紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

ゴルフバックに紋!

2009年02月12日 21時32分07秒 | 
  
先日ゴルフのキャディーバックのフードに家紋を入れられるか?との問合せがありました。
幸い近くにお住まいの人で、早速試しに私のゴルフバックに「紋ペタくん」を貼り、もう一つ白で「刷込み紋」を作り、見てもらいました。
話を聞いていますと、クラブハウスの中でずらりと並んだゴルフバックの中で、家紋がついていると一目で分かる(車に紋ペタくんを貼った状態と同じ)から、家紋をつけてみたい、という事でした。

  
私のバックのフードは、多分合成革だと思いますが、凹凸があって貼るのが心配でしたが、うまく貼れました。

  
白インクでの刷込みは、少々凹凸に負けて、シャープさに欠けますが、合成革という事もあり、うまく刷る事が出来ました。


結局、12センチの大きさで、金で擦り込む様依頼されました。
完成したら、また紹介します。


「家紋Gたより」 (42) 「し」の項 『七宝』他

2009年02月01日 13時03分53秒 | 
久しぶりに「家紋ギャラリー」を更新しました。

「し」の項には、「字」「七宝」「蛇の目」「棕櫚」「鹿」「獅子」「柴」「菖蒲」「しだ」「鯱」「車前草」がありますが、アップできるのは字(これは次回に回します)、蛇の目、棕櫚、柴です。

  
    「七宝」紋

この紋はこれ単独では紋として描かれませんが、連続紋様として古くから使われていますし、この中には様々な紋を入れて家紋を作ります。ポピュラーな紋として「七宝に花菱」紋があります。

七宝の連続紋様を描いてみましたが、円の中心がずれて来てダンダン形がいびつになって来ました(へたくそー・・・汗)
  

  
  「見本・束ね柴」紋

「柴」紋は紋帖には少ししか掲載されていませんが、この地方ではいろいろな形の「束ね柴」紋があります。「犬飼」姓に比較的多いかと記憶しています。

  「家紋ギャラリー」『し』はこちら

貼り紋の使い方 PART?

2008年11月27日 17時11分26秒 | 
  

これは子供用の陣羽織に直径10センチの「丸に鷹の羽」紋の張り紋を貼ったものです。

陣羽織の色目は金茶色で、紋は金で刷り込みました(色の感じが出ていません)。実際貼った感じはあまり目立たないようですが、お客さんの要望でしたので仕方ありません。いっそ”赤”で刷り込んだ方が目立ったかもしれません。
以前紹介した、甲冑武者のお一人からの注文でした。
地色の生地に合う色の布を探しましたがなかなか見つかりませんでした(汗)

  

これは「丸に蔦」紋の貼り紋。

最近、祭用だと思いますが、黒の半被につけたいとの注文で、15センチの大きさで作りましたが、汚れがつき自家用にしました。
襖にうちの猫・トラが引っ掻いた跡があり、それを隠すべく貼ってみました。(ふすまには襖用の紙でもつくりますが)




「家紋Gたより」(41) 『す』の項 「すはま」「鈴」・・・・・

2008年11月14日 18時59分45秒 | 
家紋ギャラリー『す』の項には、前の「杉」紋の他に「隅切角」「水仙」「菫」「すはま」「鈴」「雀」「炭」紋がありますが、「隅切角」紋は次回に回すとして、残りの紋を紹介しました。
「菫」「炭」紋は描いた事がないようです。
また、各紋に関して、「すはま」はよく描きますが、紋の種類は少なく、描く機会も少ないです。

      「見本・六枚笹に雀」
「雀」紋は描いた種類は少なく、雀単独で描くより、上の「見本・切竹笹に雀」紋のように、笹紋と結びついた紋をよく描きます。

『切竹笹に雀』はこちら  

      「見本・鈴」
巫女さんが持つ鈴のようです。
この紋も、上記の雀紋と同様数が少なく、又描く事が珍しい紋で、「幣」紋と結びついて「鈴違い幣」紋として時折描きます。

      「見本・違い幣に立ち鈴」

「鈴」紋は神社と関係が深く、鈴木性に多いと聞きますが、現在「姓と紋」について調査中?で、この地方では鈴木姓に多いとは今の処断言できません。

   「すはま」「鈴」「水仙」「雀」紋はこちら




「家紋G]たより(40)『杉]・刷込み紋の型

2008年11月05日 20時07分32秒 | 
家紋ギャラリー「す」の項・『杉』をアップしました。
杉紋は、「三本杉」「三盛杉」などの他はほとんど見本紋で、枝の数が違ったり、足の形が違ったりで、いろいろな種類があります。
「三本杉」紋で注文が来ると、必ず紋帖と照し合せたり、見本を頂く事にしています。

      家紋ギャラリー「す」 『杉』

また、上絵紋は筆でその通りに描きますが、刷込み紋になると、枝が細かくなり、昔(昭和50年代前半まで)は略して描いていました。

      
    「丸に並び杉」         「丸に見本・三重ね杉」

違いが分るでしょうか?「木」のライン、「枝」のラインの描き方が違います。

今は右の「三重ね杉」紋のように、上絵紋の通りに描いています。
昔は、型は渋紙を彫って作りますので、細かい木、枝の部分は彫りづらく、上の「丸に並び杉」のように彫って描きました。

下が、昔の渋紙で作った型です。
   
      「三つ杉」
   
      「丸に三本杉」



今は写真製版の技術が発達して、細かな所まで描く事が出来、下のような版で刷り込みます。
最近のお客さんは、「上絵紋」と「刷り込み紋」の使い分け、区別が理解できず、紋帖に描いてある通りの「上絵紋」を要望され、こちらは困惑しますが、且つ間に入るお店の方も少々理解が浅く、負けてしまい、「上絵紋」の様に「刷込み紋」を描いています。
このように描けるのも、製版技術が進歩したおかげです。
      



張り紋の使い方 PART?

2008年11月03日 10時13分06秒 | 
『貼り紋』の注文では、6枚=1セットで送っていますが、1枚は予備ものです。
先日黒紋付きの貼り紋の注文で、尺八を吹かれる方で、予備の1枚を尺八を納める袋に張られて、写真を送って頂けました。

以前にも弓、兜、刀に貼られた方もいらっしゃいましたが、いろいろなご自分の物に貼って頂けることは、当方にも嬉しい限りです。

   

   

    「張り紋」はこちら

追伸  風さん、この人、高知の人でした!

色紋付の上絵・動画限定版

2008年09月17日 14時22分16秒 | 
現在の上絵は、手直し以外は印刷で描いていますが、手描きで描く機会がありましたので紹介します。
    
        
このページではアップ出来ませんでした(画像の拡張子が違うみたい)ので、下記のURLから入ってください。
拙ホームページの容量も少なく、全編紹介は出来ません。
一部ですが、「上絵」の様子が少しでも分かっていただけたら、幸いです!

      『こちら』

        <一週間限定の紹介です>

後、「色差しの様子」を予定しています。


「家紋G」たより(39) 『と』の項

2008年08月24日 18時08分23秒 | 
『と』の項には、巴・蜻蛉・鳥居・獨鈷(とくこ)紋がありますが、残念ながら「獨鈷」紋はまだ巡り合っていません(汗)

     
この紋は「左三巴」で、よく見かけられるごくポピュラーな紋で、神社仏閣の瓦にも用いられています。これは、「巴」が水をあらわし、防火の意味もある為です。
「巴」紋は、紋帖には種類が多く掲載されていますが、私はそんなに多くの種類は描いて来ていません(汗)
上の「左三巴」は、巴紋で一番よく描く紋であります。

 
前の大河ドラマ「風林火山」で板垣氏の兜の「一つ蜻蛉」紋。
「一つ蜻蛉」は紋帖にも掲載されてなく、「對い蜻蛉」を多く描いてきましたが、これは全て見本紋です。
    
この紋のトンボは、実物と比べてスマートでなく、何故か肥ってメタボ気味です。

「鳥居」紋は一つしか描いていません。

            『家紋ギャラリー』 「と」の項


「家紋G]たより (38)

2008年07月23日 19時58分49秒 | 
久し振りに「家紋ギャラリー」を更新する事が出来ました。
    『家紋G』 「ひ}
『ひ』の項には<菱><引(両)><柊><引違い><日足><瓢>があります。
菱・引紋の種類はそこそこありましたが、柊・引違い・日足紋はは描いている紋の数は少なく、瓢紋は千成瓢箪の秀吉の近所だというのに全然描いていない様です。

で、手描きで使っていた『紋型』を捜してみてみましたが、やはり菱・引・柊紋の型はありましたが、引違い・日足・瓢紋の型は無かった。ここズ―ット使わなく、棚の奥底に仕舞っていたので、何処かに紛れ込んでいるかも知れません。

久し振りに昔の紋型を見ましたので、一つ紹介します。
    
「丸に枝付き一つ柊」とでも云いましょうか。
かなり古く、風化しかかっています。
油紙を切抜いた物で、伊勢型紙の様に細かい所をキチット彫るのが、染料を刷込んだ後の仕上げが楽にさせます。
まだツヤツヤした、今でも使えそうなシッカリした型もありました。
ページの方に一部アップしましたので、よろしかったら覗いて見て下さい。

     
「揺り結び柏」紋です。
これは、お客さんが見本として持ち込まれたもので、私が描いたものではありません。
その正確さには驚かされました。建築か機械の設計をやっておられるのでしょうか。各弧の中心をも割出して弧を描いているのが分かります。私共はそこまで正確には描いていません(汗)

まだまだ暑い日が続きそうです。
皆さん体調には気を付けて下さい!!!!