どこでもいいわよ、お花が綺麗なら。
旅に誘ったら母からそうお返事が来ました。
秋の花を色々探して、「岐阜ワールドローズガーデン」なるものを発見。
ついでに名古屋も楽しもうということで2泊3日のすちゃらか旅です。
地下鉄の改札出たとこで待ち合わせね、といったのになかなかこなくて、あっマナーモードだったとおもってスマホみたら、エレベーター乗ったらなぜか2階にきちゃったとありました。
早めに約束しといてよかったよ。新幹線はほぼ満席で、指定買っといてよかった。一時間ちょっとで名古屋着。
コインロッカーの空きを掲示板で確認。え?ない?
とりあえずホテルへ。歩いて10分だけど母おごりでタクシー。
大きな荷物を預けたら再度タクシー拾ってノリタケの森へ。
赤レンガのすてきな建物とヨーロッパ風の水と緑の空間にテンションあがります。
ショップで優しいお花の模様のマグを買ってもらったよ。蓋もついてる。
母はローズ柄のカップソーサーセットを5つ買いました。
それからミュージアムへ。
ノリタケは明治に輸入商だった森村きょうだいが、このまま日本円が海外に流出しつづけるのはまずい、と、ディナー皿を作って輸出したのがはじまりだそうです。
ボーンチャイナのボーンは牛の骨。海外で焼き上がりの質感をよくするために土に骨粉をまぜて陶器にしたと。知らなかったわ。ノリタケは地名です。則武と書くよ。
オールドノリタケの繊細な飾り付けとセンスに感動した。よくみると、あこちゃんのアイシングにも似てるな。
日本伝統の絵を描くひとたちに、これからは西洋風の絵を描くようにと説得するのが大変だったらしい。松の木に羽を広げるオウムの絵が、異文化との融合にチャレンジする瞬間を象徴してるんだって。
買い物、鑑賞終わって楽しみだったランチへ。レストランキルンはノリタケのお皿でフレンチを楽しめるということで、シェフのスペシャルランチを予約していました。
メインの牛タン赤ワイン煮込みは見事でした。栗のポタージュおいしかった。デザートのキャラメルポワールも。ただ、バスの時間がせまってるので、ギャルソンをせかすというね。
メーグルというなまえの観光バスで徳川美術館へ。車内アナウンスは家康様でした。降りるものはブザーを押すがよい。だってさ。でも英語ではちゃんとpleaseって言ってたよ。
途中、名古屋城を遠目で確認。母は、城見学はきらいなんだって。そこで戦いや死があったからって。
美術館の入り口は長蛇の列で、なにかというと、刀剣を最前列で見たい人だった。もちろん母はそんなの見ません。なんなら、第六展示室に直行したいっていって順路逆走。
そこには源氏絵巻がありました。惜しいのはレプリカだったこと。絵巻の説明ムービーみてたらうっかり寝ちゃった。振り返ると母も船こいでたよ。
平安のお姫様は、美しい挿絵を眺めながら、侍女の朗読する物語を聞くということをしてたそう。
長年観たかったという絵巻を見た母の感想は、あーつまんなかった。でした。いつか本物を見られるといいね。
それから土砂降りの庭園を歩いてはみたものの、しんどいのでそそくさメーグルに乗りました。名古屋駅まで行って、またタクシーでホテルへ。
前方に並んでた紳士の靴にスタッズがついてて驚く。派手なのがすきなのは、信長や秀吉の流れなのかしら。
そしてホテルの部屋に入って今度はアイランド型の洗面台にでかい丸い鏡があり、裏に金鯱の鱗模様がついててさらに驚く。
夕ご飯を18時に早めてもらって、創作フレンチ的なのを食べました。鴨ソテーが美味しかった。
部屋に戻ってお風呂。広いバスタブが嬉しい。そういえば2グレードアップしてくれたんだった。アメニティも洒落てました。バスソルトまであったよ。
ドライヤーも洒落てて、スイッチがどこにあるか一瞬わからなかった。「冷風はどうしたら出るかしら?キューティクルが。」って母。私は多分、母の年齢になった時、髪の美しさを気にしたりできないと思う。
肩をマッサージしてくれるというのでお願いしました。ディープブルーのクリームやオイル、サプリ、フェイスパックまで用意して来てくれたよ。
私もするよと言ったのに固辞された。全然凝ってないんで、だって。
さて久しぶりに誰かと同じ部屋に寝る夜、眠りに落ちるまで少しかかったけど、気付いたら朝でした。
7時半に朝食、普段朝ごはんなんて食べないので体が驚いてた。フレンチトーストの中に生ハムとチーズが挟まってた。新しいわ。
タクシーで駅に向かい、名鉄に乗ります。目指すは岐阜の可児(かに)という町です。明智駅まで1時間くらい。ワールドローズガーデンへはまたタクシーを呼びました。バスがちょうどいいのがなかった。
今回、タクシーたくさん奢ってもらっちゃったな。本当はバスもスケジュールに組み込んではいたのですが、待ってるくらいなら行っちゃおう、って感じでした。
タクシーの運転手は雨の中降りていく私たちに、昼からは晴れますよと言ってくれた。それはもちろん知っているのです。
おかげで雨にしっとり濡れたバラをたくさん写真に収めることができました。
帰りのタクシーの運転手曰く、秋バラは春バラに比べて色も香りも濃いのだそう。胸いっぱいのバラの香り、癒されました。そしてだだっぴろく、人が少なく、贅沢な気持ちでした。
一番素敵だったのはオールドローズガーデンと名付けられたエリアかな。一重のすっきりした花や、小さく密集してるミニバラは懐かしく可愛かった。
もちろん、クイーンエリザベスやらプリンセス美智子やらも立派で素晴らしかったけど、ほっとする嬉しさがありました。
一面赤と黄色のケイトウが植えてある丘もあり、圧巻でした。ケイトウは英語でも鳥の前髪って言うんだね。面白かった。
ランチはカフェテリアで、母はカレー、私はパスタ。「お米が久しぶりで嬉しいわ」と母。日本人だねえ。
JRの可児駅と名鉄の新可児駅は隣り合ってますけど、仲良くなれないそうです。JRの中央本線で今夜の宿、恵那へ向かいます。
旅のプランを立てる時、岐阜がこんなに広い県だと知らなくて、白川郷や下呂温泉もまわれるかななんて思ってたら大間違いでした。
景色と温泉が楽しめてアクセスが良いところを探して、恵那峡にたどり着いたというわけ。
名古屋のホテルは四つ星でしたがこちらはちょっとリーズナブルにかんぽの宿。高台にドーンとそびえて部屋からの景色が素晴らしかった。
こちらもご飯を5時20分に早めてもらって、早く眠る戦法。飛騨牛と松茸づくしのご飯、美味しかったけど食べきれなかった。(母は完食。)
温泉も気持ちよく、今度は双方向マッサージをして就寝。ちょっと寒かったのでセラミックヒーター持って来てもらいました。
母の体力の土台は、若い頃ワンゲルだったことに加えて、40代からはじめたウォーキングラリーが大きいとのこと。
はじめたきっかけを尋ねたら、とても長い物語を語ってくれましたがウォーキングにまで到達しないまま終わりそうで思わず突っ込んだよ。
子供もだいぶ手を離れ、結構アクロバティックな仕事(メンタル的にね)をしていて、体力ちゃんとつけなきゃいけないと思ってるところに
歩くイベントを見つけたんだって。東松山のスリーデイズマーチは何年も継続して参加していました。そこからホノルルマラソンに繋がるんだよね。
そして、いっぱい歩く日は足指にサージカルテープを巻いておけ、と。汗で湿って擦れると外傷になるんだってさ。
今回おすすめに従い巻いてみたらとても快適でした。
翌日、朝ごはんをなぜかモリモリ食べてしまった。母が、やっぱり3食食べるのは大事なのよ、と言いました。
岐阜のご当地お惣菜が目新しくて美味しかった。ちょっと塩分過多になったけどね。
チェックアウト後も荷物を預かってもらって、恵那峡の遊覧船へ。の前に、大井ダムを見に行ったよ。
大井ダムは大正時代に作られた日本初の水力発電用ダムです。これが出来る前は暴れ川だった木曽川が、ダムの手前は静かに凪いだ湖に。
遊覧船では川を遡り、荒々しく削られた岩などを眺めることができました。虚無僧だの亀だの屏風だの、いろんな名前がついてる。
でも一番びっくりしたのは山の中腹にデデンとあるオレンジ色の岩。紅岩って言うんだって。
峡谷は紅葉の季節は観光客でごった返すとか。川岸の桜も、春にはさぞや美しいだろうと想像できます。
深まりゆく秋のくすんだ温かい色合いの山は十分楽しめたし、何より、人が少ないのは最高だね。
宿に戻り荷物を受け取って、宿の車で恵那駅まで送ってもらいました。お土産は栗きんとん。この時期限定の作り立てのやつ。
めちゃめちゃ美味しかった。山道を散策してる時、栗のいががたくさん落ちてたよ。
旅の締めは名古屋飯ランチ。矢場とんで味噌カツをかっくらう。美味しかった。母が私の家族のお土産にとお弁当まで買ってくれました。
帰りの新幹線もなかなかの混雑ぶりでした。平日なのに。富士山が大きく見える瞬間を逃さないようにしっかりチェック。
そして今回お留守番だった父を今度はどっかに連れ出そうと話しながら帰って来ました。
夕方早い時間に帰れたので、ちょっと休憩してからGoogleフォトでアルバム作って、母にURL送りました。
旅、完結。喧嘩もしないで病気にもならず元気に楽しめて良かったです。
次はどこ行くかな、妹ちゃんや娘も誘うかな。父や夫は行き先によっては来るかな。
メモ
ニッコースタイル名古屋
かんぽの宿恵那
ノリタケの森
徳川美術館・徳川園
岐阜ワールドローズガーデン
大井ダム
恵那峡
レストラン・キルン
ローズ・ガーデン
矢場とん
メーグル
可児タクシー
金鯱タクシー
恵那峡遊覧船