「井桁」の陰紋です。当の本人は『着物の紋を書いてきた』と言っていますが、本職の立場としては、これはどう見ても「陰紋」(どちらかと言うと、目立たない様に又裏紋として女紋の一つ紋として使います)だし、正式な定紋ではない、多分お母さんの羽織の紋を見て書いてきたのだろうと、思いました。
実際、今の家々に紋は、女性の留袖か喪服にしか残っていない事が多いです。『家紋額』-宣伝しようかな?ーで代々残しておられる家もありますが、お母さんの留袖の紋を「これがうちの定紋」と思い込まれている方もおられます。

それで、この図は『何を元に描かれたのか確認してください』と呉服屋さんに聞いた所、やっぱり『お母さんの羽織の紋』を描いてきたものでした。今時携帯の写メールがあって便利です!


で、持ちこまれた見本は「陰紋」であって、この紋の正式な紋は「井桁」である事、又定紋としては、多分丸が付く(たまに丸無しの井桁が定紋の時があります)事を説明して以下のような「丸に井桁」の紋を「祝着」に入れた次第です。


家紋について分からない事がありましたらーこちらからー今変なのが入ってますが削除方法が分からずすみません)

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2 コメント

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オロオロ (たーぼー)
2006-02-05 22:12:50
アナがあったら入りたい・・・・・汗
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紋ちゃん ()
2006-02-05 21:23:17
いつもながら紋ののことに関しての紋ちゃんの説明に「そうなんだ」と無知な私は驚きながら、そして紋ちゃんの何でも知っているのにも驚きながら読ませて貰っています

やっぱり紋ちゃんが入れた紋、格好いいよね。





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