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紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

白地の着物に縫紋

2008年06月25日 23時15分56秒 | 
今月の4日に掛かり始めて、やっと縫い終わりました。
神社の御祭に使うのか、単の白の着物(綿とポリの混紡)26枚にそれぞれ「五瓜に唐花」紋の『ベタの菅縫い』で三つ紋を入れました。



これは見本で来た紋で、背は、背を開かずに直接ミシンで縫ってあり、何回も洗濯をしたのか紋が引きつっています。
着物自体も安いものですし、紋も安価に納めようとしたのでしょう。普通でしたら、三つ紋で15000円はするでしょう。

こちらも枚数が26枚という事で、安く引きうけましたので、↓ のような出来あがりです。縫いの厚みは、見本の方がシッカリしてます。


1日二枚のペースで、二週間余りで仕上げる事が出来るだろうと思っていましたが、孫の誕生で少し遅れ、更にミシンの変調で日程が狂って来て、焦りました。
今まで、縫紋をする時は、一日多くて5枚。時間にして1枚縫う時間は10分程度でした。
ところが、この着物につける紋の大きさは50ミリ、1つ縫うだけで20分位かかり、1枚三つ紋で1時間以上かかりました。
それを二枚連続で縫いましたので、二時間以上はミシンが作動した事になります。
この様に長時間ミシンを作動させて事はありません。15枚位までは順調良く行きましたが、それから「五瓜に唐花」の五つのパーツの最後の所がズレて縫うようになり、形が揃わなくなりました。

仕入れ先に問合せると、メインのモーターはいいが、補助モーターの二つが壊れかかっている=寿命、というツレナイ返事。
モーターが過熱しすぎて狂ってきたのか、と思い二時間の間隔を置いて一つづつ縫うようにしたら、正常に縫えるようになって、ホッとした次第です。

いずれにせよ、このミシンは寿命が無くなりつつあるので、大事に使わなくてはいけなくなりました(泣)
この紋入れ代がミシンの修理に消えそうです(涙)

ミシンの調整とお遊びで、自分のポロシャツにも紋を入れた見ました。


「家紋G」たより(37)遅ばせながら『も』の項

2008年04月26日 23時33分33秒 | 
HPには『も』の項をアップしましたが、こちらでの紹介はいろいろと忙しく遅れてしまいました。
三月から始めた毎日二時間の裏?仕事、五月出産の娘が帰ってきた事に加え、テレビ局の取材攻勢で、あれやコレヤの毎日・・・・・・・・・・・・・・・それでも23日はゴルフしました(汗)
 
『も』の項を編集してる時、たまたま入った仕事。
着物を収納するぶんこを包む風呂敷10枚に家紋を入れて欲しいとの事。
「木瓜に二木」
この地方では『広瀬』家に比較的多い紋です。
     

    
この看板、この地方のチェーン店のマーク。
「葉敷き桃」から取ったものか?  
桃の紋はこれ一つだけです。

「家紋G」『も』の項は こちら
 
「木瓜」の中には様々な紋を入れる事が出来、種類も多くなります。

赤ちゃん専門店で見つけた「家紋入りTシャツ」
こんな幼児のTシャツにも紋がつけられる様になりました。
   

「鉄扇の紋」最終章

2008年03月25日 22時09分29秒 | 
先日私が紋を描いた「鉄扇」が出来上がりました。
依頼主の古美術商さんが、わざわざ写真を撮って持って来てくれました。

  

「丸に蔓輪?に三柏」紋と家康の詩。右端には虎の象嵌が嵌められています(分かりづらいですけど)
この鉄扇は、数ある年代物の甲冑・刀剣の陳列の中に飾られる事らしいです。

  

ご丁寧に額付です!
こちらが仕事を頂いているにも拘わらず、写真を額に収めて持って頂きました。
商いのお客さんへのプレゼントとしてのサービスとはいえ、三回も作り直して痛い出費だと思いますが、それだけの売上げがあったのでしょう。
この古美術商さんには敬意をはらいたくなりますし、好感が持てます。
芋焼酎が好き、と聞いていますので月が変ったら「伊佐美」でもぶら下げて、お宅を訪問しようと思う次第です。

「家紋G」たより(35) 『雪輪』

2008年02月22日 09時09分44秒 | 
「雪・雪輪」紋は単独に紋入れする事はなく、『輪』と呼ばれる様に、様々な紋の外枠として使われ、中に色々な紋を入れる事が出来ます。
女紋として使われる事が多く、定紋、例えば「丸に隅立四つ目」の場合、この地では女紋は『丸なし隅立四つ目』か細輪をつけて『細輪に隅立四つ目』にする事が多いです。この替え方は一般的ですので、少し趣向を変えて丸の変りに「雪輪」をつけて「雪輪に隅立四つ目」として使用するようです。その証拠に、男紋付には一部を除いて殆ど紋入れした事がありません。
   ⇒  
またその形の優雅さからか、着物の柄にもよく使われます(今は雪輪模様の着物が手元にないー汗)

    「雪輪に三つ引」
この仕事を始めた頃、この紋をよく紋入れをしました。

上の紋に比べて、↓ の紋は、少々クドイ感じがします。
    「雪輪に隅切に三つ引」
紋が、中から「三つ引」紋、「隅切」紋、「雪輪」紋と、三重になって、紋の形が複雑になっています。

こちら 「雪輪」 で紹介していますが、形の整った紋、又形のいい紋といろいろ掲載しました。

同時に、「金封袱紗」で『正絹』の袱紗を追加しました。

「珍しき紋」(29) 地方独特の紋

2008年02月17日 19時28分26秒 | 
月紋には中に色々な紋を入れる事は可能ですが、星を入れるのが多い。
「真向き月に三星」
  
黒留袖に紋入れをしました。当地・美濃地方では比較的「臼井」姓にある紋です。
   「月」紋
   「星」紋にも若干あります(星との組合せで)


名付けて「組合い藤輪に右二つ丁子巴」
この様な「藤輪」紋は描いた事がありません。
 
ブログへの投稿で、問合わせがあって初めて知りました。
送られた見本は ↓
  
初めて見る「藤輪」紋で、「繋ぎ藤輪」とでも云いましょうか、と話していましたが、出身地が『富山』と云う事で、富山の紋屋さんに問合せました。(元々は北九州だそうです)
地方地方には、独特な紋が存在する事が改めて知りました。
「組合い藤輪」という名称で、中の「右二つ丁子巴」は別として、中に色々な紋を入れて描かれているそうです。

別に注文ではありませんでしたが、面白く・珍しい紋でしたので、描いてみました。
    「藤輪」紋はこちら 

「家紋G」たより(34) 『さ』完了

2008年02月07日 17時22分33秒 | 
家紋ギャラリー「さ」の項の残り『桜・柘榴』の編集がが完了し4日にアップしましたが、まだ残ってました。
「切竹」紋です。この紋は、下のように「切竹久留子(くるす)」紋が多く、「く」の項に入れていて、見過ごしていました(汗)


隠れキリシタンの紋としてよく使われたと聞いています。

桜紋は「桜」より 「山桜」 の紋の形が好きです。よく学校の校章などにも使われています。我が高校もそうでした。

  「丸に山桜」

  「三盛山桜」
これはTシャツの紋柄としても使いました。

『桜』はこちら      『切竹』はこちら

点灯式・新作「家紋様雪見行灯」

2008年02月04日 19時00分04秒 | 
去年から暖め、少しづつ製作してきた 『家紋様・雪見行灯』 が荒削りながら完成しましたので、今夕ササヤカニ「点灯式」を行いました。





わが店の看板も古びて来て、植木に隠れるようになりましたので、店の看板として 『家紋様・雪見行灯』 を作りました。
昼間の情況は明日にでもアップするようにします。

四面差替え可能な障子で作っています。柄は今までTシャツに使っていた、私のお気に入りの「家紋柄」を使いました。
まだ、紋柄の配置など問題がありますが、差替え可能ですので何枚か作って差替えて遊ぼうと思っています。

専門家ではありませんので、木の削り方、切り方、繋ぎ方はいい加減で、恥かしい限りですが、次は屋内用の『家紋様・雪見行灯』を作って練習しようと思っています。
うまく作れるようになりましたら、商品化しようかとも思っていますが、如何でしょうか?
最近「明りフェスタ」など、『明り』をテーマにいろいろ創作行灯を作るイヴェントがあり、関心が集まっている様に思えますが・・・・・・・・・・・
(プロに任せて作ってもらう手もありますが・・・・涙)

下は、お恥かしいですけど、行灯の骨組みです(汗)
     

「家紋G」たより(33) 『笹』第二部

2008年01月25日 18時51分07秒 | 
やっと「笹」紋の項の編集が出来ました。年越しになってしまいました(汗)
これで「さ」の項は 『桜』 『柘榴』 を残すのみとなりました。

 名付けて 見本紋「竹輪笹に笠」
この紋は、当地・美濃地方には殆ど見掛けなく、私が以前東北地方の仕事をしていた時に描いた紋です。何点か掲載しましたが、全部その当時に描いた紋です。
又紋帖にも掲載されてなく、後で紹介するように美濃に「二本竹」という特殊な紋があるように、東北にも「竹輪笹」 「六枚笹に笠」など固有の紋があるようです。
この形の紋でよく知られたものは、「仙台笹」(伊達家の紋}とか「柳生笹」でしょうが、残念ながら描いてません(汗)

 見本「二本竹」
この紋も紋帖には載っていません。少しづつ形を変えて、何種類かの紋があります。
当地では、「澤田」「沢田」姓に比較的多い紋です。

 見本「雪折笹」
この紋も紋帖には載っていなく、雪の重さに耐え兼ねて折れた竹を描いています。

『家紋ギャラリー』 「笹」 第二部はこちらから 

物価情報 143円(L)セルフスタンドのプリカで。少し安くなりました。

「鉄扇の紋」第三弾

2008年01月23日 16時31分59秒 | 
二度ある事は三度ある・・・・・・・・とも言うように、三回目がありました。
依頼者は、先方にお客さんにプレゼントとして贈る(という事は無料で)ようで、私もなかなか三回目の料金は貰い辛かったですが、ヤッパリ貰いました(笑)

地紙を一回り大きく、そして詩も書いて欲しい、との要望でした。
地紙を大きくするのは、鉄扇に貼る時に余裕があった方がいいらしいです。
詩は、ある知合いの方の書かれたものを写し取って(内緒)描くもので、なかなか感じを出すのに苦労させられました。







家康と信玄の有名な詩です。
この描いた和紙を ↓ の鉄扇に貼って作るようです。



年代ものの鉄扇で、新たに象嵌(右上)も付けられました。
どのような鉄扇が出来上がるか楽しみです。

「家紋ギャラリー」『笹』第2弾 編集中