まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

面白いからやってみた♪三百人収容ホールでカラオケ遊び

2022-01-31 18:46:04 | 日記

あの。バカみたいな話なんですけどね。

打ち合わせでホールスタッフさんに夫が放ったファーストトーク。

スタッフさん仮面みたいな笑顔で半歩じり下がる。

(何言うてますの。言い出しっぺあんたやないか。)心の中でツッこむ私。

一昨年病気になった私たちの「カメラの師匠」のリハビリにカラオケが有効らしい、

さりとてこのご時世、狭いカラオケルームに篭るのもちょっと怖い、

じゃあうーんと広いホール借りたらいいんじゃない?って思いつきから

検索したら偶然土曜日のいい時間に公共のホールが空いていた。

利用者カードを持っている友達に付き合ってもらって現地に予約しにいったのだが

これまでにも音楽イベントを散々主催してる友達も「前代未聞。どうなるんだろうね。にひひ。」

大まかなスケジュール感と演者の組数なんかを話しながら

まあ1回目だし楽しけりゃいいのよ、って励まされた。え、これ2回目もある?ある?

早速SNSで告知。「手伝いに行くよ〜」「応援に行くよ〜」って人がパラパラ入ってきたが肝心の演者希望が無い。

少し経って、アコギ弾き語りの先輩P氏や、食いしん坊友達F氏が参加表明。

さらに普段は有料でライブやってるロックバンドヴォーカルのA氏が出てくれるという。

あとは個別にフィッシングなどもして、既定コマ数を達成。

いやーみんな個性豊かで、メンバーリスト見てるだけでワクワクする。

最後の最後、遠方からI夫妻が参加表明。日程調整できてよかったよ。

でも後で聞いたら、一体全体どういう集いになるものなのか、主旨はなんなのか、みんな迷走してたらしい。

リハビリを励ますためにがんばれソングを歌うべきだよね、って話してる方面があるらしいことを知って

いやいや、何しろ音楽ホールよ?こんなチャンス滅多に無いから、とにかく歌いたい歌、得意な歌持ってきてね

って言って回ったりしてね。

とか言いながら私は師匠が若い頃追っかけてたという、早見優ちゃんを演るつもりだった。

しかし、ホールスタッフさんの「声援はお控えください」っていうのを聞いて諦めた。

恋かなー?イェース!ができないじゃんか。

最初につまづいたのが機材。なんとなく、スマホアプリでイケるんじゃない?って思ってたんだけど

無線だと不安定だったり、キー設定が変えられなかったり、歌詞が読みにくかったりでNG。

ホールスタッフさんによると、カラオケ大会っていうのはあることもあるが、100%近所のカラオケ機材レンタル屋がやって来て音響は全部やるんだって。でもそれ高くつくなあ。演者で費用頭割りなので、なるべく安くしたい。

既存の楽曲からメロディだけ消去するソフトがありますよ、とか

歌いたいカラオケ音源をダウンロードして持ち寄るのはどうか、とか

みんなもアイディアたくさん出してくれたんだけど

行き着いたのはよく他の友達のところでやってた、ニンテンドーのゲーム機を使ったカラオケ。

switchならムスメに借りたらいいや、と思ったら、「どう森やってるから長期間とか貸せない」だと。

ちょうどクリスマスだし、運動不足解消にリングフィットアドベンチャーやってもいいし、と

買っちゃった。switch。必要な周辺機器も色々と。自宅で起動したら、すっごく普通にカラオケできて笑う。

さて機材が揃ったので、今度は演者のみんなに曲目エントリーを募る。歌いたいのが被っちゃ悲しいからね。

あみだくじで順番も決める。出来たセトリはこんな感じ。事前にキー設定も確認しておいてねと。

忘れていいの(谷村新司)*男女二人分を一人で情景豊かに歌いあげる。おさすが。

冬の稲妻(アリス)*パワーボーカル炸裂の二人組。名曲。

Woman(薬師丸ひろ子)*気分は紅白。ペンライト振ってもらって気持ちよかった。

君は天然色(大瀧詠一)*爽やかでイケてるサウンド、いまだに鮮明だった。

海岸通り(イルカ)*何故か清志郎やら元春やら千春も登場。聞いていた小学生女子「あの人はお笑いなの?」

木綿のハンカチーフ(太田裕美)*可愛い。こんな彼女欲しかった。私なら振らないのに。

風になりたい(The Boom) *サンバのリズムで会場みんなが乗りまくり。

ロマンス (岩崎宏美)*迫力のあるロマンス をお届けしてくれた。

ブッダの様に私は死んだ(坂本冬美)*ハンドメイドのラッパが最高。

喝采(ちあきなおみ)*愛情と年季に裏打ちされた、まさに芸術的歌唱。

あずさ2号(狩人)*最後繰り返しの直前に終わったと思って拍手もらったから「もう一回ね」サイン送ったよね。

元気を出して(竹内まりや)*磨かれたヴォーカル、艶やかな声がこの歌にぴったり。

Everything has changed(Tayler Swift&Ed Sheeran) *耳に残るリフレインが心地よいデュエット。二人ともめちゃ上手い。

長い夜(松山千春)*そうかこのためにわざわざ髪を・・・伸びやかな歌唱で魅了されました。

TAXI(鈴木聖美)*大人のしっとりした歌。素敵。

Find the Way(中島美嘉)*歌の世界に惹きこまれました。

ひとりじゃないの(天地真理)*マリちゃん大好き。二人でいるって素敵なことね♪ラブリーな歌唱でした。

壊れかけのRadio(徳永英明)*雰囲気のある切ない歌でした。終盤のハスキーボイスが。

少年時代(井上陽水)*しみじみ聴いてしまう歌。そしてあの素晴らしい歌い手の息子のお父さんなのだと改めて。

蝶々結び(Aimer) *いやもうこれは。反則でしょう。全員号泣。

オリビアを聴きながら(ハナレグミ )*こんなにグイグイなオリビアもあったのですね。かっこいい。

ありがとう(奥田民生井上陽水)*ありがとうを叫びたいのは私たちです。師匠。素晴らしいパフォーマンス。

そうだ、オーディエンスのためにフライヤー作ろうかな、と思い立つ。

プロのデザイナーが三人もいる中で勇気あるなー私。Wordでチマチマ作成。

アー写とかコメントとか募集したけど、コメントの半分は私がゴーストライターだよ。

締め切り過ぎても送ってこない5人には「おめでとう♪あなたが最後の一人よ♪」ってメッセ。

さらに、3時間聴きっぱなしも死んじゃうから、休憩時間にお菓子を食べてもらおうと思って

毎度お馴染みアトリエ結心さんに発注。

そしてダメ押し、どうしても本番で機材トラブルが起こったときのために私の可愛いマーチンを。

私は弾けないけどギタリスト二人いるからね。それに、ステージに飾ってあるだけで可愛い。

デュエットやコーラスで絡む方々とは個別にカラ鉄で練習。

ピンで歌うのもいいけどやっぱり私は誰かと一緒だったりみんなとだったりが楽しいなあ、と思った。

受付や会計、録画、マイクの消毒など、みんな率先して一緒に働いてくれた。ありがたいありがたい。

蔓延防止法で出来なくなったけど、打ち上げや二次会もそれぞれ幹事さんが決まってた。

様々準備整いまして、本番の2日前。夫が「なんか調子悪いからPCR受けてくるわ。」と。

それ、私はパスしてる場合じゃ無いよね。同居人なんだもの。

その日のうちに結果が分かるという検査センターに行って来た。

が、なんだか色々ヤバイところだった。ここで書いてるとアレなのでまた後日。結果は陰性。

しかし夫、今度は胃腸炎で翌日も出勤できず。私も頭痛で早退。

翌朝、本番。気合と根性で現地に向かう夫。私はバファリンで元気。

まずはわざわざこんな遊びに仕事で付き合ってくれるホールスタッフさんにご挨拶。

あ、ここで一つやらしい話していい?昔、古巣の合唱団の演奏会を地元の公共のホールでやるときに

振り付けの偉い先生(紫綬褒章とかもらっちゃうくらいの人)がスタッフさんを

「〇〇さん」ってちゃんと名前で呼んでたんだよね。

大体毎年同じ人が担当してくれるので、「〇〇さん、今年もよろしくお願いします。」とかさ。

とにかく音響も照明も指示が細かくてもう嫌になっちゃうだろうと思うのだが、

そうやって固有名詞で頼まれるとなんか嬉しそうなんだよね。

ということで私も打ち合わせシートに書き込まれた名前をしっかりチェックして固有名詞呼び。

さらにゆっこちゃんのお菓子を3つずつ包む(太っ腹)。今日お世話になります、と先渡し。あざといわー。

肝心の機材も無事に音が鳴り、サウンドチェック(という名で私が歌い散らかした)も終えて、

みんなでステージで輪になって自己紹介し、さあ本番スタート。

オーディエンスは4人だけだったので、かなり緩い廻しとなった。

余った時間に即興で6曲ぶっ込んで(さすらい 横浜ホンキートンクブルーズ 大都会 晴々 未来予想図Ⅱ 道化師のソネット)

大トリは師匠夫妻による15分。師匠はステージへの移動こそWheel(電動車椅子)だったが

しっかりと二本の脚だけで立って、杖も使わないで、一曲歌い切った。

ちゃんと歌詞が聞き取れるし、リズムにも乗ってるし、音程も外してない。

後で歌詞カードを見せてもらったら、息継ぎする箇所や発音に気を付けるところなど

細かく書き込みがしてあって、そこに費やされた時間の長さを思ったら泣けてしまった。

出来ないことが出来るようになる喜びの前に、出来ていたはずのことが出来なくなった悲しみの辛いことは

本人にしかわからないことだけど、発症から1年半経って、師匠はそれを嘆くだけでは無くなった。

今までとおんなじには出来ない、じゃあどうしたら出来るのか、探して努力している。

ずっと我が家の家族写真を撮ってくれてる師匠に、この春ムスメのウエディングドレス姿を撮ってもらえることが

私には何よりも嬉しくてありがたい。

ドレス?

あ、私のドレス。この日のためにヤフオクでポチったのに届かなかった。

時の川をオールもなしに流されていく船に乗っているらしい。マジか。着る機会もう無いぞ。

ということで皆さん

to be continued

*写真はKelly Creaさん。ありがとうございました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿